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公益財団法人日本ユニセフ協会
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ガザ地区:北部では2歳未満児の6人に1人が急性栄養不良-急速に脅かされる子どもたちの命【プレスリリース】

ユニセフ等、ガザ地区の栄養に関する新報告書

公益財団法人日本ユニセフ協会

上腕計測メジャーで、栄養不良を意味する「赤」が示された2歳のリーンちゃん。戦闘激化前は、適切な薬の治療や理学療法を受けて健康状態が改善しつつあったが、今は体重も激減し、深刻な急性栄養不良に直面している。(ガザ地区、2024年2月15日撮影) © UNICE上腕計測メジャーで、栄養不良を意味する「赤」が示された2歳のリーンちゃん。戦闘激化前は、適切な薬の治療や理学療法を受けて健康状態が改善しつつあったが、今は体重も激減し、深刻な急性栄養不良に直面している。(ガザ地区、2024年2月15日撮影) © UNICE

【2024年2月19日 ジュネーブ/ニューヨーク/ローマ発 】


ユニセフ(国連児童基金)を主導機関とし、栄養に携わるさまざまな機関・団体が集まったグローバル栄養クラスター(Global Nutrition Cluster)が発表した総合的な新しい分析によると、ガザ地区の子どもや妊娠中・授乳中の女性の間で栄養不良が急増しており、彼らの健康が深刻な脅威にさらされています。


* * *


ガザ地区で進行中の戦闘が間もなく20週を迎え、食料と安全な水が信じがたいほど不足し、疾病がまん延している中、女性と子どもの栄養と免疫が損なわれ、急性栄養不良が急増しています。

 

報告書「ガザにおける栄養の脆弱性と状況分析(Nutrition Vulnerability and Situation Analysis-Gaza)」によると、とりわけ何週間にもわたって支援がほぼ完全に途絶えているガザ地区北部の状況はきわめて危険です。北部の避難所や保健センターで実施された栄養検査によると、2歳未満児の15.6%、つまり6人に1人が急性栄養不良であることが判明しました。このうちほぼ3%は、栄養不良の中でも最も生命を脅かす形態である、重度消耗症に陥っているため、緊急処置を受けなければ、合併症や死の危険にさらされます。このデータは1月に収集されたものであるため、現在の状況はさらに深刻である可能性が高いとみられます。

 

ラファのユニセフが支援する小児科のテントで、栄養状態を診てもらうため列に並ぶ子どもたち。(ガザ地区、2024年2月15日撮影) © UNICEF_UNI519930_El Babaラファのユニセフが支援する小児科のテントで、栄養状態を診てもらうため列に並ぶ子どもたち。(ガザ地区、2024年2月15日撮影) © UNICEF_UNI519930_El Baba

支援が入ることのできているガザ地区南部のラファで実施された同様の検査では、2歳未満の子どもの5%が急性栄養不良であることがわかりました。これは、人道支援へのアクセスが必要であり、それが最悪の結果を防ぐ一助となるという明確な証拠です。また、ラファを軍事行動激化の脅威から守るよう、各機関が呼びかけていることを補強するものでもあります。

 

ユニセフ事務局次長のテッド・チャイバンは以下のように述べました。「ガザ地区では、未然に防げるはずの子どもの死が爆発的に増加しつつあり、すでに耐え難い数の子どもが亡くなっている状況をさらに深刻化させるでしょう。私たちは何週間も前から、ガザ地区が栄養危機に瀕していることに警鐘を鳴らしてきました。今、紛争が終結しなければ、子どもたちの栄養状態は悪化し続け、予防可能な死や健康問題がガザの子どもたちの一生に影響を及ぼすとともに、世代を超えた結果をもたらす可能性があります。

 

ここ何カ月かの戦闘以前は、ガザ地区における消耗症はまれで、5歳未満の子どもで急性栄養不良に陥っているのはわずか0.8%でした。ガザ北部では2歳未満の子どもの15.6%が急性栄養不良、というこの数字は、深刻かつ急速な状況の悪化を示しています。人々の栄養状態がこのように低下することは、世界的にみても前例がありません。

 

食料、水、保健・栄養サービスが憂慮するほど不足しているため、ガザ地区全域で栄養不良が増加し続ける危険性が高いのです。以下は、調査結果の一部です。

  • 2歳未満児の90%、妊娠中および授乳中の女性の95%が食事多様性の重度の不足に直面しており、これは前日に摂取した食べ物の食品群が2種類以下であることを意味します。また、彼らが手に入れられる食べ物には最低レベルの栄養価しかありません。

  • 95%の世帯が食事の回数や分量を制限しており、64%の世帯は1日1食のみで過ごしています。

  • 95%以上の世帯が、受け取った食料のうちおとなの分を制限し、小さな子どもたちに優先的に食べ物を与えていると回答しました。

 

上腕計測メジャーで栄養状態を診てもらい、すぐに食べられる栄養治療食(RUTF)を受け取った3歳のアクラムちゃん。(ガザ地区、2024年2月15日撮影) © UNICEF_UNI519936_El Baba上腕計測メジャーで栄養状態を診てもらい、すぐに食べられる栄養治療食(RUTF)を受け取った3歳のアクラムちゃん。(ガザ地区、2024年2月15日撮影) © UNICEF_UNI519936_El Baba

調理用や衛生用の水の不足に加え、飲用に不適切な水が栄養不良を悪化させています。調査対象世帯が利用できる安全な水は、平均して1人1日1リットル未満。人道的基準によると、緊急時に最低限必要な安全な水の量は、1人1日当たり3リットルで、一般的な基準では、飲料、洗濯、調理に十分な量を含み、1人当たり15リットルです。

 

ガザでは、人々は飢え、渇き、弱っており、病気にかかる人が増えています。報告書によると、5歳未満の子どもの少なくとも90%が1つ以上の感染症にかかっています。70%が過去2週間に下痢をしており、2022年の基準と比べて23倍に増加しています。

 

人道支援をさらに投入しなければ、ガザ地区全域で栄養状況は急速に、そして大規模に悪化し続けるでしょう。保健、水、衛生サービスの大半が著しく損なわれている中、病気のまん延を防ぎ、栄養不良の悪化を食い止めるためには、まだ機能しているものを守り、強化することがきわめて重要です。

 

中に何も入っていない鍋を持ちながら、自分たちと家族のために食べ物を探しに行く子どもたち。(ガザ地区、2024年1月31日撮影) © UNICEF_UNI521739_El Baba中に何も入っていない鍋を持ちながら、自分たちと家族のために食べ物を探しに行く子どもたち。(ガザ地区、2024年1月31日撮影) © UNICEF_UNI521739_El Baba

ユニセフなど3国連機関は、ガザ地区全域に多部門にわたる人道支援を緊急に提供するため、安全で妨げのない持続的なアクセスを求めます。これには、栄養不良や危険な状態にある子どもや女性たち、とりわけ5歳未満の乳幼児が、保健・栄養ケアや治療を安全に受けるために必要なアクセスや、栄養価の高い食料、栄養補給物資、必要不可欠なサービスを得られることが含まれます。またきわめて重要な治療やケアを安全に提供できるよう、病院と保健医療従事者は攻撃から守られなければなりません。即時の人道的停戦が、命を守り、苦しみを終わらせるための最善の機会をもたらすことは変わらないのです。


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■ ユニセフについて

ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念をさまざまな形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています。 https://www.unicef.or.jp/

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます

 

■ 日本ユニセフ協会について

公益財団法人 日本ユニセフ協会は、33の先進国・地域にあるユニセフ国内委員会の一つで、日本国内において民間で唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 https://www.unicef.or.jp/

 

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官公庁・地方自治体
本社所在地
東京都港区高輪4-6-12 ユニセフハウス
電話番号
03-5789-2016
代表者名
赤松良子
上場
未上場
資本金
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設立
-
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