伝統のスタイルに改革が加わり、イングランドが初戦勝利。大西将太郞、菊谷崇が見た「エディー・ジョーンズ、新たな挑戦」

 

ついに2月6日(土)にラグビー欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」が開幕。イングランドはアウェーでスコットランドと対戦し15-9で勝利。エディー・ジョーンズHC(ヘッドコーチ)が見事にイングランドでの初陣を白星で飾った。

WOWOWでこの試合の解説を担当したのは、先月、引退したばかりで「海外ラグビー通」でも知られる、元日本代表CTB大西将太郞(豊田自動織機シャトルズ)。そしてエディー・ジャパンでも3年間プレーし、2013年末から2014年にかけてイングランドのサラセンズにも在籍した、元日本代表主将No.8菊谷崇(キヤノンイーグルス)だった。ワールドカップにも出場した国際経験豊富な2人はこの試合をどう見たのか。

大西:「第1節ということで注目されていた通り、イングランド代表の指揮官に新しく就任したエディー(・ジョーンズ)さんがどういうラグビーをするかが見どころでした。スコットランドもワールドカップからヘッドコーチも選手も変わっておらず、仕上がりの部分ではリードしていたので期待していました。展開はほぼ互角でしたが、「新しい歴史を作ろう」と臨んだイングランドが最終的に勝ちましたね。スコットランドはホームのプレッシャーがあったのかもしれないですね」

菊谷:「前半、スコットランドがいいラグビーをしていました。しかし、イングランドがハーフタイムで、自分たちのラグビーを立て直した。80分の中で、前半と後半で、ここまで違うラグビーが見られたのは珍しいです。エディー・ジャパンを振り返ると、もし日本代表がこういった状況であれば、エディーさんの相当厳しい声が、ロッカールームで響き渡ったかなと思います。ただ、試合後、選手たちはエディーさんに感謝の言葉を述べていたので、日本とは違うスタイルだったのかもしれませんね」

大西:「イングランドは自分たちに合ったプレーをしつつ、エディーさんらしさを混ぜている途中だと思います。ハーフタイムはディフェンスの修正をしたと思います。後半、チャレンジするところはしていましたが、ブレイクダウンになるべく入らないで起き上がっていた。14人は立っていましたね。」

菊谷:「だから、イングランドは反則数が後半かなり減りましたね。ただ、スコットランドも集散も球出しもテンポも良かった。80分、あのラグビーを続けることができるフィットネスと我慢が課題ですね。ただPGが入らなかったり、大事なラインアウトからモールを押し返されたり、ノックオンしたり、得点を挙げることができませんでした」

大西:「両チームの違いは、この試合でマン・オブ・ザ・マッチに輝いたイングランドのNo.8ビリー・ヴニポラのような重くて強い選手がいるかいないかもあったかな、と思います。後半、イングランドは日本代表でもよくやっていたループプレーでトライを挙げたところに、エディーさんの色が出ていたと思います。前半はイングランドの伝統のFWの強さ、後半はこのトライに象徴されるように、前半と後半で新旧のイングランドが出たかなと思います」

菊谷:「イングランドのループプレーで、スコットランドの選手の足が止まっていましたね。またイングランドは、元日本代表のFWコーチのスティーブ・ボーズウィックの指導もあり、スクラムも押していたし、ラインアウトもしっかり取れていた。モールのディフェンスも良かったですね」

大西:「イングランドは信じるべきヘッドコーチが来て、選手が指揮官を信じてやっている。2012年、ジョーンズHCが日本代表の指揮官になった最初の頃もそうだったと思います。ただ、日本代表と違うところは、イングランドの選手たちにはハードワークを課さなくても、最初から選手たちはフィジカルがあります。だから『ジャパンウェイ』ならぬ『イングリッシュウェイ』を構築するのではないでしょうか」

菊谷:「そうですね。エディーさんは2019年のワールドカップまで4年と言わず、2年でチームの土台を作るかもしれません。ただ、第1節のスコットランド戦は初陣だし、アウェーだったので、負けられないと経験豊富な選手が中心でした。試合の途中からリザーブで若い選手が出てきましたが、今後、エディーさんは、もっと若手を使っていくかもしれません」

大西:「第1節の他の試合も見て、イングランドは第2節のイタリア戦のメンバーを変えてくるかもしれません。特にワールドカップの翌年の大会なので、今年のシックス・ネーションズは、チームも作っていかないといけないし、選手のセレクションもしないといけないという段階です。だから試合前の週にしっかりと準備したチームが勝つと思います」

菊谷:「シックス・ネーションズは、南半球の派手なラグビーとは違って、シンプルでインパクトなラグビーが魅力ですね。南半球とは違ったゴツゴツした選手たちが駆け引きもしますが、パワーを武器に戦うのが醍醐味ですね。だから、イングランド、アイルランド、ウェールズといったパワーラグビーを全面に押し出してくるチームに、スコットランド、フランス、イタリアがどう挑むのか楽しみですね。あとはスーパーラグビーや、ザ・ラグビー・チャンピオンシップ(南半球4カ国対抗戦)とは違う、100年以上の伝統があり、国同士の因縁の対決も見られるところがおもしろさだと思います」

大西:「実は昔のシックス・ネーションズは、キックが多くてゆっくりだったので、あまり好きではなかったですが、この試合もそうでしたが、クイックスローイングも多かったし、ボールも良く動くようになりました。また、もともとあるFW同士のフィジカルな戦いもあって、シックス・ネーションズ自体が新しくなってきていると思います」

菊谷:「今年のシックス・ネーションズの優勝予想ですか?2年前にサラセンズでプレーしていて、イングランドに知り合いがいっぱいいるという個人的なつながりから、イングランドで!ヴニポラ兄弟、優しかったです」

大西:「アイルランドかウェールズか迷いましたが、僕の優勝予想はアイルランドにします。新キャプテンのロリ-・ベストに期待します!」

 
◆大西将太郞(おおにし しょうたろう)
1978年11月18日、大阪府生まれ。ポジションはSO/CTB。小3からラグビーを始め、啓光学園(現・常翔啓光学園)から同志社大学に進み、トップリーグではワールド、ヤマハ発動機、近鉄、豊田自動織機でプレー。先月、今季限りでの引退を表明。2007年ワールドカップのカナダ戦で試合終了直前に劇的な同点ゴールを決めた。日本代表キャップ33。身長180cm、体重85kg。

◆菊谷崇(きくたに・たかし)
1980年2月24日、奈良県生まれ。ポジションはLO/FL/No.8。御所工業(現・御所実業)でラグビーを始め、大阪体育大学時代には7人制日本代表にも選出。トップリーグではトヨタ自動車でプレーし、2014年度からキヤノンに移籍。2011年ワールドカップでは主将としてチームを牽引した。日本代表キャップ68。身長187cm、体重105kg。

  
詳しくは、WOWOW番組オフィシャルサイト(wowow.co.jp/rugby)へ。
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★「生中継!ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ」
100年以上の歴史と伝統を誇る「シックス・ネーションズ」。ヨーロッパのラグビー強豪国6カ国が参加して行なわれる大会の模様を全試合生中継でお届けする!

第2節 フランスvsアイルランド   2月13日(土)夜11:15 <WOWOWライブ>
第2節 ウェールズvsスコットランド  2月13日(土)深夜1:40 <WOWOWプライム>
第2節 イタリアvsイングランド  2月14日(日)夜10:45 <WOWOWライブ>
第3節 ウェールズvsフランス   2月27日(土)午前4:45 <WOWOWプライム>
第3節 イタリアvsスコットランド   2月27日(土)夜11:15 <WOWOWライブ>
第3節 イングランドvsアイルランド   2月27日(土)深夜1:40 <WOWOWプライム>
第4節 アイルランドvsイタリア    3月12日(土)夜10:15 <WOWOWライブ>
第4節 イングランドvsウェールズ   3月12日(土)深夜0:45 <WOWOWライブ>
第4節 スコットランドvsフランス   3月13日(日)夜11:45 <WOWOWプライム>
最終節 ウェールズvsイタリア    3月19日(土)夜11:15 <WOWOWライブ>
最終節 アイルランドvsスコットランド  3月19日(土)深夜1:45 <WOWOWライブ>
最終節 フランスvsイングランド   3月20日(日・祝)午前4:45 <WOWOWライブ>
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