松岡修造、錦織圭を育てたデビスカップの見どころを語る。王者イギリス相手に、「日本代表の絶対的勝利を期待したい」

 

世界的プレーヤーが母国の名誉と威信を懸けて戦う“テニスのワールドカップ”、男子テニス国別対抗戦デビスカップ。3月4日(金)から、絶対的エース錦織圭擁する日本は、アンディ・マレー率いる昨年覇者イギリスとの一戦に挑む。
2015年は最終試合でコロンビアに勝ちワールドグループ残留を決めた日本の、王者への挑戦。実に85年ぶりとなる日本vsイギリスのトップ選手対決、錦織に続くダニエル太郎・西岡良仁らの奮起など、多くの期待が集まるこの試合。解説を務める松岡修造氏は「デビスカップを大切にする錦織選手にとって今年は“どチャレンジャー”として戦える大会。日本チームには錦織だけじゃないと証明して接戦でなく勝って欲しい」と、熱く魅力を語った。


Q.日本の初戦はアウェイで昨年王者イギリスとの対戦となりました。イギリス代表にはアンディ・マレー(世界ランキング2位)、そしてダブルスのスペシャリストであるマレーの兄ジェイミー・マレーなどが入り、日本は厳しい戦いが予想されますがどんな印象ですか?

松岡:今年はオリンピックもあってタフなスケジュールになるので、今回マレーは参戦してこないかもしれないという見方もありました。ただ、日本代表の植田監督にも、この最高の舞台で“強いイギリスに勝ってこそ”という思いがある。昔は、負けても「戦えてよかった」「夢のようです」で終わっていましたが、今は勝機もある。日本ではまだワールドグループの魅力を知らない人が多いと思うので、イギリスのような強い相手と戦うことは、サッカーや野球のように日本代表としてみなさんから応援していただけるチャンスかなと思っています。

Q.錦織選手には大きなプレッシャーがかかると思いますが、マレーとはあまり相性がよくありません。どんな戦いになると思いますか?

松岡:錦織選手はホームでもアウェイでも、プレーはあまり変わらない。一方のマレーはどちらも強い。マレーは勝利への執着心がとても強く、叫びながらプレーして、それを力に変えられる選手です。一方の錦織選手は非常にクール。省エネしながらガッツポーズも控えめで戦える。これも稀なタイプです。今回は、個人戦ではないことがプラスにつながる可能性があります。個人戦と団体戦は少し違う。マレーはもともと守備型ですが、この頃はよく攻撃するようになった。でも、デビスカップでは少し守りに入ると思う。錦織選手にとって、マレーが守りに入ってくれるのは嬉しいことだと思います。その個人戦との違いを、うまく錦織選手が活用できれば勝機は出てくるでしょうね。

Q.デビスカップは錦織選手にとって毎年成長を感じられる大会になっていますが、今年はここが違うといったところはどこでしょう?

松岡:今まで錦織選手はデビスカップを、“自分のテニスをもう一度見直す大会”として活用していました。去年も、震災の後もそう。本人が「逃げられない状態」と言っていましたが、自分の心にテニスに対するモチベーションが欠けてきたところで、日本のファンの思いを感じながらプレーする大会、そんな位置づけでした。でも今回は違う。テニスの技術も、モチベーションもある。だから、今回は錦織にとって“どチャレンジャー”、猛烈なチャレンジャーとして戦える大会だと思います。今回は相当攻撃していくでしょうし、マレーはどうしてこんなに打ってくるんだと守る。すると、怒って動きが遅くなる。それが、今回の錦織選手にできる戦い方かなと思っています。

Q.日本を背負って戦うことの意義、そして最近の若い選手たちがそれをどう感じているか、松岡さんの印象をお教えいただけますでしょうか?

松岡:以前は、『絶対に勝たなければいけない大会』と重く取っていましたが、今はかなりとらえ方が変わってきていますね。軽く取っているわけではなく、前向きに良いとらえ方をしている。錦織選手が“自分はゆとり世代”と言っていましたが、「本来こうしなければいけない」ではなく、常識と違う考え方ができている。だから、いいですよね。ダニエル太郎選手を含めて、新人類というか新しい日本代表を作り上げていて、すごく頼もしく感じます。

Q.錦織選手以外の日本チームの選手、ダニエル太郎、西岡良仁らのテニスにも注目していますか?

松岡:ダブルス要素ゼロの二人を入れたということは、どちらかに勝負がかかってくるということです。だから僕は、彼らが「いい機会を与えられた」と発言するのをさけてもらいたい。モノにしなければいけない、勝たなければいけない試合なんです。西岡選手は、性格的にふてぶてしくて、デビスカップに非常にあっている存在です。一方で、本番ではデビスカップというプレッシャー、エクストラエネルギーが体力を奪う形になると思うので、メンタルよりも体力が心配ですね。ダニエル選手は、普段のATPツアーのテニスをしていたら勝てません。いつものダニエルではなく、コートの内側に入ってどんどん返していく、サービスも打っていく、リターンから攻撃する、そういうテニスができたら十分に勝利の可能性があると思います。

Q.先日、理想の上司ランキングに入ったことが発表された松岡さんですが、もし監督であれば、チームに対してどんな準備をするべきだと思っていますか?

松岡:(理想の上司に選ばれたのは)錦織選手のおかげです、ありがとう(笑)
やはり監督としてチームを率いるときには、選手のプレーしやすい状況を作ってあげるのがひとつ。そして、後ろに応援してくれる人がどれだけいるか選手にわからせること、そしてそれを本気で受け入れて戦うには、覚悟が必要だとわかってもらうことが大事ですね。それを本当にできるのは誰か。それを感じた選手が、2-2で持ってくるんじゃないかなと思います。単純にテニスが強いからという意味ではなく、いろいろな状況を見て最終的に戦う選手を選ぶ、それが植田監督の役割だと思います。

Q. デビスカップでイギリスと日本が戦うのは、実に85年ぶりで、1931年大会では“レジェンド”フレッド・ペリー擁するイギリス代表と、日本テニス界の伝説である佐藤次郎を抱える日本代表が戦いました。その歴史の長い大会で、日本チームに期待することはなんですか?

松岡:イギリスはテニス発祥の地であり王国です。改めて日本がワールドグループで戦っていることを考えても、“よくここまで来たな”と感じます。ただ、デビスカップは錦織圭だけじゃないのを見せる大会でもある。錦織選手本人も以前、僕に対してはっきりと「一人に任せられても困る。ついてきてもらわなければ困る」と言っていました。だから、日本チームの総合力を示す大会ですよね。でも、錦織選手はデビスカップをすごく大切にしているし、自分を育ててくれている大会だと思っている。そういう彼の想いをチームメイトも感じているはずなので、錦織選手以外にも強い選手がいるんだと証明する戦いを期待したいです。「接戦になって善戦した」といった結果ではなく、絶対的な勝利を手にして欲しいですね。


■WOWOW放送情報■

男子テニス国別対抗戦デビスカップ ワールドグループ 1回戦 イギリスvs日本
3月4日(金)~6日(日)連日生中継

テニスのワールドカップ開幕!これが錦織圭が挑むデビスカップだ
3/4(金)よる9:30【WOWOWプライム】 ※無料放送

詳しくはWOWOWテニスオンラインへ
http://www.wowow.co.jp/sports/tennis/
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