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【各社に学ぶ!】新型コロナウイルス関連のプレスリリース事例 (中止・延期篇)

例年であれば、お花見や卒入学に関連したプレスリリースが続くこの時期。今年は、平時のプレスリリースは例年よりも少ない傾向にあり、代わって新型コロナウイルスに関連したプレスリリースが増加しています。

企業広報を担当する読者の皆さんの中にも、「何らかの情報発信を検討しているけれど、他社はどうしているのだろう…」と悩んでいる方が多いのではないでしょうか。

今回は【各社に学ぶ!】特集と題し、この数か月で配信された新型コロナウイルス関連のプレスリリースを4つに分類し、それぞれ参考事例としてポイントを解説していきます。 一部、情報発信の担当者の方にもコメントを寄せていただきました。是非今後の参考にしてみてください。

なお、こちらの記事は随時更新をしていきます。有事のときこそ、相互扶助を後押しするための情報をお届けしたいとPR TIMES MAGAZINE編集部は考えます。プレスリリースにまつわる各社の決断と行動について、情報をお寄せいただける企業様は、是非こちらまでプレスリリース情報をご連絡ください。

新型コロナウイルス関連のプレスリリース4分類

1月中旬から本日に至るまで、PR TIMES上では新型コロナウイルスに関連する様々なプレスリリースが配信されています。今回はプレスリリースの内容によって分類した以下4つの種類のうち、「中止・延期など非常時対応に関するプレスリリース」について参考にしたい各社のケースをご紹介していきます。

  1. 中止・延期など非常時対応に関するプレスリリース
  2. リモート対応など働き方の変更に関するプレスリリース
  3. 困っている方々への支援(無償提供)に関するプレスリリース
  4. 意識調査などその他のプレスリリース

中止・延期など非常時対応に関するプレスリリース

新型コロナウイルスの影響を受けて、様々なイベントの中止や延期、また人の集まる場所の閉鎖が相次いでいます。

①発表済みのプレスリリースに中止・延期情報を追記

2月12日に配信された一般社団法人アグリデザイン研究所さんのプレスリリースでは、3月18日に東京・銀座で開催予定のイベントについて、その開催概要などが記載されていました。しかし、2月26日に発表された政府のイベント自粛要請を受け、翌27日に開催延期の旨を追記しています。
※企業HPのお知らせ欄にて2/27に同内容掲載

一般社団法人アグリデザイン研究所の発表済みプレスリリースに開催延期を追記した例

 ポイントは、開催延期のプレスリリースを新たに配信するのではなく、既存のプレスリリースに追記する方法が選ばれていることです。開催を告知した情報自体を更新することで、延期対象のイベントが分かりやすいと言えるでしょう。また、追記の仕方もタイトル冒頭に隅カッコで【開催延期】と加えられていたり、リード文にも具体的に延期の旨が明記されたりという点は、非常にわかりやすいですね。

一方で、発表済みのプレスリリースは、メディアに対して再配信はなされないため、すでにイベント取材が予定されている場合には、個別の連絡を行うことが必要です。プレスリリースは新規公開情報ですので、やはり配信された時点が最も目にしてもらいやすいタイミング。影響範囲があまりにも広いと想定される場合には、アグリデザイン研究所さんのようなわかりやすい修正を加えてページ更新をおこなった上で、延期事実のみを新たに伝えるプレスリリースを一斉配信するのもひとつの手です。

いずれにしても、既出の情報をアップデートしておくのはとても大切なこと。イベント開催是非に関する問い合わせ対応を減らすことにも繋がっていきます。本リリースでは、政府が発表したイベント自粛要請期間よりも後に開催されるイベントであったにも関わらず、すぐに延期を決定したのは非常に迅速な決断だったと言えます。

②開催延期に伴い、新たにプレスリリースを配信

3月2日に配信されたレクサスインターナショナルさんのプレスリリースでは、4月に開催予定だった「LEXUS DESIGN EVENT2020 -SENSES ELECTRIFIED」の出展を、6月に延期することが発表されました。

レクサスインターナショナルの開催延期に伴い新たなプレスリリースを配信した例

こちらはもともと4月開催予定だったイベントの開催延期を発表するプレスリリースです。延期の理由に触れると共に、同イベントに関連した追加情報を随時更新していくイベント公式サイトのURLと共に案内し、今後のユーザー導線も明示されています。

ポイントはこの時点で決まっている開催概要にも、開示できる範囲で触れている点です。次の予定がある程度定まっているのか、それもまったくの未定なのかで、読み手の印象も大きく変わります。そしてこのプレスリリースが配信されたのは3月2日(月)で、イベント自粛要請がなされた翌週の月曜日でした。短い準備期間でありながら、延期日程や会場詳細まで決定していた点は、大変迅速な対応だったといえます。

③開催延期の発表と共に、人々への思いを伝える

もうひとつ、同じく3月2日に佐賀県から配信されたプレスリリースをご紹介します。こちらのプレスリリースは、2月18日にすでにリリース配信されていた「SAKURA CHILL BAR 2020 by 佐賀」の開催延期を発表するもの。こちらも比較的早い段階で延期が決断されています。

特徴は、「クリエイティブディレクター アフロマンスから皆様へ」と題して、春の訪れを楽しみに待っている人々に向けた想いに言及している点です。こんな時だからこそ、いずれ訪れる「春」に向けた想いを届けることは、社会全体を少し明るくしてくれるように感じます。プレスリリースの文末に、「関連プレスリリース」として告知時点のリリースURLを記載する心配りも素敵です。

佐賀県のメッセージ入り開催延期のプレスリリース

また、「続報」として3月19日に配信した自宅でプチお花見ができるセットをお届けする企画「サクラチルデリバリー」は、応募期間3日で約800件以上の応募があり、当選者105名が決定。都内でも30名決定しており、明日(3月27日)よりスタッフ総出で自宅までお届けする予定がきまっているそうです。前向きなメッセージがしっかりと届いていることがわかります。

手紙という形にしたのは、少しでも前向きなメッセージを伝えるため(Afro&Co. アフロマンス氏)

アフロマンス氏:手紙という形にしたのは、新型コロナウイルスの影響で、様々なイベントが自粛となり、世の中の空気感が沈んでいるように感じていたからです。ストレートな中止や延期のお知らせが多い中で、少しでも前向きなメッセージを伝えられないかと思案しました。

メインメッセージの 「サクラチルバーは散らない」という言葉は、インドア花見という時期に左右されずに開催できるファクトと、「サクラチルバー」という企画タイトルを組み合わせたもの。本文でも、延期=ネガティブではなく、今年お花見ができなかった人の為にも春を届けるという、ポジティブなストーリーに転換して、発信しました。

サクラチルバーを楽しみにしていただいていた方はもちろん、今、新型コロナウイルスの影響で、暗い気持ちになってしまっているすべての方へ、前向きな気持ちを持ってもらいたいというのが一番です。

春は本来、お花見もあり、新たなスタートの時期でもあり、希望や笑顔があふれる前向きな季節だと思っています。この未曾有の状況の中で、春を楽しめない人がたくさん出てくると思いますが、サクラチルバーは決して諦めずに、あくまで前向きに延期での開催を検討していきます。このメッセージを目にした方々にも、少しでも明るく、前向きな気持ちを持ってもらえれば幸いです。

https://afroand.co/

株式会社PR TIMESにおける情報発信の判断は

最後に、株式会社PR TIMESでの新型コロナウイルスに対する広報対応・判断についてご紹介します。ここではプレスリリース発表やイベント開催の延期・中止判断について、一事例としてご紹介いたします。

プレスリリースの発表について

新型コロナウイルスの報道が増え始めた1月後半から深刻さを増していった3月上旬にかけても、予定していた提携発表などの当社広報プレスリリースはほぼ予定通りに発表しました。その意味で水面上は平常運転にも見えますが、水面下では平時とは異なる思索や検討を行っていました。

この期間で広報として主に気に掛けたのは以下三点です。

一つ目、社会に対して前向きな発表が出来ないか検討しました。渡航制限やイベント中止、会合自粛、部品遅延などでイベント・旅行・飲食・ホテル・レジャーをはじめ広い業界が大きな経済的ダメージを受けています。少しでもその復興や支援に繋がるような当社発表が出来ないか頭を捻りました。しかし同時に、本質的な支援と異なる便乗を助長するようなアクションであってはならないという思いも強くあり、慎重に検討を重ねた結果、本件に関する当社サービス施策などの広報発表は見送り、この記事のようにPR TIMES MAGAZINEを通じた知見・ノウハウ・実例の共有に徹することを決定しました。

また、当社内のウイルス対策方針の対外発表も控えています。それを広報発表することで当社のリスクヘッジにはなっても、社会が必要以上に委縮することを僅かでも助長してしまうのは、企業情報のプラットフォーマーを目指す当社の方針には沿わないと判断しました。

二つ目は、新型コロナウイルスに安易に便乗した発表に見えていないか、原稿のネガティブチェックを必ずおこなう点です。言葉の使い方が発表時点の社会情勢とズレていると、騒動に乗じてやったことのように見られることもあるため、そうした不意のリスクに配慮しました。ただし社会に必要だと自分たちが信じる施策の発表は堂々とやるべきだと考えています。

新型コロナウイルスに対する広報対応についてミーティング

三つ目は、イベント開催の新規発表についてタイミングを見計らいました。当社では広報発表済みかつ開催前のイベントは1件だけだったので、中止発表などイレギュラーな広報対応は僅かでした。しかし、ウイルス感染状況が徐々に深刻になる中で、新たなイベント開催の発表は控えています(3月25日現在)。社会の動きに目を配りながら、前向きな発表と胸を張れるタイミングと文脈を見計らっています。

イベント登壇および開催判断について

感染が拡大する中(3月25日現在)では、広報発表の対象とするかはさておき、大小さまざまなイベントの開催や登壇について、3月末日開催分までは以下の方針で判断・対応しています。(4月1日以降の開催判断は3月末日までに行うこととしています。)

(1)主催するイベントは、オンライン開催を検討。リアルな場での開催は控えています。

(2)共催するイベントは、会場が当社の場合は上記(1)の通り。外部での開催の場合は共催者に中止の意向を伝え、それでも調整が困難な場合は社内で経営管理本部へエスカレーションされ、共催者と協議のうえ最終決定します。

(3)登壇者として出席するイベントは、主催者に欠席の意向を伝え、それでも調整が困難な場合は社内で経営管理本部へエスカレーションされ、主催者と協議のうえ最終決定します。

こうしたリスク排除に関して社内でも様々な意見が出つつも、本件の社内対応方針を任されている経営管理本部の決定に従って行動してくれています。

当社が最も恐れる事態は、プラットフォームとして多くの企業・メディア・生活者に利用いただいているサービスを正常に提供できなくなることです。 ミッションに掲げる「行動者発の情報が、人の心を揺さぶる時代へ」に立ち返り、非常時ほどサービス運営が求められているとも感じます。サービス運営者である社員の感染リスクを排除するための社内ルールは、社会情勢に合わせてアップデートし、2月17日以降ほぼ毎日社内アナウンスしています。

しかしながら、当初は横並びで他社事例を気にして、盲目的に全て自粛するという方向に一気に傾いていました。 保身に走ることは時に私たちの存在意義と逆行してしまうことがあります。 コロナショックで影響を受けたお客様が多くいらっしゃることに思いを馳せて、然るべきリスク対策を今後も進めていきたいと思います。

世の中にもいろんな意見がありますが、わかった事実をもとに対策を講じ結果を振り返るしかありません。現在進行形で出てくる医学的な研究発表にも注目し、ファクト(事実)をベースに判断すること、それは開催を決断した場合の消毒や検温などの感染防止策についても同様です。情報を集め、都度アップデートするつもりで方針を見直し、その日その時点で最善を尽くすよう努めています。

(PR TIMES 取締役 経営管理本部長 三島映拓)

自社にとっての当たり前も誰かのヒントになる

新型コロナウイルスに関する中止・延期のプレスリリースは、今も連日配信がなされています。ひとつひとつのプレスリリースには、その会社ならではの決断のストーリーがあるでしょう。自社にとっては当たり前のことでも、誰かにとって有益なヒントになるかもしれません。様々なケースを参考に、今後の対応発表も是非検討してみてください。

新型コロナウイルスに関する何らかの情報発信について、プレスリリース情報(背景にある決断のポイントなど)をお寄せいただける企業様はこちらまでご連絡ください。

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この記事のライター

名越 里美

名越 里美

PR TIMESの人事本部長。PR TIMES MAGAZINEの立ち上げチームの1人。MAGAZINEの力で「PRの民主化」に一歩ずつでも近づけるよう、裏側から変わらず見守っていきます。4歳息子とバトルする日々です(だいたい負ける)。あと、だいたいいつも走ってます。

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