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【トレンド徹底活用術 vol.18】敬老の日編:「情報収集」と「ペルソナ設定」をポイントに行動変容に繋がる提案を

より多くの人に興味を持ってもらうプレスリリースを作成するには、自社の新情報をまとめるだけでなく、時節やトレンド情報をうまく活用するのがおすすめです。時節やトレンド情報をかけ合わせることで、より注目度が上がりメディア関係者だけでなく、生活者にも届く可能性が高まります。

本記事では「敬老の日」をピックアップ。生活雑貨や食品など贈り物を想起しやすい業界の方をはじめ、介護事業を運営されている企業などは特に活用しやすいトレンドです。プレスリリースで自社の最新情報を発信する際に、特に重要なポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

「敬老の日」をプレスリリースに活用するSTEP

9月の第3月曜日は「敬老の日」。「多年にわたり社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日」と定義されている国民の祝日です。自分の祖父母や両親にギフトを贈ったり、一緒にお祝いする人もいるでしょう。

総務省が発表する家計調査(※)によると2022年9月の2人以上世帯の消費支出は前年同月比2.8%増、前月比1.8%増となっています。2022年はコロナ禍でも特に行動制限はない年でしたが、お盆休みには帰省せず、「敬老の日」を含むシルバーウィークに帰省し、祖父母や両親と過ごした人などもいたのではないでしょうか。

総務省家計調査

昨年に比べてよりコロナ禍の影響も弱まった2023年は、「敬老の日」を利用して祖父母と旅行や外食など、お家以外でお祝いする家庭も増えるかもしれません。しかし一方で、近年の経済情勢を考えると、必ずしも生活者が予算をかけて消費行動をとるとは限りません。

生活者の行動の予測が困難な中、「敬老の日を起点としてどのような広報PR活動を行えばよいのだろう」と悩まれている広報PR担当者も少なくないのではないでしょうか。そのような悩みにお答えすべく、「敬老の日」に関するプレスリリースの作成から配信方法をご紹介。

本記事では、以下の基本の8ステップの中でも、「敬老の日」のプレスリリース配信に特に役立つポイントを事例とともに解説していきます。

トレンド活用術8ステップ

基本となるステップについてはこちらの記事をご確認ください。

情報収集して傾向をチェック

世論を調査し「敬老の日」が現代の市場ではどのように捉えられてるのか、どのような情報発信の機会とされているのかを知ることは、有益な情報発信を行ううえで大切なステップです。生活者のリアルな声・実例を調べてみましょう。

情報収集

生活者の興味・関心を知る

「敬老の日」に対し、生活者がどのようなことに興味や関心をいだいているのかを知るには、インターネット検索を活用するのが簡単です。自社プロダクト・サービスとの関連性はあまり気にせず、一般的なワードで検索し、広く市場の傾向をつかむ糸口を見つけてみましょう。毎年多くの人が検索しそうな複数のキーワードで情報を集めてみてください。

<検索ワードの例>
「敬老の日 2023年」「敬老の日 トレンド」
「敬老の日 プレゼント」「敬老の日 お祝い」
「敬老の日 過ごし方」「敬老の日 目的」
「敬老の日 シルバーウィーク」「敬老の日 旅行」

また、生活者の興味・関心がどの時期に高まるのかを知ることで、プレスリリースの最適な配信タイミングを探ることもできます。

過去3年における「敬老の日」のインターネット検索数の推移を見ると、生活者が「敬老の日」を意識しはじめるのは、8月中旬頃からだということがわかります。。Googleトレンドを活用すれば、生活者の「敬老の日」に対する興味・関心度合いが高まるタイミングでプレスリリースを配信することができるでしょう。

自社の商品・サービスによって適切なタイミングは異なりますが、生活者の意識が働くタイミングを把握したうえで配信時期を検討することが大切です。

敬老の日の過ごし方を知る

生活者が「敬老の日」をどのように過ごすのかを知るには、アンケート調査などの結果から調べるのも一案です。

以下の調査リリースによると、「親にプレゼントしたことはあるか」と質問したところ、20代~60代の約6割が1年以内に親にプレゼントしており、そのうち7.4%は「敬老の日」にプレゼントを贈っていると回答しています。

誕生日や父の日、母の日と比べると「敬老の日」に行動を起こす人は少ないようですが、調査結果を見るとお中元・お歳暮、クリスマスなどと比べるとギフト需要があるようです。「敬老の日をフックとして情報発信する」だけでなく「敬老の日をフックとしてどのように生活者へ行動変容を起こすか」まで設計してプレスリリースを配信することが肝要になりそうです。

参考:【調査レポート】「親への贈り物」大アンケート 1万人の回答から見えてきた、一番重視するポイントは?  感動エピソードも満載

「敬老の日」の贈り物を知る

Instagramでは「#敬老の日」のハッシュタグで約29.1万件、「#敬老の日プレゼント」で約5.6万件の投稿があります(2022年6月時点)。楽しい想い出は友人や大切な人とシェアする時代となっているため、各SNSにてどのような投稿がされているかも合わせて調べてみましょう。どんな風に過ごしているのか、どんな贈り物が選ばれているのか、など参考になるでしょう。

また、調査リリースを参考にどのようなギフトが喜ばれているのかを知るのもおすすめです。

例えば、以下のプレスリリースでは「敬老の日」にギフトを贈られる側にアンケートを行った結果を公表しています。今までの「敬老の日」で嬉しかったプレゼントを尋ねたところ、スイーツなどの食品系と回答した人が一番多く、お花、旅行と続いています。物理的に形が残る物よりも、消費するものや体験できるものが喜ばれていることがわかります。

参考:【敬老の日に欲しい物を調査】9月19日は「敬老の日」 シニア世代がもらいたいプレゼントは?

また、以下の調査では、シニア・中高年の人に「新しく始めたい趣味」についてアンケートを行っています。半数以上の人が、新しく始めたい趣味があると答えているほか、アウトドアや旅行にチャレンジしたいと答えている人が最も多いことがわかります。

参考:敬老の日に、趣味をプレゼント!?シニア世代が、はじめたい趣味トレンドを大公開

このように、「敬老の日」にギフトを受け取る側の声を参考にすることでも、自社プロダクト・サービスをアピールする方法が見つけやすくなります。

ペルソナをイメージ

自社の商品やサービスを誰に一番伝えたいのかペルソナをしっかりとイメージし、調べた情報をどのような切り口で提案するとよりよいのかを策定しましょう。そうすることにより、効果的にニーズに沿った情報を届けることができます。

<ペルソナ例>

年齢層
性別
職種
家族構成
趣味
日頃利用しているSNS
情報収集の方法 など

ペルソナの設定方法については、以下の記事も参考にしてみてください。

由来を調べる

より有益な情報を届けるためには、「敬老の日」の由来や、現代における意味合いを知ることも大切です。

「敬老の日」がいつから制定されているのか、意味や由来を正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。

地道なリサーチではありますが、本来の意味や由来、新たな側面を見出すことは、トレンドを活用した情報発信をする上で、土台となる基礎知識となります。

「敬老の日」の由来

「敬老の日」は「多年にわたり社会に尽くしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う日」というのが祝日法による定義となっています。

1951年(昭和26年)に作られた「としよりの日」が、1966年(昭和41年)に「敬老の日」に変わりました。当初は9月15日を「敬老の日」としていましたが、ハッピーマンデー制度により2003年から9月の第3月曜日に変更となりました。

ちなみに9月15日は「老人の日」と名称を変えて残っており9月15日~9月21日は「広く老人の福祉についての関心と理解を深めるとともに、老人に対し自らの生活向上に努める意欲を促す期間」という趣旨で「老人週間」と制定されています。

参考:一般社団法人 日本記念日協会
参考:内閣府

現代ではおじいちゃん・おばあちゃん、お世話になっているご年配の方へ感謝を込めてプレゼントを贈る日として定着しています。

調べた情報を箇条書きで整理

調べた情報の中から、自社のプロダクトやサービスの魅力を発信するうえで活用できそうなものをピックアップし、箇条書きで整理しましょう。商品やサービスのアピールポイントとトレンドがなぜ合致しているのか、言語化しておくことが大切です。

例えば自社で、アウトドア関連グッズを展開している場合、「シニア層が新しく始めたい趣味」に関するアンケートの結果、○○%が「キャンプを始めたい」と回答したことを引用し、「アウトドア初心者でも安心。ワンタッチで組み立てられる持ち運びにも便利な軽量テントを敬老の日のギフトに」といったアピールの仕方ができます。

ただし、自社プロダクト・サービスと調べた情報を無理やり関連づけないよう注意が必要です。情報を落とし込んだ文脈を客観的に見ても「なるほど」と思えるか、社内のほかのメンバーにも協力してもらいながらアピールポイントを書き出していきましょう。

調べる

「敬老の日」について情報を集め、ペルソナをイメージしながらプレスリリースを作成しよう

コロナ禍を経て、家族との時間を大切に捉えてる生活者も少なくないかもしれません。2023年の「敬老の日」は、どのような過ごし方をするのか、どのような商品・サービスに需要があるのかを知るには、さまざまな角度から情報を集めることが大切です。

人々の「敬老の日」の捉え方、興味・関心が高まるタイミングなどを調べ、自社のプロダクト、サービスへ落とし込むことで、生活者の心を捉えたアピールポイントが見つかるはずです。

市場規模の拡大が見込まれる「敬老の日」。自社の商品・サービスを届けたいペルソナを設定し、適切なタイミングで情報発信を行い、特別な「敬老の日」を提案しましょう。

<編集:PR TIMES MAGAZINE編集部>

敬老の日のプレスリリースの書き方に関するQ&A

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この記事のライター

金村 魁

金村 魁

2020年にPR TIMES入社。前職では人材業界でキャリアアドバイザー業務に従事。求職者の転職支援を通じて「伝える」と「伝わる」の違いに興味を持ち、言葉についてより深く知れると考えPRの世界へ。現在はプレスリリース配信のお手伝いや社会貢献団体の支援を担当。根っからの動物好き。ペットフードを新しく買ったら自分でも食べてみてるのは内緒。

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