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自治体広報の業務管理、マルチタスク下の仕事の進め方を解説

広報PR活動に注力していきたいと思いつつも、限られた人材と時間の中で効率的に業務を進めていくことに苦戦している自治体も多いのではないでしょうか。

プレスリリース配信サービスを運営するPR TIMESでは、そのような自治体の課題を解決するために、自治体の広報PR担当者向けの「PR TIMES自治体活用セミナー」を開催。

本記事では、「情報を可視化し、生産性を高めるための業務管理術」というテーマで5月17日に開催したセミナーをレポートします。

生産性を高めるために必要な業務管理

ヒト・モノ・カネ・情報といった限られた資源を使い、効率的に成果を出していく「業務管理」。業務効率化の実現と生産性向上のために必要なこととして、さまざまな方法論や研究結果が昔から存在していますが、なぜ今再び業務管理が注目を集めているのでしょうか。

自治体広報の業務内容を紹介しつつ、業務管理の必要性を詳しく解説していきます。

自治体広報の業務内容

自治体広報には、地域住民とより良い関係を構築するための活動と、地域を活性化するためにシティプロモーション活動があります。

広報担当者として、地域に関する情報発信をプレスリリースで配信、地域の広報誌の製作、各SNSの運用、さらには住民とのコミュニケーションである公聴業務を行うなど業務の領域も多様です。また、これらの業務に伴って、さまざまな関係者とのやりとりも発生します。

セミナー資料p17より

これらの膨大な業務を、多くの自治体では少数精鋭で対応しています。さらに、人事異動による人の入れ替わりも多いことから、業務の知識が蓄積されにくいなど、リソース面での制約が大きいことも自治体広報業務の特徴ではないでしょうか。

自治体広報についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。

業務管理が必要な背景

デジタル技術の発展や労働人口の減少、ワークライフバランスの実現、リモートワークの普及など、私たちを取り巻く労働環境は時代に合わせて大きく変化していて、それらに即した形での業務管理が必要だといわれています。その背景にあるのが「マルチタスク(カオスタスク)」の定着です。

さらに、メールやチャット、ニュースフィード、SNSなど連絡手段が多様化したことによって、私たちが日常的に扱っている情報量というのもかなり増えています。多くの情報がバラバラに点在していて、それを確認することがストレスになっていることも。

このような状態で正確な作業が求められ、仕事の難易度は上がる一方です。こうしたマルチタスク(カオスタスク)の状況下で、効率的に仕事を進めていくためにも、業務効率化や生産性向上がフォーカスされています。

マルチタスク(カオスタスク)下の仕事の進め方

膨大な情報を扱いながら、多数のタスクを同時進行でこなしていく……。これは、パソコンに例えるならCPUがパンパンの状態で、一人ひとりの工夫や努力によってなんとかなっているという現状です。こうしたマルチタスク(カオスタスク)の状況下で、どのようにして効率的にタスクをこなしていけばよいのでしょうか。

ここからは、マルチタスク(カオスタスク)下での仕事の進め方を紹介していきます。

適切な仕事の段取りを行う

マルチタスク(カオスタスク)の状況下では、専門スキルや知識などももちろん大切ですが、それらを活用していくためには、土台となる「段取り」がとても重要です。

その仕事を「いつまでに」、「どのようにして」進めていくのか、その過程で誰に確認するのかといった「計画」を立て、ある程度計画が固まった段階で「実行」という段階に入っていきます。もちろん、実際に業務に取り掛かるなかで、急ぎの仕事が入ってしまったり、予想外に時間がかかったりと、予期せぬことや計画通りに進まないことも出てくるでしょう。その際には、計画を「調整」しながら進めていきます。

セミナー資料p24より

段取りというのは、このように計画・実行・調整という3つの要素によって構成されていて、段取りを適切に行うことによって、スキルを最大限に生かしながら理想的なサイクルで仕事を進めていくことができるのです。

仕事を進めるうえでの弊害をなくす

ただし、段取りを行えばすべての仕事がうまく進むのかというとそうではなく、業務の進行を阻害するものもあります。それが、「情報の非対称性」と「限定合理性」という2つの弊害です。

セミナー資料p24より

情報の非対称性というのは、「Aさんは知っているけれど、Bさんは知らない」という状態が常態化しているように、相互理解に欠けている状態を意味します。例えば、仕事を依頼する側はその仕事の目的や背景を理解しているのに、作業者が理解できていないという状態は、仕事の進め方の中でもよく発生することです。このような情報の非対称性は、仕事を段取り通りに進めていくうえでの阻害要因になり得ます。

一方、限定的合理性とは、依頼者側と作業者との間で仕事の意図や目的が一致していない状態を意味します。私たちは自分が持っている情報や理解している範囲の中で最も合理的と思われる行動を取りがちですが、依頼者側の目的と照らし合わせてみると、必ずしも最適なアクションではないケースもあるでしょう。

仕事を効率的に進めていくためには、こうした弊害を取り除いていく必要があるのです。

仕事の弊害をなくす3つのポイント

前述したように、マルチタスク(カオスタスク)状況下で仕事を効率的に進めていくためには、情報の非対称性や限定的合理性といった弊害を取り除くことが大切です。

ここからは、仕事の弊害をなくす3つのポイントとして「透明性」「集約化」「発信の質」の詳細を説明していきます。

情報の透明性(オープン)

まずは、情報の「見える化」をしていくということ、全員が同じフォーマットや情報を持って仕事を進めていくことは、現実的にはなかなか大変なことです。自分しか分からない情報というのは一定数起こり得ることで、それを解消するためには、「いつでも必要な情報にアクセスできる」「誰でも見たり聞いたりできる」状態をつくっていくこと、誰がどの情報を知っているのかを共有することが大切です。

情報の集約化(ストック)

コミュニケーションツールの多様化によって、さまざまな場所に点在している膨大な情報を、限られた数の場所に集約することも大切なポイントです。情報がどこにあるのかを周知し、ルールを徹底することによって、誰もが必要な情報にアクセスしやすくなります。

情報発信の質(クオリティ)

また、業務に関わる情報を正確に伝達することも大切です。そのために必要なのは、5W1Hを意識しながら伝達をすること。特に目的(Why)を含めて業務を依頼することで、作業者が迷わずスムーズに正しく業務を進めていくことができます。

セミナー資料p32より

マルチタスク下における業務管理の心得

膨大な仕事量を抱えながら、広報PR活動の時間確保を課題に感じている自治体の方にとって、普段の業務の中で意識したいポイントが詰まったセミナーでした。

セミナーのポイントは以下の通りです。

  • マルチタスク下で効率的に仕事を進めるためには「段取り」が大切
  • 「情報の非対称性」と「限定合理性」は仕事の弊害になり得る
  • 仕事の弊害を取り除くためには「情報の透明性」「情報の集約化」「情報発信の質」を意識することが大切

地方自治体の広報PRのポイントや、メディアフックについての記事も参考にしてみてくださいね。

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タスク管理方法についての記事は、こちらをご覧ください。

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