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PRプランナー資格試験(3次試験)を独学で勉強する方法を解説

広報PR担当者としてレベルアップしたい人におすすめなのが、「PRプランナー資格」の取得です。

「PRプランナー」として認定されるためには1次試験から3次試験までを受験する必要があります。

中でも難関とされるのが3次試験。記述式で、ニュースリリースの作成や広報・PR計画の立案作成など、実践的な内容が問われるのが特徴です。2022年3月は11.0%、同年9月は31.5%の合格率です。

本記事では、3次試験の内容や独学で勉強する方法などについて紹介します。

※この記事の料金や合格率などの情報は、2023年4月時点のものです

PRプランナー資格とは

PRプランナー資格とは、公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会が2007年より導入した「PRプランナー資格認定制度」のことです。

民間の資格ではありますが、過去の受験者数は2023年2月時点で累計14,000名(1次試験のみ、重複含む)を超えています。

広報PRに携わったことのある人々の間では一定の知名度があると考えられるでしょう。

とは?

PRプランナー資格を取得するメリットや、取得するまでの詳しい流れはこちらの記事で解説しています。

PRプランナー資格の種類・形式・難易度

PRプランナーの資格には「PRプランナー補」「准PRプランナー」「PRプランナー」の3種類があります。

それぞれ、1次試験、2次試験、3次試験が対応する試験となります。

PRプランナー資格の種類の詳細や試験の形式、難易度についてはこちらの記事で解説しています。

なお、2021年11月(第29回)から3次試験の試験形式が大幅に変更されている点に注意が必要です。

従来は【Word・Excel・PowerPointなど任意のソフトウェアで自由にニュースリリースを作成する方式】でしたが、新たに【試験専用のアプリケーションで各問にテキストで解答しニュースリリースの構成要素を埋めていく方式】に変わりました。

それに伴い、試験時間も180分から120分へ短縮。さらにアプリケーションの仕様上、画面においてコピーおよびペーストの操作が一切できなくなっています。

試験形式の変更以前の第23回 (2019年1月)から3次試験は難化傾向にあります。第23回~第31回(2022年9月)の平均合格率は28.9%です。

PRプランナー資格の3次試験を独学で勉強する方法

3次試験を独学で勉強し合格することは可能です。最低限、主催団体である日本パブリックリレーションズ協会発行の公式テキストと公式参考問題集は購入する必要があります。

ただ、独特な試験形式であり、2021年に試験形式が変わってから過去問も少ない点には注意が必要です(2023年3月時点)。

合格の可能性を少しでも高めたいという場合は、日本パブリックリレーションズ協会の公式サイトから対策講座(有料)を受講することも検討しましょう。講座内では模擬試験と、その参考回答例の解説が行われるため、試験に慣れたり、採点のポイントを知ったりできるというメリットがあります。

ここからは、3次試験で出題される2種類の課題の解説と、筆者が実際に行った勉強方法の紹介を行います。

課題A ニュースリリースの作成

2種類出題される課題の1つ目は、ニュースリリースの作成(課題A)です。

ある企業の新商品や新サービスの発表を行うという設定で、企業概要や内容の詳細が問題文に付記されています。

設問は

  • 問1「ニュースリリースの見出しを記しなさい」
  • 問2「ニュースリリースのリード(書き出し)を記しなさい」
  • 問3「ニュースリリースの本文を記しなさい(箇条書きでも可とする)」

の3つで、すべての問いに答えることでプレスリリースが完成するという問題構成です。

配点は、問1(見出し)が8点、問2(リード文)が7点、問3(本文)が10点とされています(試験ごとに変動する可能性があります)。

ポイント

問題文の後に、「事業部(開発部)からのヒアリングメモ」「製品特長」「製品概要」などの情報が付記されています。この情報量がかなり多く、必要な情報を抽出するのに時間がかかってしまう可能性が高いです。

課題Aでは、情報の過不足がないニュースリリースを、いかに短時間で完成させられるかという点が問われていると考えましょう。ニュースリリースの作成(課題A)と広報・PR計画の立案作成(課題B)を合わせて120分という短い時間で解くために、課題Aは30~45分程度で仕上げる必要があります。

また、見出し(タイトル)とリード文だけで全体の半分以上が配点されています。タイトルとリード文は慎重に時間をかけて考えたいところです。

本文は、コピー&ペーストができないというアプリケーションの仕様もあるため、多く書こうとすると時間が足りなくなってしまいます。できるだけ要点を絞り、余計な情報は記載しないことを意識しましょう。

第30回(2022年3月実施)の3次試験の合格率が11.0%と非常に低い結果となったことを踏まえ、公式サイトに以下のようなメッセージが掲載されました。
<(合格率が低下した)この要因のひとつは、「課題A ニュースリリースの作成」で多くの方が基準点に足らず、結果不合格となったことです。>
<大切なことは、出題文を注意深く読み解き、情報(5W1H)の取捨選択を正しく行い、「タイトル」と「リード」に必要な要素を盛り込み、本文はニュースリリースの基本形式に沿って記述することです。>
(参考:PRプランナー資格認定制度/検定試験 公式サイト|ニュース/トピックス 2022.05.11「3次試験の合否を発表いたしました」)
このメッセージから、不要な情報も含めて網羅的に記載してしまうと減点につながる可能性が示唆されています。

また、誤字は減点となるため、入力が完了した後に全文を読み直す時間は必ず確保しておきます。

  • 見出し+リード文……15分
  • 本文……10~20分
  • 見直し……10分

上記のようなタイムラインがひとつの目安となるでしょう。

課題Bも含めてすべての試験問題を解き終わってから、最後にもう一度課題Aを読み直す余裕があるとベストです。

勉強方法

公式参考問題集に過去問が2問掲載されているほか、2次・3次公式テキスト「広報・PR実践」と公式サイトの「試験対策」のページに参考問題が各1問掲載されています。
まずはこの4問に、制限時間を設けずに一通り取り組んでいきましょう。解き終わったら解答例を見ながら自己採点をして、自分の解答に足りなかった部分・不要だった部分を確認します。後日、今度は30~45分の制限時間を設けてそれぞれもう一度解き直します。

3次試験を受験する方の多くはすでにニュースリリースを書いた経験があると思いますが、試験で問われるのは「与えられた情報を素早く取捨選択し、適切に表現する力」です。実際にニュースリリースを制作するときとはフローやスピード感が異なるため、ある程度数をこなす必要があります。問題を繰り返し解いて解答の型を身につけ、時間を短縮していきましょう。

以下、実際に筆者が3次試験を受けてみた感想です。
広報PRの基本であるニュースリリースの作成ですが、会場の雰囲気や使い慣れないキーボードなどに緊張してしまい、参考問題を解いたときよりも時間がかかりました。余裕があれば、本番より短い制限時間で練習しておくと安心かもしれません。
また、関連する数値データが何個も掲載されているなど情報量が膨大で、つい「記載されている情報を端的に要約する」ことに集中してしまいそうになります。危うく、さりげなく書かれていた「○○初」という重要情報をタイトル・リード文に入れ損なうところでした。単なる要約ではなく、「読み手にとっての価値は何なのか」を自分で考え、表現することを常に意識しておく必要があると感じました。

課題B 広報・PR計画の立案作成

2種類出題される課題の2つ目は、広報・PR計画の立案作成(課題B)です。

コーポレート広報寄りの「コーポレート課題」、サービス広報寄りの「マーケティング課題」の2つから受験者が問題を選択し、どちらか一方に回答します。いずれの場合も、企業の新商品・新サービスの発表や新たな取り組みの成功に向け、年単位で広報PR活動の道筋を考案するという内容です。

設問は4~5問に分かれています。マーケティング課題の場合、設問は基本的に以下の5問です。

  • 問1「今回の広報・PR計画の概略を簡潔に記しなさい」
  • 問2「今回の広報・PR計画におけるコミュニケーション・ターゲットと各ターゲットへの基本戦略を記しなさい」
  • 問3「今回の広報・PR計画のコミュニケーション・コンセプトと具体的な施策案を記しなさい」
  • 問4「今回の広報・PR活動のスケジュール展開、各施策の予算配分を記しなさい」
  • 問5「上記以外に施策アイデアがあれば記しなさい」

コーポレート課題も概ね同じですが、内容によって設問の文章に差異があります。

コーポレート課題

組織の活性化や周年事業など、企業全体に関する平時の取り組みが課題となるパターンと、事故や不祥事が発生した場合のクライシス・マネジメント(緊急時)が課題となるパターンがあります。

具体性や独創性が問われるマーケティング課題に対し、コーポレート課題では幅広いステークホルダーに対し漏れなく目を配れる視野の広さ・視座の高さが重視されていると考えられます。

マーケティング課題

新製品のプロモーションを広報PR視点でプランニングしていくものです。対象となる製品は食品、機械、衣料など幅広く出題されています。

マーケティング課題の特徴は、予算が与えられており、各施策への配分が問われる点。各施策にどの程度の費用が発生するのか、参考問題の解答を参考に、大まかな金額感を理解しておく必要があります。

コーポレート課題と比べると設問内容・解答の型がわかりやすい分、ターゲットに対する取り組みの中で新製品の理解・共感から購買まで個々の施策の具体性や独創性などで差がつくと考えられます。

ポイント

自身のスキルを高めるためにはコーポレート課題・マーケティング課題のどちらにも対応できる状態を目指したいところですが、試験対策という観点ではどちらかに絞って集中的に勉強するほうが効率的です。まずは両方の課題をそれぞれ一度解いてみて、自分が書きやすいほうを集中的に対策することをおすすめします。

課題Bについても、課題Aと同様にスピーディーに解答することが求められます。課題Aに30~35分かかることを考えると、課題Bは60~75分以内で終えるのが理想です。公式の解答を参考にして自分なりの回答の型をつくっておき、当日に記述の形式で迷うことがないようにしましょう。

課題Aと比べて減点要素が少なく加点要素が多いと思われるため、一定以上の記述量を確保することは意識したいところです。特にコーポレート課題およびマーケティング課題ともに、配点の高い「問3」を丁寧に書く時間を確保することも大切です。

筆者は公式参考問題集に載っている問題を1問ずつ解いてみて、マーケティング課題に集中することに。参考問題集、公式サイトに載っている問題の計3問を2回ずつ(2回目は制限時間を設けて)解きました。
初めは予算額や規模感の大きさに戸惑いましたが、解答の型を決めてからはスピーディーに進められるようになり、当日の試験でも想定していた時間通りに書き上げられました。
大企業の視点での広報・PR計画ではあるものの、ひとつの目的のもと整合性をもって複数の施策を立案する経験そのものは実務でも活きそうだと感じました。

広報PRの仕事に役立つその他の資格

広報PRの仕事に役立つ資格は、PRプランナー資格だけではありません。無事に3次試験を終え、さらなる飛躍を目指す方は、その他の資格の取得も検討してみてはいかがでしょうか。

以下の記事では、PRプランナー資格に加えて「IRプランナー」「商品プランナー」について紹介しています。

まとめ

「PRプランナー資格」を取得するための試験の中でも、特に難関とされる3次試験。ニュースリリースの作成や広報・PR計画の立案作成など実践的な内容が問われるため、入念な対策が必須です。

3次試験の内容や問われるポイント、アプリケーションの仕様などを理解のうえ、当日の時間配分をしっかり意識して、万全な状態で受験に臨むようにしてください。

無事に資格を取得できたら、学んだことを業務に還元するだけでなく、さらなるスキルアップを目指し、ほかの資格の受験を検討することもおすすめです。

PRプランナー資格3次試験に関するQ&A

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この記事のライター

PR TIMES MAGAZINE編集部

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