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緻密な分析が勇気をくれる。Twitterフォロワー5,000人・広報担当“きこりん”の自己発信にかける想いーリバラボ 広報 永友貴子

緻密な分析が勇気をくれる。Twitterフォロワー5,000人・広報担当“きこりん”の自己発信にかける想いーリバラボ 広報 永友貴子

社長や社員にスポットライトが当たるよう、日々の広報業務に邁進する広報PRパーソン。サポート役は得意な一方、自分自身について語ることに苦手意識を持ち、どのようにSNSで発信すべきか悩む方も多いのではないでしょうか。

リバラボ広報の永友さんは「きこりん」の愛称をアカウント名に付し、約5,000人のフォロワーとTwitterでのやり取りを展開されています。自社の情報はもちろん、ハッとさせられる自己啓発の言葉やビジネスへの姿勢、親近感がわくプライベートな投稿まで幅広い内容を投稿しています。

なぜ積極的にTwitterで自己発信を行うのか、どのように広報活動に活かしているのか。永友さんにお話を伺いました。

株式会社3Backs 事業企画部 広報マーケ課 採用広報リーダー 

永友 貴子(Nagatomo Kiko)

1995年、熊本県出身。大学卒業後、大手英会話学校にてカウンセラーとして1年半勤務し、広報や営業、学校運営に携わる。2019年10月、学歴社会に一石を投じる人材サービスに大きな共感を覚え、株式会社3Backsに広報として入社。SNS運用を任され、会社のサービス認知拡大のため日々発信し続けることで、フォロワー数5000人以上の人気アカウントへの押し上げに貢献。現在は広報のほか、新規事業のPMとして企業のブランディングサポートや講演なども行う。 

だれかの背中を押してあげられる存在になりたい

ー まずは永友さんの経歴や現在の業務について教えてください。

永友さん(以下、敬称略):新卒で大手英会話学校にカウンセラーとして入社し、広報と営業を兼任しつつ、学校運営全般に幅広く関わっていました。1年4ヵ月ほど在籍し、より社会貢献できる事業に携わりたいと考えるようになり転職活動を開始。「ヒトと向き合い、ヒトを起点に社会課題を解決する」をビジョンに掲げ、リバラボなどのサービスを展開する株式会社3Backsに魅力を感じ、2019年10月に広報として入社しました。

ー 転職時、広報という職種を選ばれたのはなぜですか。

転職活動時に、今まで経験したすべての仕事をA4用紙に書き出し、それらを「好き」「嫌い」「どちらでもない」に分けて徹底的な自己分析を行いました。その中で「好き」が一番多かった業務が広報関連の業務だったんです。自分が考えてアウトプットしたもので誰かの背中を押すことができるってすてきだなと思い、広報職を希望しました。

現在も広報担当として、社内広報・社外広報・採用広報に関する業務に携わっています。Twitterの運用も広報業務の一環として、3Backsに転職してから始めました。

リバラボ広報の永友さん01

伝えたいことを伝えるために選んだ、アカウントの属人化

ー Twitterの運用は転職されてからだったのですね。どんなきっかけではじめられたのですか。

代表の三浦から「永友さん、広報だし会社のTwitterアカウントなんとかしてくれない?自由にやってくれていいから」と声をかけられたのがきっかけでした。もともと開設していた会社のTwitterアカウントの本格的な運用を任されたかたちですね。ただ、運用前の会社のアカウントはフォロー数0・フォロワー数2で、アカウントが存在しているだけで整備されていない状態でした。そこで、アカウントの「中の人」として自社に関わる情報を発信したのですが、フォロー数・フォロワー数ほぼ0の状態で発信しても全く反応が返ってこなくて。さらには、まわしていたTwitter広告へ書き込まれる反応があまりポジティブなものではなかったんです。会社やサービスに対して誤解があると感じました。

若者のキャリア形成をサポートする社会貢献性の高い事業であることをしっかりと伝え、誤解を解いていきたいと強く思いました。そのためには、このまま一方通行で発信をするままではいけないと考え、どうしたら伝えたいことが届けたい人たちに届くのかを考えました。そのときに、Twitterにいるのは私とおなじ「人」なんだから、アカウントの発信者を自分にして「人」が発信しているとわかるような人間味のあるアカウントにすればいいのでは、と思いつきました。ほかの企業アカウントのように、いわゆる「中の人」として発信することもできたのですが、顔写真やプロフィールも私に変えて完全に属人化することで、より身近に感じてもらえるのではと思いました。そこから、企業名の書いてあったアカウント名を自分の名前に、アイコンも自分の顔写真に変更しました。

ー アカウントを自分自身に変えられてからどんな変化がありましたか。

会社名のアカウントのときは、正直どこまでほかのユーザーに反応をしていいか迷うところがあったんですけど、私自身に変えてからは、ほかのユーザーに積極的に反応できるようになりました。ユーザー側も、アカウントが「人」だとわかると、反応を返しやすいみたいで、会社名のアカウントのときよりも、格段に良い反応が返ってくるようになりました。そこから、フォロワーも増えていきましたね。1ヵ月で300フォロワー、3ヵ月後には1,000フォロワーまで増えました。

リバラボ広報の永友さん02

ー Twitter運用が広報業務に活きていることはありますか。

弊社サービスの潜在ユーザーのみならず、メディアの方から取材依頼の連絡がTwitterのダイレクトメッセージに届くこともあります。やはりTwitterで情報収集されているメディア関係者の方が多いので、広報担当者にとっては、取材獲得のチャンスにつながると思います。広報担当者は、積極的にTwitter運用をやった方がいいと思いますね。特にいま、以前に比べるとメディア関係者へのごあいさつや新規アポを取り付けるのが難しくなっているので、継続的なコミュニケーションをとるツールとして有用だと思います

ただ、よくも悪くも、発信する広報担当者のイメージが企業のイメージに直接むすびつくことを頭にいれておく必要があります。イメージが偏らないように、あくまで“その会社らしさ”を体現したアカウントであるべきだとは思いますね

積極的に発信する勇気を支える緻密なPDCA

ー 具体的に決めている運用方法やKPIはありますか。

まず、アカウントをみてほしい人・情報を届けたい人のペルソナを決めました。名前や性格、年齢、趣味など細かく記載し、よりイメージを鮮明にするためにフリー素材から顔写真をひろってきてExcelで表を作成しました。運用当初と今ではペルソナ像も変えているのですが、最初は弊社の事業である「リバラボインターンシップ」にエントリーしてもらいたい人をペルソナ設定していました。「リバラボインターンシップ」は、18歳〜29歳の学歴・職歴に自信のない若者に提供するプログラムで、営業やエンジニア、人事のコースの中で実務を通して一流のビジネスパーソンになることを目的としたサービスです。そこで、中卒・高卒の若者や大学中退した若者をメインのペルソナに設定していました。

KPIは、行動目標を数字に落とし込んだものを設定しました。1日10件以上ツイートし、一方通行にならないよう、ターゲットになるような人たちへのリプライを1日50件以上、いいねは最低でも1日100以上に決めていました。

リバラボ広報の永友さん03

アクションして終わりにせず、自分の投稿内容はすべて振り返っています。週に1回程度、分析ツールから、投稿した内容すべてをExcelにダウンロードして、投稿内容をカテゴリ分けしています。HR系、自己啓発、プライベートな内容、おはようのあいさつ……とカテゴリごとにどれくらいの割合で投稿できているのかを確認しています。あわせて、いいね数などの反応を見ながら投稿内容を修正しています。現状では、会社・サービスについてが6割、時事ネタやキャリアが2割、残り2割をパーソナリティがわかるようなプライベートな内容にしています。

ー かなり緻密に投稿の振り返りを実施されているんですね。

人間味のあるアカウントでありたいと思っていますが、正直、どこまで自分を出して大丈夫だろうか、という不安もあります。ただ、パーソナルな部分を出すことで人間味あふれるアカウントに育っていくし、人間らしい深みが出てくるはずです。なので、迷ったときは、まずトライしています。そして、返ってきた反応を細かく振り返る。この言い方は直そうとか、もう少し親近感のある言葉を使おうとか。そこから、次の投稿につなげ、少しずつ自分を積極的に出していくようにしていますね。

ー 投稿するときに気をつけていることはありますか。

ふたつあります。1つ目は、自分が想像している以上にさまざまな捉えられ方をすることを意識して投稿すること。実は、一度自分が発信した内容が、想いとは違う形で拡散されてしまったことがあるんです。その時に140文字という制限のあるTwitterで、自分の伝えたいことを100%表現することの難しさを痛感しました。そこから、自分の伝えたい意図をきちんと反映できているか、この言葉を受け手はどう捉えるかなど、必ず先を考えて投稿するようにしています。

2つ目は、誰かの背中を押せる存在であるように投稿すること。実際に、リバラボインターンシップに参加してくれた研修生から、「きこりんさんのこの投稿をみてエントリーしようと思った」というような感想をいただくこともあります。私の1回の投稿が、誰かの役に立っているんだ、誰かの背中を押せたんだと考えるととても嬉しいです。明るくて話しかけやすいお姉さんのような存在に捉えてもらえるようなアカウントでありたいと思って、日々投稿しています。

リバラボ広報の永友さん04

“きこりん”をきっかけに、会社やサービスのファンを増やしたい

永友さんにとって広報PRとは?という投げかけに、「会社やサービス・社員の想いを、届けたい人に届けるブリッジみたいな存在。かつ、ブリッジさせるだけではなくて、そこからファンになってもらうことを目指す存在だと思います」と話す永友さん。

自分自身が会社やサービスのファンと出会えるきっかけになるようポジティブな発信を行い、裏側では日々分析を行って、PDCAを重ねながら“きこりん”スタイルを確立されたというお話が印象的でした。

自らをSNS上で開示することは、勇気がいることです。でも、その勇気を支えるアクションを重ねることが、会社やサービスの成長に寄与すると教えてくれました。発信しつづける永友さんの姿勢は、今後も誰かの背中をそっと押してくれることでしょう。

(撮影:原 哲也、取材はリモートで実施しました)

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この記事のライター

林 優

林 優

サイバーエージェント新卒入社、Makuake配属。イベント企画・運営を担当するとともに、ガジェット・ファッション・飲食店・日本酒…など、毎月数百件開始するプロジェクトの広報業務を担当していました。<br> 多岐にわたるジャンルのプロジェクトPRを担当する中で積んできた広報業務経験を活かしたコンテンツづくりに取り組んでいます。

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