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広報担当者が知っておきたいサステナビリティ・SDGs・ESGのことと取り組み方

SDGs・持続可能な開発目標が2015年に採択されてから、5年以上が経過しました。当初は国が主体となって取り組むに留まっていたSDGsの活動は、今や誰もが知っている有名企業から中小企業まで、数多くの企業が積極的に取り組んでいます。

自社でもサステナビリティ・SDGs・ESGの取り組みを行うことになった際、広報担当者がまず何をすべきなのか、不安に思う広報担当者は少なくないはずです。また、広報が主体となって、サステナビリティの取り組みを行っていきたいというケースもあるでしょう。

本章では、広報担当者が知っておきたいサステナビリティ・SDGs・ESGの基本から、取り組む際の注意点、まずできることをご説明します。

世の中の動きを把握しておくことは広報担当者にとって重要

サステナビリティ・SDGs・ESGがそもそも何を指し示しているのか、まったく知らない広報担当者は少ないかと思いますが、日本国内だけでなく、世界中で注目されているトピックということもあり、最新情報は常に更新され続けています。

各取り組みにおいて現状がどうなっているのか、広報担当者なら世の中の動きを逐一把握しておくことはとても重要です。自社の発信する情報が世の中の動きとズレてはいないか、常にベストなタイミングで発信できているか。自社が発信した情報を世の中の話題にのせるには、タイミングの調整と時流に対して適当な内容であることが欠かせないからです。

では、サステナビリティ(サステナブル)や、SDGs、ESGの言葉の意味について改めて確認しておきましょう。

世の中の動きをリサーチ

サステナビリティ(サステナブル)とは?

サステナビリティ(サステナブル)は、直訳すると「持続可能な」という意味を持つ言葉です。元々アメリカでは普通に使われていた言葉で、2019年9月頃から日本でも頻繁に使われるようになりました。

サステナビリティとは、簡単に言えば、地球環境、社会、経済に優しい行いのことを指します。

まずは環境面についてご説明します。地球環境に優しい行いについては、以前からエコという言葉が使われていました。エコという言葉には環境保全の意味合いがありますが、サステナビリティが指す環境に良い行いとは、現在のように、世界中に人が住み、生活していける環境の継続を目指すことを指しています。

次に、社会面についてご説明します。社会面での持続可能な行いとは、働くすべての人が平等に社会的恩恵を受けられるよう改善していくことを指しています。これは劣悪な労働条件、低賃金や過剰労働などの見直しが該当します。

最後に、経済面についてご説明します。経済面では、30年〜50年の長期的な視野を持ち、持続可能な企業を目指す経営を行うことを指しています。サステナブル経営と呼ばれることもあり、事業の継続とサステナビリティが一体化していることも少なくありません。

SDGsとは?

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、持続可能な開発目標という意味のSustainable Development Goalsの略称です。2015年9月の国連サミットで採択され、2030年までを期限とした17のゴール・169のターゲットから構成されています。

17のゴールについては「持続可能な開発のための2030アジェンダ」で確認できます。

持続可能な開発目標

出典:持続可能な開発のための2030アジェンダ

また、SDGsの主な5つの特徴は以下と定義されています。

普遍性:先進国を含め、全ての国が行動
包摂性:人間の安全保障の理念を反映し、「誰一人取り残さない」
参画型:全てのステークホルダーが役割を
統合性:社会・経済・環境に統合的に取り組む
透明性:定期的にフォローアップ

持続可能な開発のための2030アジェンダ

企業としてSDGsに取り組む際には、上記を満たしているのかを意識して取り組むとよいでしょう。

ESGとは?

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取って作られた言葉で、企業投資を行う際の新しい判断基準という意味合いを持っています。

従来、企業価値を測る方法は主に2つでした。ひとつは企業の業績で、もうひとつは財務状況です。しかし、サステナブルやSDGsの活動が注目される昨今、企業の安定した持続可能な成長には、自然環境や社会的な労働環境への取り組みが影響を及ぼしているといえるでしょう。

事業内容は環境に配慮しているか、性別や人種などに関わらず適正な労働条件が保たれているか、企業として万全なリスク対策ができているか。3つの観点から企業の状況を確認することで、現時点では不透明である企業の将来性や、将来的な価値を見通して企業投資を行うことができるのです。

性別や人種などに関わらず適正な労働条件

広報としてSDGsにどう取り組めばいいの?

SDGsについて様々な情報が飛び交う中で、広報担当者としてどのように取り組めばいいのか悩んでいる方は多いでしょう。

本項では、自社がSDGsへの取り組みを行う際、広報担当者として注意したい5つの点をご説明します。

1.本業との接続性はあるか

広報活動および企業としてSDGsに取り組む場合、本業との接続性がもっとも大切な部分となります。本業と繋がりのある活動であれば、記者も生活者も納得感を持って受け入れやすいからです。

例えば、株式会社伊藤園は2020年11月30日に発表した「伊藤園グループ中長期環境目標」の策定で、容器包装に関する目標と、気候変動に関する目標の2つを掲げています。

容器包装の目標では、2030年までにペットボトルに使用するリサイクル素材の割合を100%にすることを目指しています。気候変動に関する目標では、CO2排出量の削減を具体的に掲げています。

ペットボトル飲料を発売している伊藤園だからこそ、説得力を感じられる取り組みの内容です。このように本業との接続性が高いことで、社外に対しても自信を持って発表できますし、社内でも納得感を持ってプロジェクトを進めることができます。

2.世の中の流れに合わせた発信を

SDGsに関する自社の取り組みは、時流に合わせて発信することを意識するのも大切です。

SDGsには2030年までに達成する17の大きな目標が掲げられています。例えば、その中の目標13「気候変動に具体的な対策を」は、2021年現在SDGsの取り組みの中でもかなり注目を浴びています。

目標13は、地球温暖化をこれ以上進めないために掲げられた目標です。このままでは100年後には地球全体の温度が4℃上昇してしまうのを1.5℃以内に抑えなくてはなりません。1880年から2012年の間ですでに0.85℃上昇している(※1)ことから、早急な対策が求められています。

このように期限が迫っていたり、早急な対策が求められている話題に合わせて発信することを心掛けましょう。SDGsに対して何から取り組んでいくのか、17の目標がそれぞれどの状態にあるのかリサーチしてから取り組んでいくのも良いでしょう。

3.企業としての問題意識、想いを全社で持てているか

自社でSDGsの取り組みをする時に広報がもっとも力を入れたいのが、社員全員で目標を達成したいという意識を持つための、社内での広報活動です。

SDGsに関する取り組みを推進することが決まったら、まずは社内セミナーを開催しましょう。なぜ自社でSDGs活動をする必要があるのか、なぜこのタイミングなのか、目標を達成するために一人ひとりがどのような行動をするべきなのか。

期限までに課題を解決するには、社員一人ひとりの責任感を伴う行動が重要となることをきちんと伝えましょう。17の大きな目標が現時点でどの程度、解決されているのか、動きがあり次第、内容を共有するセミナーを行うのもおすすめです。

4.自治体や他の企業と連携した取り組みができるか

SDGs活動を自社で行うには限界があります。最初は自社のみで始めたとして、途中で関連する自治体や他企業と協力できないか、活動の計画が持ち上がった時点で検討するのも広報の仕事のひとつです。

活動に関係する企業の数が多くなれば発信を届けられる範囲は広くなりますし、各企業の強みを組み合わせた独自の取り組みも可能になります。

例えば、内閣府・地方創生推進事務局が進めている取り組みのひとつに、地方創生SDGs官民連携プラットフォームがあります。令和3年4月1日時点で889団体の会員で構成されています。自社でSDGs活動を行う際、このようなプラットフォームに所属するのも検討すると良いでしょう。

5.社外からの意見を取り入れながら活動を進める

SDGs活動を行ううえで意外と大切になってくるのが、社外からの意見を取り入れることです。

社会に貢献する活動は、自分たちだけだと本当に貢献できているのかどうかわからなくなる部分も大いにあります。その時に重要となるのが社外の識者の方からの率直な意見です。外部の方から評価してもらいながら進めることで、指針がズレていたら方向修正ができますし、社外の意見も取り入れながらプロジェクトを進めていることを社会に示すこともできます。

SDGs活動の内容に合わせ、問題解決のために活動している第一人者にコメントをもらえるよう依頼することを忘れないようにしましょう。

SDGs活動の重要ポイント

社内にも社外にも納得感を与えて進められるかどうかがSDGs活動では重要

自社でSDGs活動に取り組む際、できればメディアに取り上げてもらい、社会全体の問題解決に関しても力を入れている企業だという認識をあげたいですよね。それには、自社がなぜSDGs活動に取り組むのかを社内外に対して納得感を持って受け入れてもらわなければいけません

その点で広報担当者がまず行動できることとしては、社内に向けてSDGsのセミナーを開催することでしょう。社内の協力なくしてプロジェクトの成功はありえません。社員一人ひとりがSDGs活動について積極的な行動・発信ができるよう、広報担当者が率先して社内の結束力を高めるための行動を行っていきましょう。

※参考

1:IPCC 第5次評価報告書の概要 -WG1(自然科学的根拠)-

広報が知っておきたいSDGs・サステナビリティに関するQ&A

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この記事のライター

佐藤 杏樹

佐藤 杏樹

フリーのライター・編集者。PR TIMESに新卒入社しメディア事業部にてコンテンツ編集者・SNS運用・イベントなど担当。現在も執筆業に携わりながら広報・PRの仕事もしています。広報実務を通して得た知見や実践しやすい広報ノウハウ、最初に知っておきたい広報の基礎など、みなさまに分かりやすくお伝えします。

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