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企業が「技術広報」に取り組むメリットは?仕事内容の基本もご紹介

近年IT企業を中心に注目されている「技術広報」。技術広報という言葉を耳にしたことはあるけれど、実際の役割を知らない方も多いのではないでしょうか。本記事では、技術広報の基本的な仕事内容だけでなく、活動のメリットや向いている人材の特徴などをご紹介します。

技術広報の役割と目的は?

技術広報には、自社の技術に関する情報を外部に戦略的に発信する役割があります。技術力の発信で企業のブランド力が向上し、優秀な人材が集まることから技術広報について関心が高まりつつあります。採用や各種APIの普及、ブランディングなどを目的とすることが多いです

技術広報はエバンジェリストの役割も担います。エバンジェリストとは、もともと「伝道者」という意味をもつ言葉で、専門家として中立な立場で情報発信をします。技術の知識だけでなく、自社が提供するサービスや製品について精通すると共に、プレゼンテーション能力が求められます。

自社製品のプレゼンテーションをしている

企業に属していながらも、偏らず中立な立場で情報を提供することで社外と信頼関係を築くのが特徴。自社技術の先進性や独創性をどう発信していくのかを考え、自社の技術を社外に正しく伝道していきます。

エバンジェリストは自社が提供するサービスや製品の良さを伝える役割を担っていますが、業界に関する話題を提供することも必要です。業界のトレンドや最新のテクノロジーについて貪欲に学んで行きましょう。

スタートアップ企業では、自社が開発したシステムやプロダクトの認知度を高めることが、資金調達や業績にも関わる可能性があるため、技術広報は自社の成長のプロセスを外部に伝える重要な存在でもあるのです。

技術広報の主な活動内容

先ほどは技術広報の役割と目的をご紹介しましたが、具体的な活動内容はどういったものがあるのでしょうか。ここでは、記事の執筆、イベントの登壇・開催、社内向けの情報発信の3つをご紹介します。

1.記事の執筆

社外に向けて、自社の技術力や知識をブログなどで継続的にアウトプットしていきます。「継続的に記事で情報発信したいけれども、ネタがなかなか見つからない」と悩まれるかもしれませんが、サービス・製品について、業界について、経営についてなど様々な角度で情報をインプットすると、ネタが探しやすいですよ。

記事の公開前にインプットをし補強したり、相違がないか検証したりすることで、スキルが向上する側面もあります。企業の価値向上につながるように記事の表現や構成も工夫しましょう。

2.イベントの登壇・開催

イベントはリアルなコミュニケーションの場で最新技術について話すので、熱量を感じられるのがメリットです。何を狙いとしたイベントなのか、終わった後に参加者がどのような状態になっていればいいのかを考えてイベントの登壇・開催をすることが大切です。

イベントで登壇している

イベントで情報を発信してただ聞いてもらうだけでなく、参加者に実際にアクションを起こしてもらえるよう意識してイベントに挑みましょう。

3.社内向けの情報発信

社外で得た情報を社内に還元していきます。社外だけでなく社内向けの技術広報を行うことで、従業員に対して自社技術への理解度を高め、新たな事業開発へのアイデアが生まれることも。

技術に詳しくない従業員がいることも多いため、「技術に関する情報はハードルが高い」と思っている人に向けて専門的な内容はかみ砕いて説明し、テキストだけでなく図や画像を用いながら視覚的に発信するのが良いでしょう。そうすることで技術への理解が深まり、従業員が自社技術の強みを理解することができます。

技術広報として活動をする3つのメリット

技術広報として活動することで期待できるメリットは大きく3つに分けられます。得られる効果を確認しておきましょう。

1.  技術職を採用するコストの削減

IT市場は年々拡大していますが、技術職人材は不足しています。また企業側の求めるスキルが高まっており、優れた技術職人材は高待遇のケースが多く転職市場に人材が流れてこないため、技術職の採用は難しいとされています。

技術広報が積極的に社外へ情報発信することで、エンジニアからの認知度が向上し、自社で働くことに興味を持ってもらうことに繋がります。

自社の技術や現場で求められるスキル、どんな人が働いているのかを理解してもらうことでミスマッチを防げます

2.自社が開発したシステムやプロダクトの認知度向上

有名なサービスなどがない限り、いきなり自社のことを覚えてもらうのは難しいものです。 そこでまずは、自社の技術に関する情報を、記事やイベント登壇などで積極的に発信します。開発者の試行錯誤やプロダクトが誕生するまでの過程など、システムやプロダクトに愛着や共感を感じてもらえる内容が良いでしょう。

技術広報は、情報発信を地道に継続することが重要です。情報発信で自社が開発したシステムやプロダクトの認知度を高めていきましょう。

3.社内・社外のブランディング強化

技術力が高い会社だという印象を社内外に与えることで、企業のブランド価値向上にも繋がります。

技術ブランディングは、エンジニアが自主的に情報発信できる環境をつくることでうまくいきます。そんな環境を整えながら自社の技術的なプレゼンスを高めて、企業のブランド力を構築していきましょう。

技術広報に向いている人材とは?

では一体、どのような人が技術広報に向いているのでしょうか。

【技術広報に向いている人材】

  • 現役のエンジニアであること
  • 継続的にアウトプットするのが好き
  • 人事やマーケティングの知識にある程度精通している
  • 広報戦略を打ち出せる人
  • プレゼンテーションが得意な人
技術広報に向いている人材

技術広報は、企業として発信する技術レベルの良し悪しが判断できる必要があります。そのため現役のエンジニアが望ましいです。積極的な発信が得意ではない社内の技術者たちにも発信を促せるような、コミュニケーションが得意な人も向いてます。情報を伝えるだけでなく、企業価値を高める技術情報を発掘できる視点を持つことも大切です。

技術広報には高度な知識や幅広い経験が求められる場合があるため、技術広報となる人材には長年の業界経験と向上心も必要とされるでしょう。

技術広報は社内での理解が大切

IT技術は高度化・複雑化し、難解さの度合いが増しています。高い専門知識が求められるため、自社サービスの開発や運用を担当するエンジニアが技術広報を兼務している場合も多いです。

主担当と兼務して技術広報としての活動を円滑に回すためには、技術広報の活動で必要な登壇資料作りなどの業務も開発タスクと同じように管理するのも良いでしょう。技術広報としてのタスクを周囲にも見える化することで、他のタスクに着手できない時でも不透明さを取り除くことができます。

円滑な技術広報の活動を行うためには、社内からの信頼は欠かせません。成果を積み重ねて、技術広報の活動が社内で認知されていけば、相互に協力し合うチームに近づけます。

社内メンバーに協力を仰ぎながら、社内で収集した技術に関する情報を積極的にアウトプットすることで、企業としての発信力が高まり、会社の成長を後押しできるはずです。ぜひ、この記事を参考にしながら積極的に発信してみてくださいね。

技術広報に関するQ&A

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この記事のライター

浜内 久乃

浜内 久乃

RooMooN株式会社 代表取締役。新卒で広告代理事業の営業を担当。その後、ZOZO・マイナビ・DeNAを経て、デジタル・マスのプロモーション全般に携わる。2017年にC Channel株式会社に入社し広報を担当。2020年4月にRooMooN株式会社を設立し代表取締役に就任。複数企業様の広報PRやマーケティング、コミュニティづくりの支援などを行なっている。

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