アストラゼネカ、日本人患者さんのタグリッソへのアクセスの実態を把握する最初のリアルワールドエビデンスとして、多施設共同前向き観察研究REMEDYの結果をELCCで発表

アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム、以下、アストラゼネカ)は、4月11日~14日にスイス・ジュネーブで開催されたELCC(欧州肺癌学会)において、多施設共同前向き観察研究 REMEDY試験の結果を発表しました。本試験は実地臨床下でEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)治療中に増悪を来した日本人症例における、一連の検査および薬剤選択の状況を明らかにしたもので、日本人患者さんのタグリッソへのアクセスの実態を把握する最初のリアルワールドエビデンスとしても注目されます。

本試験では、T790M変異検査のための検体採取率、T790M変異検査実施率、T790M変異陽性率、T790M変異ステータス毎の薬剤選択状況を前向き観察により確認しました。その結果、実地臨床下では憎悪部位の腫瘍検体採取が困難な場合がある等の理由により、EGFR-TKI投与中に病勢憎悪が認められた患者のうち、タグリッソによる治療対象となるT790M変異陽性が確認できた患者さんの割合は約26%にとどまることが判明しました。

REMEDY試験の研究代表者である、独立行政法人国立病院機構 九州がんセンター 呼吸器腫瘍科の瀬戸貴司医師は次のように述べています。「現在T790Mの検出には組織検体や血漿検体が用いられますが、これまで実地臨床において、検体採取からT790M変異検査状況とT790M変異ステータス別の治療実態を包括的に検証した報告は無く、実態は不明でした。今回、T790 M変異を確認できたEGFR変異陽性NSCLC患者さんは全体の約1/4との結果でしたが、適切な腫瘍検体を用いて検査の精度を上げることで、より多くの患者さんに新たな治療機会を提供できる可能性があります。また、将来的にタグリッソが1次治療として使用できる環境が整えば、より多くの患者さんに治療開始時からより長い奏効期間を提供することが可能となるため、EGFR 遺伝子変異陽性非小細胞肺癌の薬物治療成績の向上に寄与できるものと期待しています」。

本試験の結果を受け、アストラゼネカ執行役員メディカル本部長の松尾恭司は次のように述べています。「REMEDYの結果により、国内でのT790M変異陽性患者さんの検査環境、薬剤選択の実態を把握する事ができました。本試験結果で得られたT790M変異検査に関する新たな知見がEGFR変異陽性NSCLC患者さんの治療シークエンスを戦略的に考える上で重要なエビデンスとして活用され、医療従事者および患者さんの治療選択に貢献できることを期待しています。弊社は、今後もリアルワールドエビデンスの活用を通して、日本の患者さんの薬剤へのアクセスと治療環境の向上のために尽力してまいります」。

REMEDY試験の主な結果:
・国内49施設において、2017年1月から8月迄にEGFR-TKI投与中に病勢増悪を認めた236例を対象に行われた前向き観察研究の結果、T790M変異検査のための検体採取率は86.9%(205例)、T790M検査実施率は84.3%(199例)、T790M変異陽性率は25.8%(61例)、T790M変異陽性でタグリッソが使用された割合は23.7%(56例)でした。
・組織・細胞検体を用いたT790M変異検査は68例に、血漿検体を用いたT790M変異検査は137例行われ、組織・細胞検体を用いて実施したT790M変異検査の22例および血漿検体を用いたT790M変異検査の27例が陽性でした。
・初回の検査で陰性または不明と診断された一部の症例においてはT790M検査が再度ないし再再度実施され、新たに12例がT790M変異陽性と同定されました。
・血漿検体を用いたT790M変異検査の主な実施理由は、腫瘍検体採取が患者に及ぼす侵襲性負担でした。

タグリッソは、2016月3月に「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のEGFR T790M 変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌(NSCLC)」の適応で本邦における承認を取得しました。その後、2017年11月27日にEGFR遺伝子変異陽性NSCLCの1次治療への適応拡大に向けた製造販売承認事項一部変更承認を申請し、優先審査品目に指定されました。
以上


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非小細胞肺がんについて
肺がんは、男女双方のがん死因の第1位であり、すべてのがんによる死亡の約4分の1を占めています。また、肺がんによる死亡者数は、乳がん、前立腺がんおよび大腸がんによる死亡者合計を上回ります1。NSCLC患者さんのうちEGFR変異陽性の患者さんは、欧米で10-15%、アジアでは30-40%を占め2,3,4、腫瘍細胞の増殖を促進する細胞内シグナル伝達経路を阻害する既存のEGFR-TKIによる治療に非常に高い感受性を示します5。しかし、腫瘍はほとんどの場合、薬剤耐性を生じ、その結果、病勢が進行します6。既承認のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるゲフィチニブあるいはエルロチニブによる治療を受けている患者さんの約半分において、T790Mによりこの薬剤耐性が発生します。タグリッソも病勢進行につながるこの二次変異を標的としています6,7。また、EGFR変異陽性NSCLC患者さんの約25%は診断時に脳転移を有しており、診断後2年以内にその率は約40% に増加することから、より高い中枢神経系の有効性を持つ薬剤に対するニーズも存在します8。

タグリッソについて
タグリッソ (オシメルチニブ) は第3世代不可逆的EGFR阻害剤であり、EGFR感受性変異およびEGFR T790M耐性変異の両方を阻害するように設計されており、中枢神経系 (CNS) 転移に対する臨床活性も有しています9。タグリッソ40mg錠および80mg錠1日1回経口投与は、EGFR T790M変異陽性進行NSCLCの治療薬として米国、EU、日本、中国を含む75カ国以上で承認されています。また、タグリッソは術後補助療法ならびに他の治療薬との併用療法においても現在承認に向けて開発中です10,11。

アストラゼネカにおける肺がんについて
アストラゼネカは、すべての肺がん患者さんに貢献できる治療薬の開発に努めています。当社は、承認済の2つの治療薬に加えて、腫瘍細胞の遺伝子変異を標的とするものやがんに対する免疫応答を増強するものなど成長著しいパイプラインを有しています。当社は、サイエンスの限界に挑戦し続けることで、肺がんのすべてのステージおよびすべての治療ラインにおいて患者さん延命に寄与し、生活の質を改善する画期的な治療をもたらすことを目指しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に上市を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたNew Oncologyをアストラゼネカの5つの成長基盤のひとつとして進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。また、炎症、感染症およびニューロサイエンスの領域においても、他社との提携を通じて積極的に活動しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

日本においては、主にオンコロジー、循環器・代謝/消化器疾患、呼吸器疾患を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動しています。当社については http://www.astrazeneca.co.jp をご覧ください。

Reference:
1. American Cancer Society. Key Statistics for Lung Cancer. Available at https://www.cancer.org/cancer/non-small-cell-lung-cancer/about/key-statistics.html. Accessed November 2017.
2. Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12.
3. Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27.
4. Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89.
5. Langer CJ, et al. Epidermal Growth Factor Receptor Inhibition in Mutation-Positive Non-Small-Cell Lung Cancer: Is Afatinib Better or Simply Newer? J Clin Oncol. 2013:31(27);3303-05.
6. Yu HA, et al. Analysis of Tumour Specimens at the Time of Acquired Resistance to EGFR-TKI Therapy in 155 Patients with EGFR-Mutant Lung Cancer. Clin Cancer Research. 2013:19(8);2240-46.
7. Wu SG, et al. The Mechanism of Acquired Resistance to Irreversible EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Afatinib in Lung Adenocarcinoma Patients. Oncotarget. 2016:7(11);12404-13.
8. Rangachari, et al. Brain Metastases in Patients with EGFR-Mutated or ALK-Rearranged NonSmall-Cell Lung Cancers. Lung Cancer. 2015;88,108-111
9. Cross DAE, et al. AZD9291, an Irreversible EGFR TKI, Overcomes T790M-Mediated Resistance to EGFR Inhibitors in Lung Cancer. Cancer Discov. 2014:4;1046-61.
10. National Institutes of Health. AZD9291 Versus Placebo in Patients With Stage IB-IIIA Non-small Cell Lung Carcinoma, Following Complete  Tumour Resection With or Without Adjuvant Chemotherapy (ADAURA). Available at: https://www.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02511106 . Accessed November 2017.
11. National Institutes of Health. AZD9291 in Combination With Ascending Doses of Novel Therapeutics. Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02143466 . Accessed November 2017
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