期待7割に対し「役立っている」2割…保育園ICT化の課題

保育士の業務の簡略化や負担軽減を行い、人材不足を解消しようと全国で進む保育園の「ICT化」。今回は主に現場で働く保育士さんを対象に、ICTシステム導入の現状や今後における課題について調査を行いました。

保育士や幼稚園教諭の人材紹介サービス【保育のお仕事】(https://hoiku-shigoto.com/)や、保育園向け業務支援サービス比較サービス【保育園支援ナビ】(https://hoiku-service.jp/)を展開する、株式会社ウェルクス(本社:東京都墨田区両国)は、読者を対象に行ったアンケートに基づいた独自のコンテンツを発表いたしました。
 



これは、保育園における「ICT化」について、現役の保育士を中心とした読者にアンケート調査を行った結果を公表したものです。

保育士の業務については、手書きでの書類作成や事務量の多さなどから、業務の簡略化、負担軽減の必要性が叫ばれており、その問題改善に役立つとICTシステムの導入が全国の保育園で進んでいます。そのシステム導入に対して、現場の保育士がどのような期待を寄せているのか、また導入することで実際の業務改善につながっているのか、現状と今後の課題が伺える内容となっています。


調査の概要(一部)
今回は保育園のICT化について、すでにICTシステムを導入している保育園、まだ導入をしていない保育園、それぞれにお勤めの保育士計104名を対象にしたアンケート調査を実施しました。

まず、ICTシステムをまだ導入していない保育園にお勤めの方44名に、ICTシステムの導入が業務簡略化、負担軽減に役立つと思うか伺ってみました。
すると70%が「はい(役立つと思う)」と回答。「いいえ(役立つと思わない)」7%、「どちらとも言えない」23%を大きく上回る結果となりました。
 

ICT化に対しては多くの保育士がその導入効果に期待していることがわかります。

具体的にどのような点に期待を寄せているのか、先の質問で「はい(役立つと思う)」と回答された方に伺ってみたところ、もっとも回答が多かったのは「手書きでの書類作成が減ること」で87%。「紙媒体の管理が少なくなること(77%)」「保育士同士の情報共有が簡単にできること(77%)」が続く結果となりました。
 

手書きでの書類作成には手間と時間がかかるうえ、個人情報を含む書類を管理する上では厳密な管理体制も必要です。調査結果からは、現場においてそれらが保育士の負担になっていること、また改善が期待されていることが伺えました。

続いて、すでにICTシステムを導入している保育園のお勤めの方60名に、システム導入が業務簡略化や負担軽減に役立っているか否かを伺いました。

「ICTシステムの導入は、あなたの業務簡略化、負担軽減に役立っていると思いますか?」という質問に対して、「はい(役立っていると思う)」と回答したのはわずか22%。「いいえ(役立っていると思わない)」30%、「どちらとも言えない」48%いずれも下回る結果となりました。

また、「ICTシステム導入で、業務にかかる時間は、1日あたりどれくらい短縮されましたか?」という質問に対しても、最も多かったのは「短縮されたとは思わない」で75%。1時間30分以上業務時間が短縮されたという意見は、全体のわずか4%にとどまっています。
 

システム導入が業務改善に役立っていないと感じている方に「どのような部分が役に立たないと感じるか」伺ってみたところ、最も多くの方が「役に立たない」と感じる部分は「気づいたときや手が空いた時間に作業がしにくい」で78%。

「PCやタブレットでの入力に慣れないため時間がかかる(72%)」「閲覧・入力可能なPCなどの端末が少ない(67%)」「一部手書きの業務があるなど一元管理できていない(56%)」「ICTシステム導入に際して十分な研修やレクチャーがない(56%)」「ネットワーク環境が悪く業務に時間がかかる(56%)」なども回答者の過半数が不満を抱える課題点となっています。

 

【保育士の声(一部抜粋)】
・結局PCやUSBの持ち帰りがNGなので、園内でやろうとしても園児が起きたりすると手が止まり進まず…なら、手書きでウチでやると言った具合で…意味がない。(35~39歳・保育士/パート・アルバイト・女性)

・とにかく接続が悪く、次の作業に移るまでに時間がかかります。また、入力したものがすべて消えてしまうなどという不具合も多いです。そして、担任4人で1つのタブレットを使用している為、それぞれが利用する時間が短く個人の仕事が進みません。(20~24歳・保育士/正規職員・女性)


一方、ICTシステム導入園にお勤めの方のうち、システム導入が業務簡略化や負担軽減に「役立っている」と回答された方に、どのような部分が役に立っているか聞いたところ、「手書きでの書類作成が減ること」については92%が役立っていると回答。

「保育士同士の情報共有が簡単にできること(62%)」「情報管理のフォーマットが一律になり見やすいこと(54%)」についても、回答者の半数以上が改善を実感されているという結果になりました。

最も役に立っていると思う業務支援機能についても伺ったところ、「保育日誌・指導計画の管理」が31%でトップ。これはICTシステム未導入園の方が最も使いたい思う業務支援機能でもあり、期待に対して一定の満足度が得られていることが伺えます。
 

では導入前に期待される部分について、システム導入で改善が実感できる部分も多いにもかかわらず、全体的な満足度があまり高くないことにはどのような理由があるのでしょうか。

今後どのような改善があれば、さらなる保育士の業務効率化につながると思うか、自由回答にてお答えいただいたところ、次のようなご意見が寄せられました。

・保育士一人一人に専用のパソコンがあると良い。またICT化に向けて研修があると使いやすい。(25~29歳・保育士/正規職員・女性)

・パソコンは使ううちに消耗するものなので、セキュリティーを含め、ICT化にもっと補助金が出ないと厳しい。(45~49歳・保育士/正規職員・男性)

・人員配置。事務作業、製作準備をする間にも代理の保育士を配置。空き時間のみでやるのは不可能。(35~39歳・元保育士・女性)

・誰もが分かりやすく使いこなせるような研修があれば…。(40~44歳・保育士/パート・アルバイト・女性)

多くの声が寄せられたのが使用できるパソコン、タブレット等の端末の不足について。また操作方法に対して十分なレクチャーがないことや、環境整備に十分な補助金が出ていないことなどに対しても、改善が必要との声が挙がっていました。

保育園のICT化については、保育士の業務簡略化・負担軽減に役立つ要素があるにもかかわらず、環境整備の不十分さや、レクチャー、フォローの不足から、現場がそのメリットを十分に享受できていない現状が伺えます。

今後、保育士業務においてICTシステムを活用していくためにも、ICTシステムは「ただ導入すれば良い」というものではないことを理解し、現状の課題について、改善を図ることが重要なのではないでしょうか。



記事に関する詳細
◆保育のお仕事レポート
【表題】70%が期待!保育園のICT化は保育士さんの役に立つのか
【URL】https://hoiku-shigoto.com/report/news/ict-at-nursery/

◆保育園支援ナビ
【表題】保育園ICT化 期待度は高いが課題も多く…現場の本音とは?
【URL】https://hoiku-service.jp/guide/22


アンケート調査概要
・実施期間:2017年6月9日~6月20日
・実施対象:
保育士/正規職員(64%)・保育士/パート・アルバイト(22%)・保育園経営者・園長(6%)・元保育士(8%)
・回答者数:104人
(導入園にお勤めの方:60名/未導入園にお勤めの方:44名)
・平均年齢:34歳)
・男女割合:女性/93%・男性/7%
※ご協力いただきました皆さま、貴重なご意見をありがとうございました!
※いただいた回答は一部抜粋し、個人が特定できないようご紹介しております。

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【本リリースに関するお問い合せ】
株式会社ウェルクス
担当:白井
TEL:03-5638-6191 (代表)FAX:03-5625-6702
MAIL: yumi-shirai@welks.co.jp
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