アストラゼネカのイミフィンジ、免疫療法として初めて進展型小細胞肺がんにおいて有意な生存期間延長と、奏効の改善と持続を示す

第Ⅲ相CASPIAN試験において、固定用量のイミフィンジがシスプラチンまたはカルボプラチン化学療法との併用で生存期間を延長

本資料はアストラゼネカ英国本社が2019年9月9日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。

アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot]、以下、アストラゼネカ)は、9月9日に、イミフィンジが第Ⅲ相CASPIAN試験において治療歴のない進展型小細胞肺がん(SCLC)患者さんの全生存期間(OS)を有意に延長したことを発表しました。 

本試験において、イミフィンジと標準治療である化学療法(エトポシドおよびシスプラチンまたはカルボプラチン)併用群は、化学療法単独群に比べ、OSにおいて統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示しました。免疫チェックポイント阻害剤と化学療法の併用群における化学療法は4サイクル実施し、化学療法単独群においては最長6サイクルの化学療法および予防的頭蓋内照射(PCI)の実施が認められていました。

本試験において、イミフィンジと化学療法併用群はOS中央値13.0か月を示し、死亡リスクを27%減少させました(ハザード比0.73に相当)。一方、化学療法単独群のOS中央値は10.3か月でした。今回確認されたOS結果から、治療開始後18か月時点で生存している患者さんはイミフィンジと化学療法併用群では 33.9%、化学療法単独群では24.7%と推計され、併用療法によるOS延長のベネフィットが示されました。

また、治療後12か月時点における無増悪生存割合は有意に高く(17.5% vs. 4.7%)、客観的奏効率 (ORR) (67.9% vs. 57.6%)においても10.3%上昇、12か月時点まで奏効が持続している患者の割合の改善 (22.7% 対 6.3%)を示すなど、すべての有効性評価項目においてイミフィンジと化学療法併用群のベネフィットが化学療法単独群に対して認められる結果となりました。

この結果は、スペイン・バルセロナで行われた国際肺癌学会主催の2019年世界肺癌学会特別シンポジウムで発表されました。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるJosé Baselgaは次のように述べています。「イミフィンジと化学療法の併用治療を行った小細胞肺がん患者さんの3分の1以上が18か月後の時点で生存しているという結果は、悪性度の高いこの疾患において非常に勇気づけられる素晴らしい結果と言えます。また、今回の良好な結果は、シスプラチンまたはカルボプラチンによる化学療法とイミフィンジの併用療法の選択を後押しする可能性があり、注目すべきです。世界中の小細胞肺がん患者さんに一刻も早くイミフィンジをお届けできるよう、アストラゼネカは規制当局と連携していきます」。

また、スペイン・マドリッドのHospital Universitario Doce de Octubreの医学博士および腫瘍内科責任者であり、CASPIAN試験の治験責任医師であるLuis Paz-Ares氏は次のように述べています。「小細胞肺がんの5年生存率はわずか6%と低く、非常に深刻な疾患でありながら治療オプションは限られていました。イミフィンジがわずか4サイクルの化学療法との併用で、6サイクルまで使用可能であった化学療法単独群に対して生存期間を大幅に延長したことは、新たな治療選択肢のエビデンスとなり、患者さんの希望にもつながります」。

SCLCは悪性度が高く増殖の速いがんであり、プラチナ製剤ベースの化学療法で効果が得られていたとしても、その後、急速に再発・進行することがあります (1)。

イミフィンジとエトポシドおよびプラチナ製剤ベースの化学療法との併用療法の安全性および忍容性は、これまでに知られているそれぞれの薬剤の安全性プロファイルと一貫していました。イミフィンジと化学療法併用群でグレード3または4の有害事象が出現した患者さんの割合は61.5%であったのに対し、化学療法単独群では62.4%でした。なお、有害事象により治療を中止した患者の割合は2つの群間で同様でした(9.4% vs. 9.4%)。 

また、限局型SCLCにおける同時化学放射線療法実施後のイミフィンジの有効性については第Ⅲ相ADRIATIC試験において検証中です。

現在、イミフィンジは第Ⅲ相PACIFIC試験に基づき、切除不能なステージⅢ非小細胞肺がんに対する化学放射線療法後の治癒目的で、米国、日本、EU諸国を含む49か国で承認されています。

なお、イミフィンジは、進展型小細胞肺がんに対する適応は本邦未承認です。

以上

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CASPIANについて
CASPIAN試験は、進展型SCLC患者さんの一次治療を対象とした、無作為化非盲検国際多施設共同第Ⅲ相試験です。本試験は、イミフィンジと化学療法(エトポシドおよびシスプラチンまたはカルボプラチン)の併用と化学療法単独、および、イミフィンジ、トレメリムマブ(遺伝子組換え)、化学療法の併用と化学療法単独を比較しました。免疫チェックポイント阻害剤と化学療法の併用群における化学療法は最長4サイクル実施し、化学療法単独群においては最長6サイクルの化学療法および予防的頭蓋内照射の実施が認められていました。本試験は、イミフィンジ、トレメリムマブと化学療法の併用に対するOSの最終解析まで継続します。

本試験は、OSを主要評価項目とし、米国、欧州、南米、アジア、中東の22カ国200以上の施設で実施されています。

小細胞肺がんについて
肺がんは男女共にがん死亡の主な原因であり、がん死亡の約5分の1を占めています (2)。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大別され、約15%がSCLCに分類されます (3)。また、SCLC患者さんの約4分の3は、がんが肺の大部分または体の他の部位に広範囲に拡がっている進展型と診断されます。SCLCの5年生存率はわずか6%であり、予後は特に不良です (4)。

イミフィンジについて
イミフィンジ(デュルバルマブ [遺伝子組換え] )はヒトPD-L1に結合するヒトモノクローナル抗体であり、PD-L1に結合しPD-L1とその受容体であるPD-1およびCD80の相互作用を阻害することで、腫瘍の免疫逃避機構を抑制し抗腫瘍免疫反応を誘発します。

イミフィンジは前治療歴のある進行膀胱がん患者さんの治療薬としても米国を含む10か国で承認されています。

様々な癌腫を対象とした開発プログラムの一環として、イミフィンジは、NSCLC、SCLC、膀胱がん、頭頸部がん、肝臓がん、子宮頸がん、胆道がんならびにその他の固形がんの治療として、単剤療法ならびに、抗CTLA-4モノクローナル抗体である新規薬剤のトレメリムマブ(遺伝子組換え)との併用療法においても検討されています。

肺がん領域におけるアストラゼネカについて
アストラゼネカは、さまざまな病期おける異なる組織型の肺がん、治療法、作用機序に対して、承認済みおよび後期臨床開発段階の新薬候補を含め、包括的なポートフォリオを有しています。欧米では10-15%、アジアでは30-40%のNSCLC患者さんがEGFR遺伝子変異を有しており、既承認薬イレッサおよびタグリッソの提供や、現在進行中の第Ⅲ相試験である、ADAURA、LAURA、FLAURA、FLAURA2および第Ⅱ相併用投与試験であるSAVANNAH、ORCHARDによって得られる新たなエビデンスを通じて、遺伝子変異を持つ患者さんのアンメットニーズに応えることを目指しています (5-7)。

また、当社の広範ながん免疫療法の後期開発プログラムは、すべての肺がん患者さんのおよそ75%にあたる既知の遺伝子変異を持たない患者さんを対象にしています (8)。免疫療法ポートフォリオには、PD-L1抗体であるイミフィンジ単剤療法、およびトレメリムマブ(遺伝子組換え)および/または化学療法との併用療法が含まれ、病勢進行が認められた患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(POSEIDON、PEARLおよびCASPIAN)、治癒の可能性がある初期段階の患者さんを対象とした第Ⅲ相試験(AEGEAN、PACIFIC-2、ADRIATIC、術後補助療法のBR.31、PACIFIC-4、およびPACIFIC-5)が現在進行中です。

がん免疫療法(IO)に対するアストラゼネカの取組みについて
IOはヒトの免疫システムを刺激し腫瘍を破壊するよう設計された治療アプローチです。アストラゼネカおよび当社のバイオ医薬品研究開発部門であるメディミューンにおけるIOポートフォリオは、抗腫瘍免疫抑制を克服するよう設計された免疫治療薬により支えられています。当社は、IOに基づく治療は大多数の患者さんの人生に変革をもたらすがん治療となる可能性を提供するものと信じています。

当社は、患者さんにとって最善となる治療の方向性を見極める決定ツールとしてPD-L1バイオマーカーを使用し、複数のがん腫、病期、および治療の段階におけるイミフィンジ(抗PD-L1抗体)単剤療法およびトレメリムマブ(遺伝子組換え)(抗CTLA-4抗体)との併用療法における包括的な臨床プログラムを追求しています。さらに、当社のIOポートフォリオを当社オンコロジー全パイプラインあるいはパートナーの標的低分子化合物の中から広く併用療法を検討していくことにより、広範な腫瘍に対する新たな治療選択肢を提供できる可能性があります。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、急速に拡大しつつある患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保持しています。2014年から2020年までの期間に発売を予定する少なくとも6つの新薬、および低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当てたOncologyを成長基盤として進展させることに注力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子と耐性、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

References
1. Kalemkerian GP, et al. Treatment Options for Relapsed Small-Cell Lung Cancer: What Progress Have We Made? Journal of Oncology Practice, volume 14, issue no. 6 (June 1, 2018) 369-370.
2. World Health Organization. International Agency for Research on Cancer. Available at http://gco.iarc.fr/today/fact-sheets-populations  Accessed May 2019.
3. LUNGevity Foundation. Types of Lung Cancer. Available at https://lungevity.org/for-patients-caregivers/lung-cancer-101/types-of-lung-cancer  Accessed May 2019.
4. Cancer.Net. Lung Cancer - Small Cell. Available at https://www.cancer.net/cancer-types/33776/view-all  Accessed May 2019.
5. Szumera-Ciećkiewicz A, et al. EGFR Mutation Testing on Cytological and Histological Samples in Non-Small Cell Lung Cancer: a Polish, Single Institution Study and Systematic Review of European Incidence. Int J Clin Exp Pathol. 2013:6;2800-12. Accessed July 2019.
6. Keedy VL, et al. American Society of Clinical Oncology Provisional Clinical Opinion: Epidermal Growth Factor Receptor (EGFR) Mutation Testing for Patients with Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer Considering First-Line EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Therapy. J Clin Oncol. 2011:29;2121-27. Accessed July 2019.
7. Ellison G, et al. EGFR Mutation Testing in Lung Cancer: a Review of Available Methods and Their Use for Analysis of Tumour Tissue and Cytology Samples. J Clin Pathol. 2013:66;79-89. Accessed July 2019.
8. Pakkala, S, et al. Personalized therapy for lung cancer: striking a moving target. JCI Insight. 2018;3(15):e120858.

 
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