アストラゼネカのアカラブルチニブ(Calquence)、慢性リンパ性白血病の治療薬として欧州医薬品評価委員会より承認勧告を取得

良好な忍容性を維持しつつ、複数条件にわたり優れた無増悪生存期間を示した2つの第Ⅲ相試験に基づく承認勧告

本資料はアストラゼネカ英国本社が2020年7月27日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。


アストラゼネカ(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者(CEO):パスカル・ソリオ[Pascal Soriot])は、7月27日、欧州連合(EU)においてCalquence®(以下、アカラブルチニブ)に対し、成人白血病において最も患者数が多い慢性リンパ性白血病(CLL)の成人患者さんの治療薬として、製造販売承認が勧告されたことを発表しました(1)。

今回の欧州医薬品庁(EMA)の医薬品評価委員会(CHMP)の肯定的見解は、前治療歴のないCLL患者さんを対象にしたELEVATE TN、および再発または難治性CLL患者さんを対象にしたASCENDの2つの第Ⅲ相臨床試験の結果に基づいています。

ELEVATE TN試験では、前治療歴のないCLL患者さんにおいて、アカラブルチニブとオビヌツズマブの併用療法、およびアカラブルチニブ単剤療法が、標準的な化学免疫療法であるchlorambucilとオビヌツズマブとの併用療法と比較して、病勢進行または死亡のリスクをそれぞれ90%および80%低下させることが確認されました(2)。ASCEND試験では、試験対象となった再発または難治性CLL患者さんのうち、12ヵ月時点で生存かつ病勢進行も認められなかった患者さんの割合が、アカラブルチニブ投与群では88%だったのに対し、リツキシマブとidelalisibまたはベンダムスチンの併用療法群では68%でした(3)。

アカラブルチニブの安全性および忍容性は、両試験ともに既知のプロファイルと一致していました(2,3)。

アストラゼネカのオンコロジー研究開発エグゼクティブバイスプレジデントであるJosé Baselgaは次のように述べています。「優れた有効性と忍容性プロファイルを有するアカラブルチニブは、高齢かつ複数の合併症を有し、さらには長期間の治療を必要とすることが多い慢性リンパ性白血病患者さんに大きな利益をもたらします。今回の肯定的な勧告により、この慢性血液腫瘍に罹患している欧州の患者さんが強く待ち望んでいた新たな治療選択肢の提供に近づきました」。

今回のCHMPによる承認勧告は、アカラブルチニブの前治療歴のないCLLの成人患者さんに対する治療薬としての単剤療法またはオビヌツズマブとの併用療法、および少なくとも1回の前治療歴を有するCLLの成人患者さんに対する治療薬としての単剤療法に対して行われました。

アカラブルチニブは、CLLの成人患者さんの治療薬として、また、少なくとも1回の治療歴を有する成人マントル細胞リンパ腫(MCL)患者さんの治療薬として、米国およびその他数か国で承認されています。なお、欧州においてはMCLに対して未承認です。

※アカラブルチニブ、Idelalisib、chlorambucil、オビヌツズマブは本邦未承認です。

以上

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 慢性リンパ性白血病(CLL)について
CLLは成人白血病において最も患者数が多く、2016年には世界で新たに105,000例が診断されており、患者数は治療の発展に伴い増加するとみられています(1,4,5,6)。CLLでは、骨髄中の過剰な造血幹細胞が異常なリンパ球となり、これらの異常細胞によって、感染症に対する防御力が低下することが知られています。異常細胞数が増えるに従い、健全な白血球、赤血球および血小板が減少するため、貧血、感染および出血を引き起こす可能性があります(4)。BTKを通るB細胞受容体のシグナルは、CLLの基本的な増殖情報伝達経路の一つです。

ELEVATE-TN試験について
ELEVATE TN(ACE-CL-007)試験は、前治療歴のないCLL患者さんを対象に、アカラブルチニブと抗CD20モノクローナル抗体であるオビヌツズマブの併用療法またはアカラブルチニブの単剤療法を、化学療法であるchlorambucilとオビヌツズマブの併用療法と比較し、有効性と安全性を評価した無作為化多施設共同非盲検第Ⅲ相試験です。本試験では、65歳以上または18歳以上65歳未満で併存疾患指数(CIRS)が6未満、あるいはクレアチニンクリアランスが30~69ml/分を対象とし、535例を1対1対1で3群に無作為割付けしました。1群目の患者さんにはchlorambucilとオビヌツズマブの併用療法、2群目にはオビヌツズマブとアカラブルチニブ(病勢進行または許容できない毒性が発現するまで約12時間ごとに100mgを投与)の併用療法、3群目にはアカラブルチニブ単剤療法(病勢進行または許容できない毒性が現れるまで約12時間ごとに100mgを投与)を行いました(2,7)。

主要評価項目は、chlorambucilとオビヌツズマブの併用療法と比較したアカラブルチニブとオビヌツズマブの併用療法の無増悪期間(PFS)で、独立判定委員会(IRC)によって評価されました。副次的評価項目はchlorambucilとオビヌツズマブの併用療法と比較したアカラブルチニブ単剤療法のPFSで、IRCによって評価されました。他の副次的評価項目は、客観的奏効率、次治療までの期間、全生存期間でした(2,7)。

ASCEND試験について
ASCEND試験(ACE-CL-309)は、前治療歴のあるCLL患者さんを対象に、アカラブルチニブの有効性を検討した無作為化多施設非盲検国際共同第Ⅲ相試験です。本試験では、310例の患者さんを2群に無作為割付け(1:1)しました。第1群の患者さんには、アカラブルチニブ単剤療法(病勢進行または許容できない毒性が現れるまで100mgを1日2回投与)を行いました。第2群の患者さんには、治験担当医師の選択により、CD20モノクローナル抗体であるリツキシマブとPI3K阻害薬であるidelalisibとの併用療法、またはリツキシマブと化学療法であるベンダムスチンとの併用療法のいずれかを行いました(3,7)。

主要評価項目はIRCの評価によるPFS、副次評価項目は医師の評価によるPFS、IRCおよび医師の評価による全奏効率および奏効期間、ならびに全生存期間、患者さんが報告したアウトカム、および次治療までの期間とされました(3,7)。

アカラブルチニブ(Calquence)について
アカラブルチニブは、次世代の選択的ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤です。アカラブルチニブはBTKに共有結合することでその阻害作用を発揮します(7,8)。B細胞内においてBTKシグナルは、B細胞の増殖、輸送、走化、および接着に必要な情報伝達系の活性化を引き起こすことが知られています(7)。

アカラブルチニブは米国およびその他数か国で、成人CLL患者さんの治療薬として、および少なくとも1回の前治療歴のあるマントル細胞リンパ腫(MCL)の成人患者さんの治療薬として承認されています。また、米国でのMCLに対する適応は、全奏効率に基づいた迅速承認取得を受けて承認されています。本適応症に対する継続的な承認は、確認試験による臨床的ベネフィットの検証および説明が条件となる可能性があります。広範な臨床開発プログラムの一環として、現在、アストラゼネカとAcerta Pharmaでは、アカラブルチニブについて、23の臨床試験を実施しています。アカラブルチニブは、CLL、MCL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、濾胞性リンパ腫、およびその他の血液悪性腫瘍を含む複数のB細胞性の血液がんの治療薬として開発中です。

アストラゼネカにおける血液がん領域について
がん領域における強みを活かし、アストラゼネカは血液がんを4つの重点がん疾患領域のひとつとして確立しました。当社の血液がんフランチャイズは米国FDAにより承認された2つの治療薬と血液がん治療薬候補の広範なポートフォリオのための強固なグローバル開発プログラムを有しています。Acerta Pharmaはアストラゼネカの血液がん領域における中核的研究開発拠点としての役割を果たしています。アストラゼネカはアンメットニーズに応えるために治療薬の創薬および開発を進展させるため、志を同じくするサイエンス志向の企業と提携しています。

アストラゼネカにおけるオンコロジー領域について
アストラゼネカはオンコロジー領域において歴史的に深い経験を有しており、患者さんの人生と当社の将来を変革する可能性のある新薬ポートフォリオを保有しています。2014年から2020年までの期間に7つの新薬発売を予定し、低分子・バイオ医薬品の広範な開発パイプラインを有する当社は、肺がん、卵巣がん、乳がんおよび血液がんに焦点を当て、成長基盤としてオンコロジー治療を進展させることに尽力しています。中核となる成長基盤に加え、当社は、Acerta Pharma社を介した血液学領域への投資に象徴されるような、戦略を加速する革新的な提携および投資についても積極的に追求していきます。

アストラゼネカは、がん免疫治療、腫瘍ドライバー遺伝子変異と耐性メカニズム、DNA損傷修復および抗体薬物複合体の4つの科学的基盤を強化し、個別化医療を推し進める併用療法の開発に挑戦し続けることでがん治療のパラダイムを再定義し、将来的にはがんによる死亡をなくすことをビジョンに掲げています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・自己免疫疾患の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については https://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca. (英語のみ)をフォローしてご覧ください。


プレスリリースは以下よりダウンロードできます。
https://prtimes.jp/a/?f=c-24308-2020080310-2e1943fa8822321fa17bfa8fc1dd3633.pdf


References
1. American Cancer Society. What is Chronic Lymphocytic Leukemia? Available at https://www.cancer.org/cancer/chronic-lymphocytic-leukemia/about/what-is-cll.html  Accessed June 2020.
2. Sharman JP, et al. ELEVATE TN: Phase 3 Study of Acalabrutinib Combined with Obinutuzumab (O) or Alone Vs O Plus Chlorambucil (Clb) in Patients (Pts) with Treatment-Naive Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL). Blood. 2019; 134 (Supplement_1): 31. doi:10.1182/blood-2019-128404.
3. Ghia P, et al. ASCEND: Phase III, Randomized Trial of Acalabrutinib Versus Idelalisib Plus Rituximab or Bendamustine Plus Rituximab in Relapsed or Refractory Chronic Lymphocytic Leukemia [published online ahead of print, 2020 May 27]. J Clin Oncol. 2020; JCO1903355. doi:10.1200/JCO.19.03355.
4. National Cancer Institute. Chronic Lymphocytic Leukemia Treatment (PDQ®)–Patient Version. Available at https://www.cancer.gov/types/leukemia/patient/cll-treatment-pdq  Accessed June 2020.
5. Global Burden of Disease Cancer Collaboration. Global, Regional, and National Cancer Incidence, Mortality, Years of Life Lost, Years Lived With Disability, and Disability-Adjusted Life-Years for 29 Cancer Groups, 1990 to 2016. JAMA Oncol. 2018;4(11):1553-1568.
6. Jain N, et al. Prevalence and Economic Burden of Chronic Lymphocytic Leukemia (CLL) in the Era of Oral Targeted Therapies. Blood. 2015;126:871.
7. Calquence® (acalabrutinib) [prescribing information]. Wilmington, DE; AstraZeneca Pharmaceuticals LP; 2019.
8. Wu J, Zhang M & Liu D. Acalabrutinib (ACP-196): a selective second-generation BTK inhibitor. J Hematol Oncol. 2016;9(21).
 
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