Tezspire(テゼペルマブ)、重症喘息治療薬として米国にて承認

本資料はアストラゼネカ英国本社が2021年12月17日に発信したプレスリリースを日本語に翻訳し、みなさまのご参考に提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。
広範な重症喘息患者集団において、一貫して増悪を有意に抑制した最初で唯一の生物学的製剤
米国においてフェノタイプやバイオマーカーにかかわらない重症喘息治療薬として承認された唯一※の生物学的製剤


アストラゼネカとアムジェンのTezspire(一般名:テゼペルマブ)が、成人および12歳以上の青年期の重症喘息患者さんの追加維持療法として米国において承認されました(1)。

Tezspireは米国食品医薬品局 (FDA)による優先審査後、PATHFINDER臨床試験プログラムの結果に基づき承認されました。承認申請には、Tezspireが標準治療への追加療法として、プラセボに対し、全ての主要および副次的評価項目にわたり優位性を示した重症喘息患者を対象とする主要な第III相NAGIVATOR試験の結果が含まれました(2)。

Tezspireは、上皮サイトカインである胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)を標的とすることで炎症カスケードの上流に対して作用する重症喘息治療を目的としたファースト・イン・クラスの生物学的製剤です(2-5)。同剤は、血中好酸球数、アレルギーの状態および呼気中一酸化窒素濃度 (FeNO)を含む主なバイオマーカーに関わらず、広範な重症喘息患者集団を対象とした第II相および第III相臨床試験全体において喘息の増悪を一貫して有意に抑制した最初かつ唯一の生物学的製剤です(2,3,6-13)。Tezspireはその承認内容に、喘息のフェノタイプ(例えば、好酸球性またはアレルギー性)またはバイオマーカーにかかわらない重症喘息を適応として米国で承認された唯一の生物製剤です(1)。

英国ロンドンのロイヤルブロンプトン病院肺部門の部長でありNAVIGATOR試験の治験総括医師であるAndrew Menzies-Gow教授は次のように述べています。「重症喘息の複雑性と不均一性により、近年の治療の進歩にもかかわらず、多くの患者さんは入院や大幅なQOL低下のリスクを増加させる頻回な増悪を継続的に経験しています。Tezspireは、十分な治療を受けられない状態のままコントロール不良の重症喘息に苦しみ続けている多くの患者さんにとって、待望の新規治療薬となります」。

アレルギー&喘息ネットワークのプレジデント兼CEOおよびGlobal Allergy and Airways Patient Platform (GAAPP) のプレジデントであるTonya Winders氏は次のように述べています。「重症喘息は世界中で3,400万人の患者さんの多くに影響を与えている消耗性疾患であり、患者さんの呼吸を悪化させ、その日常生活の様々な側面を制約しています。Tezspireの承認は、喘息患者さんにとって待望の朗報です。多くの重症喘息患者さんが、炎症の原因に関わらず、治療を受ける機会を持つことが出来るようになります」。

アストラゼネカのバイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは、次のように述べています。「FDAがフェノタイプやバイオマーカーにかかわらない生物学的製剤の喘息治療薬を承認したことは、今回の前向きな決定が初めてのことです。
Tezspireの承認を受けて、医師は広範な重症喘息患者集団に対する治療を変革する可能性を持つ重要な新たな治療薬を提供することが可能になります」。

臨床試験において、Tezepelumab投与群の患者さんに最もよく見られた副作用は咽頭炎、関節痛および背部痛でした(1)。

第III相NAVIGATOR試験の結果は2021年5月にThe New England Journal of Medicineに掲載されました。NAVIGATOR試験において、有害事象はTezepelumab投与群とプラセボ群でそれぞれ77.1%、80.8%に発現しました。また重篤な有害事象はそれぞれ9.8%、13.7%に発現しました(2)。

Tezspireの申請には優先審査指定が付与されました。この指定は、安全性もしくは有効性の改善を実証する、重篤な病状を予防する、あるいは患者のコンプライアンスを向上させることにより、既存の選択肢に対する有意な優越性を提供する医薬品の申請に与えられます(14)。

Tezspireは、EU、日本およびその他数カ国を含む世界中で現在薬事承認申請の審査中です。

※米国では既存の生物学的製剤の使用にフェノタイプとバイオマーカーの制限があります。

以上

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重症喘息について
喘息は世界で推定3億3,900万人の人々に影響を与えている多様性を有する疾患です(15,16)。喘息患者さんの約10%は重症喘息に罹患しています(16,17) 。吸入の喘息長期管理薬、現在使用可能な生物学的製剤および経口ステロイド (OCS) を使用しているにも関わらず、多くの患者さんはコントロール不良の状態に留まっています(16-18)。重症喘息はその複雑性により、多くの患者さんは不明確あるいは複数の炎症機序を有しており、既存の生物学的製剤に適さない場合や、良好に反応しない可能性があります(17-20)。

コントロール不良の重症喘息は消耗性疾患で、患者さんは頻回な増悪を経験し、著しい呼吸機能の低下、生活の質の低下を余儀なくされます(16,17,21)。コントロール不良の重症喘息患者さんの死亡リスクは高く、これらの患者さんでは喘息関連の入院頻度が2倍高いとされています(22-24)。さらに、疾患による社会経済的な負担も大きく、経済的負担は喘息関連費用の約50%にあたるとも言われています(25)。

臨床試験について
第IIb相PATHWAY試験に加え、PATHFINDERプログラムにはNAVIGATOR試験(2,26)およびSOURCE試験(27,28)の2つの第Ⅲ相試験が含まれました。本プログラムはさらなるメカニズム試験や長期安全性試験(29,30)が含まれます。

NAVIGATOR試験は、標準治療 (SoC)を受けていた成人(18歳から80歳) および青年期 (12歳から17歳)のコントロール不良の重症喘息患者さんを対象とする第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験です。SoCは1日1回のOCS 併用の有無を問わず、中用量もしくは高用量の吸入ステロイド(ICS)に、少なくとももうひとつの喘息コントロール薬を加えた治療とされました。本試験では、血中好酸球数が高い被験者(300 cells/µL 以上)と低い被験者(300 cells/µL 未満)がほぼ均等に割り付け登録されました。本試験は、5週から6週のスクリーニング期間、52週の治療期間および12週の治療後の追跡期間により構成されました。試験期間中、全被験者の処方されていた喘息長期管理薬の変更はありませんでした(2)。

主要有効性評価項目は52週の治療期間での年間喘息増悪率(AAER)でした。主な副次的評価項目には呼吸機能、喘息コントロールおよび健康に関連する生活の質に対するTespireの効果が含まれていました(2)。

事前に規定された解析の一環として、52週間にわたるAAERは、ベースラインの血中好酸球数、FeNOのレベル、血清特異的免疫グロブリンE(IgE)のレベル(通年性アレルゲン感受性陽性または陰性)によって層別化された患者でも評価されました(2)。これらは、臨床医が治療選択をするために使用する炎症性バイオマーカーであり、血液(好酸球/ IgE)と呼気(FeNO)を分析する検査が含まれます。

NAGIVATOR試験においてTezspire投与群とプラセボ投与群の安全性結果に関し臨床的に意味のある差異はありませんでした(2)。Tezspireに関連する最も高い頻度で報告された有害事象は鼻咽頭炎、上気道感染症、および頭痛でした(2)。

NAVIGATOR試験は、血中好酸球数を問わず、TSLPを標的とすることで重症喘息に対する効果を示した最初の第III相試験です(2)。Tezepelumabは好酸球性フェノタイプを持たない重症喘息患者さんの治療薬として2018年9月に、米国食品医薬品局(FDA)により画期的治療薬指定US Food and Drug Administration Breakthrough Therapy Designationが付与されています。また、Tezepelumabは2021年7月にFDAにより喘息治療薬としての米国での優先審査が付与された最初で唯一の生物学的製剤です。

第III相試験の被験者は長期安全性および有効性を評価する第III相延長試験であるDESTINATION試験への継続的な参加が可能とされました(29)。

Tezspireについて
Tezspire(一般名:テゼペルマブ)は複数の炎症カスケードの上流で主要な上皮細胞サイトカインであり重症喘息に伴うアレルギー性、好酸球性または他のタイプの気道炎症の発現および持続に不可欠なTSLPの作用を阻害するファースト・イン・クラスのヒト型モノクローナル抗体薬の候補として、アムジェンと提携しアストラゼネカにより開発中です(3,4)。TSLPは、アレルギー誘発物質、ウイルスおよび他の浮遊微小粒子を含む喘息増悪を引き起こす複数の誘発物質に反応して放出されます(3,4)。TSLPの発現は喘息患者さんの気道中で増加し、喘息の重症度と相関しています3,5。TSLP阻害により免疫細胞からの炎症性サイトカインの放出が抑制される可能性があり、その結果、喘息増悪が予防され喘息コントロールが改善されると考えられています(2,3,5)。Tezspireは炎症カスケードの上流に対して作用することで、バイオマーカーのレベルに関わらず、広範な重症喘息患者さんを治療できる可能性を有しています(7,28)。

また、Tezspireは慢性閉塞性肺疾患、鼻茸 を伴う慢性鼻副鼻腔炎、慢性自発性蕁麻疹、および好酸球性食道炎 (EoE) を含む他の潜在的適応症に対しても開発中です。2021年10月、TezepelumabはFDAによりEoEの治療薬として希少疾病用医薬品指定を付与されました。

アストラゼネカとアムジェンの提携について
2020年に入り、アストラゼネカとアムジェンはTezspireに関する2012年の提携契約を更新しました。これを受け、アストラゼネカによるアムジェンに対する1桁台半ばのロイヤリティの支払い後、両社は引き続き費用と利益を折半します。アストラゼネカは引き続き開発を主導し、アムジェンは引き続き製造を主導します。本提携のすべての側面は合同管理機関の監視下にあります。更新された契約のもと、北米においてアストラゼネカとアムジェンは共同でTezspireの商業化を実施します。アムジェンは米国での製品売上を計上し、アストラゼネカは米国における利益のアストラゼネカの持ち分を提携収入として認識します。米国以外の全ての国においては、アストラゼネカが全売上を製品売上として計上し、アムジェンは利益のアムジェンの持ち分をその他・提携収入として計上します。

アストラゼネカにおける呼吸器および免疫疾患領域について
バイオ医薬品領域の一環である呼吸器・免疫疾患はアストラゼネカが注力する疾患領域のひとつで、当社にとって重要な今後の成長の原動力です。

50年の歴史を基盤として、アストラゼネカは呼吸器疾患治療の確固たるリーダーの地位を築きました。アストラゼネカは、すべての重症度における予防可能な喘息発作をなくし、生物学的製剤を中心とした早期治療により、喘息およびCOPD治療を革新的に向上させ、COPDを死因の3位から除くことを目指しています。また、当社の呼吸器領域における初期研究では、疾患や神経機能不全における免疫機構、肺損傷および異常細胞修復プロセス等の新たなサイエンスに焦点を当てています。

アストラゼネカは、呼吸器疾患と免疫疾患に共通する経路と基礎疾患ドライバーを足掛かりに、慢性肺疾患から自己免疫疾患領域まで網羅する研究に注力していきます。また、リウマチ性疾患 (全身性エリテマトーデスを含む)、皮膚疾患、消化器疾患、全身性好酸球性疾患をはじめ、複数疾患につながる可能性がある5つの中期~後期フランチャイズに焦点を当て、自己免疫疾患領域におけるプレゼンスを高めています。アストラゼネカは、自己免疫疾患領域において、標的とする自己免疫に起因する疾患の疾患コントロールおよび究極的には臨床的な寛解を達成することを目指しています。

アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、オンコロジー、希少疾患および循環器・腎・代謝疾患、呼吸器・免疫疾患からなるバイオファーマにおいて、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、当社は100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはastrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。

※注釈については添付のリリースをご参照ください。
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