”社会を動かし、つなげた。1人の、その行動へ。”

Public of The Year 2024
受賞者

企業・事業部門

  • 関根江里子
    /株式会社小杉湯 副社長
    /株式会社ゆあそび 代表取締役

    選考の理由

    「銭湯が好き」という気持ちを原動力に、株式会社ペイミーの取締役から株式会社小杉湯の副社長へ転身。都内でも有数の一等地と言える東急プラザ原宿「ハラカド」に、「小杉湯原宿」を開業されました。かつては文化人が住み3~4軒の銭湯があった原宿地区も、現在は最先端のトレンドが生まれ続け、多くの外国人観光客も訪れるエリア。もう1度原宿に銭湯を中心としたコミュニティを復活させる「場」を作られたこと、サッポロビール株式会社、花王株式会社など大手メーカーの店舗は、商品を売るだけでなく「体験価値」を提供していること。「銭湯が好き」の気持ちからスタートした関根さんの行動は、コミュニティを活性化することで社会をつなげ、新たな価値も生み出しています。

    1995年生まれ。上海生まれ東京育ち。2020年にペイミーに入社し、同年末には取締役COOに就任。2022年に銭湯経営を目指し独立し、同年、小杉湯2号店目である「小杉湯原宿」のプロジェクトに参画したことを機に、株式会社小杉湯に入社。現在は高円寺本店の小杉湯を運営する株式会社小杉湯の副社長と、原宿店を運営する株式会社ゆあそびの代表を兼任する。

  • 中田哲也
    /のと鉄道株式会社 代表取締役社長

    選考の理由

    今年元日に起きた能登半島地震では、「人口減」と「経済の衰退」が相まって、被災地の復旧がなかなか進みません。多くの被災者が厳しい生活を送る中、「のと鉄道」がわずか3カ月余りで全線再開したことは、多くの被災者の心の支えになりました。沿線の学校の入学式に間に合わせるために工事を急ぎ、「社会をつなげた」活動は、今回の受賞にふさわしいと思います。中田さんが全線開通の出発式で語った「列車が走る風景そのものが、希望になるはずです」という言葉どおり、被災地を走る「のと鉄道」は、住民を励まし続けていると思います。

    2023年5月、のと鉄道㈱に入社(参事)。同年6月、代表取締役社長に就任。能登空港ターミナルビル株式会社の監査役も務める。前職の石川県職員時代には、企業誘致や能登半島の振興、空港・港湾の利用促進に尽力。就任後1年にも満たないうちに発生した令和6年能登半島地震では、未曽有の災害に直面しながらも、育った地域への深い思いを胸に、のと鉄道が復興の牽引役となるべくその覚悟を持ち、陣頭に立ち奮闘を続けている。

  • 松田崇弥・文登
    /株式会社ヘラルボニー
    代表取締役Co-CEO

    選考の理由

    toCとtoBの双方のビジネスモデル、国際アート展といったグローバルへの展開にしたことで、画期的なアートビジネスをつくり、アウトサイダー・アートを資本主義経済にうまく取り入れることに成功されています。今年は特に、個人向けの商品展開にとどまらずに阪急うめだ本店をはじめ大手企業にも取り組みの輪が広がり、岩手に拠点を置きながらもフランス・パリへ子会社を設立され、LVMHをはじめとして国際的な評価も得られています。お二人の行動が、業種や産業、地域を超えて、社会を動かしており、まさに賞の主旨に相応しいと評価しました。

    1991年 岩手県生まれの双子の兄弟。弟・松田崇弥が、小山薫堂率いる企画会社オレンジ・アンド・パートナーズを経て、2018年7月に双子の兄・松田文登と共にヘラルボニーを設立。社名の由来は、重度の知的障害を伴う自閉症のある4歳上の兄・翔太が小学校時代に自由帳に記していた謎の言葉。「異彩を、放て。」をミッションに掲げ、福祉を起点に新たな文化の創造に挑む。Forbes JAPANが選出する30組の文化起業家「CULTURE-PRENEURS 30」受賞。著書「異彩を、放て。―「ヘラルボニー」が福祉×アートで世界を変える―」。

学術・文化部門

  • 一力 遼 /囲碁棋士、河北新報社取締役

    選考の理由

    囲碁将棋の世界となるととかく藤井聡太七冠がフォーカスされますが、日本囲碁界に19年ぶりの世界タイトルをもたらした一力棋聖の偉業はもっと評価されるべきだと審査会は考えました。一力さんは地方新聞社の跡取りとして、若くして取締役を務めるという〝二刀流〟であり、ご自身の家業を継ぐことにも向き合う、新しいタイプの事業後継者。これまでは何か一つのことに向き合って結果を残すことが時代的に求められてきましたが、異なる二分野に取り組む若い世代のロールモデルになる方が一力さんです。社会を先導する存在として、この賞の主旨に相応しいと評価しました。

    1997年生まれ、宮城県出身。宋光復九段門下。日本棋院東京本院所属の囲碁棋士。九段。 2010年夏季に入段。2020年に七大タイトルのひとつである碁聖を初めて獲得し、2022年には最高位の棋聖を獲得。2024年の名人獲得をもって、棋聖、天元、本因坊の四冠を達成。同年9月には、4年に一度開催される国際棋戦「応氏杯世界選手権」において、日本の棋士として19年ぶりとなる主要な国際棋戦での優勝を果たす。河北新報社の取締役という顔も持ち、「二刀流」の棋士として日々挑戦を続けている。

  • 織田友理子
    /NPO法人 ウィーログ代表理事
    /NPO法人PADM
    (遠位型ミオパチー患者会)代表

    選考の理由

    体の筋力が徐々に低下していく指定難病「遠位型ミオパチー」の治療薬が今年3月、国から承認されました。病気の進行を遅らせる世界で初めての治療薬です。織田さんは2008年に同じ病気の患者38人と患者会を発足させ、薬の必要性を訴えてきました。国や製薬会社を動かし、15年にわたる研究開発を経て実現させました。希少疾患は、治験患者が少ないために治療薬の開発が難しい問題があり、今回の承認は大きな意義があります。また、車椅子生活の当事者目線からバリアフリー情報を共有できるアプリを考案、運営しています。「できなくなったから落ち込むのではなく、できることをやる」というメッセージは多くの人から支持されており、この賞にふさわしいと考えました。

    2002年に進行性の筋疾患「遠位型(GNE)ミオパチー」と診断を受ける。2008年から患者会活動を開始し、2024年にGNEミオパチーの世界初となる新薬が日本で承認される。2017年にユーザー投稿型のバリアフリーマップ「WheeLog!」をリリースし、“車いすでもあきらめない世界をつくる”をミッションに掲げ活動を推進。これまでにドバイ万博グローバルイノベーター、外務省「ジャパンSDGsアワード」SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞など国内外で多数受賞。国や自治体の福祉関連の検討会委員を長年務め、元健常者であり難病患者・車いす当事者の立場から、福祉先進国・日本の実現を目指している。株式会社インターアクション社外取締役も務める。

  • 小森日菜子 /絶滅動物「ニホンオオカミ」の
    研究者

    写真:林 道子

    選考の理由

    ニホンオオカミの剥製に着目し、自由研究を学術論文へと発展させた着眼点と探究心に深く感銘を受けました。研究者に大切なのは、先達の功績を踏まえながらも「常識を問い直す」という姿勢です。日菜子さんの気づきが大人たちを動かし、論文発表にまで至ったことは、好きを見つけ、好きを極めることの大切さを私たちに教えてくれました。その行動力と情熱は、野球の大谷選手にも負けません。これからもその好奇心を大切に、さらなる挑戦を楽しんでください。心より応援しています!

    東京都出身。2010年9月生まれの中学二年生。小学校就学時、世界に数体しかない絶滅動物「ニホンオオカミ」の新たなはく製を発見した研究者。図書館振興財団主催のコンクールにて、文部科学大臣賞を受賞。その後、小林さやか氏(山階鳥類研究所 研究員)・川田伸一郎氏(国立科学博物館脊椎動物研究グループ研究主幹)とともに、学術論文を発表。小学生の研究が発端となったこの論文は、業界内外で大きな話題となる。現在は、絶滅前のニホンオオカミの研究足跡を探る為、ニホンオオカミの研究をしていたと思われる研究者や、はく製師として知られる「坂本福治」氏について研究を進めている。

芸能・スポーツ部門

  • 小田凱人 /プロ車いすテニス選手

    選考の理由

    遊び盛りの9歳で骨肉腫になり、車いすテニスを始め、今年18歳で男子車いすテニス・史上最年少のパラリンピック金メダリストになった小田選手。少年から青年に成長する9年間の努力は、大人になりいつのまにか1年が終わっていく私たちの想像をはるかに超えるものです。ご自身を「夢にむかって進むドリーマー」だとして、夢を次々と形にしていく姿に心を打たれました。「Public of The Year」の主旨である、1人の行動が、想像もしていなかったことを実現し、多くの人の希望や力になり、不可能を可能にしていくというこの賞に相応しいと考えております。

    2006年5月8日生まれ。愛知県出身。176cm、65kg。9歳で骨肉腫になり車いす生活に。10歳から車いすテニスを始め、18歳以下世界No.1決定戦「世界Jr.マスターズ」単複優勝、世界Jr.ランキング1位を最年少で達成。2021年には世界国別選手権BNP PARIBAS WORLD TEAM CUPジュニアカテゴリで日本を初優勝に導く。2022年11月には、車いすテニスの年間チャンピオン決定戦「NEC WHEELCHAIR SINGLES MASTERS」で大会史上最年少出場&優勝。2023年は、全仏オープンでグランドスラム史上最年少優勝(17歳1か月2日)&最年少世界ランキング1位(17歳1か月4日)を達成し、ウィンブルドン選手権も制覇。2024年に入ると、全豪オープンを制して生涯グランドスラムに王手をかけ、全仏オープン2連覇。更にパリパラリンピックで史上最年少金メダリストになる等、名実共に、車いすテニス界を牽引するトッププレイヤーとして活躍している。東海理化所属。世界シニアランキング1位、世界ジュニアランキング1位(2024年12月16日現在)

  • 北口榛花
    /陸上女子やり投選手

    ©JAL

    選考の理由

    日本選手団の〝顔〟として出場した夏のパリ五輪。国民の期待に見事に応える投てきで金メダルを獲得したやり投げの北口榛花選手。ひとりでチェコに渡り、鍛錬を積み重ねた「行動力」。いつも明るく朗らかにかつ堂々と振る舞い、本番で常に自分のベストを出す「実行力」――女性アスリートとして日本のジェンダーギャップをぶち破り続ける彼女の存在は、まさに「行動から社会を動かしてつなげる」、この賞の主旨に相応しいものでありました。芸能・スポーツ部門の審査員が満場一致で「Public of The Year 2024」の授賞を決定いたしました。

    2021年の日本選手権で優勝し東京オリンピックの代表権を勝ち取り、オリンピック本大会では57年ぶりのやり投げ種目での決勝進出を果たし12位。2022年6月には、ダイヤモンドリーグ第7戦で同リーグでの日本史上初の優勝、7月のオレゴン世界陸上では第3位に入り陸上女子フィールド種目で日本史上初の銅メダルを獲得。さらに2023年のブダペスト世界選手権では史上初の金メダルを獲得し、世界選手権での2大会連続でのメダル獲得。女子では史上初という快挙を飾り、パリ2024オリンピック日本代表に内定。同大会では、65メートル80という記録を出し、オリンピックで初めて金メダルを獲得した。

  • Creepy Nuts /アーティスト

    選考の理由

    今年1月にリリースされた“Bling-Bang-Bang-Born”がオリコン年間ランキング 2024の作品別売上数部門で「ストリーミングランキング」・「デジタルシングル(単曲)ランキング」・「合算シングルランキング」の3冠を達成、なかでもストリーミングランキングの期間内再生数57,925.9万回は年間ランキング史上最高の再生数となりました。人気アニメの主題歌でもあり、そのMVで踊られるキャッチーなダンスが話題となりその広がりは日本だけでなく海外にも波及し、Creepy Nutsという卓越したオリジナリティは世界中で多くの人を魅了する存在であることは間違いありません。社会を動かし、つなげたアーティスト、そして2024年を象徴する存在としてこの賞に相応しいと評価しました。

    日本三連覇のラッパー「R-指定」と世界一のDJ「DJ松永」によるHIP HOPユニット。2017年Sony Musicよりメジャーデビュー。2020年にリリースされた「かつて天才だった俺たちへ」が話題に。2021年アルバム「Case」をリリース。収録曲「のびしろ」のストリーミング再生数が自身初の累計1億回を突破した。2022年9月に最新アルバム「アンサンブル・プレイ」をリリース。2024年1月にリリースした「Bling-Bang-Bang-Born」がストリーミング累計再生数7億回を超え、国内外のチャートを席巻。日本のみならず海外フェスへの出演や、2025年2月には東京ドーム公演の開催が決定している。

1人のその行動が、社会を動かし、
つなげたことをたたえる、
Public of The Year。
その年を象徴する人物とその行動を
振返り、たたえることで、
世の中を動かしているのは
一人ひとりの行動だと、
誰もが体感できる世の中を目指して、
PR TIMESが新たに立ち上げたアワードです。
以下4つの視点から審査しています。

  • 「社会を動かす」

    1人の行動が企業や組織を動かし、
    さらに、業種、産業、地域
    そして、社会を動かしている。

  • 「社会をつなげる」

    1人の行動が、人を、企業を、
    組織を、地域を、
    社会をつないでいる。

  • 「その年の社会の象徴」

    1人の行動が、その年の希望や、
    可能性を象徴し、
    これからの時代を感じさせる。

  • 「社会的価値を生み出す」

    1人の行動が、人に、企業に、
    組織に、地域に、
    社会にとって社会的価値を
    生み出している。

審査員

企業・事業部門

  • 春日芳晃
    / 朝日新聞ゼネラルエディター兼
    東京本社編集局長

    1997年に朝日新聞入社。社会部記者、ニューヨーク特派員、イスタンブール支局長、国際報道部長などを経て、2024年4月から現職。特派員時代に国際連合やシリア内戦を担当し、テロや紛争の現場を現地で取材した。歴史的な見方・考え方を持って現在を位置づける報道、日本を世界の中で相対化させる報道をめざしている。

  • 久保田政一
    / 日本経済団体連合会 
    副会長・事務総長

    1953年、東京都生まれ。76年東京大学経済学部卒業後、社団法人経済団体連合会(現・一般社団法人日本経済団体連合会)事務局入局。2000年国際経済本部長、06年常務理事、09年専務理事、21年6月より副会長・事務総長。

  • 藤吉雅春
    / リンクタイズ株式会社 取締役 
    Forbes JAPAN 編集長

    Forbes JAPAN 編集長。著書『福井モデル - 未来は地方から始まる』(文藝春秋)は2015年、新潮ドキュメント賞最終候補作になった。2016年には韓国語版が発売され、韓国オーマイニュースの書評委員が選ぶ「2016年の本」で1位に。2017年、韓国出版文化振興院が大学生に推薦する20冊に選ばれた。他に『ビジネス大変身! ポスト資本主義11社の決断』(文藝春秋)や最新刊に『未来を「編集」する  シンクタンクAPIの実験』(実業之日本社)がある。

学術・文化部門

  • 奥村倫弘
    / 東京都市大学メディア情報学部
    教授

    専門は「インターネットメディア論」。1992年読売新聞大阪本社入社。1998年にYahoo! JAPANに移り、Yahoo!ニュース・トピックスの編集長を長く務めた。2019年4月から現職。著書に「ヤフー・トピックスの作り方」(光文社、2010年)など。

  • 坂口佳代
    / 毎日新聞社編集局長

    1967年生まれ。1990年、毎日新聞社入社。記者として19年間、大阪本社社会部、政治部などで主に事件事故、行政、選挙、政治を取材。2011年、大阪本社社会部副部長。和歌山支局長、大阪本社地方部長、東京本社編集局次長、西部本社編集局長を経て2024年4月から現職。

  • 田島 朗
    / 株式会社マガジンハウス執行役員 BRUTUS編集長

    1974年生まれ。97年マガジンハウス入社、「BRUTUS」に配属となり約18年間在籍。2016年に「Hanako」編集長に就任してリニューアルに着手。雑誌作りに加え、デジタルや読者コミュニティ、海外事業、商品開発、BtoB事業などを幅広く展開。21年12月に第11代BRUTUS編集長に就任、今年1月には創刊1000号を迎えた。第三編集局長として「BRUTUS」と「Tarzan」の発行人も務める。

芸能・スポーツ部門

  • 礒野和英
    / 株式会社oricon ME 取締役

    エンタメ総合サイト『ORICON NEWS』事業の戦略立案からUI/UX・サイト改善設計・数値管理などサイトの運営を統括する。また顧客満足度ランキングサイトではSEOなど検索エンジンマーケティングを担当。

  • 韮澤美樹
    / ニホンモニター株式会社 
    代表取締役社長

    1996年ニホンモニターに入社。2000年4月より現職。2022年より株式会社ワイヤーアクション取締役、2024年よりJCC株式会社代表取締役。筑波大学大学院 ビジネス科学研究科 博士前期課程修了。

  • 松井一晃
    / 株式会社文藝春秋 執行役員
    Number局長

    慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、1992年文藝春秋入社。「Sports Graphic Number」編集部、「週刊文春」編集部、「文藝春秋」編集部を経て、2012年4月Number編集長、2018年7月文藝春秋編集長に就任。2021年7月より現職。

1人の、その行動が、
できそうにないこと、
想像もしていなかったことを実現し、
その事実に多くの人が励まされ、
多くの人の希望や力になり、
企業や組織や社会を動かしていく。
そして新しい不可能を可能にしていく。

1人の、その行動が、
人を越えて、業種を越えて、国を越えて、
世の中にひろがっていくような手応えを多くの人が感じ、
同じ時代につながって生きていることの
意味を確かめられる。

1人の、その行動が、
つぎの1人の行動を生み、
さらに新たな行動を生み続けていく。
その年、その時代を象徴する人を、その行動をたたえたい。