夢を発信するに至ったきっかけ

日本は「爪」に関心が少ない国です。例えば、ネイルと言えば、すぐにおしゃれを連想しますが、爪のお手入れをイメージする人はほとんどいません。しかし、海外では爪のお手入れは生活に根付いています。その他、医療の分野でも欧米を中心に発展している足病学の中で、爪は大切な働きをする体の部位だと語られています。生活水準が高い日本であるが、寝たきりが多いのも特徴。そして、爪の衛生や爪の手入れ不足が、寝たきりの一因にもなっています。その理由も実は、正しい爪の切り方すら知らないのが日本人の実情だからです。このような「日本が爪の後進国である文化土壌を打開したい」「もっと爪に関心を持っていただきたい」ことを願い、コロナの消毒で手指に関心が集まる社会背景を受け、夢を発信するに至りました。

夢を発信して変化があったこと

2021年4月の発進当時は、ネイルを扱う同業種からは「面白い夢だね」と反響はありましたが、なかなか他業種からの声はいただけませんでした。やはり日本ではまだイメージが湧きにくい分野なのだと痛感しました。しかし、そんなアゲインストに風穴をあけるべく2021年9月に「AI爪診断」を実際にリリースしました。そうしたら、一般のお客様からは徐々に反応が集まり、AI爪診断をしていただく件数が日毎に増えていきました。またさらに驚きだったのが、その診断結果です。健康的な爪からトラブルがある爪まで、7段階でタイプ診断を返しているのですが、何らかの爪の悩みを抱える割合が76.1%と予想以上に多かったことです。これは日本の爪市場の特徴なのでしょう。おしゃれはネイルサロンが当たり前ですが、あくまで美容目的。爪の疼痛をなくすには病院にかかる医療目的の行動となります。しかし、「健康目的」での爪の悩みやコンプレックスは誰に聞けば良いのか分からない問題が、浮き彫りになったのだと分析しました。健康を切り口にした爪市場は、潜在的な悩みがうずいているのだと実感しました。

発信をきっかけに生まれた、夢の実現に向かう行動

そのような「健康ビジネス」としての爪のビジネス価値を問うべく、スポーツおよび健康フィットネス業界が来場する「スポルテック東京(2021年12月開催)」で爪ビジネスの出展を行い、テストマーケティングを実施しました。その結果、爪のお手入れがたった1坪の省スペースでできること、顧客単価5,000円を店舗売上にプラスできることに興味を集めることができ、32件もの引き合いをいただくことができました。現在もオーダーメイドインソール販売会社、スイミング教室と商談中であり、福利厚生の分野では企業セミナーを開催することが決定しました。さらに、爪業界でも新しい取り組みとして、爪と他業種とのビジネスをプロデュースする株式会社tsumeplus(つめぷらす)という新会社を2022年3月1日に設立するに至りました。爪は髪や歯磨きと同様に、生活インフラとして必要な健康衛生ビジネスです。まだ第一歩のスタートラインに立ったばかりですが、他業種や教育機関とも手を取り爪の啓発と普及を加速度的に行うことで、一人ひとりの健康増進ができる日本社会を目指します。言うならば、自分の髪質を知って、自分に合ったシャンプーをドラッグストアで自分自身で選べるように。爪の一般知識もそのようになり、人生100年時代を自分の足で歩いて元気に暮らせる社会を目指します。