松本穂香さんがナレーション 東日本大震災10年目に復興シンボルソングの作曲家が被災地を巡り、新たな曲を紡ぐ過程を追ったドキュメンタリー番組が放送決定
『私たちの震災10年目~あの日を伝えるアンサンブル~』放送日時:2020年3月28日(土)千葉テレビ、群馬テレビ、3月29日(日)テレビ埼玉、テレビ神奈川、とちぎテレビ、3月30日(月)サンテレビ
テレビ番組制作会社のジェイワークスは、作曲家 八木澤 教司さんが被災地を巡り、新たな曲をつくる過程を追いかけたドキュメンタリー番組『私たちの震災10年目~あの日を伝えるアンサンブル~』を制作いたしました。放送は、3月28日(土)に千葉テレビ、群馬テレビ、29日(日)にテレビ埼玉、テレビ神奈川、とちぎテレビ、30日(月)にサンテレビの独立U局計6局にて放送いたします。
岩手県出身の作曲家 八木澤 教司さんは、2011年の紅白歌合戦で夏川 りみさんと秋川 雅史さんにより歌われた復興シンボルソング『あすという日が』の作曲者です。東日本大震災から10年が経とうとする中で、「震災の記憶を風化させてはいけない」、「被災地で活動している方を応援したい」という思いから、新曲制作に至りました。
八木澤さんが曲作りの過程で被災地の現状を知るために宮城県沿岸部を巡る際、同行取材を実施しました。
訪れた先は、児童のほとんどが津波の犠牲になった大川小学校跡地や、震災当時の写真や残された遺品を展示する「南浜つなぐ館」。そして、津波で流された防潮林を復活させようと植樹活動を行うNPO「わたりグリーンベルトプロジェクト」や被災者の自立支援を進める「ゆめハウス」など。そこでは、被災地で活動を続ける様々な人との出会い、つながりにより、新たな歌『南風が吹いたら』が出来上がりました。完成した曲は海上自衛隊横須賀音楽隊の協力を得て、演奏いただきました。(歌唱:三宅由佳莉3等海曹)
作詞は、八木澤さんの奥様 武田 あゆみさんが担当。「春に吹く暖かな南風が、冬の凍てついた寒さを和らげていくように、誰の心にも温かさを吹き込んで、前向きに生きてほしい」という願いが込められています。なお、全国の合唱部や吹奏楽部にも歌い、演奏していただけるように楽曲されました。
ナレーションは、多くのドラマや映画、CMで活躍する女優 松本穂香さんにご協力をいただきました。
『私たちの震災10年目~あの日を伝えるアンサンブル~』番組概要
■放送日 ※放送時間は前後する可能性あります。
2020年3月28日(土)
・千葉テレビ 9:30~10:00
・群馬テレビ 11:30~12:00
2020年3月29日(日)
・テレビ埼玉 10:30~11:00
・とちぎテレビ 14:00~14:30
・テレビ神奈川 25:30~26:00(30日(月)1:30~2:00)
2020年3月30日(月)
・サンテレビ 25:30~26:00(31日(火)1:30~2:00)
■放送時間:30分(本編28分)
■放送概要:
2011年、NHK紅白歌合戦で夏川 りみさんと秋川 雅史さんが歌った復興のシンボルソング『あすという日が」。
作曲した八木澤 教司さんが、震災の被害を風化させたくないという思いから、新たな曲をつくる過程を追いかけたドキュメンタリー。
■取材先:
・ゆめハウス(コミュニティスペースうみねこ)(宮城県牡鹿郡女川町高白浜)
・南浜つなぐ館(3.11みらいサポート)(宮城県石巻市南浜町)
・大川小学校跡地(大川伝承の会)(宮城県石巻市釜谷山根)
・わたりグリーンベルトプロジェクト(宮城県亘理郡亘理町吉田原)
■番組告知用CM(30秒): https://youtu.be/HgXDOU7_xQI
■ストーリー
2011年3月11日。東日本大震災のその日 宮城県沿岸部には、押し寄せる津波が町を襲い、日常を一瞬にして奪い去りました。また、津波は市民の生活を塩害から守っていた松林とともに、子どもたちも一緒に飲み込んでしまった。
「子どもたちの生きた証を次世代にもつなげたい」
強い思いとともにそこに立つのは、NHK紅白歌合戦で夏川 りみさんと秋川 雅史さんにより歌われた復興のシンボルソング「あすという日が」を作曲した八木澤 教司さん。震災の被害を風化させたくないという思いから、新しい曲をつくるために、被災地を訪れていました。
校庭に避難していた児童のほとんどが津波の犠牲になった大川小学校。震災当時の写真や残された遺品を展示する「南浜つなぐ館」。津波で流された防潮林を復活させようと植樹活動を進めるNPOや10年間変わらず支援を続ける企業など、様々な人との出会い、つながりにより、出来上がりつつあるメロディー。
そして、被災地から帰ってきた八木澤さんに変化が。曲だけではなく歌詞を付けて「歌」にしたい。それも、現地で様々な人から聞いた「復興への想い」をヒントに、曇った空から晴れやかな青空になるような、希望に向かうような歌を・・・。その歌を、全国の子ども達が合唱することで、震災の記憶も伝承できるのではないか。
出来上がった作品は、被災地活動を行う海上自衛隊の音楽隊に演奏収録の協力をしてもらえることになりました。
完成した新曲『南風が吹いたら」は新たな復興シンボル曲となり世界中で演奏されるでしょう。
■作曲家 八木澤 教司(やぎさわ さとし)さん
岩手県北上市生まれ。現在、千葉県市川市在住。
武蔵野音楽大学作曲学科卒業。同大学大学院音楽研究科修士課程修了後、研究員として二年間の研鑽を積む。これまで作曲を浦田 健次郎、田中 均、萩原 英彦の各氏に、トランペットを関根 剛二、戸部 豊の両氏に、吹奏楽指導法を佐藤 正人氏に師事。
吹奏楽曲の代表作は日本のみならずアメリカ、ヨーロッパ、アジア諸国、南米でも幅広く親しまれ“パリ・ギャルド”の名で世界最高峰と呼ばれるギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団によって新作が初演された数少ない邦人作曲家である。
2019年11月9日、天皇陛下御即位奉祝記念式典・国民祭典において天皇皇后両陛下「お出迎えのファンファーレ」の作曲を担当する他、全国植樹祭、全国高等学校総合体育大会、そして国民体育大会の式典音楽制作を歴任。その他、各種コンクール審査員、客演指揮、指導、講演、音楽雑誌執筆に加え、音楽出版社のプロジェクトアドバイザーなど意欲的な活動を展開。
ヨーロッパで歴史的権威のあるスペイン・バレンシア国際吹奏楽コンクールの課題曲に作品が選定されるなど国内外の多方面で話題を集めている。
合唱曲として手がけた『あすという日が』は“希望の歌”“東日本大震災復興シンボル曲”と称され、2011年第62回NHK紅白歌合戦において夏川 りみ、秋川 雅史の両氏によって熱唱されるなど、“困難を乗り越えれば必ず希望のある未来が待っている”といったテーマを用いた作風は、ジャンルを超えて世界中の人々を勇気づけている。
第21回日本管打・吹奏楽アカデミー賞[作・編曲部門](2011年)受賞、平成23年度JBA下谷奨励賞を受賞。現在、尚美ミュージックカレッジ専門学校講師。21世紀の吹奏楽“響宴”作曲家会員。
■八木澤 教司さんの被災地訪問時に撮影したスナップ写真
大川小学校跡地にて、大地震の前日まであった風景、生活、命を風化させないために、遺族や関係者よる語り部活動を続ける「大川伝承の会」の佐藤 敏郎さんと。
市民の生活を塩害から守っていた防潮林復活のため、植樹活動を行うNPO「わたりグリーンベルトプロジェクト」の嘉藤 一夫さんと。八木澤さんも松の苗木を植樹されました。
■新曲『南風が吹いたら』の作曲、作詞のエピソード
作曲者/八木澤教司 「音楽で震災の記憶を風化させないように呼びかけたい」
私は岩手県出身であり、また、東北は音楽家として何度も訪れ、親しい仲間たちもたくさん住んでいる地域です。震災の直前にも仙台で開催されたイベントにゲスト出演をしていて、東京に一度戻り、福島県のいわき市に向かう前日に、あの恐ろしい地震。その後、仙台市立八軒中学校の生徒さんたちが、避難所になっている武道場で、私の合唱曲『あすという日が」を歌ったことがNHKテレビニュースで流れ、後に復興シンボル曲とも言われるようになりました。
震災直後は私の住んでいる関東でも大きな被害があり、私自身も「音楽はこんな状況の時に何の役にも立てないのでは…」と希望を失っていたところに、中学生たちが自分の歌で被災者を励ます様子。それは想像もしていなかったことで、逆に私が勇気づけられました。
しかしながら、この歌はもともと2006年に作曲したもので、この震災のために作曲したものではありません。いつの日か、何かをしなくてはならないという思いを持ちながらも9年という年月が経っていました。
世の中が新型コロナウイルスで騒然となりはじめた今年の3月初旬、私は東日本大震災の被災地に向かいました。現地で活動している方々と出会い、被災直後の様子やその後のお話を伺うなかで、被災直後には多くの支援があったものの、現在では助成金が打ち切られているケースも多いという現実を知りました。世の中では過去の出来事と思われつつあるなかでも、被災地の人々は、今でも震災と常に向き合っていました。
被災地で活動されている方々が共通してお話されていたことは「日本に住んでいる以上、地震や津波があることは誰でも知っているし、覚悟していること。しかし助かるための手段や対策に関してはあまり現実的に捉えているとは言えない。この地で起きた出来事を他の地域の人たちにも知ってほしい、考えてほしい、同じ失敗はして欲しくない」ということでした。
彼らからのキーワードや現地で感じた印象を妻に写真と共にリアルタイムで送り、それらを基に詩を綴ってもらい、前向きな気持ちになれるような応援歌を作曲することにしました。音楽で災害を止めることはできませんが、音楽で風化させないように呼びかけることはできると信じて。多くの人々の心に響くよう温かい音楽になるよう、妻と共に全身全霊で生み出した歌です。
作詞者/武田 あゆみ 「南風のように、この曲が心に温かさを吹き込み、前向きに生きるきっかけになれば」
夫である八木澤 教司から、いつになく真剣な面持ちで「大事な話があるんだ」と相談された時には、何事かと思いました。詳しく話を聞いてみると、東日本大震災の被災地を訪れて作曲をするつもりで、できれば器楽曲ではなく歌詞のある「応援歌」にしたいとのこと。相談の内容は「現地で様々な活動を続けている方々が発した言葉や思いを自分が伝えるので、なんとか作詞に取り組んでもらえないか』というものでした。これまで趣味の範囲で作詞の経験はあったものの、「詩」としてまとめきれるのか、正直とても不安でした。しかし、夫の仕事を日頃からみてきたこともあり、少しでも役に立てることがあれば、という思いで引き受けました。
この詩のタイトルには、「春に吹く暖かな南風が、冬の凍てついた寒さを和らげていくように、誰の心にも温かさを吹き込んで、前向きに生きてほしい」という願いが込められています。いつもの何気ない日々がとても貴重であり、だからこそ精一杯に前を向いて生きていく。つい、日々の忙しさに忘れてしまいそうになる大事なことを、この詩が思い出すきっかけになればとても嬉しく思います。そして、誰かの背中をそっと押すような、そんな優しさと勇気を持てたら、きっと未来を拓いていくことができると私は信じています。
■女優 松本穂香さん(本番組ではナレーションを担当)
1997年2月5日生まれ、大阪府出身。
2015年、主演短編映画『MY NAME』で俳優デビュー。
その後、連続テレビ小説「ひよっこ」(17/NHK)、「この世界の片隅に」(18/TBS)と話題作への出演が続き、CM「意識高すぎ!高杉くん」シリーズ、「JR SKISKI 2018-2019」ではメインキャストを務め注目を集める。近年の主な出演作には『世界でいちばん長い写真』(18)、『チワワちゃん』(19)、『君は月夜に光り輝く』(19)、『おいしい家族』(19)、『きみと、波にのれたら』(19:声優)、『わたしは光をにぎっている』(19)、『his』(20)がある。
現在『酔うと化け物になる父がつらい』が公開中、2020年待機作には、『みをつくし料理帖』、『君は彼方』と主演映画が控えている。
■松本穂香さんからのメッセージ
「”知ること”の大切さをこの番組を通して改めて実感しました。同じことを二度と起こさない為にも、過去と向き合っていくことが必要なんだと思います。」
今回、ナレーションのお話をいただいた時、東日本大震災から10年が経とうとする中でたくさんの人の気持ちが詰まった番組のナレーションという大役が私に務まるのだろうかという不安がありました。しかし、お声掛けしてくださったからには精一杯やらせていただこうと思いました。
実際に映像を観ると、私たちがまだまだ知らない、震災の現実や、復興の道のりがあることに気づかされました。そしてもっともっと日本全体で支援していく必要があると感じました。収録時は、色んな方の思いが詰まっていることを考えると、生半可な気持ちでやる事は許されないと緊張しました。ただ、私ができる精一杯の心を込めて、ナレーションさせていただきました。
被災地で活動している方々へ
私には想像もできない経験や、理不尽なこと、やりきれない気持ちなどがたくさんあると思います。「頑張って」とは簡単に言えないけれど、皆さんの姿を見て、力をもらう人はたくさんいます。私もその一人です。未来の何かにつながることを信じて、私も自分の出来る事を頑張ろうと思います。
視聴者のみなさまへ
私は、”知ること”の大切さをこの番組を通して改めて実感しました。東日本大震災でたくさんの尊い命が奪われました。同じことを二度と起こさない為にも、過去と向き合っていくことが必要なんだと思います。ぜひ、大切な方とご覧いただきたいです。
※冒頭の告知用CMと同じものです。
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