投資先であるジャフコ グループ株式会社の還元方針の開示および自己株式取得について

2021年2月22日
カタリスト投資顧問株式会社

投資先であるジャフコ グループ株式会社の還元方針の開示および自己株式取得について

カタリスト投資顧問株式会社（以下「当社」）は、当社が投資助言を行うマネックス・アクティビスト・マザーファンド（以下「MAMF」）を通じて、日本企業にエンゲージメント投資を行っております。

先日、MAMFの重要投資先である、ジャフコ グループ株式会社（以下「ジャフコ」）が、その保有する株式会社野村総合研究所（以下「NRI」）の約4割の売却、株主還元の方針および大規模な自社株式取得を公表（以下「本件」）いたしましたので、本件についてご報告申し上げます。

MAMFは、昨年からジャフコの株式を保有しており、経営トップとの複数回にわたる一対一の長時間に及ぶディスカッション、および取締役会との書簡によるコミュニケーションを通じて、ジャフコの変革を後押しすることを目的に、長期的な視点での株主価値向上策について、積極的に対話を重ねて参りました。
今回のジャフコ経営陣による意思決定は、資本市場から課題とみられていたNRI株式の保有方針と株主還元方針について、現在の考えを明らかにする画期的な内容であります。
当社は、安易な現状維持でなく、すべてのステークホルダーにとってより良いあり方を模索する第一歩を踏み出した現経営陣に対して、最大限の賛辞を贈らせていただきます。

また、当社との対話が、現状からの変革を追究する経営陣の後押しとなったことは、まさしく当社が理想とする「啐啄同時（※）」のエンゲージメント投資の実現であり、当社としても当社のエンゲージメントスタイルに対する自信の深化につながり、意義深いものとなりました。

一方で、本件によりジャフコの市場からの評価は向上したものの、当社はジャフコの現在の評価と本質的な株式価値には引き続き大きな乖離があると考えております。当社は、今後も変革する勇気のあるジャフコとその経営者との建設的な対話を継続し、経営陣が同社の全てのステークホルダーにとって望ましい変革を起こす後押しをしていく所存であります。

※「啐啄同時」（そったくどうじ）：「啐」とは雛が殻を割ろうとして内側からつつく音、「啄」とは親鳥が殻を割るために外からつつく音であり、卵から雛がかえる時に、それらが同時に起きると、雛はうまく外の世界に踏み出せる、という意味の禅の言葉。

カタリスト投資顧問株式会社について詳しくは、当社サイト（ https://www.japancatalyst.com/ ）をご覧ください。


ジャフコ グループ株式会社 豊貴 伸一 取締役社長からのコメント
 

流動性のない未上場株に長期投資をするファンドを運用し、そのファンドに40％程度の自己資金を投入してキャピタルゲインや運用収益の最大化を追求することが、当社のビジネスモデルです。そのために、強固な財務基盤と自己資本が必要とされます。一方で、資本効率や株主価値向上の観点から、適切なバランスシートを常に模索しています。この度、松本会長との議論の積み重ねやカタリスト投資顧問のご提案が、一連の株主還元策を決断する大きなきっかけになりました。今後も建設的な対話を期待しています。




カタリスト投資顧問株式会社 松本 大 取締役会長からのコメント
 

今回のエンゲージメントは、やはり「経営者本人と直接しっかりと話し合うこと」が、企業にアクションを起こしていただく上で極めて重要であることを再認識させてくれました。そして何よりも、経営者に変革する勇気があることが肝要で、そこで「啐啄同時」のエンゲージメントが可能になることも明らかにしてくれました。歴史的に固定化されがちな様々な課題を抱えている企業は多く存在し、豊貴社長のような経営者と出会い、議論し、それら企業の前向きな変革を推し進めていきたい、そうすることでマネックス・アクティビスト・ファンドの愛称である「日本の未来」に貢献していきたい、と強く当社の使命を再確認いたしました。