シングルファーザー(父子家庭)の方の現況に関するアンケート調査を実施。限られた時間のなかでの抱えるタスクの多さと、相談相手を求める声が多数

NoFrame

Webメディア「NoFrame」を運営するNoFrame(東京都台東区、代表:唐 しゃゆ)は、シングルファーザーの現状についての調査を実施しました。


シングルファーザーの方が抱える悩み、仕事と育児・家事の両立の課題、今後求めている支援やサービスなどを調査結果にまとめました。(本調査をもとに作成した記事がこちら https://noframe.work/media/archives/2241です。)

【調査概要】
一般社団法人ひとり親支援協会(代表:今井智洋)の協力のもと、シングルファーザーの方に、回答者の属性のほか、大きく分けて「仕事」「教育」「生活」「いまの気持ち」「ひとり親支援」「その他」の6項目に関する回答を依頼した。
調査対象:ひとり親交流サークル「エスクル」会員のうち、父子家庭の世帯主である者(n=107)
調査期間:2022年4月27日~5月30日
調査方法:アンケート調査ツール(Google フォーム)を利用したインターネット調査
調査機関:自社調査

【調査結果】
  • シングルファーザーとなったことが「仕事に影響にあった」という回答が最多

シングルファーザーになったことが、「影響や変化があった」と答えた人が82.2%と非常に多く、反対に「影響や変化がなかった」と答えた人は約18%にとどまりました。
質問に対し、
・3交代勤務・夜勤のある働き方を、通常時間勤務に変更してもらった
・これまでより拘束時間の短い職場に転職した
・家から近い職場へ転職をした
・できる限り残業、出張を減らしてもらった
・会社の主力となる業務を避け間接業務が主となった
・在宅勤務を増やし、重要ポストや昇進を諦めざるを得なくなった
・転勤を伴う昇格を断った
・子供の進学する高校に近い営業所への転勤を認めてもらった
・家庭を最優先にできる部署へ異動した
・週1~2回のテレワークを実施した
・家族に何かあった時など休みなど取りやすくなった
​などの回答が寄せられました。
  • 「毎月の勤務時間」「毎月の収入」に対して、「減少した」が最多

毎月の総勤務時間数に変化があったと答えた人は72.5%で、そのうちの54%が「大幅に減少した」と回答しました。反対に、総勤務時間数が「増加した」という回答は6%でした。

毎月の収入に関しては、「ほとんど変わらない」という回答が33.9%、「少し減少した」、「大幅に減少した」という回答があわせて33.3%、「少し増加した」、「大幅に増加した」という回答はあわせて12.6%という結果になりました。
また、収入が減少した理由については、
・残業・出張が無くなった
・勤務時間の減少
・子供関係で休みを取ることが増えた
・転職した会社の方が年収が低い
・評価される業務に携われなくなった
などの回答が寄せられました。
  • 「職場の理解」に対して、「ある」が最多

現在の職場について、シングルファーザーに対して「理解がある」という回答は77%となりました。
質問に対し、
・コロナ前から他の人に先駆けて在宅勤務を基本とする勤務体形を認められていた
・学校行事に融通して頂いてる
・欠勤、遅参、早退への理解
・定刻通りに帰宅できる

などの回答が寄せられました。

反対に、「理解がない」と答えた方からはその背景について、
・社内で前例がほとんどない
・シングルファーザーとなったことを職場に伝えれば確実に不利益があるため、伝えていません
・業務量は減ったものの、部署異動はなく、やむを得ない場合出張、残業をしなくてはならない。
・何をやっても評価されなくなった
・休日当番があるが、免除にはならない
などの回答が寄せられました。
また、アンケート回答者のうち、転職経験を「0回」と答えた方が72.5%、次いで転職経験が「1回」あると答えた方が17.6%、複数回の転職経験者は9.6%となっています。
  • 「習いごと」に対して、「特になし」が最多

半数以上の家庭が「子どもは習い事・塾に通っていない」と回答しています。その理由として、「送迎が困難」、「宿題をサポートできない」、「準備や手続きを行う余裕がない」、「費用の捻出が難しい」という回答が多く挙げられていました。
  • 「性に関する教育」に対して、「難しい」が最多

お子さまの性教育に関する質問については、「難しいと感じている」との回答が60%に上りました。
教育に関する悩みや意見として、
・進学費用が心配
・子どもの不調を相談する人が周りにいない
・ひとりで叱ることとその後のケアを1人でしなければいけないところが、一番難しいと感じる
・普段の宿題を見届けることができない
などの回答が寄せられました。
  • 家事と仕事を両立する上で、「料理」に手がかかるという回答が最多

家事と仕事を両立する際に、特に手がかかると感じているのは「料理」で、次いで「掃除」、「洗濯」、「日用品の買い出し」の回答が多くありました。
手がかかる理由については、
・仕事後に1週間分の買い物をするのは難しい
・栄養の偏りや、献立のマンネリ化が心配
・帰宅してから作るのが大変
・時間が足りない
・料理は上達したが、掃除は元々不得意ですぐに散らかる
・洗濯物が多く、取り込む時間がない
などの回答が寄せられました。
  • 「今後、家事代行サービスやシッターサービスを利用したいかどうか」に対して、「いいえ」が最多

「過去にシッターサービス、家事代行サービスを利用したことがあるかどうか」という質問について、「はい」が9%、「いいえ」が91%となりました。
また、今後生活関連サービスに求めることとして、
・「父子家庭」「子どもの学年」などの条件別でどのようなサービスがあるのか、とにかく情報が欲しい
・チャットベースの相談窓口
・栄養バランスをキチンと考えられた配食サービスがあれば利用したいが、子どもによって食べる量が全く違うため、年齢性別に合わせてボリューム量を調整できないと使いにくい
・家事代行サービス等を利用したいと思っても、費用面で継続して利用することができない。補助があれば助かる
・自分に何かあっても、生きていけるように、炊事、洗濯などの日常生活の相談できる所があれば有り難い

などの回答が寄せられました。

また、現在のサービスへの意見として、
・申込や手続き、利用方法が煩雑だと、かえって負担が増えるので利用しようと思えない。電話受付が平日9時~5時までだと、仕事中のため架電できない
・銀行や行政の窓口を夜間や休日でも使えるようにして欲しい。引っ越し手続きのために、仕事を何日か休まなくてはならなかった
・地方なので家事代行サービスがなかなかない
・有料なら意味がない、使わない
・国が用意しているひとり親家庭等生活支援事業を市が採用しておらず利用できない。地域によって差があるべきではないと思う
などの回答もありました。
  • 「現在、ひとり親での育児に不安を感じているか」に対して、「はい」が過半数

「現在、ひとり親での育児に不安を感じているか」という質問に対して、「はい」という答えが78%、「いいえ」という答えが22%となりました。

また「どのようなときに不安を感じるか」という質問に対しては、「自分自身の体調が悪化したとき」、「子どもの将来を考えたとき」、「孤独を感じたとき」、「子育ての方法に悩んだとき」という回答が多く選択されていました。
  • 「周囲の理解が足りないと感じたことがあるか」に対して、「ときどきある」が最多

周囲の理解に関する質問に対して、「よくある」、「ときどきある」をあわせた約74%の方が「理解が足りないと感じたことがある」と回答しています。また、「まったくない」という回答は6%となりました。
周囲の理解が足りないと感じた出来事については、
・「母子家庭」向けの行政の支援や情報は多いが、「父子家庭」は対象外となっていることが多い
・PTAなどの学校役員は、ひとり親にとって大変である
・学校の家庭科の授業に「母の日にエプロンを製作」というものがある
・「シングルファーザーは子育てをしっかりしていない、祖父母に任せっきり」という先入観を持たれている
・親戚や職場の人から「男のくせに家事、子育てをして情けない」と言われた
・母親には認められている仕事の業務調整が、「男親だから」という理由でシングルファーザーには認められない
・出先のトイレ利用に困る。外で待たせるのは不安だが、連れて入りづらい
・再婚を勧められることが多い
・親権の裁判時に「なぜ男なのに引き取りたいのか?」と言われた
などの回答が寄せられました。
  • 行政によるシングルファーザーへの各種支援に対して、「満足していない」が最多

現在の父子家庭への支援制度について、「満足していない」が最多の27%で、「満足している」が18%、「やや満足している」が19%、「どちらとも言えない」が26%、「あまり満足していない」が10%という回答結果になりました。
  • 利用したことのある支援制度は「上下水道の減免制度」が最多

実際に利用したことがある支援制度として、最多は「上下水道の減免制度」で44回答が集まり、次いで「医療費支援制度」、「児童扶養手当」と続きました。

一方で、「より手厚い支援が必要だと感じていること」として、「児童に関する手当」が最多、次いで「学費補助」、「税金の減額」と続いています。
また、「このような支援があれば嬉しい」、「過去にあればよかった」という支援として、
・カウンセリング
・グリーフケア
・子どもの心のケアができる場所
・家事、料理の相談先
・仕事の紹介、交流
・給食費のサポート、中学校の給食支援
・定期的な相談の機会
・同じような境遇の方々とのコミュニケーションの場
・生理用品の支給
・遺族年金
・各種制度の収入制限の撤廃
・年収ではなく、子どもの年齢・人数に応じた支援
などの回答が寄せられました。

【総括】
今回の調査から、シングルファーザーの方もシングルマザーと同じく、1人での子育てと仕事の両立に、不安や時間の足りなさを感じていることがわかりました。また、社会的なマイノリティであることから、同じ境遇の人と出会える機会が少なく、周囲に相談できる人がいないため、自身や子どものメンタルケア、グリーフケアを求める声も多く挙がっていました。加えて、ひとり親の多子世帯や一定額以上の収入を有するシングルファーザーからは、利用できる支援制度が無い、あるいは少ないという回答も寄せられています。
孤独を感じやすく、精神的な不安を抱えやすい育児中には、各家庭にあわせた情報提供、サポートが必要であると感じました。また、子どもの将来を支える、学費支援や医療費補助も求められています。

■アンケートに御協力いただいた「エスクル」について
ひとり親交流サークル「エスクルhttps://skuru.site/ は、コミュニティの醸成のほか、LINE公式アカウントの登録者へ、毎月1回、イベント開催時の写真報告やお役立ち情報などを配信しています。また、私たちの取り組みに賛同していただける賛助会員様を募集しています。ひとり親へのサポートに関心がある企業様、具体的な支援先を探している方はご連絡ください。

運営団体:一般社団法人ひとり親支援協会(エスクル)
URL:https://skuru.site/assoc/
代表理事:今井智洋
会員数:11,000名(子ども・サポーター除く)
事業内容:ひとり親家庭を 『孤立』 から守る活動、ひとり親家庭の生活向上にかかる活動

■「NO FRAME」について
「NO FRAME」では、この調査のほかにも、枠にとらわれない多様な生き方に関する記事を多数公開しています。

▼「ねばならぬ」から解放された私は「心から愉しむ」ことを知った
https://noframe.work/media/archives/332
▼住み慣れた神戸を離れ「いちご農家」にジョブチェン!家族との濃厚な時間が僕の宝ものになった
https://noframe.work/media/archives/735
▼ファッションは自分自身を守る防波堤 私が私らしくあるために
https://noframe.work/media/archives/561

■NoFrameについて
当社は、上記Webサイト「NoFrame(https://noframe.work/media/)」の運営のほか、ライフを基盤とした全世代の仕事・育児・教育が融合した新時代のコミュニティ・スペースの実現をめざし、教育・実践・交流の場の拡張に取り組んでいます。

【概要】
社名 :株式会社NoFrame (2020年3月創業)
URL :https://noframe.work/
所在地 :東京都台東区上野6丁目8番19号 小野田ビル3階
代表取締役:唐 しゃゆ
事業内容 :
・コワーキングスペース運営
・メディア運営
・バックオフィスの立ち上げコンサルティング
・バックオフィスの生産性最大化コンサルティング
・組織開発、人材開発、採用戦略コンサルティング
・ビジネスプロセスアウトソーシング事業
・人材紹介事業
・新世代の人材育成アカデミー事業

 

 

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会社概要

株式会社NoFrame

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業種
サービス業
本社所在地
東京都台東区上野6丁目8番19号 小野田ビル3階
電話番号
-
代表者名
唐 しゃゆ
上場
未上場
資本金
-
設立
2020年03月