視覚に障がいのあるご家庭に「触れる絵本」プレゼント
「視覚障がい児が楽しめる絵本ってあるの?」
ケージーエス株式会社(本社:埼玉県⽐企郡小川町小川1004、代表取締役社⻑:工藤 良次、以下ケージーエス)は、11月1日の点字の日に、当社公式 Twitter で「視覚障がいのあるご家庭へ『触れる絵本』プレゼントキャンペーン」を実施しました。
◆キャンペーンの結果
11月1日の点字の日を記念して、当社公式Twitter アカウントで「視覚障がいのある家庭へ『触れる絵本』キャンペーン」を実施しました。このキャンペーンツイートは3,000人を超える方に拡散のご協力を頂き、ご家庭(身近に視覚障がい児童がいる方を含む)に、人気絵本を加工した「触る絵本」を届ける事ができました。
キャンペーンにご協力いただいた皆様に深く感謝致します。
◆絵本を作ってみよう
当社70周年を迎えるにあたり、2022年7月、「視覚障がい者を身近に感じてもらえるように、視覚障がい者の自立を後押しできるように」と、視覚障がい者が働いている職場の雰囲気や視覚障がいに関する話題・課題について、Twitter やTikTok 等のソーシャルメディアでの情報の発信を開始しました。
活動を行うなかで、広報メンバーから「視覚障がい児が楽しめる絵本ってあるの?」という声があがりました。仕事と育児に励んでいる絵本好きのメンバーからの疑問です。
日本には世界にも誇れる点字図書館があり、そこではオーディオブックや点字図書があります。しかし、絵のキャラクターや情景といった、視覚から得られる情報と文字が組み合わさった世界観を、親子で語り合いながら読み進める、絵本独特の楽しみ方ができるようなものはないように感じます。
本キャンペーンでは、出版社に許可を頂き、人気のある市販の絵本を触りながら楽しむことができるように、加工して、手作りで製作した「触る絵本」を5名の方へプレゼント致しました。
◆視覚障がい児童が楽しみながら点字を学ぶには
現在、100円ショップでも絵本や知育ドリルが販売されています。
しかし、視覚障がい児童が絵本を読むためには、「近所の図書館または郵送等による点訳絵本の貸出サービスを利用するか、絵本を朗読した音声を聞く。」ぐらいの選択肢しかありません。また、新刊はすぐに点訳されることがあまりないため、幅広く絵本を楽しむことができません。
絵本に限らず、視覚障がい児童が幼少期の頃、豊かな心を育むためには、目の見える子供の環境と同じように、様々な玩具・知育グッズ等が身近に手に入る環境が必要です。
◆ITで広がる視覚障がい者の世界
ケージーエスでは、見えない/見えにくい子供達には、単に視覚を補うだけではなく、学びの機会や、文字に触れる機会を晴眼の児童以上にあるべきだと感じています。
デジタル化は視覚障がい者にも大きな変化をもたらしました。ラジオやテレビが、主な情報の入手経路だったのが、今ではパソコンやスマートフォンから簡単に様々な情報へアクセスできるようになりました。
また、点字の知識がなくても、パソコン等を通して、文章を点字へ翻訳することも簡単な時代になりました。
しかし、視覚障がい者が『文字を書く』ことについては、デジタル化の余地がまだまだ残されています。学校教育、学校入試制度、国家資格試験などでは点字による試験は進められていますが、目が見える人の『書く』という動作の代替措置としてパソコン等の利用はあまり進んでいません。
目が見える人と視覚障がい者の両者が利用できるIT技術は既に存在しています。
ケージーエスでは、これらを効果的に活用していけるかが、見えない / 見えにくい子供達の教育に向けたの IT 推進に必要だと考えています。
◆日本の視覚障がい者数と社会認知の少ない全盲と弱視
日本の人口は1億2,612万人、その内18歳未満の人口1,860万人(※1)です。
日本の視覚障がい者数は164万人、その内全盲者の数は18万人、弱視は144万人(※2)です。
そして加齢による疾病、事故等による原因も多く60歳以上で72%占めていると推定されています。(※2)
これらを基に、60歳未満と60歳以上の全盲者数、弱視者数を推計すると下記の表になる。
※1:e-Stat(政府統計の総合窓口) 「年齢(各歳)、男⼥別人口及び人口性⽐−総人口、日本人人口」より年代別人口及び人口⽐率(https://www.e-stat.go.jp/dbview?sid=0003459018)
※2:日本眼科医会研究会報告2006-2008 「日本における視覚障害の社会的コスト」より全盲と弱視の人数(http://www.gankaikai.or.jp/press/20091115_socialcost.pdf)
※3:文部科学省 「特別支援教育について」より視覚特別支援校の在学者数及び学校数
(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/020/002.htm)
◆SNS 広報活動について
当社製品を使った用途事例や、「視覚障がい者の就労や教育」「視覚障がい者に関する社会認知のギャップ」をテーマに発信しています。今後は「視覚障がい児童の家庭学習」や「当社製品の活用事例」など、オンライン形式で参加できる企画を予定しています。
公式Twitter:https://twitter.com/kgs_koushiki/
公式TikTok :https://www.tiktok.com/@kgs_koushiki/
◆ケージーエス株式会社について
1953年創業、電磁アクチュエータ技術の「動く」を強みに、ATM、券売機、電気ロック機構の中から人々の生活を支えています。その信頼性と技術的な挑戦の結果点字セルが生まれ、今では世界で利用されている点字端末製品の7割の製品に当社の点字セルが搭載されています。国内の視覚障がい者支援事業においては、教育環境・就労率向上に向けてより一層活動していきます。
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