チェコ音楽コンクール受賞者の池野博子と酒井萌音が助成を受けてコラボ!声楽とピアノ作品でチェコ音楽を紐解く
2023年1月14日(土)目黒区にて「チェコの調べ~声楽とピアノで紡ぐチェコの作曲家とその系譜」を開催
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- ワークショップの場から生まれた異色のコラボ、コロナ禍の実現の背景に「アーティストバンク」
「チェコ音楽コンクール」の2018年声楽部門第1位池野博子とピアノ部門第2位酒井萌音が、板橋区の助成をうけたコンサートを開催する。
【開催概要】
演奏会名称:チェコの調べ~声楽とピアノで紡ぐチェコの作曲家とその系譜
会場: ムジク・ピアフォーヌ(東京都目黒区駒場4-5-14、京王井の頭線駒場東大前駅西口下車。徒歩4分)
日時: 2023年1月14日(土)13:30開場 14:00開演
チケット販売: teket にてチケット販売。 https://teket.jp/g/dee8rmeebe
鑑賞チケット 一般 3,500円、板橋区民割2,000円
アーカイブ配信チケット 2,000円
池野博子は東京二期会会員のメゾソプラノ歌手である。早稲田大学を卒業後ビジネスパーソンとしてのキャリアを築く最中に病に倒れたことがきっかけとなり、オペラ歌手を目指し東京二期会会員となった。2007年モーツァルト『魔笛』で本格的にオペラデビューの後、様々なオペラに出演。モーツァルト『レクイエム』やベートーヴェン『第九』など声楽曲のアルトソロの他、2017年には初リサイタル(東京、長野)を開催するなど、コンサートの分野にも力を入れている。デビュー当初よりコンサートの企画を多数手がけ、近年は音楽劇の台本も執筆している。
音楽による社会貢献に関心が高く、2017年には東京二期会会員で構成される社会貢献団体「二期会BLOCポケットオペラ」(*1)を立ち上げ、副代表として組織マネジメントにもあたる他、2021年3月には東京工業大学大学院環境・社会理工学院社会・人間科学コースにて音楽ワークショップの社会的機能に関する研究で修士号を取得。同年にはブリティッシュ・カウンシルと川崎市、東京交響楽団が行ったインクルーシブな日英共同事業である「かわさき♪ドレイク・ミュージック プロジェクト」(*2)では音楽ワークショップのファシリテーターとして参画し(*3)、英国外務大臣にその活動を報告するなど、社会課題解決への音楽活用の研究、実践、社会への実装に強い関心をもっている。
現在もビジネスでのキャリアを積みながら音楽活動を続けるパラレルキャリアの声楽家として、活動の幅を拡げる異色の音楽家である。
クラシック音楽と舞台芸術――多彩なかたちで音楽表現を行うピアニスト酒井萌音
酒井萌音はクラシック音楽と、演劇・ミュージカルの演奏で活動するピアニストである(*4)。主な受賞歴に、第9回東京ピアノコンクール一般A部門第1位、チェコ音楽コンクール2018 ピアノ部門第2位、第7回東京ピアノコンクール協奏曲部門第2位(最高位)などがある。没入型アートを目指したクラシック・コンサート企画『Concert Series MAG-MELL』を主宰、演奏会のほか、子供向けプログラムなどのアウトリーチ活動を展開している(*5)。在学時よりアウトリーチ活動を行い、カーザ・ダ・ムジカ(ポルトガル)によるWorkshop Workshop!国際連携企画 ワークショップ・リーダー育成プログラム(東京文化会館主催)を修了。様々な人や場に合わせたプログラムを展開している。
これまでに演劇・ミュージカルなど舞台芸術のピアニストを務め、朗読ユニット『ぽわわわわん』の公演に多数参加、ミュージカル『I Do! I Do! 2017年改訂版 ファイナル』『The Fantastics ―ボーイミーツボーイ版―』(勝田安彦 演出、中目黒ウッディシアター)では稽古ピアニストを兼任、ミュージカル俳優等のライブサポートも多数行ってきた。また、非営利活動法人シアタープランニングネットワーク主催『ホスピタルシアタープロジェクト』(2017年~2021年)、エコロク第1回公演『旗をあげる』では劇伴制作を担当した。
桐朋学園大学附属子供のための音楽教室にてピアノを始め、桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学を経て、同大学院音楽研究科にて論文『ドビュッシーとイギリス—「前奏曲集」における英国趣味—』で修士号を取得。これまでに、ピアノを岡本美智子、阿部美果子、江澤聖子、辻井雅子の各氏に師事。
背景1:音楽ワークショップリーダー育成プログラムでの出会い
コンクールは異なる部門の出場者間に接点はほとんどない。ましてや異部門横断で出場者による自主公演を行うことは珍しい。
同コンクールには受賞者表彰式と部門1位入賞者の披露演奏会が駐日チェコ大使館にて行われるが、池野と酒井はこの時にお互いを知っていたわけでなかった。しかし参加型の音楽活動に関心の高い両者は、2019年に東京文化会館が実施した音楽ワークショップリーダー育成プログラムに参加。偶然同じチームでワークショップを制作することとなり、その過程で前年のコンクール表彰式で同席していたことに気づく。その縁からいつかチェコ音楽のコンサートを一緒に開催できればと、将来への展望を語りあっていた。
ところが2020年2月からコロナ禍に突入し、音楽界は苦難の時期を過ごすこととなり、二人もその機会を失っていた。
背景2:「アーティストバンクいたばし」が後押し
2021年にコロナ禍の芸術家支援策として公益財団法人板橋区文化・国際交流財団は「アーティストバンクいたばし」(*6)という芸術家と区民をつなげる取り組みを始めた。二人とも板橋区にゆかりのあるアーティストとしてこの制度に登録していた。2022年度は「いたばしアーティスト応援キャンペーン2022」として、登録アーティスト同士の演奏会への支援に力を入れており、この制度を活用してコンサート企画を応募。結果、支援を得られることとなり開催にこぎつけた。
- チェコの作曲家が抱いた憧れと苦悩をドイツ系の音楽から紐解く
チェコ国民楽派のスメタナ、ドヴォルジャークの作品を中心に、彼らが影響を受けた作曲家の作品で構成することでチェコ音楽の系譜を探るのがこのコンサートの趣旨だ。それらを紐解くことでチェコの作曲家が当時の社会背景などから抱えていた苦悩や、当時のクラシック音楽界のメインストリームであった作曲家たちへの憧れが立ち現れてくる。
コンサートは酒井によるシューマンのピアノ曲から始まる。その後、池野によるブラームスとワーグナーの声楽曲へバトンが渡され、コンサートの後半にスメタナとドヴォルジャークのチェコ音楽へと聴衆を誘い、最後はリストで締めくくられる構成だ。
聴きどころ
声楽作品ではドヴォルジャークの歌曲で最も有名な「母の教え給いし歌」の他、スメタナやドヴォルジャークが影響を受けていたワーグナー作品やドヴォルジャークを見出したブラームス作品といった対照的なドイツの二人の作曲家の対比もおもしろい。スメタナのオペラ『秘密』のような上演機会の少ない作品にも出会える。今回は酒井と佐藤の二人のピアニストが出演するが、ドヴォルジャークとリストの作品を酒井が、ブラームス、ワーグナー、スメタナの作品を佐藤がそれぞれ池野と共演する。
ピアノ作品はピアノ・ソロ曲のレパートリーとしてはまだ日本では馴染みの少ないスメタナの楽曲を軸としたプログラム。『チェコ舞曲集 第2巻』より「フラーン」など民謡を題材とした作品を取り上げ、リストの楽曲などスメタナの音楽に影響を与えた様々な要素を紹介する。
参加型の音楽活動に従事する二人が聴衆にチェコ音楽をどう提示し巻き込んでいくのか、期待が高まる。
(*1) 二期会BLOCポケットオペラ https://www.facebook.com/blocpocketopera/
(*2) 障害のある人の音楽アクセス向上―『かわさき♪ドレイク・ミュージック プロジェクト』
https://www.britishcouncil.jp/programmes/arts/drake-music/history
(*3) 地モトNEWS【特別支援学校で音楽ワークショップ】2021/06/30放送
https://youtu.be/BK0zh1pFwHk
(*4) 酒井萌音 Official Website https://monesakai.wixsite.com/mone/
(*5) 『ピアニストの頭の中を覗いてみたら。体験型クラシック音楽会「Concert Series MAG-MELL」主催者・酒井萌音インタビュー』https://note.com/torinosasamiko/n/ne447bcdf34de
(*6) 公益財団法人板橋区文化・国際交流財団が主体となって2021年度から設けている芸術家支援の仕組みであり、芸術のジャンルを問わず、個人・団体でプロとして活動している板橋区にゆかりのある芸術家を「登録アーティスト」として広く区民に紹介し、アーティストの活動の機会や区民の芸術に触れる機会を増やすことを目的としている。新型コロナウイルスの影響で収入の確保や資金繰りに苦慮している板橋区ゆかりのアーティストが、芸術活動を再開・継続できるよう支援事業を行っており、2022年度は「いたばしアーティスト応援キャンペーン2022」 ~ #深める 賑わう アートの輪 ~と題し、アーティストが自ら区民に広くイベントを開催する場合に、経費の一部を同財団が助成している。板橋区では、区民が参加しやすくなるような配慮とともに、芸術家が活動を継続できるための支援の両立を目指した制度設計をしており、助成金以外にも芸術家を取り巻く各種制度に関する中小企業診断士による相談も行っている。
- コンサート概要
チェコの調べ~声楽とピアノで紡ぐチェコの作曲家とその系譜
演奏会名称:チェコの調べ~声楽とピアノで紡ぐチェコの作曲家とその系譜
会場:ムジク・ピアフォーヌ(東京都目黒区駒場4-5-14、京王井の頭線駒場東大前駅西口下車。徒歩4分)
日時:2023年1月14日(土)13:30開場 14:00開演
チケット販売:teket にてチケット販売。 https://teket.jp/g/dee8rmeebe
鑑賞チケット 一般 3,500円、板橋区民割2,000円
アーカイブ配信チケット 2,000円 ※配信期間2023年2月1日(水)~2月28日(火)
演奏曲:
スメタナ
歌劇『秘密』より「このように燃えるのがまことの愛!」(池野・佐藤)
チェコ舞曲集第2巻 第7番フラーン 第10番スコチナー(酒井)
ドヴォルジャーク
『ジプシー歌曲集』より「わが母の教えたまいし歌」Op.55-4(池野・酒井)
R.シューマン
アベッグ変奏曲 Op.1(酒井)
リスト
おお、お前が愛しうる限り愛せ!(愛の夢 第3番)(池野・酒井)
超絶技巧練習曲 第12番 雪かき(酒井)
ワーグナー
『ヴェーゼンドンク歌曲集』より「痛み」「夢」(池野・佐藤)
ブラームス
そよとも動かぬ暖かい大気 Op.57-8(池野・佐藤)
…他
出演:
池野博子 Hiroko IKENO メゾソプラノ
早稲田大学卒業。東京工業大学大学院環境・社会理工学院修士課程修了。二期会オペラ研修所マスタークラス修了。チェコ音楽コンクール2018声楽部門第1位。文化庁人材育成公演『魔笛』にてオペラデビュー。オペラでは『フィガロの結婚』『椿姫』『カルメン』『ラインの黄金』『ヘンゼルとグレーテル』等に出演の他、モーツァルト「レクイエム」、ベートーヴェン「第九」各アルトソロなど宗教曲やコンサートの分野にも力を注いでいる。「パラレルキャリアの声楽家」としてNHKをはじめメディアにも多数登場。音楽ワークショップの研究と実践にも取り組み、UK in JAPAN の音楽事業「かわさき♪ドレイク・ミュージック プロジェクト」に参画。特別支援学校の高校生を対象に音楽ワークショップのデザインとファシリテーターを務め、英国国務大臣に同事業の報告を行った。東京二期会会員、二期会BLOCポケットオペラ副代表、日本文化政策学会会員。
公式ブログ http://klinghirokoikeno.blog.fc2.com/
酒井萌音 Mone SAKAI ピアノ
桐朋学園大学大学院修了。受賞歴に、第9回東京ピアノコンクール一般A部門第1位、チェコ音楽コンクール2018 ピアノ部門第2位、第7回東京ピアノコンクール協奏曲部門最高位など。これまでに、辻井雅子、江澤聖子、阿部美果子、岡本美智子の各氏に師事。クラシック音楽と演劇・ミュージカルでの演奏を中心に活動を行う。クラシック音楽ではソロ、伴奏のほか、自身のコンサートシリーズMAG-MELL(マグメル)を主催。また在学時よりアウトリーチ活動を行い、インクルーシブ・アーツや子供向けの参加型コンサートなど、観客や場に合わせたプログラムを展開している。演劇、ミュージカルではピアノ・打楽器演奏のほか、稽古ピアノ、劇伴の作編曲、音源制作等を行う。近年は後進の指導や幼児の音楽教育にも携わっている。アーティストバンクいたばし登録アーティスト。グローバルエンターテインメント協会会員。ピアノ教育連盟会員。日本音楽学会会員。
公式ウェブサイト https://monesakai.wixsite.com/mone/
佐藤文雄 Fumio SATO ピアノ
武蔵野音楽大学卒業後渡仏。パリ・エコールノルマル音楽院等で研鑽を積む。ピアノをJ-M.ルイサダ、森原京子、花岡千春の各氏等に、歌曲伴奏法をG.バデフ、C.スペンサー、S.マノフ、花岡千春の各氏等に師事。これまでフィリアホール、トッパンホール、王子ホール、紀尾井ホールなどでリサイタルを開催。2015年には白井晃演出 稲垣吾郎主演 舞台「No.9〜不滅の旋律〜」に全公演ピアニストとして出演。自身がピアノパートを担当した東京藝術大学出版部監修「フランスの詩と音楽の愉しみ」が発売中。チェコ音楽コンクール2018声楽部門において最優秀共演者賞を受賞。現在ソロの他に声楽及び合唱を中心としたアンサンブルピアニストとして活動中。
主催: いたばしチェコの調べ実行委員会
助成: 公益財団法人板橋区文化・国際交流財団
後援: チェコセンター東京、公益財団法人東京二期会、桐朋学園音楽部門同窓会、二期会BLOCポケットオペラ
担当者・連絡先:いたばしチェコの調べ実行委員会 iczechmusic@gmail.com 担当:池野
https://www.facebook.com/events/867006024458846?active_tab=about
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