【出版・報道・広告・アート関係者向け】オンラインセミナー「表現者のニーズから始める『表現の自由』」(全5回)講師:憲法学者・志田陽子さん

〜「表現の自由」の法的ルールや社会問題を平易な言葉で解説〜

株式会社サイゾー

現代社会を考え続ける人のためのウェブメディア・WEZZY(株式会社サイゾー)は、「表現の自由」に関するオンラインセミナーを開講します。出版、報道・広告、アートなど、さまざまな表現活動に関わる人に欠かせない知識を五回にわけて丁寧にわかりやすく解説。第一回は3月25日13時より。


■概要
 私たちの世界は、私たちが、日々つくって――創って、造って、ときには壊してつくり直したり、ほころびを繕ったりして――います。そこでは一人ひとりがさまざまな現実と対峙しながら、コミュニケーションを繋いでいくことが、この世界を支えています。

 この講座は、私たちすべてが生きるためになんらかの形でコミュニケーションに関わっている現実に着目して、《表現の自由とルール》を総合的に学ぶ講座としました。日ごろSNSなどでコミュニケーションに参加している人や、表現活動を仕事にしている人・したい人のために、表現にかかわる法ルールを、自信をもって表現活動をおこなうための知識として、学んでいただければ、と願っています。

 近年、《文化芸術》への関心が広がっています。芸術表現やデザインは、今日、社会からその意義と価値を強く認められ、人々の心の豊かさに貢献するものとして期待されています。本講座では、そうした昨今の流れを汲みながら、表現者が知っておくべき法的ルールや議論になっている社会問題を、気軽に聴いていただけるように平易な言葉で(言葉は平易ですが、根底にあるロジックはしっかり)解説していきます。

 ただし、ルールはあくまでも人のためにあるもので、人がルールのためにあるものではありません。ルールが本来の「自由」を塞いでしまっているときには、そのルールのほうを「本当に必要なルールだろうか」と問う姿勢も必要です。このときこそ、憲法21条の「表現の自由」が思考の足場となります。

 表現することの楽しさ・素晴らしさと、さまざまな他者との共存の道を探ることと、この二つを同時に追求することが、《自分と世界の関係》をより豊かにする道につながる、と考えています。

■受講申し込みページ(有料)
https://wezzymeeting.stores.jp/items/63feb96034e0173ad2982547

■講師

志田陽子
武蔵野美術大学造形学部 教授、東京都立大学システムデザイン学部 客員教授、博士(法学)。東京新聞「新聞のあり方委員会」委員、憲法理論研究会運営委員長、電子ジャーナル「シノドス」編集協力者。大学では、憲法および表現者のための法学を担当。研究対象は、表現の自由と人格権、文化芸術と法。著書に『文化戦争と憲法理論』(法律文化社、2006年)、『表現者のための憲法入門』(武蔵野美術大学出版局、2015年)、『合格水準 教職のための憲法』(共著・法律文化社、2017年)、『「表現の自由」の明日へ』(大月書店、2018年)、『映画で学ぶ憲法Ⅱ』(編著・法律文化社、2021年)など。

■セミナープログラム

・第一回:「表現の自由」はなぜ大切な「人権」なのか 2023年3月25日(土) 13:00〜14:30

 文芸・芸術作品や思想哲学、歴史的価値のある記録など、世界には現在に受け継がれて息づいている《表現》がたくさんあります。それらの中には、今も私たちの社会を支える重要な役割を果たしているものがあります。まずは表現者たちが残した足跡を手掛かりにしながら、「表現の自由」はなぜ大切か、考えていきます。
 前半では、「表現の自由」はなぜ大切か、これまで確認されてきたことを広く俯瞰します(各人の人格的発展のための自由/民主主義の前提条件としての自由/生存・共存のための自由/真理の探究のための自由)。私たちが表現者として知るべき社会のルールを学ぶさいにも、《してはならないこと》を学ぶだけではなく、《法によって支えられている事柄》についても知ることが、このジャンルをより魅力的に学ぶことにつながると思います。
 後半では、このうち、民主主義との関係に重点を置いてお話をします。本来あるべき《知》と意志の循環のあり方、「知る自由」と「知る権利」、情報公開などについて考えます。
 ケースとしては、「北海道ヤジ排除事件」を取り上げる予定です。

・第二回:「表現の自由」と人格権とSNS 2023年4月8日(土)13:00〜14:30

 多様な個性を持った人々が隣り合って共存することとなった現代の社会では、表現をめぐる衝突も起きやすく、自分の表現がいつどこで他者を傷つけているかわからない、という不安を全員が抱えています。どのような表現が他者の人格を傷つけたり、社会の安全や信頼を損なうもので、それを防いだり解説したりするためにどのような法律があるのかを一人一人が知ることによって、表現者自身が望んでいない衝突を防ぐこともできるでしょうし、真摯な表現が萎縮することも防げると思います。法を知ることで、表現活動がしやすくなる場面が多々あるのです。前半ではこうした視点から、名誉毀損やプライバシー権など、「人格権」と呼ばれる分野についてお話しします。
 後半では、とくにSNS上の表現について、こうした人格権侵害が問題となる例-誹謗中傷の例―について、解説します。
 ケースとしては、「いいね」名誉毀損裁判を取り上げる予定です。

・第三回:共存社会と「表現の自由」:差別表現・ヘイトスピーチ問題を考える 2023年4月22日(土)13:00〜14:30

 民主主義と名付けるにせよ、それ以外の言葉をとるにせよ、私たちは、社会のメンバーが排除されずに生きていける共存社会を作っていかなくてはならず、これを台無しにする表現については、どこまで「自由」として許容され、どこからは限界を超えた表現として規制されるのか、という議論が必要です。第3回の前半で、差別表現とヘイトスピーチについて、そうした視点から考えていきます。
 次に後半では、性表現や性差別表現にも視野を広げてみたいと思います。性差別表現については、第2回で扱った人格権への侵害とまでは言えないが一部の人に不快感を与える表現が、強い抗議を受けるようにもなっています。こうした問題について、法的にはどういうことになるのか、一緒に考えてみたいと思います。

・第四回:経済社会と「表現の自由」:広告規制と著作権法を中心に 2023年5月6日(土)13:00〜14:30

 表現活動も、多くの場合、経済社会の中で行われます。とくに経済活動の一環として行われる営利広告表現については、さまざまな制約ルールがあります。前半では、そうした広告表現規制や知的財産法ルールなど、経済活動としての表現活動に課されるルールについてお話しします。
 後半では、このうち、とくに一般人の表現にも直接にルールが及ぶ著作権法について、お話をする予定です。著作権法のルールが、表現者(著作者やそれを利用したい人)を支える役割を果たしている部分と、「表現の自由」と緊張関係に立つ部分の両面をもっていることを理解しつつ、表現者にとって役立つ実践知識を提供したいと思います。時間に余裕があれば、憲法の観点からルールを問う議論があることもお話しできれば……、と思っています。

・第五回:《公》が支える文化芸術と「表現の自由」 2023年5月20日(土)13:00〜14:30

 近年、《文化芸術》への関心が広がっています。とくにコロナ禍では、芸術表現が危機に陥ったことから、かえってその意義と価値がはっきりと社会に意識され、withコロナ社会でも、人々の心の豊かさを支えるものとして期待されています。「表現の自由」もそうした流れを受けて、単に「国家の干渉をお断りする自由」だけではなく、公的支援を受ける場面を大切する議論によって、厚みを増してきました。
 最終回の第5回は、第4回までの知識を前提とした発展偏として、こうした発展形の上にある「表現の自由」―文化享受の権利と芸術の自由―についてお話しします。
 前半では、この「発展形」について、世界人権宣言など、国際社会が共有してきた考え方を参考にして理解していきます。後半では、この問題領域について日本で急増してきたトラブル事例、不自由事例について考えてみたいと思います。取り上げるケースとしては、2019年から2022年にかけて続いた「表現の不自由展」問題や、公民館、図書館を舞台とした事例などを考えています。

■受講詳細
開催日:2023年3月25日〜5月20日(隔週土曜日開催、全五回)
時間:13:00〜14:30
商品:オンラインセミナーチケット+アーカイブ
料金:10,000円(税込、2000円×5回)
配信:Zoomウェビナー(PC、スマホ、タブレットから視聴できます)

※ 講義開始後のご購入も可能です。開催済みの回はアーカイブ動画をご案内します。
※ ご購入後に、オンラインセミナー参加用URLが記載されたチケット(PDF)をダウンロードしていただきます。PDFをダウンロードできるデバイスをご利用ください。

■受講申し込みページ
https://wezzymeeting.stores.jp/items/63feb96034e0173ad2982547

■お問い合わせ
株式会社サイゾー
wezzy編集部
URL: https://wezz-y.com/
mail: contact@wezz-y.com

 

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業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区円山町20-1 新大宗道玄坂 8F
電話番号
-
代表者名
揖斐 憲
上場
未上場
資本金
1125万円
設立
2007年10月