「タイマグラ」集落に暮らす、安部智穂さんの料理本『森の恵みレシピ 春・夏・秋・冬』を発売

株式会社 婦人之友社は、2023年9月20日に、安部智穂さんの料理本『森の恵みレシピ 春・夏・秋・冬』を発売いたします。翌9月21日（木）出版記念講演会を開催。

岩手県の早池峰山麓で森の恵みをふんだんに活かしながら暮らす安部さん。食いしん坊で研究熱心な彼女が作る、保存食・展開料理・スイーツ90品を掲載した一冊です。タイマグラを訪れた、作家・エッセイストの平松洋子氏が“森との対話を皿に上に描き出す”と評したほど、豊かさに満ちたレシピは、消費することに偏りがちな私たちに、大事なことを気づかせてくれます。

森の恵みをふんだんに活かす台所しごととは──。たとえば春。どっさり採れた摘みたてわらびは、ゆがいて絶品トロトロのわらび丼に。残りは塩漬けにして、野菜の少ない冬にたっぷり味わいます。秋は、旨みの濃いきのこが次々に。風味のつまったおこわを炊いて、幸せいっぱい。また、オイル漬けをつくれば、パスタやオムレツなどの洋風おかずがあっという間にでき上ります。約40種の素材から生まれる保存食・展開料理・スイーツが満載。手間をかけ、暮らしを紡ぐ豊かさと楽しさがつまった1冊です。

■第1章　春

冬の間に降り積もった雪は、溶けることなくいつしかカチカチの氷に。

そんな硬い氷さえも、春の陽射しはゆっくりと確実に溶かしていきます。

おひさまってすごいなぁ、本当にすごいなぁ。心からそう感じます。

不思議ですね。夏のまぶしい太陽よりも、雪溶けのころの太陽に、パワーを感じます。

そして、温かくて力強い太陽に誘われて、山菜たちが次々に顔を出し始めます。

■第2章　夏

雨の季節が到来。

貴重な晴れ間に「ソレー」と表に飛び出せばいつの間にか季節は夏へとめぐっています。

緑は日に日にボリュームを増し、生き物の気配も濃厚に。

短い夏を存分に生きよう！

森は、そんな気配に満ち満ちています。

私もはりきって、畑仕事や森仕事へ。

ぐんぐん野菜も成長。

毎日ヘトヘトになるけれど、猫と一緒に夕涼みをすれば「今日もいい一日だったなぁ」と、感謝の気持ちがあふれるのです。

■第3章　秋

サクサク、カサカサ。

秋の森を歩けば、自然の慈愛に包まれます。

美しい紅葉も、木の実が降るほどの豊かな実りも、モノトーンの季節を前に届けられる、森からの贈りもの。

生きとし生けるものへの慈しみにあふれているなぁと思うのです。

美しさを心いっぱいに吸いこみ、滋養たっぷりの恵みをお腹いっぱい味わえば、心も身体もふっくらふくよか！　

秋は感謝の季節です。

■第4章　冬

キリリ、凍てついた朝。意を決して起き出し、薪ストーブに火をつけます。

灰を探れば小さな火種が。大切につまんで鉋クズにのせ、フーッと息を吹きかけます。

パチ、パチ、パチ。炎から伝わるぬくもりにホッとします。

冬は渇水期。

蛇口をひねり、つつがなく水が出れば、あぁよかったと安堵の気持ち。

大切なものは何？　必要なものは何？　

雪野原にたたずむ裸木のように暮らしにシンプルさをとり戻す。

冬はそんな季節です。

• 著者紹介

安部智穂（あべ ちほ）

森の暮らし案内人。1994年に岩手県のタイマグラ集落に移住。山菜や木の実を採り、野菜を育てて保存食や発酵食にするほか、草木染や籠づくりなど、手仕事を大切にして暮らす。

• 書籍概要

書名：森の恵みレシピ　春・夏・秋・冬

著者：安部智穂

価格：1,870円（税込）

サイズ：A5判　オールカラー

頁数：144ページ

ISBN：978-4-8292-1035-2

発売日：2023年9月20日

書籍詳細：https://www.fujinnotomo.co.jp/book/cooking/b3805/

• 書籍に関するお問い合わせ先

株式会社 婦人之友社

〒171-8510 東京都豊島区西池袋2-20-16

ホームページ：https://www.fujinnotomo.co.jp/

• 安部智穂さん　出版記念講演会を開催いたします。

会場は重要文化財の自由学園明日館。

昼の部と夜の部の2回講演です。

午後のひととき、お仕事帰りに、タイマグラの風を感じにいらっしゃいませんか？

●会場：自由学園明日館（豊島区西池袋）

●日時：2023年9月21日（木）　昼の部14:30-16:00（開場14:00）／夜の部18:30-20:00（開場18:00）

●参加費：3,500円（新刊書籍代含おみやげ付／各回70人）

●申し込み：https://www.fujinnotomo.co.jp/news/202309_abe_event/