株プライア、予知保全AIを既存設備に実装するWaveTrackrをリリース

従来の振動解析手法とAIを組み合わせ、異常検知アルゴリズムを手軽に実装します。

株式会社プライア

株式会社プライア(本社:東京都杉並区、代表取締役:長野達朗)は、本日、予知保全AI機能を既存設備に実装するソフトウェア「WaveTrackr」をリリースいたします。WaveTrackrは、設備の振動現象を計測・解析してリアルタイムに異常検知を行います。異常検知は、軽量化された再構成誤差のアルゴリズムで構築されており、モデル学習と推論にGPU等は不要で、標準的なノートPCで動作するよう工夫されています。異常兆候が見られる際は、OK/NGの判定だけではなく、従来手法による詳細解析と紐付けて、状態を掘り下げて理解することができます。
【無料評価版URL】https://prior-japan.com/wavetrackr

■ 背景

製造現場を取り巻く環境は、設備の老朽化や熟練技能者の高齢化に直面しており、保全のスマート化は喫緊の課題です。そのため、属人的な診断やメンテナンスの一部をAIに担わせる期待が高まっています。しかし、技能者の暗黙知を学習モデルに取り込むには、アナログ計測とデジタル解析の両方の知識が求められ、なかなか思うように進まないのも事実です。

そこで、弊社は設備診断の熟練技能者の思考プロセスを模擬したマルチモーダルモデルを構築し、技能者が持つ20年以上にわたる診断カルテと実データを用いて学習させたAIシステムを開発しました。要因特定型のAIシステムとして一部のユーザには高い評価を頂きましたが、一方で、このシステムはGPU搭載のサーバマシンを必要とし、また現場設備に適用する際のモデルチューニングも簡単ではないため、多くの方が手軽に導入できるものではありませんでした。

そこで、この度、新たに軽量化したアルゴリズムを用い、ノートPCでも動作するアプリケーション「WaveTrackr」を開発しました。


■ WaveTrackrの機能

対象設備の状態は、加速度センサを用いて振動データとして収録します。データは、時系列波形やリサージュ図形、FFTによる周波数スペクトルやスペクトログラムを用いて解析され、また、ピークやRMS、波高率などの特徴量はトレンドグラフ表示され、異常検知と紐付けて管理されます。

異常検知は、再構成誤差のアルゴリズムで実装されており、設備状態の異常度が数値化されます。ユーザはしきい値を設けることで、常時監視が可能になります。また、設備状態は2次元の散布図にもマッピングされ、状態変化がリアルタイムに可視化されます。


WaveTrackrには機能ごとに4つのタブがあり、これを切り替えて異常要因を深掘りすることが可能です。下図は加速度、速度、変位の時系列波形とリサージュ図形になります。例えば、回転部位のアンバランスやミスアライメント等が生じている場合、リサージュ図形にてその様子を確認することが出来ます。


収録と同時に周波数スペクトルも計算され、自動ピーク検出により、例えば設備のベアリング異常を解析したり、またスペクトログラムにて周波数ピークの時間変化をモニタリングすることもできます。


加速度と速度の時系列波形に対する振幅の度数分布や、ピーク、RMS、波高率の他、平均、分散、歪度、尖度といった統計量も同時に計算されます。ユーザの選択により、トレンドグラフに特徴量を表示して傾向を確認することができます。また、こちらの特徴量に直接しきい値を設けてモニタリングおよび自動保存することも可能です。


■ 様々な計測ハードウェアに対応

WaveTrackrは、NI(旧ナショナルインスツルメンツ社)やThe Modal Shop社、Broadsens社など複数メーカの計測ハードウェアに対応しており、今後も対応機種を増やしていく予定です。またサポート外のハードウェアで取得したデータでも、フォーマットを合わせることで容易にオフライン解析が可能です。


■ WaveTrackr無料評価版

WaveTrackrの全機能を30日間お試し頂ける評価版をお使いください。収録ハードウェア無しでも評価頂けるようサンプルデータをインストーラに同梱しています。弊社ホームページのチュートリアルも併せてご覧ください。

https://prior-japan.com/wavetrackr


■ 今後の展開

ユーザがWaveTrackrで作成した最適なモデルを取り出して移植できる、常時監視用スマートセンサを現在開発中です。また異常検知からさらに踏み込んで、マルチモーダルモデルによる要因特定型システム(前述)との連携も進めています。WaveTrackr単体では、対応ハードウェアの拡充、異常検知アルゴリズムの増強といった機能面での改良を予定しています。是非ご期待ください。


■ 株式会社プライアについて

株式会社プライアは、製造業を主要な領域とし、センサ計測から解析アルゴリズムの開発、システム実装までを一貫して手掛けるデータ解析サービスの専門企業として、ソリューションを提供しています。


会社名:株式会社プライア

所在地:東京都三鷹市下連雀3-38-4 三鷹産業プラザB1F

代表者:代表取締役社長 長野達朗

設立:2012年2月

URL:https://prior-japan.com/

事業内容:

・データ解析アルゴリズムの開発及び実装、メンテナンス、コンサルティング
・センサ計測及び制御用システムの設計及び開発、実装、実験支援、保守、コンサルティング
・開発者向けトレーニングの企画及び運営、コンサルティング
・技術系マーケティングコンサルティング
・経営者向けプレゼンテーション支援及びトレーニング

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会社概要

株式会社プライア

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URL
https://prior-japan.com/
業種
情報通信
本社所在地
東京都三鷹市下連雀3-38-4 三鷹産業プラザB1F
電話番号
-
代表者名
長野達朗
上場
未上場
資本金
-
設立
2012年02月