環境に配慮した芸術文化活動を推進する「一般社団法人Image Nation Green」を設立

芸術文化領域での持続可能な活動の仕組みづくりを目指す

一般社団法人 Image Nation Green

2024年4月24日 09時30分

一般社団法人Image Nation Green（イマジネーション・グリーン、以下Image Nation Green）は、芸術に携わるすべての人たちが、環境に配慮した芸術活動に取り組んでいくことを目指し、2024年3月7日に設立しました。

舞台、映像、美術など芸術文化領域での環境に配慮した活動のための仕組みづくり、情報発信やネットワーク構築によるコミュニケーション促進とナレッジの共有、リテラシーと実行力を高めるトレーニングなど、クリエイター、関連団体、企業のハブとなり、芸術文化活動の環境影響に配慮した作品づくりをサポートしていきます。

【設立の背景】　

日本において、演劇をはじめとする舞台公演で使用される装置や衣裳は、公演終了後に多くが廃棄されています。その背景には、舞台装置、衣裳等のリサイクルに要するコスト、装置や衣裳の著作権など、さまざまな要因があります。

一方、演劇先進国であるイギリスでは、舞台作品製作での廃棄に対する解決方法の一つとして、2020年に持続可能な舞台製作のガイドライン「シアター・グリーン・ブック」が作られました。現在イギリスにある3つの国立劇場やすべてのオペラ劇場など多くの劇場で、作品製作の際の持続可能な指標として活用されています。同様の課題は、舞台芸術だけでなく、映像、美術などの芸術文化領域に共通するものだと考えています。

地球規模の環境変化が加速する中、日本でも、環境影響を考慮した持続可能な芸術文化活動での製作の仕組みを整えていくことを目指し、Image Nation Greenを設立しました。まずは舞台芸術から取り組み、芸術文化活動全般へと広げていく予定です。

芸術には難しい課題を、擬似体験や追体験などを通し「自分ごと」として伝える力があります。芸術に携わる方をつなげ、この伝える力を活かし、芸術文化が持続可能な環境や社会の実現に役立てることを目指します。

【Image Nation Greenが行う取り組み】　

3つの事業を中心に、芸術文化活動での持続可能な環境と社会を実現していきます。

・持続可能な芸術文化活動の促進

芸術文化での環境の持続可能性を推進する取り組みを行います。プロダクション、施設、企業などの芸術文化団体へのコンサルティングや、調査研究に基づいた新しい仕組みや政策提言などを行っていきます。

・ネットワーキング

情報発信とコミュニケーションの促進を行います。個人・団体・企業間でのネットワーク作り、ナレッジ共有を進め、持続可能な芸術文化を支える輪を広げて実行へとつなげます。

・環境リテラシートレーニング

セミナー、ワークショップを通し、環境に配慮した芸術文化活動を行うための理解と実践をサポートします。舞台芸術従事者、芸術を学ぶ学生向けなど、ニーズに合わせたトレーニングを行います。

【理事プロフィール】

代表理事大島広子　[舞台美術家、グリーンプロダクションコーディネーター]

ロンドン芸術大学セントラル・セント・マーティンズ美術学校、シアターデザインコース卒業。舞台美術家として、東京を拠点に130以上の舞台作品の創作に関わる。2010年、文化庁新進芸術家海外研修員としてドイツ滞在。2022年、舞台装置や衣裳等が公演後大量に廃棄処分される現状を変えるため、イギリスの舞台芸術での環境ガイドライン「シアター・グリーン・ブック」を翻訳、日本に初めて紹介。同年、イギリス・ランカスター大学に留学、演劇修士課程でイギリスの舞台業界での実践と課題について調査研究を行う。鈴木と共にImage Nation Greenを設立。

理事／広報　鈴木奈津子　 [広報コンサルタント]

明治大学で演劇学を専攻し、学内外で演劇活動を行う。卒業後は編集、営業、広告企画を経て事業会社の広報担当として、コーポレート広報、サービス広報、ブランディング、インナーコミュニケーションに14年間携わる。その後フリーランスの広報コンサルタントとして、ベンチャー企業、自治体、NGOなどでの広報伴走支援を行う。大島の持続可能な舞台芸術への取り組みに共感し、事業会社でのビジネス経験を活かし、広報として活動を伝え広める役割を担い、大島と共にImage Nation Greenを設立。