モビリティプラットフォーム事業者協議会と新経済連盟、GW期間中のタクシー需要動向に関する調査結果を発表
主要観光4都市で、8割以上の人がタクシーがつかまらず困った経験あり利用を諦めた人の4分の3が、代替の公共交通手段がなく「徒歩」で移動
本調査は「移動の足不足」の課題解決に向けた議論の活発化を目的に、移動需要が高まるGW期間中の主要観光地におけるタクシーの需給動向実態の可視化を行ったものです。調査結果のサマリは以下の通りです。
◾️4都市でタクシーを利用しようとした人の8割以上が困った経験あり。特に金沢と京都では半数以上が流しやタクシー乗り場で困った経験 ◾️タクシー利用に困った人のうち82%がタクシー利用を断念、さらにそのうち約4分の3が代替の交通手段がなく「徒歩」を選択。 ◾️半数以上の人が許容できる待ち時間は「10分以内」と回答したものの、実際にタクシーを利用した際には7割が「11分以上」の待ち時間を経験。 ◾️日本版ライドシェアの認知度・利用水準は低いが、社会に受け入れられる可能性も |
なお、本調査結果については、5月15日に行われた内閣府 規制改革推進会議の第14回 地域産業活性化ワーキング・グループにて説明を行いました。説明資料は以下のURLよりご覧ください。
https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/wg/2310_05local/240515/local14_agenda.html
以下、調査結果の詳細です。
【調査概要】 調査内容:GW期間中(2024年4月27日~5月6日)の主要観光4都市(金沢、鎌倉、京都、那覇)におけるタクシーの利用状況や移動の足の確保の状況等の実態把握 調査内容:全国の男女(15~99歳)の中から、GW期間中に上記4都市のいずれかに旅行・帰省で訪れたことがあり、タクシーを利用しようとして困った経験のある人をスクリーニングした上で、1都市100サンプルずつ(合計400人)抽出して本調査を実施 本調査対象:400人(金沢、鎌倉、京都、那覇の各都市100人ずつ) 期間:2024年5月7日~5月9日 調査方法:インターネットによるモニターアンケート調査 調査主体:モビリティプラットフォーム事業者協議会、一般社団法人新経済連盟 |
◾️4都市でタクシーを利用しようとした人の8割以上が困った経験あり。特に金沢と京都では半数以上が、路上(流し)やタクシー乗り場で、困った経験をした。
GW期間中に4都市を訪れてタクシーを利用しようとした1,199人のうち、8割以上が「困った経験をした」と回答。具体的には、「路上(流し)でタクシーがつかまらなかった/なかなか捕まらなかった」「タクシー乗り場に行列ができていて乗れなかった/なかなか乗れなかった」「タクシー乗り場で待っていたが、タクシーが来なかった/なかなか来なかった」が上位。
【設問】GW中にタクシーを利用しようとして困った経験はありましたか(n=1,199)
エリア別にみると、金沢訪問者と京都訪問者では約半数から最大6割の人が、タクシー乗り場や路上(流し)でタクシーがつかまらなかった・なかなかつかまらなかったと回答
【設問】GW中にタクシーを利用しようとして困った経験はありましたか(n=1,199)
◾️タクシー利用に困った人のうち82%がタクシー利用を断念、さらにそのうち約4分の3が代替の交通手段がなく「徒歩」を選択。
GW期間中にタクシー利用に困った人のうち82%がタクシー利用を断念したと回答。さらに、タクシー利用を諦めた人の約4分の3(73.9%) が代替の公共交通手段がなく「徒歩」で移動した経験をしている。
【設問】GW中に上記エリアでタクシーを利用しようとして、利用を諦めたことや利用できなかったことはありましたか(n=400)
【設問】タクシーの代わりにどのような移動手段を利用しましたか(n=329)
■タクシーを頻繁に利用したいというニーズはあるものの、困った経験をした人も半数以上。
GW期間中にタクシーを利用しようとした回数は「3〜5回」が54%。そのうち「1〜2回」はタクシーがつかまらなかった、待ち時間が長かった等の経験があると半数以上の人が回答。潜在利用客の過半数は、エリア内で頻繁にタクシーを利用する意向があるものの、そのニーズに応えきれていない状況。
【設問】GW中に上記エリアでタクシーを利用しようとした回数は合計どのくらいですか(n=400)
【設問】そのうち、タクシーを利用しようとして困った回数はどのくらいですか(n=400)
タクシーの利用ニーズが多いのは、「観光地・観光施設」「空港・駅・バス停」「ホテル・宿泊施設」。こうした拠点からの二次交通手段が不足している可能性がある。
【設問】タクシーを利用した、または利用しようとしたのはどのような場所ですか(n=400)
◾️半数以上の人が許容できる待ち時間は「10分以内」と回答したものの、実際にタクシーを利用した際には7割が「11分以上」の待ち時間を経験。
GW期間中にタクシーを利用した人の7割(71.1%)が11分以上の待ち時間を経験。一方で、半数以上(53.3%)の人が許容できる待ち時間は10分以内と回答。多くの人にとって本来の許容範囲を超える待ち時間が発生していたことがわかる。
【設問】GW中に上記エリアでタクシーを利用した際、利用しようとしてから実際に乗車するまでにかかった時間は、最大でどのくらいでしたか(n=400)
【設問】タクシーを利用しようとしてから実際に乗車するまでにかかる時間は、どのくらいであれば許容できますか(n=400)
◾️日本版ライドシェアの認知度・利用水準は低いが、社会に受け入れられる可能性も
本調査対象の400人に国内でのライドシェアの利用経験について聞いたところ、「見たことがない」「見かけたが利用したことはない」が総計87.3%と、日本版ライドシェア(自家用車活用事業)の利用水準はまだ低い状況。また、一度利用したことがある人のうち84.3%がGW期間中に「利用した」と回答しており、リピート率が高い可能性がある。
【設問】今年4月に日本国内で限定的なライドシェアが解禁されて以降、ライドシェアの車を見かけたり、ライドシェアを利用したりしましたか(n=400)
【設問】日本版ライドシェアを「利用したことがある」と回答した方にお伺いします。GW中に日本版ライドシェアを利用しましたか(n=51)
日本版ライドシェアの利用経験者の満足度は82.4%(「満足」「やや満足」の総計)と高く、その感想も「ドライバーが親切だった」(51.0%)「スムーズに乗車できた」(43.1%)とポジティブな感想が上位に挙がっており、ライドシェアが社会に受け入れられる可能性を示唆。
【設問】日本版ライドシェアを利用した際の満足度をお答えください(n=51)
【設問】日本版ライドシェアを利用した感想として、当てはまるものをすべてお答えください(n=51)
■回答者の半数以上がライドシェアのドライバーとして働くことに興味あり
本調査対象の400人に日本版ライドシェアのドライバーとして働く可能性について聞いたところ、柔軟な働き方が可能であればドライバーとして働いてみたい人が半数(51%)以上
【設問】ライドシェアのドライバーは、フルタイムでなく空いた時間や繁忙期だけ働くなど、柔軟な働き方ができることも特徴とされています。あなたは日本版ライドシェアのドライバーとして働いてみたいと思いますか(n=400)
■海外でライドシェアを利用した経験者は、8割以上が利用体験に満足
本調査対象の400人のうち3分の1以上(35.8%)が海外でライドシェアを利用した経験あり。利用経験者のうち、8割以上(84.6%)が利用におおむね満足(満足/やや満足)しており、特に「スムーズに乗車できた」「ドライバーが親切だった」点が高評価
【設問】海外でライドシェアを利用したことはありますか。(n=400)
【設問】(海外でライドシェアを利用したことがある方)海外でライドシェアを利用した際の満足度をお答えください(n=143)
【設問】(海外でライドシェアを利用したことがある方)海外でライドシェアを利用した感想として、当てはまるものをすべてお答えください(n=143)
■フリーコメント抜粋
ライドシェアに関する期待をフリーコメントで聞いたところ、「安全性」や「事故発生時の対応」などに加え、「副業でドライバーとして働くことへの期待」や「空き時間の有効活用」などのコメントが多く寄せられ、利用者のみでなく働き手としてもライドシェアへの期待が高まっていることを示唆。
【設問】ライドシェアとは、タクシー運転手ではなく、一般ドライバーが、ドライバーの自家用車で乗客を有償で運ぶサービスのことを指します。今後、日本のライドシェアに対して期待することを教えてください
【設問】上記の回答の理由を教えてください
回答
・安全性やドライバーの評価を期待するコメント
「マナーやドライブ技術の安定」「安全性や保安上の健全さ」「タクシー並みの安全性を確保したい」「セキュリティー対策の強化」「安全性を担保できるように期待したい」「ドライバーの評価制度」「選考基準をしっかりして、信頼できるドライバーをきちんと認定してほしい」「安心して利用できる認証マークみないたものがほしい」「危険な運転をしない人がしっかり評価されてほしい」「外国のように運転手をしっかり評価できるようにしてほしい」など
・事故等発生時への対応に関するコメント
「トラブル時の法整備と警察の対応」「保険が気になる」「事故が起こった場合の補償など」「トラブルが起きた時の対応が心配」など
・ドライバーとして働くことへの期待に関するコメント
「副業にできる」「無職者を救う手立てのひとつになればいいと思う」「副業として良さそう」「働き方の多様性と寛容」「働き方の自由さ」「副業として魅力があると考えます」「副業感覚で働けるのであれば働く意義が生まれる」「副業として考えている」「副業の時代、柔軟な働き方は良いと思う」「副業につながり、感謝もされそうだから」など
・ドライバーとして働く際の働き方に関するコメント
「ドライバーは自由な時間に稼働できるようにすべき」「隙間時間の活用」「時間がある時に活用したい」「空き時間の有効利用」「空いた時間や通勤等の時間で働ければと思う」「自分の時間で働けるのは理想的」など
・運賃制度・エリア・時間帯等の制限緩和を期待するコメント
「タクシーより安価な料金設定」「法規制による運賃制度の設定」「もっと利用エリアが広がってほしい」「もっと法的なハードルを低くするべき」「全国で」「エリア拡大」「どの時間でも利用できたらありがたい」「利用者が利用したいときに利用できること」
・運営主体・規制等に関するコメント
「多様な事業者が参入すると良い」「現行のライドシェアは極めて業界よりのサービス。利用者の利便性を考えていない」「タクシー会社からの分離」「日本のライドシェアはライドシェアではない。ライドシェアと呼ぶこと自体誤り。規制改革が必要」「海外のUBERやDDのように、管理会社がタクシー会社ではなく一般の会社であるべき(※原文ママ)」「タクシー不足を解消するには今の規制緩和のやり方では無理だろう」など
以上
■一般社団法人 新経済連盟 概要
新経済連盟は、デジタルを軸とした経済と社会の改革に向けて、個人や民間企業の力が最大限に発揮される環境の整備に取り組む、日本で最も新しい経済団体です
・名称:一般社団法人 新経済連盟
・代表理事:三木谷 浩史(楽天グループ株式会社 代表取締役会長兼社長)
・会員構成:533社 ※2024年3月12日時点
・公式サイト:https://jane.or.jp/
■モビリティプラットフォーム事業者協議会 概要
モビリティプラットフォーム事業者間の連携による公共交通のDX化、Maasによる日本の移動交通問題の解決に向けた取組を推進することを目的に、2024年1月17日に設立されました。( 事務局:一般社団法人シェアリングエコノミー協会)
・名称:モビリティプラットフォーム事業者協議会
・代表:石山アンジュ(一般社団法人シェアリングエコノミー協会 代表理事)
・会員構成:9社 ※2024年4月19日時点
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