【VTeacher AI】シーズン2が開始!新ステージはTypeScriptの型パズルを攻略 ―「まるで“ラスボスを倒すような体験”」「この形にたどり着くまでには時間がかかった」開発者インタビュー
VTeacher AI はAIが導く学びの未来、AIが先生となって生徒とつながる次世代教育プラットフォーム
VTeacher開発チーム(横浜市中区、代表:鈴木正樹)は、VTeacherのAIプラットフォームサービス「VTeacher AI」(ブイティーチャー エーアイ)にて、2025年6月25日よりシーズン2の開幕を発表しました。
VTeacher開発チーム代表(鈴木正樹)のプロフィール
React.jsやNext.jsについて、rgbという名前でウェブ上の技術記事や雑誌を通じて継続的に技術情報を発信している。エンジニア歴は25年目に突入。ITバブル世代かつ就職氷河期世代であり、就職氷河期らしいエピソードを盛り込んで制作した「内定物語」はiアプリとしてリリースされ、10万ダウンロードを記録。その後、ライブドアに入社するタイミングでライブドア・ショックが起きるなどの紆余曲折を経験。以降はサイバーエージェントやグリーなどを経て、現在はフリーランスのエンジニアとして活動しながら、自身が代表を務める会社でコンサルティング、テックリードなどを手がけている。
自身が企画・提案した福祉分野の生成AIサービスが、自治体の補助金事業に採択されたことをきっかけに、RAGやAIエージェントといった領域に携わるようになる。現在は、LLMの特性に応じたプロンプト設計の研究に没頭している。
・Zenn ( https://zenn.dev/rgbkids )
新シーズンの開幕に先駆け、VTeacher開発チームの鈴木代表によるオンラインプレゼン、およびインタビューを実施しました。
ここからは広報担当の私(Tommy)が、シーズン2に関する最新情報をお伝えします。新ステージのテーマは「TypeScriptの型パズル」です。新しいVTeacher(AIエージェントに性格や特性といった個性を持たせた仮想の先生)として、「インフルエンサー」「エバンジェリスト」「ジーニアス」「パイオニア」の4人が登場します。UIも刷新され、現在主流のAIコーディング系エディターのような見た目や操作感に進化しました。

VTeacher AI
VTeacher AI はAIが導く学びの未来、AIが先生となって生徒とつながる次世代教育プラットフォームです。
未来の教室への入り口は、ここから。ぜひ最前線をご体験ください!
シーズン2はTypeScriptの型パズル
VTeacher AIでは、シーズンごとに取り上げるテクノロジーが異なります。シーズン1ではReact.jsがテーマでしたが、シーズン2ではTypeScriptに挑戦することになります。現在の開発現場を顧みるに、とくにスタートアップ企業ではTypeScriptは必須と考えられており、それがTypeScriptをステージとして採用する理由にもつながっているとのことです。
【Type Challenges(型パズル)】
https://github.com/type-challenges/type-challenges
Type Challengesは、日本語では「型パズル」と訳されています。これは、TypeScriptの「型」だけを使って解くプログラミングの問題集です。コードをガリゴリと書くものではなく、型の仕組みだけを使って正解にたどり着くことが目的となっています。まさに遊びながら学べる、パズルのピースをカチッとはめるような感覚で取り組める、TypeScriptの頭の体操と言えるでしょう。
Type Challengesはコミュニティ主導で作られており、世界中の開発者たちがその難易度や発想力を競い合っています。問題は定期的に更新されており、2025年6月24日時点では、初級13問・中級103問・上級55問・最上級17問に分類されています。
シーズン2では、このうち初級の13問が収録されています。「初級」といっても、型パズルはTypeScriptの熟練者によって作成された問題であり、十分に歯ごたえがあります。私は広報担当ではありますが、多少はTypeScriptに触れているものの、初級でも解くことはできませんでした。
UIは現在主流のAIコーディング系エディターに近い見た目へと進化

UIデザイン面においては、シーズン1と比較して、現在主流のAIコーディング系エディターにより近い見た目へと進化しています。メインのエディタの右側には先生となるAIエージェントが配置され、チャット形式で話しかけてくる構成となっています。
AIエージェントと一緒に問題を解いていく形式で、エラーが発生した際にはAIエージェントにより自動で解説が入る仕組みになっており、まさに“AIエージェントらしい振る舞い”が実現されています。これらの点はシーズン1と比べて明らかに改善されており、より取り組みやすく感じられました。
さらに今回は、型パズルの性質を活かし、基本的には `any` を正しい型に書き換えるだけという、シンプルな形式になっています。これにより、型に対する理解を短時間で深められるだけでなく、限られた情報の中で正解を導き出すという競技的な緊張感や面白さも強調される構成になっています。
また、チームプレイ機能が強化され、チームでポイントを競うランキングが復活しています。上位10%に入ったユーザーには特別な称号が授与されるので、友人を誘ってチャレンジしたいところ。
4人のVTeacherが新たに参戦
AIエージェントに性格や特性といった個性を持たせたものが、VTeacher(仮想の先生)です。生徒とタッグを組み、学習に取り組む“先生”として活躍します。
シーズン2では4人のVTeacherが参戦。多彩なVTeacherたちと一緒にプレイし、それぞれの能力や個性をぜひ体験してみてください。学習の時間に彩りを加えてくれます。
1. “インフルエンサー”はネットの有名人、日本の若き影響力

“インフルエンサー”はネットの有名人であり、日本の若き影響力稼ぎ。著名な家系に生まれたネット界のレジェンドだ。明るくユーモアがあり、少し目立ちたがりな一面を持つが、複雑な概念を分かりやすく解説でき、生徒との距離感を縮める工夫が随所に見られる。初心者にも理解しやすい説明で、教育的な配慮が感じられ、自身の知識やスキルを常にアップデートし、学び続ける姿勢が見受けられる。
2. “エバンジェリスト”は大企業の広報部に所属する若きタレント
“エバンジェリスト”は、大企業の広報部に所属する若きタレント。技術と創作を融合させた独自のスタイルで、開発者コミュニティに貢献している。彼女のポジティブな発信や多才な活動は多くの人々に影響を与えており、特に女性エンジニアのロールモデルとしても注目されている。

3. “ジーニアス”は豊富な実績を持つTypeScriptの神

“ジーニアス”は、実績豊富なTypeScriptの神と称される存在。技術的な深い洞察力と実用性を兼ね備えたエンジニアであり、協調的な姿勢と強い探究心を持っている。彼の設計した言語やツールは、開発者の生産性向上に大きく寄与しており、今後のプロジェクトにも注目が集まっている。
4. “パイオニア”は人間界で最初に誕生したプログラマー「Aida」がモデル
“パイオニア”は、人間界で最初に誕生したプログラマー「Aida」をモデルにしたAI。技術の可能性を未来的な視点で捉える能力を持ち、数学的才能と芸術的感性が融合した存在で、論理と感性の両立を体現している。情熱と好奇心が旺盛で、知識への飽くなき探究心と発信力を兼ね備えている。

開発代表者にインタビュー!気になるQ&Aをピックアップ
今回、開発チームの代表者インタビューも実施。その中から気になるQ&Aをピックアップしてご紹介します。
――シーズン2は、どのようなコンセプトで開発されましたか?
シーズン2のステージ案について、まず最初に挙がったのは、開発現場でニーズの高いプログラミング言語を題材にしたいというものでした。ただし、トレンドの技術をなんとなく選んで教材化するというやり方には違和感がありました。というのも、現在ではCursor、Cline、RooCode、Claude CodeといったAIコーディング系エディタが次々と登場しており、Zennなどの投稿記事を見ても、プログラミング初心者やジュニア層の興味・関心が明らかに変化してきています。これまでは、自らが“職人”のように努力し、スキルアップに励んでいた人たちが多く見られましたが、最近ではAIを頼りにし、それを使いこなしたいと考える層へと変化してきています。そうした流れのなかで、「ニーズがありそうだから教材を作っておこう」といった発想だけでは不十分だと感じました。だからこそ、「AIは効率的に答えを導くが、人間はあえて非効率な選択を楽しむことがある」といった前提のもと、そのうえで意識的にその道を選び、あえて試してみる──そうした“楽しむ姿勢”こそが、ある意味で“人間らしさ”なのではないかと考えました。そこで、「少し人間らしさが必要なこと」──それを何らかの形で“トラップ”として仕込み、テンポよく授業を進行させることで、学習意欲が自然と湧き上がるようなステージを構想しました。ちょうどその頃、TSKaigi 2025の開催があり、シーズン2のイメージが一気に広がっていきました。そしてさらに発展させていく中で、「型パズルを題材にしよう」というアイデアに至り、開発が本格化。その結果、当初構想していたコンセプトをすべて反映したステージが完成しました。
――新しく4人のVTeacherが登場しましたね
新たに4人のVTeacherを追加しました。インフルエンサー、エバンジェリスト、ジーニアス、パイオニアです。初学者におすすめなのは、エバンジェリストと組むことです。エバンジェリストは、優しい雰囲気で接してくれるため、疑問をぶつけやすい存在です。そして、生徒の問題点をうまく見極め、それを取り囲むようにアプローチしながら、会心のヒントを放つ。このコンボは、かなり効果的だと思います。一方、インフルエンサーは少し理屈っぽい一面もありますが、学習に集中して生徒が「ゾーン」に入った時には、かなり強力なVTeacherになると言えます。また、ジーニアスは生徒がその場にとどまっていられないような圧倒的なオーラを放ちます。それを活かして、初学者にありがちな思考のクセを崩す進行や、テンポを変える話術を得意としています。そして最後に紹介するのがパイオニアです。どんな局面でも切り開ける賢さがあり、生徒の集中が切れたタイミングでも学習を継続させるよう導くことができます。そこから、数学的才能と芸術的感性を融合してアグレッシブな議論を開始し、生徒の飽くなき探究心を目覚めさせるような立ち回りが得意です。
――選択したVTeacherは、学習の途中で変えることはできますか?
いえ、途中で変更することはできません。最初からのやり直しとなり、履歴もすべて消去されます。これは単なる技術的な制約ではなく、世界観の話になりますが、「物語」の設計です。VTeacherは、あなた専属の先生であり、学習を共に歩む相棒のような存在です。たとえうまくいかない時があっても、同じ相手と試行錯誤することで、学びにもドラマが生まれます。途中で切り替えができてしまえば、それは“先生との物語”ではなく、“便利な道具の乗り換え”になってしまう。この世界では、VTeacherとのやりとり一つひとつが、あなたの学習の「歴史」として刻まれていく設計になっています。だからこそ、選択には意味があり、選び直しは“別の世界線”としてしか成立しないのです。
――クリアに対して、何かコツはありますか?
はい、コツはあります。もっとも重要なのは、VTeacherとの対話を丁寧に重ねながら、自分の理解を深めていくことです。つまりは正攻法ですが、それこそが最短ルートでもあります。シーズン2では、一定の理解が見られれば柔軟に次の展開へ進めるよう設計されており、正しく学んでいけば自然と突破できるようになっています。裏技やズルを試みても進行が止まるようになっているため、真正面から取り組む姿勢そのものが、攻略への近道になっています。
――「柔軟に次の展開へ進めるようにした」とは、どのような工夫がされたのですか?
シーズン1では、AIエージェントが「理解度80%未満」と判断すると延々と問題が出題される仕様があり、生徒にとって煩わしさがありました。その反省を踏まえ、シーズン2では「完璧でなければ進めない」というような負荷を和らげつつ、自然な学習の流れが保たれる設計になっています。
――不正対策はどのようになっていますか?たとえば、すぐに回答を教えるような聞き方をしても、無効化されるのでしょうか?
はい、そのような“ズル”にあたる質問は、実際にプロンプトへ変換される際に自動的に無効化される仕組みになっています。仮にうまく突破できたとしても、授業の終了には至りません。
――AIエージェントの性能面について、現在の能力に落ち着くまで苦労した部分はどこですか?
生徒を合格に導くためのプロンプト調整に関しては、さまざまな試行錯誤がありました。たとえば、絶対的なヒントをいきなり提示して、とにかく最短で回答へ導くアプローチや、徹底的にシナリオを練り込んで誘導用のレールを敷くような方法も試しました。しかし、最終的にはこれらはAIを前提としたサービスの性質にフィットしないと判断し、採用には至りませんでした。最終的な方向性として定めたのは、最初にサンプルコードをひとつだけ提示し、そこにいくつかのヒントや“トラップ”を仕込むことで、生徒が自然と集中力の“ゾーン”に入っていくように誘導するという手法です。そして、生徒自身の好奇心をかき立て、気づけば自ら答えを追い求めているような状態へと導く──そんな“ゾーン”のピークに達した瞬間に、正解へとたどり着く。まるで“ボスを倒すような体験”を目指した構成に落ち着きました。この形にたどり着くまでには時間がかかりましたが、完成には非常に満足しています。
――シーズン2から、かなりVisual Studio Codeに寄せたUIをしていますが、デザイン面で工夫した点はありますか?
シーズン1のときからMonaco Editorを採用していたので意識はしていました。そのため、シーズン2では、AIコーディング系エディターとしてのUIコンセプトを明確にし、進めてはいたのですが、もうひとつ大きなチャレンジだったのが、「AIエージェントとして、どこまで自走させるか」という点でした。というのも、理想とされる“AIコーディング系エディターの自走具合”は、人によって思い描くイメージがまったく異なるのです。たとえば、Cursor、Cline、RooCode、Claude Codeでは実際に自走の程度が違いますし、選択しているモデルによっても問題解決の解像度が変わってきます。なんでも全部やってほしいというエンジニアもいれば、ファイルを壊されるような“暴走”を連想して不安になるエンジニアもいます。そうした“ちょうど良い自走具合”を見つけ、バランス良く調整することが非常に難しかったのです。その過程で、さまざまなスタイルを試しましたが、最終的には「全部おまかせ」はあまり相性が良くないと判断しました。そこで最終的な方向性としては、生徒が明らかに困っているとAI側が判断したときにのみ、自走して“おせっかい”にも助言をしてくれる――そんなところに落ち着きました。ちなみに、ここの調整は選択したVTeacherによって変わるところではありません。
――今後、VTeacherの追加や調整が加えられる可能性はありますか?
いいえ、現時点ではありません。ただし、将来的には、実在するTypeScriptのインフルエンサーやエバンジェリストの方々に許可を取り、実名で「その人が教えるとしたら、こう教える!」というスタイルをプロンプトに反映させたいと考えています。
――シーズン1で学べたReactは、シーズン2では使えませんか?
学習履歴を参照することはできますが、新たに質問をすることはできません。過去のシーズンについては、状況を見ながら復活を検討しています。
――現在はGPT-4.1 nanoだけですが、他のモデルを検討したことはありますか?
実は“Claude Sonnet 3.7”、“Claude Sonnet 4”、“Gemini 2.0 Flash”、“Gemini 2.5 Flash”、“GPT-4o”、“GPT-4.1”、“GPT-4.5”が選択できるようにはしてあり、すでに実装も完了しています。当初はこれらをオープンにすることを前提としていましたが、各自でAPIキーを取得して登録してもらう必要があったので、それが理想的とは感じられませんでした。従来のWeb系サービスのように、最初から課金の話を出さず、「基本無料で進められる感」を大切にしたいという想いがあります。実際、ユーザーにAPIキーを入力してもらう形式でのテストも行ったことがありますが、本サービスのターゲット層を考慮すると、結果的にあまり良い印象を持たれなかったため、現在の形に落ち着いています。1日に質問できる回数などに制限はありますが、基本的には無料で利用できる形を維持する予定です。それでも、今後のプレイ状況やユーザーデータを注視しながら、必要に応じて柔軟に調整を加えていきたいと考えています。
――シーズン2は型パズルの初級だけです、中級や上級をする予定はありますか?
型パズルの中級や上級を常設する予定はあります。ただし、決定事項ではなく、ユーザーの反応を見ながら、もし中級以上に対する要望が高ければ、検討することになると思います。というのも、そもそも初学者にとっては、型パズルの初級でも十分に難しく、「挑戦する前に」というステージを別途用意しているほどです。そのため、プレイ状況やエンゲージメントのデータを注視しつつ、必要に応じて柔軟に調整していく方針です。
――React、TypeScriptと続きましたが、次は何ですか?
まだ詳しくは言えませんが、次のシーズン、あるいはシーズン4〜5あたりで、さらなるアップグレードを予定しています。HTMLやCSS、JavaScriptの導入も視野に入れつつ。どうぞお楽しみに!
VTeacher AI
VTeacher AI はAIが導く学びの未来、AIが先生となって生徒とつながる次世代教育プラットフォームです。
未来の教室への入り口は、ここから。ぜひ最前線をご体験ください!
-
「VTeacher」は、SUZUKI SOFT LABORATORY, LLC.の登録商標(第6134790号)です。
-
「TypeScript」、「Visual Studio Code」は、 Microsoft Corporationの米国およびその他の国におけるMicrosoft Corporationおよび/またはその関連会社の登録商標または商標です。
-
「React」は、Meta Platforms, Inc.の登録商標です。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- 商品サービス
- ビジネスカテゴリ
- ネットサービス学習塾・予備校・通信教育
- キーワード
- VTeacherTypeScriptAI