医学生によるがん教育推進協会、非営利型一般社団法人として設立

医学生が主体となり、がん教育の普及に取り組む「医学生によるがん教育推進協会」（以下、「当協会」）は、このたび非営利型の一般社団法人として正式に設立されました。

がんに関する正しい知識の普及と、がん患者やその家族への理解促進を目的とし、全国の小学校・中学校・高等学校に向けた教育活動を展開してまいります。

がんは日本における主要な死因の一つであり、国民の二人に一人が生涯のうちにがんと診断されると言われています。しかし、がんに関する知識や、早期発見・予防の重要性は、まだ十分に理解されていないのが現状です。こうした課題に対し、当協会は医学生と教育現場の橋渡しを通じて若年層へのがん教育を推進することで国民のヘルスリテラシー向上に貢献し、社会全体の意識向上を目指しています。

2025年3月14日、代表理事の中川・南谷が文部科学省のあべ 俊子大臣へ、設立のご報告と後援のお願いのため訪問。

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【新たな取り組みの概要】

医学生によるがん授業の実施

当協会は、全国の小学校・中学校・高等学校において、医学生が講師となり、がんに関する正しい知識を伝える授業を実施します。本授業では、がんの基礎知識や予防策、治療方法に関する講義を行い、若年層のがんに対する理解を深めます。また、場合によってはがんサバイバーが同席し、自身の体験談を語る機会を設けることで、がんをより身近に感じられる教育を提供します。

この取り組みには、以下のような意義があります。

• 子どもたちにとって親しみやすく、理解しやすい：

  年齢の近い医学生が講師を務めることで、よりリラックスした雰囲気で学び、がんに対する関心を持ちやすくなります。

• 医学生自身の自己効力感を高める：

  サービスラーニングを通じて、医学生が実際の教育現場で知識を伝えることで、自らの学びを深めると同時に、医療者としての自信を培う機会となります。

• 将来の医療職への志望者を増やす：

  医学生が自身の学びや経験を共有することで、医療職に興味を持つ子どもたちが増え、将来の医療人材の育成につながります。

• 地域社会と連携し、ヘルスリテラシーの向上を目指す：

  地域の学校や自治体と協力しながら活動を展開することで、地域全体の健康意識を高め、ヘルスリテラシーの向上を図ります。

授業の様子

【今後の展望】

当協会では、がん教育のさらなる普及のため、活動を支援してくださる企業のご協力を歓迎しています。皆様からのご支援は、全国の小・中・高校生に向けたがん教育プログラムの充実に活用されます。

当協会は、これらの取り組みを通じて、がんに対する理解を深め、正しい知識の普及を促進してまいります。今後は、全国の学校や自治体、企業との連携を強化し、より多くの人々が、がんについて学べる環境を整えていく予定です。

また、がん教育は、単なる知識の習得にとどまらず、「がんになっても希望を持って生きることができる社会」の実現にもつながります。当協会は、がんに関する正しい情報を広めることで、誰もが安心して暮らせる社会の実現に貢献します。

【寄付の受付・お問い合わせ先】

医学生によるがん教育推進協会 運営事務局

メール：[e-mail]

公式サイト: https://gankyouiku.org/

【代表理事プロフィール】

中川 恵一（なかがわ けいいち）

東京大学大学院医学系研究科 特任教授。放射線治療医として診療に従事する傍ら、がん教育や予防啓発活動に尽力。東京大学医学部附属病院 緩和ケア診療部長を兼任し、がん患者支援にも携わる。厚生労働省 がん検診検討委員会構成員を務め、「がん対策推進企業アクション」議長として企業と連携したがん対策を推進。福島第一原発事故後は、被災地支援にも積極的に取り組んでいる。

南谷 優成（みなみたに まさなり）

東京大学医学部医学科を卒業後、同大学医学部附属病院 放射線科 助教として勤務。放射線治療専門医、第1種放射線取扱主任者の資格を持ち、診療放射線管理室副室長も務める。また、嘱託産業医としての経験も持ち、がんに関する社会課題（健康教育、がん検診、ヘルスリテラシーなど）の研究を行っている。さらに、がん教育などに積極的に取り組み、各地の学校でがん教育の授業を実施している。

一般社団法人医学生によるがん教育推進協会

医学生と学校を中心に、医師やサバイバーが協力して、子どもたちのがん予防や健康意識を広める教育プログラムを提供。
学校や地域社会と連携し、次世代を担う子どもたちに正しい知識を伝えることで、ヘルスリテラシーの向上と健康寿命の延伸を目指す。