ディープテック特化型米VCのPlayground Global、世界初の商用超電導コンピューティングプラットフォームを開発する米スタートアップSnowcap Computeに2,300万ドルを出資

～AIと量子コンピューティングの新時代を支える超伝導コンピューティングプラットフォームの実用化へ～

ディープテックに特化した米国ベンチャーキャピタル Playground Global （以下、プレイグラウンド）は、Snowcap Compute（以下、スノウキャップ）による2,300万ドル（約36億円）のシードラウンド資金調達において、リードインベスターとして出資したことを発表しました。

スノウキャップは、AI、量子コンピューティング、HPC（ハイパフォーマンス・コンピューティング）に最適化された次世代データセンター向けに、世界初の商用超伝導コンピューティングプラットフォームを開発するスタートアップです。この度、これまで非公開で開発を進めてきた超伝導コンピューティング技術を正式に公表し、事業を本格始動しました。

スノウキャップの超伝導プラットフォームは、数十年にわたる研究開発をもとに、従来のCMOS（相補型金属酸化膜半導体）技術の限界を超える性能を実現。AIの推論・学習、高度な数値解析、量子と古典のハイブリッド計算を支えるための圧倒的な性能と効率性を実現します。

さらに、スケーラビリティやファブ（半導体製造）との互換性、EDA（電子設計自動化）との統合、システムアーキテクチャ面でも、従来の商用化の障壁を克服。超伝導コンピューティングの実用化とスケール展開を可能にします。

プレイグラウンドゼネラルパートナー兼スノウキャップ取締役会会長も務めるパット・ゲルシンガー氏は次のように述べています。
「スノウキャップは、劇的な性能向上と電力効率の飛躍を実現できる稀有な存在です。ポストCMOS時代をゼロから再構築するこの挑戦は、プレイグラウンドが支援すべき真のブレークスルーと確信しています。同社は、AIや量子、HPC分野に計り知れない影響をもたらすでしょう」

スノウキャップCEO、マイケル・ラファティ氏は次のように述べています。
「私たちは、物理的限界の最前線に挑む全く新しいコンピューティングシステムを構築しています。超伝導ロジックは既存のCMOS技術の限界を超え、桁違いの処理速度と効率を実現可能にします。これこそが、AIや量子コンピューティングの未来に不可欠な基盤となることを信じています」

スノウキャップは、半導体業界で豊富な経験を持つエキスパートチームにより設立されました。CEOのマイケル・ラファティ氏は、かつてCadence社において超伝導・量子技術の開発をリードしていました。さらに、最高科学責任者（CSO）のアンナ・ハー博士と最高技術責任者（CTO）のクエンティン・ハー博士は、Northrop Grummanやimecにおいて、世界最先端の超伝導コンピュータ研究を牽引してきた第一人者です。

また、NVIDIAの元GPUエンジニアリングSVPであるブライアン・ケレハー氏や、Google元シリコンエンジニアリングVPのフィル・カーマック氏など、シリコンバレーのディープテックを代表する著名な技術者たちがアドバイザーとして名を連ねています。

今回の資金調達には、計算処理やディープテックに特化したCambium Capital、半導体分野に強みを持つVsquared Venturesも出資者として参加しています。

 

 

Playground Globalについて
Playground Globalは、次世代のコンピューティング、自動化、エネルギー転換、合成生物学といった基盤的課題に取り組むアーリーステージスタートアップを支援する、ディープテック・ベンチャーキャピタルです。2015年に設立され、現在12億ドル超の資産を運用。ポートフォリオにはPsiQuantum、MosaicML（Databricksによる買収）、d-Matrix、Agility Robotics、Ideon、Ultima Genomics、Strand Therapeuticsなどがあります。詳細は www.playground.vc をご覧ください。

 

Snowcap Computeについて
Snowcap Computeは、AI、量子コンピューティング、HPC向けに、世界初の商用超伝導コンピューティングプラットフォームを開発するスタートアップです。超伝導ロジック、デジタルアーキテクチャ、システム設計における世界的な専門家チームにより設立され、冷却環境および量子インフラ時代に対応する新しい計算アーキテクチャの構築を目指しています。詳細は www.snowcapcompute.com をご覧ください。