次世代の情報通信基盤「Beyond 5G」社会実装に向けた研究開発のうち、13事例を紹介 ~10/14から開催のCEATECにて~
国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)は、2025年10月14日(火)〜17日(金)に開催されている「CEATEC 2025」(幕張メッセ)に出展し、NICTとしての戦略4領域(Beyond 5G /AI /量子情報通信/サイバーセキュリティ)とオープンイノベーションの取組に関する紹介に併せ、革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業(※)での委託研究内容(13事例)を動画やパネル等で紹介しています。


これらは、基金事業による委託研究の実証実験・実用化等に向けて進んでいる一部の事例で、当事業が目指すBeyond 5Gに関する研究開発の社会実装に向けての取組を、CEATECでの展示・発表でさらに活性化させていくことを目的としています。
主な紹介事例
継続的進化を可能とするB5G IoT SoC及びIoTソリューション構築プラットホームの研究開発(シャープ株式会社)
従来はブラックボックス化されていたチップをカスタマイズや、機能のアップデートが可能な通信端末用「汎用IoTチップ」の開発によって、工場、自動車、監視向け等各種機器等の広範な用途にチップの継続的な使用が可能になります。

エラーフリーPOFによる革新的通信システムの開発(慶應義塾)
ガラス製ではなく、プラスチックの特徴を活かしたコネクタ、伝送方式や品質確保を達成したプラスチック光ファイバ(POF)の開発により、安価・高速・消費電力の抑制等を目指す研究。AIデータセンター内の消費電力の急増問題を解決するために有効な手段として注目されています。

Beyond 5G通信基盤を支えるミリ波~テラヘルツ波帯フレキシブル導波管基盤技術の研究開発(福井大学)
ミリ波から、テラヘルツ波帯等の高周波向け導波管。福井の繊維技術を活かして、用途に合わせて長さや形状を変えられるフレキシブルな導波管を開発。Beyond 5G通信用アンテナの自由な配置や、自動車等の移動体通信、内視鏡等医療機器への活用が期待されています。

Beyond 5Gにおける超広域・大容量モバイルネットワークを実現するHAPS通信技術の研究開発
HAPS(高高度通信プラットフォーム)は高度約20kmの成層圏を飛行する無人航空機等からのアンテナを用いて通信サービスを提供するいわば「空飛ぶ基地局」です。地上基地局が無い場所でも通信利用を可能にし、災害対策や広域のリモートセンシングへの活用に期待されています。
(ソフトバンク株式会社)
多セル対応アンテナの開発や周波数利用効率の向上などで広域にわたる超大容量のモバイルネットワーク技術の確立を進めています。既に6セルの実証を終え、今後は12セル(容量2倍)化や周波数共用向けの開発及び上空での実証を計画しています。

(株式会社Space Compass)
早期の実用化を目指して、本年2月にケニアの上空20kmでHAPSを介した電波の折り返し実験による携帯電話直接通信の実証実験を実施しています。通信サービスの普及とユースケースの拡大に向けて高速・⼤容量化を図るため、多素子アンテナMIMO技術や衛星への切替えが可能な制御方式等の研究開発を計画しています。

革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業での委託研究内容(13事例)

研究開発課題名 |
展示実施者 |
協調認識の実現に向けた次世代V2X(Beyond 5G-V2X)通信技術の研究開発 |
シャープ株式会社 |
継続的進化を可能とするB5G IoT SoC及びIoTソリューション構築プラットホームの研究開発 |
シャープ株式会社 |
Beyond 5G 宇宙ネットワーク向け未利用周波数帯活用型の無線通信技術の研究開発 ~Q帯、V帯における高機能デジタルビームフォーミング送受信システム技術の研究開発~ |
三菱電機株式会社 |
Beyond 5G 宇宙ネットワーク向け未利用周波数帯活用型の無線通信技術の研究開発 ~W帯衛星搭載機器の基盤技術の研究開発~ |
大熊ダイヤモンドデバイス株式会社 |
サイバーフィジカルインフラに向けた高信頼シームレスアクセスネットワークに関する研究開発 |
一般財団法人電力中央研究所 |
Beyond 5Gにおける高度RAN基盤を実現するOpen RAN無線通信技術の研究開発 |
楽天モバイル株式会社 |
Beyond 5Gにおける超広域・大容量モバイルネットワークを実現するHAPS通信技術の研究開発 ~HAPS移動通信の高速大容量化技術の研究開発~ |
ソフトバンク株式会社 |
Beyond 5Gにおける超広域・大容量モバイルネットワークを実現するHAPS通信技術の研究開発 ~HAPSを介した携帯端末向け直接通信システムの早期実用化と高速大容量化技術の研究開発~ |
株式会社Space Compass |
ホログラフィックコンタクトレンズディスプレイを実現する革新的基盤技術の開発 |
国立大学法人東京農工大学 |
Beyond 5G通信基盤を支えるミリ波~テラヘルツ波帯フレキシブル導波管基盤技術の研究開発 |
国立大学法人福井大学 |
Beyond 5G網におけるホログラフィ通信のための高効率圧縮伝送技術の研究開発 |
株式会社KDDI総合研究所 |
エラーフリーPOFによる革新的通信システムの開発 |
学校法人慶應義塾 |
日米豪国際連携を通じた超カバレッジBeyond 5G無線通信・映像符号化標準化技術の研究開発 |
シャープ株式会社 |
CEATEC 2025
■開催日程:2025年10月14日(火)〜10月17日(金)10:00〜17:00
■開催会場:幕張メッセ
千葉市美浜区中瀬2-1
https://www.ceatec.com/ja/access/
■主催:一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)
■共催:一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)
■参加費:無料
■参加申し込み:https://ceatec.com/ja/
※革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業
Beyond 5G(6G)は、次世代の基幹的な情報通信インフラとして、あらゆる産業や社会活動の基盤となり、国境を越えて活用されていくことが見込まれています。国の情報通信審議会「Beyond 5Gに向けた情報通信技術戦略の在り方」中間答申(令和4年6月)等を踏まえ、Beyond 5G(6G)の実現及び我が国の国際競争力の強化等に向けて、複数年度に渡って安定的・効率的な研究開発支援を可能とするため、令和5年3月、国立研究開発法人情報通信研究機構に情報通信研究開発基金が造成されました。
同基金により新たに実施する革新的情報通信技術(Beyond 5G(6G))基金事業では、我が国が強みを有する技術分野を中心として、社会実装・海外展開を目指した研究開発に対する支援の強化を主たる趣旨とするもので、①研究開発プロジェクトの実施者が、自らの投資も含め、社会実装や海外展開に向けた戦略と覚悟をもった取組に対して重点的に支援し、その上で、②中長期的な視点で取り組む要素技術の確立や技術シーズの創出のための研究開発、及び③電波の有効利用に資する技術の研究開発等、について実施しています。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
- 種類
- イベント
- ビジネスカテゴリ
- ネットワーク・ネットワーク機器
- ダウンロード