Un Passage — ハ・テイム ( Ha Tae Im ) 個展
in dialogue with Nordic Vintage Furniture by KAMADA Collection
六本木のTAOS GALLERY TOKYOでは、韓国現代美術を代表する抽象画家、ハ・テイム (Ha Tae Im) の個展「Un Passage」を、4月3日より開催いたします。

ハ・テイムは、鮮やかな色彩の帯(カラーバンド)を幾層にも重なり合わせる抽象画で最も有名な現代美術家です。 その表現は、かつて言葉や文字をキャンバスに書き込み、それを消していく過程で生まれました。
色彩の帯(カラーバンド)は、単なる装飾ではなく、特定の感情やメッセージを象徴しています。 「真の対話は言葉を超えたところにある」という考えから、文字を消す行為が色彩の帯へと進化し、現在は「Un Passage」というシリーズ名で、心の通路や感情の交流を表現しています。
本展では、日本最高峰の北欧ヴィンテージ家具コレクション「KAMADA」とのコラボレーションにより、色彩と家具が共鳴する特別な空間を創出いたします。 「現在性」を持つアートが、1950〜70年代の北欧ヴィンテージ家具が纏う「時間の深み」と対話します。
家具は単なる背景ではなく、作品と“共鳴”する存在として、生活空間の中でアートが放つエネルギーを体感していただける展示構成となっています。
【開催概要】
会期: 2026年4月3日(金) 〜 4月25日(土)
オープニングレセプション: 2026年4月3日(金) 16:00 - 19:00(作家も在廊いたします)
会場: TAOS GALLERY TOKYO
住所: 〒106-0046 東京都港区元麻布3-10-1 3F
開廊時間: 火曜〜土曜 14:00 - 19:00 休廊日: 日曜・月曜
【アーティスト・プロフィール】

Ha Tae Im (河 泰任 / ハ・テイム) 1973年、韓国生まれ
パリ国立高等美術学校を卒業し、弘益大学で博士号を取得。
1995年の個展を皮切りにソウル、パリ、ミュンヘンなど国内外で計31回の個展、200回以上のグループ展に参加。1999年、モナコ国際現代絵画展でモナコ公国賞を受賞。
鮮やかな色彩の帯を幾重にも重ねるカラーバンドによる「Un Passage」シリーズで知られる現代美術家。カラーバンドは、これまでフランク・ステラやソル・ルウィットなどの現代抽象作家の作品がよく知られているが、ハ・テイムは ミニマル・アートやコンセプチュアル・アートの先人たちのアプローチを柔らかな感性で自らの表現に昇華している。
記憶や感情を象徴する色彩を、リズミカルな曲線のストロークで描き出し、色ひとつひとつに人間の思考、感情、気分 などを具現化し、まるで音楽の一小節かのようなリズム感あふれる独創的な作品世界を創造している作家である。
作品は、国立現代美術館(ミュージアムバンク)、ソウル市立美術館、モナコ現代美術館をはじめとする公共機関や 企業コレクションに収蔵されており、同時代抽象絵画における色彩表現の可能性を探求する作家として注目を集めている。


KAMADA Interior Collection
1950〜70年代の希少な北欧ヴィンテージ家具に特化した、日本最高峰のコレクション。 本展の狙い: 北欧家具のデザイン性や時間性と共存することで、作品の新たな表情を引き出します。
オーナー 鎌田 剛 : 著名なコレクターであり、「人生で最も心地よい空間」を提案する哲学を持っています。 所在地: 東京都港区六本木 5-17-1 AXISビル B1F






Ha Tae Im(b.1973)
ハ・テイムは、色彩を通じて感覚のリズムを構築する絵画作品により、韓国同時代の抽象絵画において独自の位置を築いてきたアーティストである。ディジョン国立高等美術学校(École nationale supérieure d’art de Dijon)およびパリ国立高等美術学校(École Nationale Supérieure des Beaux-Arts de Paris)で学び、弘益大学校美術大学絵画科にて博士号を取得した彼女は、フランスで培った造形経験と韓国的な絵画感覚とを横断しながら、独自の色彩言語を発展させてきた。
また、韓国現代抽象絵画の重要な軸を担ってきた画家ハ・インドゥを父に持ち、幼少期より絵画的環境の中で育った。ハ・インドゥが東洋的精神性と色彩の物質性を結びつけた絵画を通して、存在と世界との関係性を探究してきたとすれば、ハ・テイムもまた、絵画を単なる視覚イメージではなく、感覚や情緒が蓄積される場として捉えている点において、一定の造形的問題意識を共有しているといえる。
しかし彼女の作品は、父の絵画が有していた精神主義的な色面を継承するにとどまらず、それをより感覚的でリズミカルな色の流れへと転換し、同時代的な抽象の言語へと拡張している。


彼女の制作は、繰り返し重ねられる曲線状のカラーバンド(color band)を中心に展開される。画面上に蓄積される有機的な色面は、単なる造形要素にとどまらず、人間の思考や感情、そして情緒的状態を感覚的に翻訳する一種の視覚的メディアとして機能している。
目には見えない心理的状態や内面の流れを、色彩の層として物質化することで、絵画空間の中に情緒のリズムを可視化しているのである。こうした色の重なりは、彼女が継続して用いてきた《Un Passage》という概念が示唆するように、異なる感覚の層が交差する通路であり、未知の世界へと向かう移行のメタファーとして作用している。
ハ・テイムの絵画は、即興的なジェスチャーの結果というよりも、むしろ反復と統制に基づいて形成されている。画面を満たす色帯は、一定の規則と緊張関係のもとで蓄積され、その過程において感覚的快楽と強迫的秩序との微妙な均衡が模索される。
ペク・ナムジュン記念館館長のパク・ナムヒが指摘するように、彼女の作品に現れる美しさは自然発生的なものではなく、絶え間ない造形的選択と遂行的反復によって獲得された「強迫的な美」に近い。このような態度は、絵画を単なる視覚的再現の領域にとどめることなく、感覚を組織化する一種の装置へと拡張し、同時代抽象絵画の新たな可能性を提示している。


鮮やかで透明感のある色彩によって構成された彼女の画面は、一見すると装飾的で軽やかな印象を与えるが、その背後には感情の流れと時間の蓄積が内在している。それは色彩によって空間を構築すると同時に、その反復を通じて内面的な心理状態を可視化しようとする試みである。言い換えれば、ハ・テイムの絵画は物理的空間を再現するのではなく、感覚的時間の層を構築し、色彩を媒介とした情緒的共鳴の状態を生み出しているといえる。
近年は、ヨンウン美術館、POSCO美術館、ガナアートセンター、ノブレス・コレクションなど韓国国内の主要機関での個展をはじめ、ロサンゼルスやニューヨークなど海外での展覧会を通じて活動の幅を広げている。作品は、国立現代美術館(ミュージアムバンク)、ソウル市立美術館、モナコ現代美術館をはじめとする公共機関や企業コレクションに収蔵されており、同時代抽象絵画における色彩表現の可能性を探求する作家として注目を集めている。


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