獣医師の約2割が導入済み!ペットのオンライン診療、導入施設の9割が「診療の質の維持・向上」を実感
「診療の質が向上」導入済みの9割が実感。獣医療の拡張を目指す、オンライン診療の新たな指標へ。
日本獣医オンライン診療研究会(JVTS)は、獣医療におけるオンライン診療の「適正な普及」と「質の担保」を目的に、2025年12月9日から12月14日にかけて、全国の動物病院を対象とした「オンライン診療に関する意識調査」を実施いたしました。本調査では、オンライン診療の導入状況や現場のリアルな課題感、診療の質へ与える影響などが明らかになりました。調査の結果、すでに導入している施設からの前向きな評価と、未導入施設が抱える不安との間に大きなギャップが存在することが判明しました。
■ オンライン診療の実施率は18%。関心層を含めると半数以上に
全国107病院へのアンケートの結果、オンライン診療(オンライン相談含む)をすでに「実施している」と回答した獣医師は18%でした 。また、「検討中(11%)」「興味はある(27%)」と回答した層を合わせると、過半数の獣医師がオンライン診療に関心を持っていることがわかりました 。

■ 導入経験の有無で「診療の質」への評価が完全に逆転
本調査において最も特徴的だったのは、オンライン診療が診療の質に与える影響についての見解です。
導入済みの獣医師では、「大きく向上する(21%)」「やや向上する(32%)」「変わらない(37%)」と回答しており、合計90%が肯定的に評価しています 。
一方、未導入の獣医師では「やや低下する(30%)」「大きく低下する(24%)」と、半数以上が否定的な意見を持っており、経験の有無が評価の差につながっている可能性があります 。

■ 導入の主な理由は「効率化」。最大の懸念は「診断精度(誤診リスク)」
導入の理由としては、「再診・経過観察の効率化」が16%と最も多く挙げられています 。一方で、導入の障壁や不安点については以下のような結果となりました。
「診断の精度(身体検査ができない)」が、導入済み(31%)、未導入(29%)ともに共通して高い課題として認識されています 。
最も不安に感じる点についても「誤診リスク」が最多(導入済み32%、未導入48%)となっています 。


■ 初診での制限については「運用の拡大」を求める声も
現在の初診でのオンライン診療の制限について、導入済みの獣医師の32%が「議論と検証を行うことで、より幅広い運用ができるようにするべきだと感じる」と回答しました 。一定の理解を示しつつも、運用拡大を求める声が多く見られます 。一方、未導入の病院では「わからない」との回答が41%を占め、運用経験の不足が制度評価の難しさにつながっていると考えられます 。

【代表コメント・今後の展望】
今回の獣医師を対象としたオンライン診療に関する意識調査では、非常に示唆に富む結果が得られました。
まず、オンライン診療は対面診療後のフォローアップにおいて、再診や経過観察を効率化する「効果的な手段」であると広く認識されています。実際に導入済みの獣医師の9割が、診療の質は「変わらない」あるいは「向上する」と回答しており、得意・不得意な領域を適切に使い分けることで、将来的に有力な診療手段になり得る大きな可能性が示されました。
確かに、情報量が限られる初診においては不安の声もあります。しかし、私たちは実例や議論を積み重ねることで安全な運用範囲を広げ、獣医療の可能性を拡張できると信じています。
日本獣医オンライン診療研究会では、この結果を真摯に受け止め、実践的な情報を広く共有することで、多くの獣医師が安心して一歩を踏み出せる環境を整えてまいります。なお、今回公表したデータは調査結果の一部です。当研究会の会員限定ページでは、自由回答を含む詳細な分析レポートの全容を公開しております。
また、活動の柱として「動物病院におけるオンライン診療の認証制度」の構築を進めています。この制度を通じて、獣医師には適正な運用のための知識を提供し、飼い主様には「客観的に評価された安心の指標」を提示します。ぜひ本研究会にご参加いただき、詳細な調査データを日々の診療にお役立ていただくとともに、安全で適正なオンライン診療の普及と獣医療の発展を共に目指していければ幸いです。
■ 調査結果の詳細および入会のご案内
本調査の全容(詳細レポート)は、当研究会の会員限定ページにて公開しております。オンライン診療の導入支援や最新情報の共有など、当研究会の活動にご関心をお持ちの獣医師・動物病院関係者、その他関連企業様は、ぜひ下記よりご入会をご検討ください。
【入会案内URL】
https://www.jvts.org/%E5%85%A5%E4%BC%9A%E6%A1%88%E5%86%85/
■ 日本獣医オンライン診療研究会について

本研究会は、動物医療分野における、オンライン診療およびICT活用全般における情報の共有を行い、会員同士の活発な議論を行うことを目的としています。
オンライン診療を適正かつ安全に活用、推進できるように、臨床現場での知見の収集、解析を行い、その時々の法律の解釈などの検討をすることで、獣医師、飼い主様、動物が安心してオンライン診療を受診できる環境作りを目指します。
事業内容
・ オンライン診療の研究会としてのガイドライン作成
・ オンライン診療における症例検討会の実施
・ オンライン診療の適正な活用のための情報発信
・ 適正なオンライン診療実施のための普及活動
【調査概要】
調査期間:2025年12月9日〜12月14日
調査対象:全国の動物病院の獣医師
調査方法:株式会社TYLに委託
有効回答数:107名
【本件に関するお問い合わせ先】
日本獣医オンライン診療研究会 事務局
E-mail:jvts2019.12@gmail.com
公式サイト:https://www.jvts.org/
(対応時間:平日10:00〜18:00)
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