神保町に新たなコンテンポラリーアートギャラリー「MOVO GALLERY」開廊。こけら落としとして、品川はるな/木原共による二人展を開催
「もしも」をテーマに、〈ありうる可能性〉を提示する二人の作家が参加。5月4日には品川はるなによるバーイベント、5月9日には、木原共と哲学・キリスト教思想研究者の柳澤田実によるトークセッションを実施。

一般社団法人MOVO(代表:馬場渚)は、2026年5月に神保町にてコンテンポラリーアートを中心としたギャラリー「MOVO GALLERY」を開廊いたします。
こけら落としとなる最初の展示として、現代美術家・品川はるなと、メディアアーティスト/ゲーム作家・木原共による二人展を、2026年5月2日(土)〜5月13日(水)の会期で開催いたします。




MOVO GALLERYは、コンテンポラリーアートを中心に展示するギャラリーとして、バーとライブラリーを併設。バーでお酒を楽しみながら来場者同士の新しいコミュニケーションが生まれ、ライブラリーで現代アートや多様な研究領域の書籍を手に取ることで、アートの知見を深められる場を創出していきます。
展示コンセプト「もしも -What if-」
アートは、ときとして私たちの社会や人間を映し出す鏡にもなります。いま、大規模言語モデル(AI)の発達により、予測がますます高度になる社会を私たちは生きています。こうした時代において、予測からはみ出す〈ありうる複数の可能性〉や、偶然性を考えることの意味はどのように変わっていくのでしょうか。
MOVO GALLERYのこけら落としとなる本展では、日本政府の統計データに基づいて生成される別人の人生をプレイヤーが選択しながら体験する、木原共による《ありうる人生たちのゲーム》と、キャンバスに塗られた絵の具の膜を剥がすことで、鑑賞者のなかに多様な風景や記憶を立ち上げる、現代美術家・品川はるなの絵画作品を展示します。
木原は自身の作品を、「社会の膨大なテキストデータによって作られる大規模言語モデルが生成する世界は、不条理や偏見も含めて現実社会の反映となり、この時代を生きるということの『体験的なアーカイブ』として機能する」と表現します。また、品川は自身にとってキャンバスは自身の意図から離れ、鑑賞者のイメージを映す窓に見立てられ、様々な視覚媒体が溢れる現代の絵画表現について問いかける機能を果たす、といいます。
体験の形式は大きく異なりますが、二人の作品はともに、「こうあるはずだ」という前提をひとたび剥がし、そこに潜んでいた別の像、別の人生、別の風景を立ち上げていきます。
本展が、来場者の方がさまざまな「もしも」に思いを巡らせる機会となれば幸いです。
参加アーティスト

品川はるな|HARUNA SHINAGAWA
1995年東京都生まれ。2017年東京造形大学造形学部美術学科絵画専攻卒業。主に日本とメキシコを拠点に活動。
アクリル絵具と剥離性のポリエチレンクロスを用い、キャンバスから絵の具の膜の一部を引き剥がすことによって、平面から立体的な表情を立ち上げる独自の技法で制作。代表シリーズ「Peel off the paint」では、支持体に定着するはずの絵の具をあえて剥がすことで、キャンバスを「窓」、絵の具を「カーテン」に見立て、鑑賞者のなかで多様な風景や事物として立ち現れる絵画表現を追求している。デジタルデバイスで絵が描かれ、見られるようになった現代において、物質としての絵の具の意味を問い直す実践が国内外から高く評価されている。
主な個展に「Hands across the sea」(bonte the palace 131、ソウル、2023)、「ishiomiru / ishiohirou」「Every cloud has a silver lining」(Saenger Galeria、メキシコシティ、2023・2022)、「Do not say a little in many words but a great deal in a few」(EUKARYOTE、東京、2019)など。「Art Collaboration Kyoto 2023」「Untitled Art Miami Beach 2023」にも出品。
Web:https://haruna-shinagawa.jimdofree.com/

木原 共|TOMO KIHARA
1994年京都府生まれ。アーティスト/ゲーム作家。新たな問いを引き出す遊びをテーマに、実験的なゲームや都市空間に介入するインスタレーションを制作。AIをはじめとする新技術が、私たちの社会や思考にどのような変容をもたらすのかを、多くの人々とともに探求する場を作っている。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、オランダ・デルフト工科大学大学院インタラクションデザイン専攻修了。これまでに、アムステルダムの研究機関Waag Futurelabや米国のMozilla Foundationと協働し、AIの社会的影響に焦点を当てたプロジェクトを展開してきた。
代表作に、画像認識AIには判別できない一方で、人間には理解可能な絵を描くゲーム《デヴィエーション・ゲーム》(Playfoolとの共作)がある。近年に参加した主な展示に、「Art Plays Games」(FACT Liverpool、2025)、「六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」(森美術館、2025–2026)など。
本展では、森美術館「六本木クロッシング2025」にて発表した作品《ありうる人生たちのゲーム / Game of Possible Lives》を展示する。


《ありうる人生たちのゲーム / Game of Possible Lives》は、ある個人の人生の選択を始まりから終わりまで行う作品です。プレイヤーはその個人の人生における結婚、キャリア、家族といった大きな岐路で選択を重ね、その決断がもたらす結果を最期まで体験します。ゲーム内の出来事の文章は、筐体内でローカルに稼働する大規模言語モデル(AI)が、統計データを参照しながらリアルタイムに生成しています。社会の膨大なテキストデータによって作られる大規模言語モデルが生成する世界は、不条理や偏見も含めて現実社会の反映となり、この時代を生きるということの「体験的なアーカイブ」として機能します。
一つの人生が終わった後、プレイヤーは過去の分岐点に戻り、異なる未来につながる別の道を選ぶことができます。他者の人生で決断を重ねることは、私達が何をもって自身の人生の選択をするのかについて再考を促し、データだけでは見えない、自分とは異なった境遇の他者の人生の時間を想像するきっかけとなるのかもしれません。
Web:https://www.tomokihara.com/
関連イベント

アーティストと語り合う、MOVO SALON【ゲスト:品川はるな】
MOVO GALLERYに併設されたバーカウンターで、お酒を片手にアーティスト・品川はるなと語り合う一夜限りのイベントを開催します。
日時:
2026年5月4日(月・祝)17:30〜19:30
会場:
MOVO GALLERY(東京都千代田区神田神保町1-19-1 2F)
参加費:
1,000円(税別、1ドリンク付き)
申込:
席数に限りがあるため、こちらのURLより事前申込をお願いします。
木原共 × 柳澤田実 トークセッション
「人生ゲーム」が映し出す、“理想の人生”──古代の宗教教育からAIを射程に考える
人生を「ゲーム」として表現しようとする試みは、その時代における「理想的な生き方」や「社会のルール」を常に映し出してきました。例えば、2024年10月に発売されたタカラトミーによる「人生ゲームFIRE」では、FIRE(経済的自立・早期リタイア)がそのゲームの目標として設定され、投資や資産管理といった現代的テーマが扱われています。
こうした人生を題材にしたゲームのルーツをたどると、古代インドで宗教的なモラルを説くために生まれた『Moksha Patam』や、中世ヨーロッパにおける宗教教育とのつながりが見えてきます。そこでは、「人生」は単なる娯楽の題材ではなく、人がいかに生きるべきかを学び、共有するための形式でもありました。今回、木原共が手がけた新作《ありうる人生たちのゲーム》では、統計データと大規模言語モデルを用いて、現代日本に「存在しうる誰か」の人生が生成されます。AIが描き出す「もっともらしい人生」は、私たちの社会に共有された価値観や偏りをどのように映し出しているのでしょうか。
哲学・キリスト教思想を専門とし、人が何かを神聖視する心理に注目し、「推し活」からキリスト教右派までを横断的に研究する柳澤田実さんをゲストにお迎えし、現代社会における「よき生」のあり方、社会規範と宗教の関係性について考えていきます。

柳澤田実|TAMI YANAGISAWA
東京大学総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)、南山大学准教授などを経て、関西学院大学神学部准教授。専門は哲学・宗教学。宗教などの文化的背景とマインドセットとの関係を中心に研究している。訳書にターニャ・M・ラーマン著「リアル・メイキング いかにして『神』は現実となるのか」(2024年、慶応義塾大学出版会)、編著書に『ディスポジション──哲学、倫理、生態心理学からアート、建築まで、領域横断的に世界を捉える方法の創出に向けて』(2008年、現代企画室)など。
モデレーター:
岡田弘太郎(一般社団法人デサイロ代表理事/Unknown Unknownディレクター)
日程:
2026年5月9日(土)14:00〜16:00
出演:
木原共(アーティスト・ゲーム作家)
柳澤田実(哲学・キリスト教思想研究者/関西学院大学神学部准教授)
会場:
MOVO GALLERY(東京都千代田区神田神保町1-19-1 2F)
参加費:
1,800円(税別)
申込:
席数に限りがあるため、こちらのURLから事前申込をお願いします。
展示詳細

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会期 |
2026年5月2日(土)〜5月13日(水) |
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開廊時間 |
5月2日(土)13:00〜20:00 5月3日(日・祝)13:00〜20:00 5月4日(月・祝)13:00〜20:00 5月5日(火・祝)13:00〜20:00 5月6日(水・祝)13:00〜20:00 5月7日(木)17:00〜20:00 5月8日(金)17:00〜20:00 5月9日(土)16:00〜20:00(※トークイベントを14:00-16:00で実施) 5月10日(日)13:00〜20:00 5月11日(月)休廊 5月12日(火)17:00〜20:00 5月13日(水)17:00〜20:00 |
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休廊日 |
月曜日(ただし5月4日は開廊) |
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住所 |
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-19-1 2F アクセス:地下鉄神保町駅A7出口より徒歩約4分/東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅B5出口より徒歩約6分/JR御茶ノ水駅 御茶ノ水橋口より徒歩約8分 |
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主催 |
一般社団法人MOVO |
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共催 |
一般社団法人デサイロ/Unknown Unknown |
MOVO GALLERYについて
MOVO GALLERYは、2026年5月に東京・神保町に開廊する、コンテンポラリーアートを中心としたギャラリーです。バーとライブラリーを併設し、バーでお酒を楽しむことで来場者同士の新しいコミュニケーションが生まれ、ライブラリーで現代アートや多様な研究に関する書籍を手に取ることで、アートの知見を深められる場づくりを目指しています。
馬場 渚|NAGISA BABA(MOVO GALLERY代表/ギャラリスト)
1993年生まれ。東京造形大学造形学部デザイン学科インダストリアルデザイン専攻領域を卒業後、スタートアップの創業に参画。フリーランスのデザイナーを経て、2026年にMOVO GALLERYを立ち上げる。
本件に関するお問い合わせ
一般社団法人MOVO/MOVO GALLERY
担当:馬場 渚
メール:info@movo-gallery.com
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