都市と森を再接続する。国産木材の「サプライチェーン構築サービス」を提供開始
「リジェネラティブ アプローチ」で都市と森を再接続し、里山の機能を取り戻す
株式会社スペイスアンドプレイス(本社:東京都 代表取締役:戸田光貴 以下「スぺイスアンドプレイス」)は、国産木材の「サプライチェーン構築サービス」を提供開始した事をお知らせいたします。
昨今、都市から森へのアプローチ論が様々な場所、形で語られるようになりました。
スペイスアンドプレイスが提供するのは、国産木材の調達ルートを設計する「サプライチェーン構築サービス」です。企業活動の中核である「supply・調達」を通じて、森の生態系や地域の生業を積極的・能動的に再生していく。この方法論を「リジェネラティブアプローチ」と呼んでいます。
企業が事業の中で使用する木材を「どこから調達するか?」という選択が、川上の加工業・製材業・林業を生かし続け、そしてその先にある里山や森の機能を取り戻す力を持つ——
その確信のもと、国産木材のサプライチェーン構築サービスを立ち上げるに至りました。

■リジェネラティブアプローチの概要
◆ 背景|都市と森の分断がもたらした2つの喪失
国産木材の自給率は40%を超え、一見すると日本の林業は回復傾向にあります。しかしその裏で、里山の木材と周辺の産業は置き去りにされています。
戦後の拡大造林・木材輸入自由化・高度経済成長を経て、森と都市をつなぐサプライチェーンは分断されました。林業就業者は約50万人(昭和30年国勢調査)から約4.4万人(令和2年国勢調査)へ、製材所は約18,000カ所から約3,800カ所(令和4年林野庁統計)へ減少。管理・伐採する意向のない人工林は国土の約10%(※1)を覆い、3,772種(※2)の生きものが絶滅の危機に瀕しています。里山が育んできた「自然・環境的資本」と「産業・技術的資本」、2つの地域資本が同時に失われ続けています。
(※1 農林水産省:森林資源の循環利用に関する意識・意向調査)、(※2 環境省レッドリスト2020)
◆ 生物多様性の保全者は、「里山の暮らし」だった
絶滅危惧種が集中して生息する地域の多くは、原生的な自然地域よりむしろ里山地域であることが明らかになっています。具体的には、メダカの生息確認地域の69%、ギフチョウの58%が里地里山に分布。絶滅危惧種以外の身近な種も、トノサマガエル62%、ノコギリクワガタ53%、サシバ65%が里地里山に分布しています。(※3)
かつて里山では、暮らしの営みそのものが生物多様性の保全者でした。燃料が石油に変わる前、人々はコナラ・クヌギなどの「里山広葉樹」を薪炭として活用し、木を定期的に伐ることで森の藪化を防ぎ、林床に光が差し込む環境がギフチョウやオオムラサキの住処となっていました。和紙の原料であるコウゾ・ミツマタの栽培管理は半陰地や水辺の植生を安定させ、ゲンジボタルの住処を作り、茅葺き屋根のための定期的な草刈りはイヌワシやサシバなどの猛禽類が狩猟・繁殖できる開けた草地環境を維持していました。
都市と森の分断がもたらす、産業の衰退はこうした生きものの居場所の喪失とつながっています。

かつての里山の暮らしを現代にそのまま復元することはできません。スペイスアンドプレイスが提唱する「リジェネラティブアプローチ」は、里山とその周辺の暮らしが担っていた機能を、現代の都市型社会向けに形を変えインストールする方法論です。
都市と森の「再接続」を、調達という事業行為を通じて実現し、持続可能な森・里山の循環・再生を社会に実装できるか、それが本サービスの挑戦です。
(※3 環境省:日本の里地里山の調査・分析(中間報告))
■ サプライチェーン構築サービスの概要
本サービスの特徴はスぺイスアンドプレイスが物品の商流には挟まらず、プロジェクトごとに国産木材のサプライチェーン設計・構築を行い、そのスキームを提供する点にあります。
森・林業から製材・加工、そして都市の施主・設計者まで、最適かつ透明性のあるサプライチェーンをつなぐことで、本サービスにおける顧客への最大のBenefitである「コストの最適化」を図ります。

従来のビジネスモデルでは、木材の調達先を相談する相手がそのまま売り手となるため、「相談した先から買わなくてはならない」という構造的な制約がありました。しかし昨今の様々な価格高騰により、中間に商社的機能を挟むモデル自体が成り立ちにくくなっています。このような従来のビジネスモデルも一因となり、国産材のニーズが一定程度増えた現在も、川上の加工業者や林業家にとっては「手間はかかるのに儲からない」というジレンマは変わっていません。
当社はこの構造から離れ、調達ルートの設計に特化することで、都市側のコスト課題と川上側の収益課題の両方に向き合う仕組みを提供します。しかし、これまで商社的機能が必要とされてきた背景には、都市側と森側の双方にスキルや目線に隔たりがあるという実情も無視できません。
デザイナーとの仕様調整や家具・什器の詳細設計、木材の含水率・乾燥管理、木材の様々な加工、納期に合わせた工程運用から予算管理・VE提案まで——それぞれの現場に少しずつ足りない実務スキルを、「森側からの視点」、「都市側からの視点」双方で間に入り、最終的な品質管理まで一貫して補完するサービスを同時に提供して参ります。
この取り組みを通じて、都市側・森側の双方に両者をつなぐスキルを持った人材が育っていくこと。
それが本サービスの先にあるもう一つの目標です。
◆本サービスがもたらすBenefit
本サービスにおける顧客への最大のBenefitは「コストの最適化」です。物品の商流に挟まらないスキーム設計により、従来の中間マージン構造を排し適正なコストでの国産木材調達を実現します。
コストの最適化に加え、企業の国産木材調達を「両輪」で前進させる2つのBenefitサービスを提供します。企業が国産木材を継続的に調達し価値化していくためには、関わる人々が同じ目的を共有する「物語」と、社会的責任を裏付ける「倫理的調達」の両方が不可欠です。
◆最適なサプライチェーンが生む、2つのBenefit

STORYサービス|共同体であるための物語
川上の林業家から川下の施主まで、同じ物語を共有するチームをつくります。
日本各地の風土を紐解きながら、地域のプレイヤーやステークホルダーとのヒアリング・対話を重ね、プロジェクトに落とし込むためのストーリーをお客様と共に作り上げます。
社内外への発信に必要な写真・動画の制作サービスまで社内で行っているので、合わせてご依頼頂くことでトータルコストを圧縮することが可能です。
現地への訪問や関係性構築、ストーリー設計から記録までトータルで伴走します。
Due Diligenceサービス|木材の倫理的調達
ベーシックなサービス内容として、産地から現場までのトレーサビリティを構築し、クリーンウッド法(合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する国内の法律)やESG・TNFD等に対応できる書類整理伴走サービスを行います。上記に加えて企業の「木材調達基準策定」などもサービスメニューとして提供します。
サプライチェーンにおける書類をリスク回避のためのエビデンスから、地域のためのポジティブリソースへ変革します。
この2つのサービスによって、企業の調達行為そのものが、環境的価値・社会的信頼・地域との関係性を同時に育てていきます。




かつて筑後川は、上流の日田から良質な木材を運ぶ水運の道でした。その河口に位置する大川市周辺では船大工が栄え、やがて彼らの技術が家具づくり・木材加工業へと受け継がれていきました。こうした地域の風土と技術の連なりを活かし、各地のパートナーと連携して参ります。
■ 代表メッセージ
古来より、日本人は祭りを通じて自然と関わり続けてきました。
五穀豊穣を祈り、豊漁に感謝し、疫病の退散を願う。その営みを支えたのは、御神輿を彫る職人であり、提灯を作る紙師であり、注連縄を綯う農家でした。かつて祭りの道具は里山の木・竹・漆・和紙・藁などから生まれていました。つまり祭りとは、自然と人間の関係を、産業と文化を通じて維持し続けるための装置だったのです。しかしそれは今、静かに失われつつあります。
戦後の拡大造林と、木材の輸入自由化、そして高度経済成長を経て、森と都市をつなぐサプライチェーンは途絶えました。林業就業者は70年で約10分の1に。伝統工芸の従事者は5分の1。管理する意向のない人工林は国土の10%を覆い、3,772種の生きものが絶滅の危機に瀕しています。しかしそれは時代の要請の中で、この国を支えてきた方々が懸命に生きてきた結果であり、誰も悪者にはできません。
私がこの会社を始めたのは、ひとつの確信からです。
「調達」という事業行為そのものが、森への最も持続的な参加になる、という確信です。
企業がものをつくるとき、何をどこから買うかを選ぶとき、その一つの選択が川上の林業を生かし、製材所の職人を守り、伝統工芸の技を次世代につなぐ力を持つ。事業が続く限り、需要は川上へ遡上し続ける。それがCSVの本質だと思っています。
日本の伝統技術は、産業の中に多く残っています。産業が消えれば、技術の継承・継続が難しくなる。
技術が消えれば、祭りの道具も作れなくなる。そして祭りが消えれば、自然と人間の関係を結ぶ糸も断ち切られてしまう。
私の仕事は、木材のサプライチェーンを設計することです。
そしてその先にあるのは、都市と森の「再接続」であり、日本の風土が何百年もかけて育んできた文化の継承です。大げさに聞こえるかもしれません。
しかし私は、ものづくりの現場に立つたびにそれを確信しています。
私たちの故郷であるこの国を、再び強く、後世につないでいくために、
地域と場所の関係性をデザインし、日本の風土を未来につなぎます。
株式会社スペイスアンドプレイス 代表取締役 戸田 光貴

■ お問い合わせ・資料ダウンロード
サービスの詳細資料(サービス内容・料金・事例)のご提供、およびご相談のアポイントを承っております。
📄 会社資料(抜粋版)のダウンロードはこちら:
d183713-1-0600de79ea2a4fad4ce69c2a6278bdee.pdf※上記ダウンロード用資料は抜粋版となります、完全版をご覧になりたい方はお問い合わせください
お問い合わせ先:toda@spaceandplace.co.jp (担当:戸田)
■ 会社概要
会社名 株式会社スペイスアンドプレイス
代表取締役 戸田 光貴(とだ みつたか)
設立 2023年10月
事業内容 家具、什器、伝統工芸品の製作ディレクション・国産木材サプライチェーン構築・地域コーディネート・映像制作
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