【日本擁壁実態調査】民有地擁壁の所在「把握できていない」約7割|擁壁安全管理は「現状把握」が最初の課題

自治体への実態調査で初めて明らかに——老朽化擁壁の倒壊リスクへの備えが「見えないまま」という実態が判明

日本擁壁保証協会

一般社団法人 日本擁壁保証協会は、全国157自治体394部署を対象とした「2025年度 日本擁壁実態調査」の結果を公表しました。

本調査は自治体における擁壁の安全性・維持管理の実態を把握し、地域住民の安全向上に資する情報発信と行政との連携推進を目的として実施したものです。今回、近年相次ぐ老朽擁壁の崩壊事故等の発生を背景に実施された本調査では、民有地の擁壁箇所を「把握できていない」と回答した自治体の部署が69.9%にのぼり、公有地の擁壁箇所における割合も61.6%と、多くの自治体で「現状把握」そのものが課題の出発点にある状況が浮き彫りになりました。

■ 調査で明らかになった現状

今回の調査において、擁壁の安全管理をめぐる自治体の現状が初めて数値として可視化されました。何があるかわからないまま、安全対策だけを求められている——そうした構造的な問題が、全国の自治体に共通していることが本調査で判明しました。

69.9%  民有地の擁壁箇所数を「把握できていない」

61.6%  公有地の擁壁箇所数を「把握できていない」

60.3%  民有地の既存擁壁の点検実施状況を「把握できていない」

63.0%  公有地の既存擁壁の点検実施状況を「把握できていない」

今回の調査で明らかになった最大のポイントは、多くの自治体が管轄内の擁壁の「現状」を把握できていないという事実です。
建築基準法工作物(2m超の擁壁)は、倒壊した場合、隣接する住宅や通行人に甚大な被害をもたらします。しかし、本調査では、民有地の擁壁箇所を「把握できていない」と回答した部署が69.9%、公有地では61.6%にのぼることが判明しました。さらに、点検が行われているかどうか「把握できていない」と答えた部署も民有地で60.3%に達しており、安全確認の網が全国的に機能していない現状が浮き彫りになっています。
民有地・公有地を問わず、擁壁の安全対策を進める前提として不可欠な実態把握が、全国の自治体で大きな壁となっています。

■ 「把握できない」背景にある複合課題

「所在不明」状態が続く背景には、民有地のため指導・介入が難しい(60.3%)ことに加え、専門技術職員の不足や予算制約なども重なり、複数の課題が連鎖しています。

これらは一つの自治体に固有の問題ではありません。全国の担当者が等しく直面している構造的な課題と考えられます。現場からは次のような声が寄せられています。

「隣地の擁壁が危険であるため指導してほしいと要望を受けることがあるが、要望者は当該擁壁の所有者ではないことから、直接的な指導は困難である。」(自由記述より抜粋)

「市内の住宅地に古い擁壁があることは認識しているが、予算や職員のマンパワーが不足する中で、どのようにして詳細を把握するのかが課題となっている。他自治体の事例等が少ないため、費用対効果等を見込むことが困難な状況である。」(自由記述より抜粋)

「古い擁壁の所有者は個人の方や高齢な方が多く、費用面から擁壁の補強や築造替えを行うことができる方は少ないと実感している。そのような方々に対して将来的な補強や築造替えを促すための有効な手段を教えていただきたい。」(自由記述より抜粋)

■ 課題解決に向けた当協会の姿勢——情報と連携の橋渡し役として

各自治体との協働で安全なまちづくりへ

当協会は、今回の調査結果を起点として、自治体の皆様との状況共有・連携をさらに強化し、全国の自治体の皆様が「現状把握の第一歩」を踏み出せるよう、情報共有・連携の場としての役割を担ってまいります。

自治体の皆様からは「他自治体の事例が少なく、費用対効果が読めない」「国に相談窓口や補助制度を」という声が多く寄せられています。当協会は、調査データの継続的な発信、先進事例の横展開、危険度判定ノウハウの提供等を通じて、現場が「次の一手」を見つける際の情報ハブとして機能してまいります。

本調査結果や擁壁の安全管理に関するご相談・お問い合わせは、下記の窓口までお気軽にご連絡ください。先進事例の情報提供や個別相談にも対応しております。

■ 調査概要

調査名称 2025年度 日本擁壁実態調査

調査対象 全国157自治体394部署(擁壁が存在し得る自治体の建築・開発・道路・土木・まちづくり・防災等の担当部署)

調査方法 郵送・インターネット調査

調査期間 2026年2月10日~2026年3月31日

有効回答数 n=73(394部署への事前調査後、本設問回答数)

■ 法人概要

法人名 一般社団法人 日本擁壁保証協会

所在地 〒105-0013 東京都港区浜松町1-2-1 NoR浜松町9階

事業内容 擁壁保証及び地盤保証各種の提供/擁壁診断士の教育指導及び育成/擁壁診断企業・擁壁補修企業との連携/擁壁保証に関する普及啓蒙活動/擁壁診断の補助金制度の検討及び要請/新しい保証システムの構築/セミナー開催 等

URL https://youheki.or.jp/overview/

■ 本件に関するお問い合わせ

一般社団法人 日本擁壁保証協会 事務局

TEL:03-5817-8487  MAIL:research@youheki.or.jp

URL:https://youheki.or.jp

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会社概要

URL
https://youheki.or.jp
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都港区浜松町1-2-1 NoR浜松町9階
電話番号
03-5817-8487
代表者名
中原 隆
上場
未上場
資本金
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設立
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