相田土居設計が設計した「ベルメゾン中村橋ノース」が2026年度  グッドデザイン賞を受賞

共用廊下を持たず、30戸が街路や路地に直接つながる都市の集落のような集合住宅         建築費高騰に対応しながら、開かれた角地に重層長屋形式を採用し、新しい集住のあり方を提案

株式会社相田土居設計

開かれた角地に建つ重層長屋のベルメゾン中村橋ノース©Shiro Doi

株式会社相田土居設計(本社:東京都新宿区)が設計監理した賃貸集合住宅「ベルメゾン中村橋ノース」が、このたび「2026年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。

東京都練馬区の角地に建つ本計画は、30戸のファミリータイプの住戸からなる、地上3階建ての重層長屋です。共用廊下や共用エントランスを設けず、各住戸が街路や敷地内通路に直接つながる構成によって、建設・維持管理の合理性と、個々の暮らしが街に現れる「都市の集落」のような景観の両立を目指しました。

ベルメゾン中村橋ノースについて

■30戸が街路や路地につながる重層長屋

近年、建設費の高騰や建設業界の人手不足を背景に、集合住宅には、建設から竣工後の運営までを見据えた合理性が求められています。本計画は、こうした状況に対して「集合住宅は何を集め、どこまで共有するべきなのか」という問いから出発しました。

敷地は、二つの道路に面する開かれた角地です。この場所で、路地状敷地などで採用されることの多い「重層長屋」の形式を積極的に選び取りました。住戸を上下・左右に連結しながら、それぞれに専用の出入口や屋外動線を設け、街路や敷地内通路へ直接つなげています。

一般的な共同住宅では、道路から共用エントランス、共用廊下を経て各住戸へアクセスします。本計画では、この構成を見直し、「街路→専用門扉→専用階段・専用テラス→住戸のリビング」という経路を基本型としました。

壁式鉄筋コンクリート造の3.9mグリッドを骨格とし、門扉・階段・バルコニーの位置を敷地内の条件に応じて変えることで、30通りの住戸計画を実現しています。専用テラスや外部階段が重なり合い、視線の抜けや見え隠れを生む、立体的な街路を形成しました。

■共用空間を抑え、建設と維持管理の合理性を追求

集合住宅の共用空間には、建設費に加え、清掃や共用設備の維持管理に継続的な費用がかかります。

本計画では、建物の主要構造を共有しながら、共用廊下や共用エントランスを設けないことで、延べ面積に対する貸し出せる住戸面積の割合(レンタブル比)を高め、共用部の維持管理負担の低減を図りました。

住戸の独立性を高めつつ、建物として集合する利点を生かす。共有の範囲を見直すことで、建設時の合理性と、将来にわたる運営の持続性を追求しています。

■住戸の独立性と、街に開かれた暮らしを両立

各住戸に付随する屋外空間は、避難のための通路を兼ねる一般的な共同住宅のバルコニーとは異なり、住戸ごとの専用空間として設けています。用途を一つに定めず、入居者が植物や家具を置くなど、暮らしに応じた使い方を受け止める場所です。

門扉やテラス、外部階段は、住戸と街の間に距離とつながりをつくります。隣人と行き会うことも、距離を保つこともできる中間領域として、住む人が都市との関わり方を選べる構成としました。

こうした屋外空間に暮らしの表情が現れ、時間とともに街の景観が更新されていくことを目指しています。

 共有する空間を増やすことだけが、集合住宅の豊かさではありません。個々の住戸の独立性を保ちながら、街に向かって緩やかに集合する共有しすぎない集合住宅。本計画は、建設費や維持管理負担が課題となるこれからの都市住宅に、一つの可能性を提示します。

【Webページ】https://aida-doi-architects.co.jp/works_detail/2026BMNN.html

グッドデザイン賞2026受賞概要

【受賞概要】

受賞対象名:ベルメゾン中村橋ノース

受賞年度:2026年度グッドデザイン賞

受賞カテゴリー:審査ユニット13 建築(中~大規模集合・共同住宅)

受賞紹介ページ:https://www.g-mark.org/gallery/winners/37410

【建築概要】

名称:ベルメゾン中村橋ノース

所在地:東京都練馬区中村北2-20-8

用途:長屋(賃貸集合住宅、30戸)

構造・規模:壁式鉄筋コンクリート造・地上3階建て

建築主:日本酒類販売株式会社

設計監理:株式会社相田土居設計

施工:株式会社藤木工務店東京支店

竣工:2026年2月

【デザインのポイント】

1.開かれた角地に重層長屋形式を採用し、その応用によって実現した「都市の集落」のような景観。

2.門扉・階段・バルコニーの配置を位置条件によって変化させ、創出した30の住戸バリエーション。

3.街路から門扉・専用テラスを経由してリビングアクセスする動線とその構成要素によって見え隠れを生む立体街路。

【グッドデザイン賞審査委員による評価コメント】

重層長屋は、共同住宅を建てられない路地状敷地でやむなく選ばれる形式と見なされてきた。2面接道の開かれた角地でこれを積極的に選び取ったところに、本計画の出発点がある。共有するものを主要構造部だけに絞り、共用廊下も共用室も持たないという構えは、建設費の高騰と将来の管理負担への現実的な回答でもある。

住戸へは街路から門扉と専用テラスを経てリビングへ至る。屋外空間同士には防火区画が生じないという法規上の性質を読み、そこを開放的に設えている点は発明的である。玄関前のテラスや外部階段は、隣人と行き会うことも避けることもできる中間領域となっており、所々に現れるシリンダー状の階段による立体的な街路として立ち上がっている。30戸を長屋形式で成立させるには避難経路と視線の交錯という難所が伴うが、壁式RC造3.9mグリッドの反復を骨格とし、門扉・階段・バルコニーの位置を敷地内の条件に応じて振り分けることで、単調に陥らず30通りの住戸計画を成立させている。反復と差異のバランスも的確である。

用途を定めない専有の屋外空間に暮らしの痕跡が溜まり、それが街の表情を更新していく。管理に頼らず景観を成り立たせる筋道として学ぶべき点が多い。

【グッドデザイン賞とは】

グッドデザイン賞は、1957年創設の、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨のしくみです。製品、建築、サービス、システム、地域の取り組みなど、有形無形を問わず、さまざまなものごとを対象としています。受賞のシンボル「Gマーク」は、よいデザインを社会に広げるマークとして親しまれています。2026年度は第70回の節目にあたります。

公式サイト:https://www.g-mark.org/

相田土居設計について

株式会社相田土居設計は、プロジェクト固有の五つの条件「敷地・場所」「用途・規模」「技術・材料」「予算」「人」を読み込み、それらを独自性のあるシンプルな構造・空間の枠組みへと結びつける建築設計事務所です。

集合住宅、オフィス、福祉施設、公共施設など、1,000~5,000㎡規模の建築を中心に、新築・改修の実績と受賞歴を有しています。設計監理に加え、建築プロジェクトの企画立案や、竣工後の維持管理に関するコンサルティングなど、発注者支援も行っています。

【会社概要】

社名:株式会社相田土居設計

本社所在地:東京都新宿区大久保1-3-2

代表取締役:土居志朗

事業内容:建築物の設計・監理、コンサルティング

設立:1976年

公式サイト:https://aida-doi-architects.co.jp/

【本件に関するお問い合わせ先】

株式会社相田土居設計

担当:土居

電話:03-3205-1585

メール:info@aida-doi-architects.co.jp

 取材および掲載用の建築写真・図面については、上記までお問い合わせください。

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会社概要

株式会社相田土居設計

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URL
https://aida-doi-architects.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都新宿区大久保1-3-2
電話番号
03-3205-1585
代表者名
土居 志朗
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
1976年01月