JEITA、国内企業における「攻めのIT投資」実態調査を実施
~ 攻めのIT投資を42%の企業が実施。その効果と成功の要件が明らかに ~
一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)は、前回2013年10月に発表した「日米IT投資比較調査」に続いて、今回新たに「国内企業における『攻めのIT投資』実態調査」を実施しました。今回の調査もIDCジャパン株式会社の協力により、国内企業331社の経営層や事業部門等、「非IT部門」の責任者を対象としたWebアンケートを行いました。
積極的に「攻めのIT投資」をする企業ほど好業績
- l 「攻めのIT投資」に「極めて積極的」な企業が約14%、「積極的」な企業が28%
- 「攻めのIT投資」を行った企業の半数以上が売上、利益ともに増加
- l 成功要因はトップのリーダーシップ、IT投資の見える化、ITガバナンス、利用部門がIT投資へ関与
- l 「守りのIT投資」の企業でも、より積極的なIT投資の必要性を認識。市場の変化への追随がカギに
前回の調査では、日本企業に「守り」の姿勢が顕著に見られましたが、一方で約16%の日本企業は「IT投資に極めて積極的」でした。その結果を受けて今回は、IT投資への積極派企業と消極派企業の違いが何に起因するのか、またIT投資が業績に関連性があるのか、などを解明することを目的とした調査を行いました。
今回の調査では、日本企業で「守りのIT投資」が6割近くを占めており、改めて前回同様の結果となりました。その一方、「攻めのIT投資」が企業業績に連動する傾向が判明しました。「攻めのIT投資」を行った企業の半数以上が、「売上げ、利益ともに増加」と回答しています。中でも「極めて積極的」な企業は、売上高利益率が全体平均より6.4%も高く、「投資効果を強く感じている」ことがわかりました。
「攻めのIT投資」を行う企業の多くは、変化の激しい業界(金融業、卸売・商社等)の企業であり、市場変化に対応するためにITの活用が不可欠と考えています。新しいIT技術が生まれ、顧客ニーズが多様化する中、競争力向上にIT活用は必須となっています。
また、経営トップのリーダーシップに因るところが多く、「IT投資の見える化」(73.8%)、「ITガバナンス」(84.8%)、「利用部門がIT投資に関与する体制」(41.3%)も必要とする回答が多く見られました
「攻めのIT投資」を行う企業はITを活用して市場変化に的確に対応
図2:市場環境の特徴 (添付の図2を参照)
組み立て製造業、プロセス製造業、サービス業、建設業、資源産業等は、4割以上の回答企業が「ITによる効率化・付加価値創出が難しい」と回答しており、「守り」の姿勢が鮮明です。
その一方、「守りのIT投資」の企業の8割以上が「もっとITを活用すべき」と回答しています。今後は自らの市場も変化することを予想して、ITが不可欠になると認識していることがわかります。
図3:「守りのIT投資」に留まる企業の理由 (添付の図3を参照)
また今回の調査では、IT投資を積極的に進めるための課題も調査しました。その結果、「ITとビジネスを結ぶ人材」、「情報システム部門の提案力」、「投資対効果の明確化」等が、解決すべき課題の上位を占めました。
これらの課題への対応は、業界団体としても力を入れるべき分野であり、JEITAも今後検討を進めていく方針です。
攻めのIT投資」を促進するために何が必要か?
図4:IT重要度が低い企業の状況:ITが活用できない理由 (添付の図4を参照)
今回の調査結果を踏まえ、今後、ITを活用して日本企業の競争力を向上させるため、JEITAとしては次の分野での施策を展開し、積極的な貢献を進めていきたいと考えています。
■IT利用部門のITリテラシー/知識向上への支援
- CEATEC、ITベンダー各社イベント、JEITA講座等の講演、事例紹介活動
- 経済産業省、他団体等とも協力した啓発活動
■IT投資対効果の枠組みの検討
- 2013年及び今回の調査結果を踏まえて今後検討
■中期計画/経営計画でのIT方針明示の働きかけ
- 経済産業省、他団体等の取り組みへの協力
- 先進事例の紹介
調査概要
調査目的:国内民間企業の「攻めのIT投資」実態把握
調査時期:2014年9月
企業規模:連結従業員数が500人以上
産業分野:医療、教育、政府/地方自治体、情報サービスを除く全業種
回 答 者:経営者、およびIT部門以外(事業部、営業、マーケティング、経営企画)のマネージャー職以上
調査手段:Webアンケート
最終有効回答数:331
※本リリースの引用の際には、出典(JEITA / IDC Japan)を明記のうえ、ご利用下さい。
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