上野「文化の杜」がアートに染まる10日間 『TOKYO数寄(すき)フェス2017』開催!11/10(金)~11/19(日)
日比野克彦+海部陽介、大巻伸嗣、橋本和幸 ほか、アーティストによるインスタレーションやイベントを開催!
『TOKYO数寄フェス2017』開催概要
名称 :TOKYO数寄フェス2017
期間 :2017(平成29)年11月10日(金)~ 11月19日(日) 10日間
実施場所:上野恩賜公園(不忍池一帯、噴水前広場 ほか)、東京国立博物館、東京都美術館、東京文化会館、谷中地域 ほか
参加アーティスト :日比野克彦+海部陽介、大巻伸嗣、橋本和幸、鈴木太朗 ほか(順不同)
ディレクター :住友文彦(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科准教授・アーツ前橋館長)
主催:上野「文化の杜」新構想実行委員会
アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
後援:東京都東部公園緑地事務所
協賛:株式会社伊藤園、株式会社ぐるなび、株式会社NKB、公益財団法人日本交通文化協会、株式会社精養軒
*平成29年度 文化庁文化芸術創造活用プラットフォーム形成事業
*平成29年度 台東区 上野「文化の杜」新構想事業
公式ウェブサイト :http://sukifes.tokyo/
公式Facebook :https://www.facebook.com/sukifes.tokyo/
『TOKYO数寄フェス』とは
1876(明治9)年5月に日本初の公園として上野恩賜公園が開園して以来、博物館、美術館、芸術大学、動物園、音楽ホールなど多くの重要な文化施設が一つの公園一帯に集まり、世界でも類を見ない文化芸術拠点が集中するエリアとして発展してきた上野。
この地に関わりのある機関・団体が相互に協力し、「上野文化の杜」という連携組織を作り、日本文化と芸術を国内外へ発信する様々なプロジェクトを展開しています。その活動の一環として、昨年10月『TOKYO数寄フェス』 を上野で3日間にわたって開催しました。
近代日本美術の発展に大きな功績を残した岡倉天心が茶の湯の文化を通して日本の文化芸術の精神を紹介した『茶の本』の思想を背景とし、上野恩賜公園敷地内に広がる様々な文化施設を舞台に、天心が同書で語った《数寄》という言葉を軸にアート作品やワークショップ、コンサートを展開。 日本や東京を「数寄(=好き)」になるコンテンツを、32万人が体感しました。
ディレクターからのメッセージ
上野で、何かが蠢(うごめ)いている。
歴史の地層が積み重なり、ミュージアムや大学が集積しているこの地に刻まれた時間の垂直軸に、横から揺さぶりをかけている者たちがいる。それは展示室やアトリエを飛び出したアーティストたちである。この感性を形にする者は、AI万能時代を生き抜く能力を持ち、他の人たちが見ていないものを見ることができるだろう。彼らがおそらく世界でも稀なほど濃密な「公共空間」を切り裂く、作品の設置やプロジェクトの実施を今年もおこなう。今年は、昨年の3日間のイベントが10日間の作品設置になり、かつ上野公園を出て谷中地区で海外の若手アーティストや地域との協働をおこなう。それは、上野の文化ポテンシャルと新しい創造力が結びつく試みになるはずだ。
かつてグローバル化の荒波が押し寄せた日本から、独自の文化を発信した岡倉天心は茶の湯を取り上げた。その著作の中で、「真の美はただ『不完全』を心の中に完成する人によってのみ見いだされる。人生と芸術の力強いところはその発達の可能性に存し、この『不完全』を真摯に静観してこそ、東西相会して互いに慰めることができるであろう。」と茶の湯が持つ国際性を強く主張した。「数寄」という言葉に込められた創造性を今いちど噛みしめつつ、ポストオリンピックの文化発信を考える時期がそろそろ来ている。
住友 文彦
東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科准教授 ・ アーツ前橋館長
1971年生まれ。
あいちトリエンナーレ2013、メディア・シティ・ソウル2010(ソウル市美術館)の共同キュレーター。NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ(AIT)創立メンバー。展覧会=「Possible Futures:アート&テクノロジー過去と未来」展(ICC、東京、2005)「川俣正[通路]」(東京都現代美術館、東京、2008)ヨコハマ国際映像祭2009ほか。
『数寄』について
「数寄」はもともと「好き」の同意語で、風流・風雅に心を寄せること。「数寄者(すきしゃ)」とは、室町時代には和歌や連歌を好む人をさしたが、安土桃山時代にわび茶が流行し、茶人をさす言葉になります。その後、茶室を「数寄屋(すきや)」と呼ぶようになり、「好(す)き家(や)」、「空(す)き家(や)」ともあてられます。
上野を中心に日本の文化芸術を世界に発信した岡倉天心は『茶の本』のなかで「茶室」を、人それぞれ好みの詩趣を宿す「好き家」、美的感情を満たすために置くものの他は、一切の装飾を施さない「空き家」、そして不完全を尊び故意に仕上げず、見る者の想像の働きでこれを完成させる「数奇屋」と解説しています。そこは富の誇示するような過剰な美はなく、簡素にして謙虚、静寂にして清潔、大名も庶民も分け隔てなく美を崇めることに集中できる仮の家であり、ありきたりの材料や均斉のとれていない配置に美を見出す自由な美意識が展開する場です。そして、人の「好き」は人それぞれであり、「数寄」は人の数だけ存在します。この『TOKYO数寄フェス』を通して、自由で広がりのある「数寄」という美意識を日本特有の伝統的な美意識として世界に広く伝えたいと考えています。
- 【オープニングイベント】 11月10日(金)
(詳細は後日、公式ウェブサイトやリリースにてお知らせいたします。)
- アート・インスタレーション
<3万年前の航海に思いを馳せるワークショップとインスタレーションを実施>
開催場所 : 不忍池 (ボート池) 、弁天堂前広場 ほか
アーティストの⽇⽐野克彦、⼈類学者で 「3 万年前の航海 徹底再現プロジェクト」の代表を務める国立科学博物館の海部陽介、葦舟で航海をする探検家の⽯川仁、この3者の異なるアプローチによる「上野造船所」が上野公園に誕生。「3万年前の航海」にまつわる展示やワークショップを通じて、訪れた人々が想像力の波に乗り、遥か太古から延々と続いてきた好奇心や冒険心に触れる旅に出ます。会期中、池のほとりにある会場では、石川による葦舟作りを実施し、日比野と海部によるトークイベントも11月10日に開催を予定。最終日は、完成した葦舟を不忍池に進水し、関係者の乗船を予定しています。
日比野 克彦(ひびの かつひこ)
アーティスト1958年岐阜市生まれ。1984年東京藝術大学大学院修了。
1982年日本グラフィック展大賞受賞。平成27年度芸術選奨文部科学大臣賞。地域性を生かしたアート活動を展開。現在、東京藝術大学美術学部長、先端芸術表現科教授。
海部 陽介(かいふ ようすけ)
理学博士 1969年生まれ。
国立科学博物館人類研究部人類史研究グループ長。「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」代表。過去200万年におよぶアジアの人類進化・拡散史を研究。第9回 日本学術振興会賞を受賞。著書に「日本人はどこから来たのか」、「人類がたどってきた道」など。
石川 仁(いしかわ じん)
探検家葦船航海士・職人 1967年生まれ。
様々なフィールドワークを通して先住民族の文化を学ぶ。国連の公式プロジェクト”EXPEDICION MATARANGI"に参加し葦船で太平洋、大西洋をのべ13,000km航海 高知県から伊豆諸島まで葦船で日本初の外洋航海 2019年アメリカ西海岸から葦船で太平洋横断を計画中。
《石川 仁と作る葦舟(あしぶね)ワークショップ》参加者募集
11月10日~11月19日の10日間で探検家の石川仁と一緒に葦を素材に舟を作り、最終日に不忍池のボート場に浮かべます。
開催日時:11月10日(金)~ 11月19日(日) 11:00~17:00
会場 :不忍池(ボート池)、弁天堂前広場
募集定員:10名 (先着)
参加費 :無料
対象 :18歳以上の男女 (経験不問)
参加条件:2日間以上参加出来る方(全日程参加できる人優先)
その他 :動きやすい服装 ※屋外での作業になります。
申し込み方法:事前申し込み制。9月中旬より公式ウェブサイトよりお申し込み下さい。
「ミナモミラー」 / 鈴木太朗・ 空間演出研究所
<不忍池の水面に映り込む光の軌跡で新たな池の表情を作り出すアート>
開催場所 : 不忍池(ボート池)
不忍池をキャンバスにたとえ、光を不忍池に投影します。風の流れによって時間とともに変化する、水面にたゆたう反射光を楽しむ作品です。不忍池のボート池全周、池に浮遊するオブジェを淡く柔らかい光が囲みます。現実の世界と水面を水面に映し出された世界に結界をなくし、ひとつにします。秋の澄んだ空気と夜空の下、幻想的な世界をお楽しみいただけます。
期間限定展示 : 11月17日(金)~11月19日(日)
ミナモミラーは、気候や風などで日々変化する水面の反射光を楽しむ作品です。日常に寄り添うこの作品を、不忍池を散歩しながらお月見的な感覚で楽しんで頂けたら幸いです。池外周のユニット光源は、全て池の内側を向き、陸地と池の境界線が光の明暗により表れます。池の中心部には、光源を外側に向けた12メートルの円が3つ。光源を外側に向けることで円の内側に陰が現れ、我々はそれを島と見立てました。
(アーティストより)
鈴木 太朗 (すずき たろう)
メディアアーティスト
1973年、東京・葛飾生まれ。
アトリエオモヤ代表。
自然界の物理現象を観察、その魅力の綿密な
考察と理解から根源的な美しさをもつ作品を発表。
東京藝術大学美術学部デザイン科准教授
空間演出研究所/
SPACEPRODUCTION LAB.
麻生啓史、西毅徳、渡辺杏奈
「ITO EN ティーテイスターフォレスト」 / 橋本和幸
<伊藤園ティーテイスターによる新たなお茶のカタチを提案する空間アート>
開催場所 : 上野公園 噴水前広場
「お茶を素敵な景色を眺めながらいただきたい」・「素敵な場所で暮らしたい」 そんな夢を実限するためにつくられた移動茶室を様々な場所で展示し、昔の建物との対比により、浮かび上がる暮らしや住まいのあり方を見つめ直し「豊かさとは何か」を問いかけます。
昨年のTOKYO数寄フェスで橋本和幸が作り上げた構造物をアップデートした空間のなかで伊藤園のお茶のスペシャリスト「ティーテイスター」たちが様々なお茶を振舞い、お茶の楽しみ方や日本茶の魅力を紹介します。期間中、移動茶室が動き回りお茶を振る舞うデモンストレーションも計画しています。
橋本 和幸(はしもと かずゆき)
アーティスト 1965年横浜市生まれ。
東京藝術大学大学院修了。
インテリアデザイナーとしてホテル、住宅、商業施設などのインテリアデザインを多数手がける。
アート、建築、インテリア、ディスプレイ、プロダクトなど空間に関するアート&デザイン全般を研究。現在、東京藝術大学美術学部副学部長、同デザイン科教授。
「 未 定 」 / 大巻伸嗣
開催場所 : 上野公園 噴水前広場 噴水池
大牧 伸嗣(おおまき しんじ)
アーティスト 1971年岐阜県生まれ。
様々な手法で、「空間」「時間」「重力」「記憶」をキーワードに、“物質と空間・存在”をテーマとして制作活動を展開する。
見ることのできないものを可視化し、体感させることで、新たな身体的知覚空間を作り出すことを試みる。日本国内のみにとどまらず、世界中のギャラリー、美術館などで意欲的に作品を展開している。
谷中アートプロジェクト 「The Whole and The Part / 全体と部分」
/ 東京藝術大学 ×パリ国立高等美術学校グローバルアート共同プロジェクト2017
<東京とパリの美大生が谷中の町中をアートスポットに変身>
開催場所 : 市田邸、旧平櫛田中邸 ほか
本企画では国際色豊かな両校の学生 16 人が、ユニットテーマ「The Whole and The Part / 全体と部分」を糸口に、フランスと日本での数ヶ月に渡るフィールドワークやワークショップを経験しながら複合的な視野を広げ、表現力を豊かに深めた後、東京・谷中の人々の暮らしに寄り添い、そこに古くから残る街並みを活かした作品を発表します。
「グローバルアート共同プロジェクト」は、2016 年 4 月に東京藝大に新設されたグローバルアートプラクティス専攻と、パリ国立高等美術学校(エコール・デ・ボザール)の両大学の教員と学生がユニットを組み、お互いの国を行き来しながら共同制作を行う革新的なプログラムです。
担当教員:大巻伸嗣、小沢剛、薗部秀徳、エルザ・カヨ、クレリア・チェルニック
藝祭御輿 「上野 文化の杜賞 」受賞作品展示
<2017年9月の東京藝術大学の学園祭で学生が制作した御輿の優秀作3基を展示>
展示場所 : 上野公園噴水前広場
2017年東京藝術大学の学園祭である藝祭で展示された巨大な御輿が上野の杜に出現。
学生によって制作された優秀作3基を展示します。
- イベント
上野公園スタディーズ
<上野公園の歴史や文化を調査・発信するプログラム>
上野公園に長年たずさわる人々や、 各方面の専門家とともに、上野公園の歴史や文化について調査・検討し、発信する「上野公園スタディーズ」。この新しいリサーチプログラムでは、この地域の歴史や文化を人類学など様々な視点を活用することで掘り起こし、今後アートプログラムを国際化する際に必要となるアーティストと研究者の共同作業をおこなっていきます。そのキックオフとなるトークイベントを、会期中に開催します。
企画:特定非営利活動法人Art Bridge Institute
照明探偵団 上野公園に現る vol.2
<「上野の杜」の明かりのあり方や未来形を考えるワークショップを連続講座で開催>
開催場所 : 東京国立博物館
昨年度好評をいただいた、照明デザイナー・面出薫(めんで かおる)団長率いる「照明探偵団」が、再び上野公園にやってきます。
前回の照明調査フィールドワークに引き続き、今回は東京国立博物館に照明器具を設置して検証実験を実施します。夜を楽しむエリアとして、上野公園はどうあるべきか。照明の専門家と参加者が一緒に考えるワークショップです。
企画:照明探偵団 協力:パナソニック株式会社
面出薫(めんで かおる)団長率いる「照明探偵団」
光環境調査を軸とした実践的フィールドワークを行なっている非営利の照明文化研究会。
あかり、照明に関わるあらゆる事象を文化として捉え、より良い光と人間の未来を語り合っている。
照明探偵団公式ウェブサイト http://shomei-tanteidan.org/
《照明探偵団 上野公園に現る vol.2 ワークショップ》 参加者募集
開催日時:10月16日(月) 18:00~21:00 / 11月13日(月)18:00~21:00 / 11月14日(火) 18:00~19:00
東京国立博物館は、10月16日、11月13日(月)は閉館日、11月14日(火)は17時閉館となります。
ご了承ください。
会場 :東京国立博物館
募集定員:先着30名
参加費 :無料
対象 :大学生・専門学校生 以上 (経験不問)
参加条件:10月16日と11月14日は必ず参加できること(全日程参加できる人優先)
その他 :動きやすい服装 (屋外でのフィールドワークになります。)
申し込み方法:事前申し込み制。9月中旬より公式ウェブサイトよりお申し込み下さい。
- コンサート
今年も特別コンサートを開催します。上野公園を舞台に、こぱんだウインズ(金管六重奏) の出演を予定しています。
こぱんだウインズ(金管六重奏)
吹奏楽へのアツイ思いを原動力に2011年に東京藝術大学の学生を中心に結成された「ぱんだウインドオーケストラ」メンバーによる小編成アンサンブル。楽団名は時を同じくして上野にやってきた二頭の“パンダ”にちなんでいる。
メンバーには各方面で活躍を続ける若き管打楽器プレイヤーが揃う、新進気鋭の吹奏楽団である。TV朝日「題名のない音楽会」やNHK-Eテレ「ららら♪クラシック」の他、メディア出演多数。
平均年齢は24歳。新時代の吹奏楽団として幅広い活動を続け、吹奏楽界に新しい風を巻き起こしている。
公式ウェブサイト:http://www.pandawindorchestra.com
- だれでも楽しめるUENO推進事業
会期中に開催される上野公園各施設のプログラムにて、託児サービス、通訳、車いす介助などのサービスを提供いたします。
(詳細は後日、公式ウェブサイトやリリースにてお知らせいたします。)
- 会期中に同時開催されるアートプログラム
<谷中の様々な施設を会場に「お茶」にまつわる企画を展開>
本会期に合わせて、谷中のお店やギャラリーなどを会場に、地域の人々が「お茶」をテーマとした企画を展開します。
(詳細は後日、公式ウェブサイトやリリースにてお知らせいたします。)
主催 :〈art-Link 上野−谷中〉実行委員会
問い合わせ :〒110-0002 東京都台東区上野桜木2-13-3(株)クマイ商店内
TEL 080-6616-1950 E-mail artlink97@yahoo.co.jp
- 上野「文化の杜」 新構想実行委員会について
上野公園周辺の文化施設が連携することで可能となった共通入場券「UENO WELCOME PASSPORT」の発行、「TOKYO数寄フェス」などのイベントを開催し、各文化施設が連携して文化芸術発信力を高めております。芸術面のみならず上野界隈の情報データベース構想、通信インフラの整備・防災拠点化などソフトとハードの両面から魅力あるまちの基盤整備を行う活動を促進しています。
上野というまちが歴史的に保ち続けてきた伝統と革新のアイデンティティーを再提示し、世界中のあらゆる人々が集う国際的な文化交流の拠点となるよう文化資源レガシーを日本・世界に向けて強力に発信していきます。
上野「文化の杜」 新構想実行委員会 (2017/9/14現在)
〈文化施設・文教施設〉
東京国立博物館、国立科学博物館、国立西洋美術館、東京都美術館、
東京文化会館、恩賜上野動物園、上野の森美術館、東京藝術大学
〈行政〉台東区
〈民間企業 等〉上野観光連盟、東日本旅客鉄道株式会社
〈オブザーバー〉文化庁、東京都
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像