~受賞作品の中から1作品を楽曲・映像化~第9回「忘れられない看護エピソード」作品募集開始

■「看護職部門」「一般部門」の2部門で広く作品を募集 ■5月12日の「看護の日」に合わせ、印象深いエピソードを表彰 2019年2月1日(金)まで

公益社団法人日本看護協会

~受賞作品の中から1作品を楽曲・映像化~
第9回「忘れられない看護エピソード」作品募集開始

■「看護職部門」「一般部門」の2部門で広く作品を募集
■5月12日の「看護の日」に合わせ、印象深いエピソードを表彰

2019年2月1日(金)まで
 公益社団法人 日本看護協会(所在地:東京都渋谷区/会長:福井トシ子)は、「看護」に関する忘れられない思い出や心温まるエピソードを募る第9回「忘れられない看護エピソード」の募集を開始いたします。

 


 厚生労働省と日本看護協会では、5月12日の「看護の日」と同日を含む日曜日から土曜日までの「看護週間」を中心に、様々な事業を展開しています。その取り組みの1つとして、看護の現場で生まれた心に残るエピソードを募るコンクール「忘れられない看護エピソード」を実施しています。受賞作品を通し、看護の大切さを感じていただくと共に、看護の心を育む一助となることを目的としています。前回の第8回は3,439作品のご応募をいただきました。

 本コンクールでは看護師など看護を行う側の方々を対象とした「看護部門」と、患者さんやそのご家族など看護を受ける側の方々を対象とした「一般部門」の2部門でエピソードを募集します。各部門において、看護を通じて得られた思い出や体験を広く募り、心温まる印象的な作品を選出。受賞作品は2019年5月に予定している表彰式で発表します。

 


 最優秀賞・内館牧子賞を受賞した2部門各4作品の中から選出された1作品は楽曲・映像化され、表彰式や本会ホームページで紹介する予定です。

 本コンクールを通し、皆様に「看護の心」や生きることの素晴らしさを感じていただく機会となれば幸いです。

■第9回「忘れられない看護エピソード」について
「看護」を通して得られた、忘れられない思い出やエピソードについて広く募集します。特別審査員・内館牧子氏(脚本家)をはじめ、ゲスト審査員や厚生労働省、日本看護協会の関係者により、作品を厳正に審査します。


【コンクール概要】
・タ  イ  ト  ル  : 第9回「忘れられない看護エピソード」
・応募受付期間  : 2018年11月1日(木) ~ 2019年2月1日(金)
・U    R    L  : http://www.nurse.or.jp/episode/
・主     催   : 厚生労働省、日本看護協会

【「看護職部門」「一般部門」の2部門から作品を募集】
看護師など看護を行う側の方々が対象の「看護部門」と、患者さんやそのご家族など看護を受ける側の方々が対象の「一般部門」の2部門において選出を行います。

【前年度実績】
8回目の開催となる前回は3,439作品が全国各地から集まり、授賞式では受賞20作品の発表と最優秀賞と内館牧子賞の表彰が行われました。第8回は、妊娠7カ月で摂食障害になった妊婦さんが、入院中に出会った頑固師(頑固な看護師)との触れ合いを通じて母親となっていく物語をつづった一般部門・最優秀賞「ナースの頑固道(がんこみち)」がショートムービー化されています。
受賞作品ショートムービーURL:https://youtu.be/zEGDtDZin3s

■心温まるエピソードを楽曲・映像化
最優秀賞・内館牧子賞を受賞した2部門各4作品の中から1作品を選出し、楽曲・映像を製作します。作品は表彰式で紹介される他、本会ホームページに掲載されます。楽曲はシンガーソングライターであり、看護師としても活躍する瀬川あやかさんが手掛けます。

 ■審査員紹介

特別審査員
内館牧子(うちだて まきこ)

<プロフィール>
脚本家。秋田市生まれ。1988年脚本家デビュー、2006年東北大学大学院文学研究科修了。代表作は、ドラマ「都合のいい女」(フジテレビ)、「ひらり」「私の青空」(NHK連続テレビ小説)、「毛利元就」(NHK大河ドラマ)、小説「義務と演技」(幻冬舎)、「終わった人」(講談社)等。第1回橋田壽賀子賞、文化庁芸術作品賞、日本作詩大賞、放送文化基金賞など多数受賞。
第1回より本コンクールの特別審査員を務めている。

 その他、ゲスト審査員、厚生労働省・日本看護協会関係者などが審査を行います。


■楽曲制作

 

瀬川あやか(せがわ あやか)
現役看護師/シンガーソングライター

<プロフィール>
1992年4月27日生まれ(26歳)。
北海道 富良野市出身
看護師免許・野菜コーディネーターの資格を持つ

午前中は都内の病院で看護師として勤務し、午後はアーティストとして活動をする異色の“二刀流” 女性シンガーソングライター。
大学時代にミスキャンパスコンテストで準グランプリを獲得したキュートなルックスと、女性から共感を呼ぶ歌詞と類稀なメロディセンス、そしてどんなことでもすぐにポジティブに変換させる天性の明るさと伸びやかな優しい歌声を兼ね備え、2016年6月にメジャーデビュー。
今までリリースしたシングル4枚、アルバム2枚の収録曲全曲にタイアップが決定し、多くのメディアで取り上げられている。

■賞について
最優秀賞     : 看護職部門/一般部門  賞金20万円(各部門1作品)
内館牧子賞     : 看護職部門/一般部門  賞金10万円(各部門1作品)
優秀賞     : 看護職部門/一般部門  賞金3万円(各部門3作品)
入選     : 看護職部門/一般部門  「看護の日」オリジナルナースキティぬいぐるみ(各部門5作品)
※優秀賞、内館牧子賞の4作品の中から1作品を楽曲・映像化

■応募条件
・応募資格   :①看護職部門/現在、国内で看護職に就いている方、または過去に看護職に就いていた方
       ②一般部門/国内在住の方
・応募内容   :「看護」を通して得られた忘れられない思い出やエピソードを800字以内でまとめてください。
       なお、作品には必ずタイトル(題名)を付けてください。

その他応募条件、エントリー方法などに関しましては、下記URLより詳細をご確認ください。
URL       :            http://www.nurse.or.jp/episode/

■スケジュール
・募   集   期   間  : 2018年11月1日(木) ~ 2019年2月1日(金)
・受 賞 作 品 発 表: 2019年5月 表彰式で発表
・楽曲 ・ 映像披露: 2019年5月 表彰式で発表後、本会ホームページ上で掲載

■一般問い合わせ先
第9回「忘れられない看護エピソード」事務局
TEL:03-5282-8071(受付時間/10:00~18:00 土日祝日・年末年始除く)
E-mail:episode@operation-desk.jp

 
「看護の日」について
近代看護を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなみ、5月12日は「看護の日」に制定されています。看護の心、ケアの心、助け合いの心を老若男女問わず誰もが育むきっかけとなるよう、旧厚生省により1990年に制定されました。5月12日を含む日曜日から土曜日までを「看護週間」とし、毎年各地で看護に関連したイベントや活動を実施しています。
 
日本看護協会 概要
名  称 : 公益社団法人 日本看護協会
U   R  L : http://www.nurse.or.jp/
設  立 : 1947年
所 在 地  : 〒150-0001  東京都渋谷区神宮前5-8-2
事業内容 : 看護職(保健師・助産師・看護師・准看護師)の資格を持つ個人が自主的に加入し運営する、
       日本最大の看護職能団体。47都道府県看護協会(法人会員)と連携して活動する全国組織で、
       現在約73万人の看護職が加入中。個人の力だけでは解決できない看護を取り巻く課題を、
       組織の力で解決し、看護を発展させ、社会貢献する公益社団法人。


参考資料 第8回「忘れられない看護エピソード」最優秀作品
 
【看護職部門】 「患者さんの鼻くそ」  大阪府 松本 幸子さん

 へその緒。それは、お母さんと赤ちゃんがつながっていた証し。親子の絆。桐の箱に収められ親から子へと贈り伝えられる宝物。
 さながら次世代へとつなぐ命のバトン……。
 「〇〇ベイビーのへその緒がなくなりました」。朝一番の申し送りでこの言葉を耳にしたのは助産師2年目のときでした。それまでにも何度か同じことがありました。しかし、ゴミ箱やオムツ入れの中を探せば必ず見つかりました。「きっと今回も出てくる」。根拠のない自信を抱きつつ、私たちはいつも通り業務をこなし始めました。「もう一度、病棟内を探し尽くしたけど見つからない」。夜勤者が看護師長に報告しているのを耳にしたとき、「大変なことになった」という思いと同時に、「手を尽くした結果だから仕方がない」と言い訳にも似た思いが複雑に交差しました。病棟全体が「仕方がないムード」に包まれていた午後、帰宅したはずの夜勤者の1人が疲れ切った表情で現れました。
 「師長さん、やっぱり見つかりませんでした。すみません」。私は一瞬、状況が飲み込めずにいました。へその緒を諦めきれず、回収業者に連絡をし、ゴミ集積所に1人で出向いて探していたのです。看護師経験30年ぐらいのベテランさんでした。驚きを隠せない私の心を見透かしたように、すかさず師長は言いました。「例えそれが『鼻くそ』であったとしても、患者さんから預かった物は宝物のように大切に扱う。それが私たちの責任。母児、2つの命を扱う助産師の責任はもっと重たいで」と……。
 その言葉が意味する、目に見えない重圧に一瞬、言葉を失いました。「助産師を生きる覚悟」を決めた、まさにその瞬間でした。
 ことし、助産師18年目を迎えます。「患者さんの鼻くそ」は、事有るごとに私をあるべき方向へと導いてくれました。そして今、その覚悟を次世代へとつないでいきたいと願っています。さながら命のバトンのように……。



【一般部門】 「ナースの頑固道(がんこみち)」  埼玉県 小松崎 有美さん

 「緊急入院です」。私が精神科に担ぎ込まれたのは去年のことだった。病名は摂食障害。体重が増えることを恐れて水さえ飲めなくなっていた。しかもこのとき妊娠7カ月。母親の命と赤ん坊の命。2つの命が危機的状況にあった。
 真っ青な私とは対照的に看護師さんは太陽のようだった。その日から出産まで二人三脚が始まった。まず体重を増やすために毎食チョモランマのような白米が出された。しかし半分は机の引き出しに隠す。それでも看護師さんが来たとき、その黒い目はいっそう黒く光った。おなかに聴診器を当て、「ママ、おかわりって言ってるよ」。そう言うのだ。さらに「私はね、看護師だけど頑固師なのよ。絶対死んでほしくないの」と続ける。それを聞いて引き出しを開けずにはいられなかった。
 それからというもの、巡回の際には必ず聴診器でおなかの「声」を聴いてくれた。さらに私のことを「ママ」と呼んでくれた。それによって私は一歩ずつ母親になっていった。
 しかし、日がたつにつれ、出産への恐怖が強くなった。これまで満足に食事を取らなかったことで赤ん坊に何かあったらどうしよう。ああ、私は母親として失格だ。
 予定日が近づくにつれ、気が遠くなる。あるときいてもたってもいられず、ナースコールを押した。不安な思いを打ち明け、泣きながら、「お母さん。お母さん」と言った。このときなぜ「お母さん」と言ったのか。今考えると看護師さんが母親のような温かい存在になっていたからだと思う。
 そのとき、看護師さんが出したのは聴診器だった。最後の聴診器は私の胸に当てた。そして私の心の「声」を聴いてくれた。「つらかったね。大丈夫よ。赤ちゃんも大丈夫。ここまできたんだから、わがままにママになりなさい」
 これが彼女の信念。そして頑固道。私はこの言葉で覚悟を決めた。そして母親になった今、うまくいかないときでもずうずうしく前を向ける。そう思えるのもやはり、あの頑固師さんのおかげである。

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設立
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