PCR検査を阻害することなくウイルスの活性を抑えることが出来る画期的な不活化液を販売
郵送と検査両方が可能なウイルス不活化液によって、PCR検査の手間を減少させ、短時間で多検体のPCR検査実施を可能に~
現在、新型コロナウイルスへの感染をPCR検査で確認する際には、唾液など検体中のウイルスを不活化(感染しない状態に)させてから郵送する必要があります。通院途中や医療機関での感染リスクを抑え、また、配送者の感染リスクを下げるためにもウイルスの不活化が必要不可欠です。しかし、検体にウイルス不活化液を添加すると、一部のPCR検査(ダイレクトPCR)の精度が極端に低下することが課題となっています。ダイレクトPCRにおいては、検査精度を阻害しない不活化液が無いことから、郵送検査への対応が難しく、不活化しても検査精度が変わらない不活化液の開発が望まれておりました。
株式会社ビズジーンは、昨年開発した、唾液検体を使用する新型コロナウイルス抗原検査キット「VisCheck」(ビズチェック)に使われている技術を応用することでPCR検査精度の問題を解決。医療法人成和会 北大阪ほうせんか病院と連携し、ダイレクトPCR検査の精度を阻害しないウイルス不活化液の開発を行い、この度完成し販売することとなりました。
ダイレクトPCRとは
通常のPCRでは、検体から核酸を抽出・精製したDNA溶液を試薬と混ぜて行いますが、ダイレクトPCRでは、核酸を分離せずに、検体を直接試薬と混ぜPCR検査します。抽出等の作業が不要なため特別なスキルは必要なく、短時間で簡易に検査できるというメリットがあります。
厚生労働省委託事業「新型コロナウイルス感染症のPCR検査等にかかる精度管理調査業務」報告書(2021年4月)によると、行政検査を実施する保健所、医療機関、大学等のうちダイレクトPCR機を使用する割合は32.6%と報告されており、行政検査を取り扱わない機関ではさらに多いと予測されます。
技術・展望
今回、株式会社ビズジーンが開発したウイルス不活化液は、検体中に含まれるウイルス遺伝子をダイレクトPCR検査する際、その検査結果にほとんど影響を与えないことを確認しました。PCR検査需要が拡大するなか、検査の手間を大幅に低減させ、短時間で多検体のPCR検査を実施できるものと期待されます。
製品の試験方法と効果について
1. ヒトコロナウイルス(hCoV-OC43)を用いた、本品による不活化試験
ウイルス液(2×10⁶ TCID₅₀/ml)と本品又はPBS(コントロール)を等量混合し、室温で10分間放置した後、反応させて各溶液を段階希釈したものを、等量の細胞を分注した6ウェルずつに接種して4日間培養し、ウイルス感染価(TCID₅₀/ml)を評価しました。(TCID₅₀:ウイルスを接種した細胞のうち50%に感染による細胞の変化がみられるウイルス量)
※コントロール(PBS)と混合したウイルス液では感染が確認されたが、本品と混合したウイルス液においてすべての濃度について感染は見られなかった。
2.臨床検体を用いた、ダイレクトPCR法によるSARS-CoV-2遺伝子検出試験
北大阪ほうせんか病院にて、SARS-CoV-2陽性者及び陰性者(各20サンプル)の唾液検体を用い、保存液として本品又は従来ウイルス輸送液(UTM)を使用した2群を作成し、両群においてタカラPCRキットによるダイレクトPCRを行い、陽性一致率、陰性一致率、7日間保管後の本品安定性を評価しました。
※Ct値に有意な差は見られなかった
※保管前後(7日間)のCt値に有意な変化は見られなかった
製品について
商品名 : VisInact(ビズインアクト)
希望小売価格 : 700円/1キット(税別)
発売開始日 : 2021年5月31日
販売元 : ワケンビーテック株式会社
開発連携 : 医療法人成和会 北大阪ほうせんか病院
本件に関するお問い合わせ
製造元:株式会社ビズジーン mail : visgene@visgene.com
販売元:ワケンビーテック株式会社 サポートデスク 0120-749-810
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