新型コロナウイルスによる運動・スポーツへの影響に関する全国調査(速報)
新型コロナウイルスによる運動・スポーツへの影響は大きく、実施率の減少にとどまらず人々の運動・スポーツ環境にも変化をもたらす。
「スポーツ・フォー・エブリワン」を推進する公益財団法人笹川スポーツ財団(所在地:東京都港区理事長:渡邉一利 以下:SSF)は、全国の18歳から79歳の男女5,000人を対象に『新型コロナウイルスによる運動・スポーツへの影響に関する全国調査』を、6月3日から5日に実施しました。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、人と人との接触を減らす施策により、人々の身体活動量・運動量が大きく減少することが危惧されています。このような状況下で、国民の身体活動・運動の実施状況やスポーツ観戦等のニーズがどのように変化しているのかを調査しました。
※なお、詳細はSSF ウェブサイトでご覧いただけます。
http://www.ssf.or.jp/report/category1/tabid/1964/Default.aspx
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、人と人との接触を減らす施策により、人々の身体活動量・運動量が大きく減少することが危惧されています。このような状況下で、国民の身体活動・運動の実施状況やスポーツ観戦等のニーズがどのように変化しているのかを調査しました。
※なお、詳細はSSF ウェブサイトでご覧いただけます。
http://www.ssf.or.jp/report/category1/tabid/1964/Default.aspx
- 主な調査結果
1. 新型コロナウイルス感染拡大により、2020年2月~5月の間に、実施できなくなった種目。
2019年2月以降に実施していた種目のうち、新型コロナウイルス感染拡大の影響で実施できなくなったと回答した者の割合1位 水泳(77.8%)
2位 野球(71.9%)
3位 テニス(硬式テニス)(70.4%)
4位 エアロビックダンス(69.7%)
5位 ボウリング(67.9%)
新型コロナウイルス感染拡大に伴いスポーツが実施できなくなった原因には、ウイルス感染拡大による施設休業があると考えられる。(詳細は調査結果のポイント参照)
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1位 三つの密(密閉・密集・密接)の条件が揃う場所で運動・スポーツを実施しないようにする(24.0%)
2位 筋力トレーニングやヨーガなど自宅で行える運動・スポーツを中心に実施する(11.7%)
3位 マスクの着用や咳エチケットに配慮しながら運動・スポーツを実施する(9.4%)
自宅やその周辺で個人で行うことが多く、三つの密(密閉・密集・密接)になりにくい場所での運動・スポーツのニーズはすでに高まっている(詳細は調査結果のポイント参照)。
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3.スポーツ観戦の再開に向けて、イベント主催者に期待する感染防止対策
1位 アルコール消毒設備の設置やスタッフのマスク着用、室内の換気(31.8%)
2位 人と人との間隔を確保するための入場者数の制限や誘導(24.6%)
3位 来場者へマスク着用を呼び掛けるなど、感染拡大防止のための注意喚起(18.0%)
新型コロナウイルスへの感染対策を講じた上での観戦再開を期待する人がいる一方、観戦再開に慎重な意見も。(詳細は調査結果のポイント参照)
- 研究担当者コメント
また、スポーツ観戦再開に向けては、対策を講じながら再開を期待する人がいる一方、一定数は今後しばらくは観戦を控えると回答している。今後は、観戦者とイベント主催者両者の意向を汲み取った新しい観戦スタイルの構築が求められるだろう。調査は今後も継続し、新型コロナウイルスの影響により変化する社会における運動・スポーツの実態を明らかにしていきたい。
【笹川スポーツ財団スポーツ政策研究所 政策オフィサー 鈴木貴大】
- 調査結果のポイント
2019年2月以降に実施していた運動・スポーツの中で、新型コロナウイルス感染拡大の影響で実施できなくなった種目の有無をたずねた。何らかの種目が実施できなくなった人は56.0%で、運動・スポーツを実施していた人の過半数を占めた。
2020年5月までの間に実施できなくなった割合が最も高い種目は「水泳」の77.8%で、以下「野球」(71.9%)、「テニス(硬式テニス)」(70.4%)、「エアロビックダンス」(69.7%)、「ボウリング」(67.9%)などの順であった。上位10種目は、主に民間スポーツ施設や公共スポーツ施設で行われる運動・スポーツで占められており、ウイルス感染拡大による施設休業の影響がうかがえる。
図表1 新型コロナウイルスの影響で実施できなくなった種目 (n=2,807)
注1)2019年の2月以降に実施していた種目のうち、新型コロナウイルス感染拡大の影響で実施できなくなったと回答したものの割合
注2)2019年2月~2020年1月の1年間で実施率が高かった上位30種目から抽出2.今後運動・スポーツを実施する際に、最も気を付けたいこと
今後運動・スポーツを実施する際に最も気を付けたいことをたずねた。全体のうち67.5%が何かしら気を付けたいと考えている。気を付けたい内容として最も多かった回答は、「三つの密(密閉・密集・密接)の条件が揃う場所で運動・スポーツを実施しないようにする」(24.0%)であった。
また「筋力トレーニングやヨーガなど自宅で行える運動・スポーツを中心に実施する」は男性(7.8%)に対して女性(15.5%)の割合が高い。今後は三つの密(密閉・密集・密接)になりにくい、自宅やその周辺でできる運動・スポーツのニーズが高まると推測される。
図表2 今後運動・スポーツを実施する際に、最も気を付けたいこと
3.スポーツ観戦再開に向けてイベント主催者に期待する対策
今後スタジアムや競技場に足を運んでのスポーツ観戦を再開するために、イベント主催者に期待する対策をたずねた。期待する割合が最も高い対策は「アルコール消毒設備の設置やスタッフのマスク着用、室内の換気」の31.8%で、以下「人と人との間隔を確保するための入場者数の制限や誘導」(24.6%)、「来場者へマスク着用を呼び掛けるなど、感染拡大防止のための注意喚起」(18.0%)と続く。
新型コロナウイルスへの感染対策を講じた上での観戦再開を期待する人がいる一方、「今後しばらくはスタジアムや競技場での観戦を控える」は9.9%と一定数は観戦再開に慎重な姿勢を示している。年代別にみると、今後しばらくは観戦を控えると回答した40歳以上の割合はいずれも約11%であるのに対し、18~29歳は6.3%、30歳代は8.6%と、若い世代ほど観戦を控えると回答した人の割合は低く、年代によって観戦再開への意識に違いがみられた。
図表3 スポーツ観戦再開に向けてイベント主催者に期待する対策
図表4 今後しばらくは直接観戦を控えると回答した割合(年代別)
- 調査概要
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、人々のスポーツ活動の機会が奪われている。また、感染封じ込めのための人と人との接触を減らす取り組みを通じて、多くの国民の身体活動量・運動量が大きく減少することが危惧されている。こうした環境下で、国民の身体活動・運動の実施状況やスポーツ観戦等のニーズがどのように変化しているのかを調査する。
【調査対象】
全国の市区町村に在住する18~79歳までの男女5,000人(5,000サンプルが地区ごとの性別・年代別人口構成比率に近似するよう割当)
【調査方法】インターネット調査
【調査時期】2020年6月3日(水)~6月5日(金)
【調査項目】基本属性_居住地、性別、年齢、職業、世帯年収、配偶者・子どもの有無等
1) 運動・スポーツ実施状況・実施頻度
2) 新型コロナウイルスに影響を受けている運動・スポーツの実施状況
3) 新型コロナウイルスの影響による生活の変化
4) 新型コロナウイルスの影響によるスポーツ環境の変化
5) 新型コロナウイルスの影響下で、取り組んでいる運動に関する情報の入手の有無と入手先
6) スポーツ観戦状況(直接スポーツ観戦、テレビやインターネットによるスポーツ観戦)
7) 新型コロナウイルスによるスポーツ観戦への影響
8) 座位時間、日常の活動
9) 新型コロナウイルスによる心身の状態への影響
10)今後運動・スポーツを実施する際に気を付けたいこと
11)スポーツ観戦再開に向けて、イベント主催者に期待する対策
12)東京2020オリンピック・パラリンピック大会への期待
※なお、笹川スポーツ財団ウェブサイトでは、リリース掲載分に加え、上記2)~4)の調査項目についても結果を公開しています。
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