「不採用で切れる縁、もったいない」～コロナ禍の採用市場、生まれたオンラインコミュニティ～

コロナ危機が採用市場にも大きな影響を与える中、新たな人材を求め積極的に採用活動をおこなう企業もあります。株式会社plan-Aは採用の現場から「採用する側」と「される側」の新たなつながり方としてオンラインコミュニティ「IXII PORT（イクシィポート）」を誕生させました。コロナ禍で採用を続ける企業の背景や「人のつながり方」を重視した取り組みと共に、お伝えいたします。

• コロナ危機下も「人」が欲しい、変わらぬ悩み

2020年の採用市場はオフラインからオンラインを活用したビジネスモデルへの変換、コロナ危機によるニーズの高まり、アフターコロナの事業拡大期待から、今をビジネスチャンスと捉え、採用活動を積極的にすすめている企業もあります。ただ、そうした活動において「求める人材が確保できない」「採用したあとに離職されてしまう」といった企業側の悩みは依然として残ったままです。

• コロナ危機下で加速する、新しい働き方

 

一方で、働く側にも変化が起きています。コロナ危機による在宅ワークやテレワークの拡がり。さらには、副業解禁の流れも後押しとなり、自身が培ってきたスキルや経験、ネットワーク等を活かし、本業と両立させながら、会社と家庭以外のコミュニティとの関わりや地域・社会の課題解決へ参画するなど、新しい働き方が加速しています。

• SNS活用、自社サイトの強化…　企業側の取り組み

 

「採用後のミスマッチ」や「応募者との温度差」といった課題に対し、FacebookやTwitterなどのSNSを利用して採用活動をおこなう「ソーシャルリクルーティング」を取り入れたり、現場で働く社員の声や日常的な社内イベントなどを分かりやすい動画コンテンツにして発信したり、採用力を高める取り組みをしている企業は少なくありません。「働く人」にスポットライトをあてることで企業と応募者の距離を縮める狙いがあると考えられます。

 

 

• 一方通行・短期的から、対等・長期的な関係へ。採用現場から「オンラインコミュニティ」が誕生

 

株式会社plan-Aは横浜市の「イノベーション人材交流促進事業」を通して副業人材の採用活動をおこない、330名の応募者の条件面を考慮し、約100人の面談をおこないました。代表の相澤氏は応募者たちのユニークさと高い熱量に「不採用によって関係が終わってしまうのはもったいない」とオンラインコミュニティの設立を提唱。これに賛同した応募者68名が参画し、オンラインコミュニティ「IXII PORT（イクシィポート）」がスタート。現在はFacebookを中心にコミュニティの中で仕事の依頼や相談、情報収集などがおこなわれています。

【横浜市イノベーション人材交流促進事業】
https://www.city.yokohama.lg.jp/business/keizai/sougyo/jisedai/yoxojinzai.html?fbclid=IwAR2_mZy_LVH_SFGWZQeLzdvVqur0Z5qdTm08m5tqbnxBqGdh6RA6D-kf1BI
 

• 【コミュニティ参加者からのコメント】

「コミュニティへの参加を提案されたときは戸惑いましたが、おもしろそうだなとも思いました。新たな出会いと、出会いを通じた自己発見につながることを期待しています」（男性／47歳／フリーランス／地域づくり）

「業種・業界問わず、普段かかわれない方と交流できるのが魅力的です。今後、交流が活発化し、各所で化学反応が起こるのではないかとわくわくしています。お仕事の相談やイベントなど相互で助け合いができればいいなと思っています」（女性／マーケティング）

「多種多様な経歴のメンバ－が参加されていて、驚きました。ライフスタイルや働き方が変化する中でビジネスの話題だけでなく、自分の興味や関心ごとについても気軽に話ができ、そこからまた何かにつながるコミュニティとして活用できたらと思います」（女性／フリーランス広報）
 
人材活用の形は、今後さまざまに広がっていく可能性があります。コロナ渦の人材活用現場で生まれた「採用する側」と「採用される側」の新たな関係性の構築にも今後注目が集まりそうです。