EME、JCRファーマと次世代抗体VHHを活用した創薬を目指し、共同研究開発契約を締結
株式会社Epsilon Molecular Engineering(本社:埼玉県さいたま市、代表取締役社長:根本 直人、以下 EME)は、JCRファーマ株式会社(本社:兵庫県芦屋市、代表取締役会長兼社長:芦田 信、以下 JCRファーマ)と、EME独自のヒト化VHHスクリーニングプラットフォーム(”PharmaLogical® Library”(*1)とcDNA display技術(*2)を基盤としたスクリーニング方法の組み合わせにより効率的に創薬に適したVHH抗体を取得するテクノロジー、 以下 プラットフォーム)を活用し、次世代抗体VHH(*3)に関する創薬を目的とした共同研究開発契約を締結致しましたので、お知らせいたします。
本契約は、JCRファーマが開発を目指す創薬ターゲットに対して、当社のプラットフォームを用いて開発候補となるヒト化VHH抗体を同定し、JCRファーマにおいて開発候補品を創製、臨床開発を行う内容となっています。
本契約の締結に伴い、EMEは今期中に契約一時金を受領します。また 今後の研究開発進捗状況に合わせてマイルストーンフィーがEMEへ支払われます。さらに、その開発候補品が非臨床試験に進む場合、別途契約を締結し非臨床試験、臨床試験に係るマイルストーンフィーと、上市後のロイヤリティーがEMEに支払われることになります。なお、契約一時金等の金額については契約及び今後の営業政策における他の製薬企業との関係から非開示とさせていただきます。
(*1) PharmaLogical® Library:従来抗体では認識不可能な抗原結合部位を認識することができるVHHの構造的特性を最大限に反映させ設計された独自のヒト化VHH人工ライブラリー。
(*2) cDNA display技術:遺伝子型/表現型対応付けによる目的タンパクの取得を試験管内で行うことができる技術。1013-14(10兆~100兆)種類の分子を一度にスクリーニングすることが可能。
(*3) VHH:ラクダ科動物の持つH鎖のみで構成される抗体(一本鎖重鎖抗体)の可変領域(ドメイン)のことで、Variable domain of heavy chain of heavy chain antibodyという。通常の抗体と比較して安定性や修飾性に優れている。
【PharmaLogical® Libraryのポイント】
l VHH抗体の結晶構造解析データを基にしたデザイン
抗体フレームワーク部分(FR)に関して既に臨床応用されているヒトFR配列とVHHの結晶構造解析データの結果得られた構造特性を基にデザインしたヒト化VHHライブラリーです。抗原認識部位を形成する3つのCDR(相補性決定領域;Complementarity Determining Region)はアルパカ由来VHHから得られた構造特性の情報を基に設計しており、特に抗原結合に最も寄与することが知られているCDR3を大きくランダム化することで、さらなる多様性を発揮します。
l 製剤化における不均一性を引き起こすアミノ酸の出現頻度に抑制をかける設計
修飾を受けやすいアミノ酸や、システイン、プロリン残基のような大きな構造変化を引き起こす可能性のあるアミノ酸は製剤化プロセスにおける不均一性を引き起こす原因となります。これらのアミノ酸の出現頻度を抑制するCDRの設計を行うことで、創薬プロセスで生じる課題の最小化が期待できます。
l これまでにない革新的なVHHスクリーニング
PharmaLogical® Libraryの持つ10兆~100兆という多様なライブラリーサイズ、更にEMEのコア技術であるcDNA display技術を基盤としたスクリーニング系により、これまでにない革新的なVHH スクリーニングを展開することが可能です。
【株式会社Epsilon Molecular Engineeringについて】
EMEは、2016年から進化分子工学を基盤技術として革新的なモダリティ医薬品開発を行っているバイオベンチャーです。独自のスクリーニング技術や分子設計手法を強みに、医薬品開発だけでなく診断薬や再生医療用試薬の共同研究開発を行っています。「未来のバイオ分子を創造する」を企業ミッションとして、幅広く社会および人々の生活に貢献していくことを目指しています。
ホームページ: https://www.epsilon-mol.co.jp/
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