国際品種と生食用品種を世界最古の醸造法で混醸した世界でも類を見ないワイン「Anfora Rosso 2021」と「Anfora Bianco 2021」が5月22日(月)に発売。華やかで芯のある味わい
Anfora Rosso はスチューベン×メルローほか、Anfora Biancoはデラウェア×シャルドネほかを使用
開発背景|置賜地域のテロワールを世界に向けて表現する新しい味
GRAPE REPUBLICは、2017年に山形県南陽市に醸造所が設立された当時から、アンフォラという巨大な陶器の壺でワイン造りをしています。最大1000ℓのアンフォラを17基ももつ醸造所は、国内最大級でもあります。
このアンフォラを使うことがGRAPE REPUBLICのワイン醸造の特徴で、これまでもさまざまなアンフォラ醸造ワインをリリースしてきました。なかでも今回リリースされる新商品「Anfora Rosso 2021」と「Anfora Bianco 2021」は、アンフォラ醸造であることはもちろん、国際的に主流とされるブドウ品種(国際品種)に、生食用でワイン用ブドウとしても栽培されるブドウ品種(生食用品種)を、同一の容器内で醸造する混醸法を初めて用いているのが最大の特徴です。
GRAPE REPUBLICは、醸造所がある山形県置賜地域で伝統的に栽培されてきた生食用品種を使ったワイン造りを中心に行ってきました。一方で、世界を振り向かせるワインを置賜地域から生みだすためにも国際品種を取り入れたワインを造ることは、課題として積極的に取り組んできました。
「Anfora Rosso 2021」と「Anfora Bianco 2021」は、どちらも生食用のブドウ品種の華やかな香りのなかにも、国際品種に由来する深みが加わり、芯のある味に仕上がっています。置賜地域のテロワール(土地の個性)を世界に向けて表現できるワインの誕生とともに、GRAPE REPUBLICにとってネクスト・ステージと呼べるワインが生まれた記念碑的な商品です。
混醸について|近年注目が集まる醸造方法
複数のワイン用ブドウを醸造に用いる際、主に2つの方法があります。
1つは、それぞれを別々に発酵させたワインをブレンド(アッサンブラージュ)する方法です。たとえばフランスの銘醸地ボルドーは、伝統的にブレンドで造られています。それぞれのブドウ品種が、互いの特徴を補完しあうことでワインのバランスを整えるほか、天候による年毎の品質変化を抑え、味わいを安定させます。
もう1つが混醸法です。赤ワイン用のブドウと白ワイン用のブドウを混ぜて醸造するロゼワインの造り方の一つであるほか、フランス・北部ローヌ地方では、赤ワイン用ブドウのシラーに、白ワイン用ブドウを加えて混醸する文化もあります。
世界のワイン産地では近年、畑に複数のブドウ品種を植えて、一度に収獲して醸造する混植・混醸(フィールド・ブレンドとも)のスタイルも増えてきています。
GRAPE REPUBLICの醸造責任者の矢野陽之は、品種の個性を残しつつ、ブレンドにはない混醸によって生まれる全体の一体感に着目し、生食用品種と国際品種を使ったワインの新しい味わいの創出を目指しました。
「Anfora Rosso 2021」と「Anfora Bianco 2021」について
①国際品種と生食用品種を混醸
「Anfora Rosso 2021」
国際品種のメルローと生食用品種スチューベンのアンフォラでの混醸を中心に、生食用品種のデラウェアとスチューベン、ナイアガラとネオマスカットという3種類のアンフォラ混醸、最後に国際品種のカベルネ・ソーヴィニヨンのアンフォラ醸造をブレンドしています。
「Anfora Bianco 2021」
国際品種のシャルドネとデラウェアのアンフォラ混醸を中心に、ナイアガラとロザリオ(生食用品種)、ネオマスカットとナイアガラのアンフォラ混醸の3種類をブレンドしています。
②華やかななかに芯がある味わい
「Anfora Rosso 2021」
スチューベン由来の華やかで甘い香りのなかに、国際品種を代表するメルローとカベルネ・ソーヴィニヨンがシリアスな深みを与えています。
「Anfora Bianco 2021」
ナイアガラ由来のアロマティックな香りだけではダラけてしまうところを、シャルドネ由来の酸味が全体の味わいを支えています。やや塩味を感じるのも面白い特徴です。
③製造スケジュール
「Anfora Rosso 2021」(収獲年:2021年)
A. スチューベン(50%)とメルロー(50%)の混醸
9月24日 スチューベンを収穫。選果、除梗後、メルロー(山梨県産)とともに皮ごとアンフォラで漬け込み発酵・醸し
9月29日 皮を取りだしてから圧搾、果汁はステンレスタンクへ
10月19日 滓引きし、アンフォラへ。翌5月18日までアンフォラ内で熟成
B. デラウェア(75%)とスチューベン(25%)の混醸
9月23日 収穫。選果、除梗後、皮ごとアンフォラで漬け込み発酵・醸し
10月2日 皮を取りだしてから圧搾、果汁はステンレスタンクへ
10月19日 滓引きし、アンフォラへ。翌5月18日までアンフォラ内で熟成
C. ナイアガラ(50%)とネオマスカット(50%)の混醸
9月12日 収穫。選果、除梗後、皮ごとアンフォラで漬け込み発酵・醸し
9月19日 皮を取りだしてから圧搾、果汁はステンレスタンクへ
10月3日 滓引きし、アンフォラへ。翌5月18日までアンフォラ内で熟成
D. カベルネ・ソーヴィニヨンの醸造
10月28日 収穫。選果、除梗後、皮ごとアンフォラで漬け込み発酵・醸し
11月17日 皮を取りだしてから圧搾、果汁はステンレスタンクへ
12月1日 滓引きし、アンフォラへ。翌5月18日までアンフォラ内で熟成
5月18日、A50%、B35%、C3%、D12%でブレンドして、ステンレスタンクに移し貯蔵。
8月9日 瓶詰
「Anfora Bianco 2021」(収獲年:2021年)
A. ナイアガラ(55%)とロザリオ・ビアンコ(45%)の混醸
9月14日 収穫。選果後、圧搾。16日にアンフォラに移し発酵
10月14日 滓引きし、別のアンフォラへ。翌5月19日までアンフォラ内で熟成
B. デラウェア(60%)とシャルドネ(40%)の混醸
9月20日 収穫。選果、除梗後、圧搾。22日にアンフォラに移し発酵
10月14日 滓引きし、別のアンフォラへ。翌5月19日までアンフォラ内で熟成
C. ネオマスカット(50%)とナイアガラ(50%)の混醸
9月12日 収穫、選果後、全房でアンフォラに入れ漬け込み発酵
9月19日 皮を取りだしてから圧搾、果汁はステンレスタンクへ
10月3日 滓引きし、アンフォラへ。翌5月19日までアンフォラ内で熟成
5月19日 A50%、B30%、C20%でブレンドして、ステンレスタンクに移し貯蔵。
8月12日 瓶詰
④テイスティングコメント
「サローネグループ」 エグゼクティブ ソムリエ 野田俊輔
「Anfora Rosso 2021」
◆香り&味わい
香りは食用ブドウの甘やかさがあり、ラズベリーのコンポートにクローブや紅茶の香りも加わって複雑みのある印象。味わいはジューシーでフレッシュな酸味も感じられるが、アンフォラ熟成に由来するまろやかな渋味とドライな味わい。
◆温度とグラス
提供温度は空調の温度などで上がり過ぎないようにキープするのがオススメです。グラスは香りを楽しみやすいように口のすぼまったもので、ワインのボリュームに合わせて大きくないものが良いでしょう。
◆料理の組み合わせ
フルーツの甘味やフレッシュさを活かして淡白なうま味のある肉類や、青みのある野菜を使った料理と。例)豚こま肉と豆苗の赤紫蘇(ゆかり)炒め、鯖とシメジの南蛮漬け、豚の角煮(中華風に八角を使ってトンポーロー風に)
◆その他
よりフルーティーな抜栓1日目とドライでじんわりした風合いを感じられる2日目で味わいの変化を楽しむのもオススメです。
「Anfora Bianco 2021」
◆香り&味わい
マスカットの清涼感ある香りが爽やかに感じられ、味わいからは青リンゴや若い洋梨の風味を帯びたフルーティーな仕上がりで、アンフォラ熟成によるまろやかなフルーツの甘酸っぱさが感じられます。
◆温度とグラス
香りの爽快感を活かして、冷蔵庫から出したての温度から飲むのがオススメです。
グラスはワインの軽やかなボリュームに合わせて小ぶりで、酸がバランス良く感じられる口が開きすぎていないものが良いでしょう。
◆料理の組み合わせ
フレッシュさや青みのある香りを活かしてフレッシュな海鮮や、青みのあるハーブのアクセントで塩味で仕立てる料理と合わせてみては。例)帆立とウルイの塩昆布和え、イカとアスパラガスのオイルパスタ
◆その他
フレッシュさが持ち味のワインですので、抜栓後すぐに飲みきるのがオススメです。
商品概要
「Anfora Rosso 2021」(アンフォラ・ロッソ 2021)
定価 3,960円(税込)
発売日時 5月22日(月)正午
タイプ 赤ワイン(果実酒)
生産者 GRAPE REPUBLIC
生産地 山形県南陽市
ブドウ生産地 山形県、山梨県(メルロー)
ブドウ品種 スチューベン35%、デラウェア26%、メルロー24%、カベルネ・ソーヴィニヨン 10%、ナイアガラ3%、ネオマスカット2%
アルコール分 11.5%
内容量 750ml
公式オンラインショップでの販売URL
https://shop.grape-republic.com/c/item/cat_wine/GRC1086
「Anfora Bianco 2021」(アンフォラ・ビアンコ 2021)
定価 3,480円(税込)
発売日時 5月22日(月)正午
タイプ 白ワイン(果実酒)
生産者 GRAPE REPUBLIC
生産地 山形県南陽市
ブドウ生産地 山形県
ブドウ品種 ナイアガラ39%、ロザリオ・ビアンコ22%、デラウェア17%、ネオマスカット12%、シャルドネ10%
アルコール分 11.5%
内容量 750ml
公式オンラインショップでの販売URL
https://shop.grape-republic.com/c/item/cat_wine/GRC1091
※注意事項
・飲酒運転は法律で禁止されています。
・妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。
・未成年者の飲酒は法律により禁止されています。
醸造責任者のコメント|GPARE REPUBLIC 醸造責任者・矢野陽之
国際品種と生食用のブドウ品種を混醸することは、世界的に見ても珍しい取り組みだと思います。
なぜなら世界的なワインマーケットで見るとメルローやシャルドネなど、国際的に主流とされるブドウ品種の方が生食用品種のデラウェアやナイアガラ、スチューベンなどに比べ価値が高いと考える傾向が根強くあるからです。
そのため、国際品種に特性の違う生食用品種を混ぜて醸造するという考え方は非常識。おそらく「国際品種がもったいない」とか「ワイン造りを知らないやつだ」という考えがあるからだと思います。つまり、国際品種と生食用品種の混醸を誰もやろうと考えません。
仮に国際品種と生食用品種の両方を使ったワインを造るなら、それぞれ別々に醸造したのちできあがったワインをブレンドするアッサンブラージュの方法を採ると思います。
奇想天外、非常識と言われても仕方がない国際品種と生食用品種の混醸をGRAPE REPUBLICが挑戦したのは、醸造所がある置賜地域のテロワールをワインで表現しようと考えているからです。
伝統的に栽培されてきたデラウェアなどの生食用ブドウを材料の中心にしながら、世界のワインラヴァーにも愛される国際品種も用いたワイン造りをする。そのため、自社農園や契約農家で2017年頃から国際品種のブドウ栽培もはじめています。
私たちGRAPE REPUBLICにとって、国際品種と生食用品種に優越はつけていません。ですから「もったいない」とも思いませんし、むしろ誰も挑んだことのない新しいワインの味わいを生みだすことができると、ワクワクしています。
実際、完成した「Anfora Rosso 2021」と「Anfora Bianco 2021」は、想定していた以上に新しい味わいを生みだしています。GRAPE REPUBLICがネクスト・ステージに突入したと感じていただけるような商品になっていると思います。
矢野陽之 プロフィール
1989年、神戸市出身。調理師学校卒業後に神戸市のイタリアンレストランに勤務。ソムリエの資格取得後、イタリア、オーストラリア、ニュージーランドに渡り、ブドウ栽培、ワイン醸造を学んだ。ニュージーランドでは、GRAPE REPUBLICのアドバイザーでもあるAlex Craighead(アレックス・クレイグヘッド)氏に師事。2018年、「GRAPE REPUBLIC」に参画するため帰国し、山形県南陽市に移住。2019年から醸造責任者に。
「アンフォラ」について|8,000年前からある自然な醸造法
アンフォラは、ステンレスタンクやオーク樽とともにブドウ果汁の発酵や貯蔵をする容器の一つで、素焼きの細長い巨大な壺のこと。ヨーロッパには、最大で内容量が4,000ℓにもおよぶアンフォラもあります。壺は、地中に埋められ、一度設置されたら掘りかえすことはありません。
8,000年前からワイン造りに用いられていたことがわかっており、アンフォラを使ったワイン造りは現存する世界最古のワイン醸造法といえます。
アンフォラを使った醸造では、収穫したブドウを除梗機で実と枝に分けたあと、プレス機にかけたり、時には足で踏むことにより破砕したものや、皮ごとの実をアンフォラ内に保存します。あとは別の菌に冒されないよう、二酸化炭素のガスとともに密閉するだけで、自ら発酵してワインができあがります。
また、樽や木桶の容器のように空気を通しやすい素焼きの壺が土中にあることで外気の温度変化を受けにくく、かつ微量の酸素に中の液体が触れることで、ほどよく酸化しながら熟成されるほか、特有の卵型の形状により、内部で自然に対流が生まれ、他の醸造法では必要な撹拌をせずにワインをじっくりと熟成させることができます。そのためアンフォラ醸造のワインは、独特の風味と複雑な味わいが特徴です。
GRAPE REPUBLICとは
GRAPE REPUBLICは、土地ごとの気候、地勢、土壌のみならず、そこに暮らす人や、人々が育んできた文化を含めた「テロワール」という概念を第一に考えたワイナリーです。山形県南陽市に、2017年に醸造所を設立して以来、一貫して“Made of 100% Grapes”という言葉を掲げてワインを造り続けています。ブドウ以外のものを使わず、ワインを造るという意味で、醸造の過程で、酸化防止剤は使用せず、補糖や補酸も行わず、酵母は天然のものだけにこだわっています。
この姿勢は、ワインの原料になるブドウの栽培においても一貫しており、南陽市や置賜地域の風土を生かして作られたワイン用ブドウを第一に、自社畑では除草剤や殺虫剤をはじめとする農薬等は使用せず、有機栽培を行っています。
またアンフォラ醸造設備は、高さ1.8m内容量1,000ℓのアンフォラが8基あるほか、高さ1.5m内容量700ℓのアンフォラが9基あり、合計17基をもつ日本最大級の醸造所です。
GRAPE REPUBLICは、山形県置賜地域に醸造所を建設する前から、同地で盛んに栽培されていた生食用のブドウ品種、デラウェアやスチューベンを使ったワイン造りをすることを考えていました。
デラウェアやスチューベンといったブドウ品種は、華やかで甘い香りがするワインになる一方で、樽での発酵や熟成では香りがマッチせず、ステンレス熟成では特徴を出しづらく、GRAPE REPUBLICらしさを、どのように出していくかが課題でした。
そこで考えたのがアンフォラを使ったワイン造りでした。アンフォラを使うことで、丸みのある味わいになるほか、とくにデラウェアのピンク色の果皮を活かして、皮ごと発酵させる、いわゆるオレンジワインを作ることもできなど、置賜地域で栽培されているブドウとの相性の良さも、アンフォラ醸造を採用した要因の一つです。
なお、GRAPE REPUBLICの17基のアンフォラは、スペイン・カタルーニャ地方の「ティナハ」から、直輸入したものです。
独特な味わいと風味を与えるアンフォラ醸造ですが、アンフォラ自体が地中に埋まっていることもあって、掃除が大変です。変形する恐れがあるため、アルカリ性の洗剤では掃除できないほか、熱湯をかけるなど殺菌のための一般的な掃除をすることができません。
そのため、アンフォラのなかに人が入って、内部に付着した酒石酸などの汚れを、亜硫酸を使ってブラシでこすり落としていきます。さらに内部を水で洗い流し、洗い流した水をポンプでくみ上げて、ふたたび汚れを落とすことを繰り返す。ステンレスタンクなら5分で終わる掃除に2時間もかかることもあります。
そうした手間をかけてでもGRAPE REPUBLICは、アンフォラ醸造を使ったワイン造りをするのは、置賜地域のテロワールをも表現し、日本ワインにしか造りえない個性が表現できると信じているからです。自然が造った作物「ワインは農作物である」ということこそ、私たちが考えるこれからの日本ワインであり、GRAPE REPUBLICが目指す個性のあるワインです。
GRAPE REPUBLIC 公式サイトURL
【お問合せ先】
株式会社グレープリパブリック
広報担当:三ヶ山(みかやま)
電話:0238-40-4130
メールアドレス:info@grape-republic.com
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