「華」と「間」を操る、華道家・熊野寿哉　個展「Reaching into…」 今週末１０月１３日（金）より、５日間だけの限定開催

【 アーティストトーク】熊野寿哉 × 川崎昭氏（mouse on the keys）対談 決定！

２０２３年１０月１３日（金）から１０月１７日（火）まで、展覧会「Reaching into…」をelephant STUDIO(渋谷区渋谷２-７-４)にて開催します。

熊野寿哉　個展「Reaching into…」

https://elephant.tokyo/archive/hisayakumano-reachinginto.html

• 展覧会について

 伝統芸術と言われる華道作品は、使用する素材の性質から現物を残すことが不可能であり、故に作者の思いや作品の持つ意味合いは長い歴史の中で口伝として伝承されて来た為、介入する人間の数が多ければ多い程、真髄は不明瞭なものへと変化し、今となっては探る術が皆無に等しい。

 今回の展覧会は、その不明瞭なものを取り払い、真髄を見出すべく、人間が花を何かの切欠で生けだした時の事を想像し構成致します。文明や文化が築かれる以前の、飾られていた目的が明確ではない花を、今の時代に時間移動させたような演出をし、観る側の想像力増加の切欠となるような設え。また生け花は植物を素材にした極めてアナログな余白までも重視した空間/視覚芸術であるという基本概念を再認識しつつ、更に発展させる為、これまで行われた事のない鑑賞者の体感温度や時間軸変化の錯覚も今回の展示では試みます。(本展はベルリンへ巡回を予定)

• 展覧会開催概要

【展覧会名】　 熊野寿哉 個展「Reaching into…」

【会    期】　   ２０２３年１０月１３日（金）〜 １０月１７日（火）

 　　　　　　　開館時間１１:００〜１９:００ ※会期中無休
【会    場】　  elephant STUDIO（渋谷区渋谷２-７-４ 2F）

【入 館 料】　 無料

• 【 アーティストトーク】熊野寿哉 × 川崎昭氏（mouse on the keys）対談 　

Instagramライブを２０２３年１０月１３日（金）１９：００から発信いたします。

開催日時

２０２３年１０月１３日（金）１９：００ごろ（約20分間）

配信アカウント

Instagram：https://www.instagram.com/hkumano/ 　　

< 川崎昭/Akira Kawasaki >

mouse on the keys/PULSE DiSPLAY /作曲家/ドラマー

インストゥルメンタル・バンドmouse on the keysを中心に活動。世界15カ国200カ所以上にのぼる海外ツアー、フジロックなどの大型野外フェスティバルへの出演、建築家・安藤忠雄とのコラボレーション、TVCMやTVドラマへの楽曲提供など分野や国境を越え、国内外で高い評価を得ている。

• アーティスト プロフィール

熊野寿哉/Hisaya Kumano

華道家・空間演出家：1975年大阪生まれ。

洋画家であった父の影響で幼少の頃より美術に囲まれた環境で育ち、学生時代は油絵を学んだ。10代後半で上京しファッションデザイナーを生業にするも、芸術との格差に違和感を覚え始めていた頃に生け花に出会う。以来古典的なものから、現代美術として独自の解釈をした作品を創作し、国内の主要な能楽堂、ラグジュアリーホテル、映画のセット内にて装花及びディレクションなど大規模なものから、有名旅館や飲食店、ファッションブランドの展示会などミニマムな要素を必要とするものまで幅広く携わり、その活動エリアは日本のみならず、NY、ソウル、ブエノスアイレスと広範囲に渡る。昨年より開催されたマツモト建築芸術祭では2年連続アソシエイトプログラムをトータルプロデュース、国登録有形文化財 Satoyama Villa 本陣、建築家・篠原一男の設計の日本浮世絵博物館にて宝生流能楽師 辰巳満次郎、アオイヤマダ、スティーブエトウ、Daisuke Niitome(mouth on the keys)らとコラボレーションを行う。植物の持つエネルギーや神秘性を最大限に引き出す為に、時としてそれらが飾られる空間までも造り込み独特で幻想的な世界観を演出するのを得意とする。

• 展覧会ステートメント

 例えば一緒に暮らしていた小動物が寿命を迎え土に還す時。近くの草花を摘んで供える行為はどの国の人達にも無意識的に備わっている感情表現だと認識している。それが特に植物の豊かに育つ日本においては強く根付いており、加え国土の狭さによるミニマムな美意識や独特の世界観、樹木信仰、常緑信仰などが複雑に混ざり合い文化として発展、華道として成立、進化してきたのだと思う。その唯一無二の“美しさ“は世界的にも評価の高い芸術として知られているのは解説を要さないが、近年その本質が世情の不明瞭さと比例して別の物に変わってしまったように感じる。今回の展覧会はそんな歯痒さを拭い切るべく開催する事に致しました。個が他人や言葉すら必要としない純粋な感情表現としての供花。雑念が消え去り極々シンプルな植物との対話のみが存在する場所。時間の概念を感じる必要のない心地よく現実から切り離された空間を提供できるよう、DNAの記録を探った一部の様なものの可視化を試みます。