サイクルツーリズムを支えるアプリ「CyclingFriends」ウェブ版を公開！

「みんなで作るサイクリングマップ」をコンセプトとしたサイクリスト向けプラットフォーム、CyclingFriendsのウェブ版が5月28日に公開されました。

株式会社テラインコグニタ

2024年6月1日 16時40分

活動日記は、標高図とタイムラインに加え、サイクリングマップ上に自分が走ったコース、撮影した写真、記載したストーリーが掲載され、共有できるようになっています。

CyclingFriendsは、「みんなで作るサイクリングマップ」をコンセプトとしたサイクリスト向けのプラットフォームです。走行記録を元に、位置情報、写真と文章で作り上げた活動日記が共有できるのみならず、データとして地図上に落とし込まれていく仕組みが特徴です。電動アシスト付きやスポーツタイプ自転車の普及が続いている中で、地方にスポットを当てたカーボンフリーな観光方式として注目されている「サイクルツーリズム」の発展に一役を担うことが期待されています。

2018年から、日本が抱える様々な社会的課題に寄与できるソフトモビリティとして、国土交通省が「自転車活用推進計画」を促進しています。しかし、日本社会は既存のインフラが車に特化して作られてきた背景があり、既存の環境はサイクリスト特有のニーズに応えられていないことも現状です。

サイクリングマップに反映されるデータの増加により、地図の精度そのものだけではなく、コースの探索から設計、そして活動日記の共有や振り返りまで、サイクルツーリズムを支える機能が一貫して整備されていきます。

立ち上げから4ヶ月ほど経過したところで、録者数が517名、活動日記の投稿数は2967件、絶景スポットの投稿数は1255件、写真の投稿数は11384件に上るなど、好評のスタートを切りました。

今回の更新では、バックエンドで地理データの処理を担うAPI、ウェブアプリとモバイルアプリの三者を完全に切り分けることが一番の狙いで、今後の展開に向けて求められている本格的な開発環境の構築に繋がります。

代表のことば

お陰様で、CyclingFriendsコミュニティの土台を作ることができ、ますますのスタートを切ることができました。大きな価値提供ができるだけの活性度にはまだ達していませんが、これまで機能が限定的で、不具合も多い中でも、コンスタントに活動日記を上げたり、タイムリーにフィードバックを頂く熱狂的なユーザーが何十名もいらっしゃることに希望を持っています。

現状では、活動日記を作成する方法は、モバイルアプリの位置情報による収録、ファイルアップロード（*.gpxと*.fit対応）、そしてGarmin Connectとの同期の3つに限定されてるので、これからは対応のサイクルコンピューターブランドを増やし、利便性を高めていく必要があります。

元自転車ロードレース競技のプロ選手でもある、株式会社テラインコグニタ代表取締役のボシス氏

今後は、活動日記を作れるところから、走行データを元にしたインセンティブ設計に提供価値の軸を少しずつ移していきたいと思っています。

走行中に訪れたスポット、路線や地域からポイントを稼ぎ、そのポイントを自社のECサイトで割引に転換できる仕組みを構築していきます。当面は、自転車関連商品が主になると思いますが、狙いとしては今後、訪れた地域の特産品を手にできる仕組みに繋げて行ければと考えています。地域の特産品は、酒、お米や生物が多いのですが、サイクリストはこういったものを持って帰ることができませんので、サイクリストと地域、両方の課題を同時に解決できるのではないかと思っています。

また、国土交通省が推進している「自転車活用推進計画」では、自転車が電車に持ち込める「サイクルトレイン」、ポンプや工具セットを備えている事業者のネットワーク化や、自転車と一緒に泊まれる宿など、ハード面を中心に様々な取り組みが進んでいますが、この情報はサイクリストに行き届いていない現状もあります。地域との連携を強化していく中で、一元化してサイクリングマップに表示し、行政の取り組みを後押しできないかなと考えています。

サイクリングデータを取り扱うアプリという意味では、「Strava」という大きな競合がいるのですが、Stravaはあくまで「パフォーマンス」の観点でデータを取り扱っており、日本やアジアは「ツーリズム」の観点で取り組んでいるサイクリストの方が多いので、一定の利便性に達すれば、SNSにおける活動日記の発信、検索エンジンでの表示率、そして口コミから広がっていく可能性が十分に高いのではないかと考えています。