令和6年春の特別展「夢みる光源氏-公文書館で平安文学ナナメ読み!-」国立公文書館で開催
~「夢」をテーマに、『源氏物語』やその注釈書を中心とした資料で、平安文学を学ぶ~
独立行政法人国立公文書館(所在地:東京都千代田区、館長:鎌田 薫)は、令和6年3月16日(土)~5月12日(日)の間、令和6年春の特別展「夢みる光源氏-公文書館で平安文学ナナメ読み!-」を開催いたします。
和歌や物語には、「夢」が神仏のお告げであったり、亡き人からの伝言であったり、不思議な力を持つものとして描かれています。それは当時の信仰・文化の一つであり、これらを読むことによって平安貴族の精神世界に迫ることができます。本展では「夢」をテーマに、『源氏物語』や国立公文書館が所蔵するその注釈書を中心とした平安文学に関する資料を展示いたします。
令和6年春の特別展「夢みる光源氏-公文書館で平安文学ナナメ読み!-」見どころ
■平安文学が描く夢の世界
◆プロローグ
『古今和歌集』から小野小町の和歌「思ひつつぬればや人の見えつらむ夢としりせばさめざらましを」により、平安貴族の夢に対する関心について紹介します。
◆第Ⅰ章 和歌・漢詩に描かれた「夢」
勅撰和歌集の中でも特に『源氏物語』へ至る物語までに編まれた三代集(『古今和歌集』『後撰和歌集』『拾遺和歌集』)から、「恋人が夢に現れる」「夜着を裏返しに着て眠ると恋しい人と夢で逢える」などの習俗を紹介します。また、『和漢朗詠集』から、寂寞の象徴として描かれる旅寝の夢について紹介します。
◆第Ⅱ章 物語と随筆に描かれた「夢」
『源氏物語』成立に大きな影響を与えた『伊勢物語』や、清少納言が著した『枕草子』などから、当時の夢占いが「夢語り(夢の内容を他人に話すこと)」「夢解き(他人の夢を分析すること)」の組み合わせで行われていたことを紹介します。また、『源氏物語』と同時代に成立した随筆『更級日記』から、夢を通した神仏のお告げを紹介します。
◆第Ⅲ章 『源氏物語』の「夢」
『源氏物語』「夕顔」から、夢に現れた女の霊が夕顔にとりつく場面、「若紫」からは光源氏が不穏な夢を「夢解き」させると藤壺懐妊の知らせが届く場面を紹介します。また、「明石」「朝顔」「横笛」から、それぞれ桐壺院・藤壺・柏木ら、亡くなった人が夢に現れる場面を紹介します。
◆第Ⅳ章 『源氏物語』研究の来た道
中世の公家から近世の幕臣まで、『源氏物語』研究に携わった人々について、注釈書を通して紹介します。また「横笛」の夢に対する注釈の読み比べによって、それぞれの注釈書の特徴を紹介します。
◆第Ⅴ章 光源氏たちの「現実」
『源氏物語』の時代背景について、歴史物語(『大鏡』『栄花物語』)や日記(『御堂関白記』『権記』)を通して紹介します。政変・疫病・災害・事件が頻発する不安定な時代だったことを紹介します。
◆エピローグ
『小右記』が藤原道長の死の夢について「夢は虚実あるもの」と述べている箇所を展示し、記主の藤原実資が夢に対し客観的な見方を示していたことを紹介します。
関連イベントについて
■展示解説会■
企画担当者が見どころを紹介する展示解説会を行います。
展示会をより深く理解できるイベントです。
【概要】
日時:3月25日(月)午後2時00分~(40分程度)
会場:国立公文書館東京本館4階会議室
参加費無料・事前申込制
参加人数:40名(先着順)
募集方法:メールにより、参加受付を行います。
受付期間・受付方法は当館HP、SNSをご覧ください。
■「平成の書」「令和の書」原本特別展示■
以下の期間で「平成の書」及び「令和の書」の原本を特別に展示いたします。
【概要】
展示期間:令和6年3月23日(土)~4月7日(日)
場所:国立公文書館東京本館常設展示室
オリジナルグッズの販売
■展示会図録 800円
展示資料を詳細に解説。A4サイズ・46頁。
■テーブルマット(紙製)
紫式部日記画巻 800円
江戸時代末に編纂・刊行された「丹鶴叢書」より。「紫式部日記絵巻」の一部が木版で収められています。B4サイズ・4柄各2枚(計8枚)・OPP袋入り。
※「紫式部日記画巻」は、今回の特別展では展示しておりません。
■一筆箋
小野小町 500円
「古今和歌集一首撰」より。和紙20枚綴り。
【開催概要】
特別展タイトル:「夢みる光源氏-公文書館で平安文学ナナメ読み!-」
開催期間 :令和6年3月16日(土)~5月12日(日)
※4月8日(月)は休館
開催地 :国立公文書館 東京本館1階展示ホール
〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園3-2
アクセス :東京メトロ東西線 竹橋駅下車 1b出口 徒歩5分
開催時間 :午前9時15分~午後5時00分
※4月26日(金)・5月10日(金)は、午後8時まで開館します!
入場無料・予約不要
国立公文書館HP:https://www.archives.go.jp/exhibition/
<報道関係の方からのお問い合わせ先>
独立行政法人国立公文書館 担当:長坂 鈴木 TEL:03-3214-0641
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