養老孟司代表の「一般社団法人 養老の森」が環境省の定める「自然共生サイト」に認定
「30by30目標」達成に向けた生物多様性保全区域の認定取得
一般社団法人 養老の森(所在地:山梨県南都留郡道志村5964 / 代表理事:養老孟司)は10月21日に、これまでの活動が評価され、環境省の定める生物多様性保全に資する区域「自然共生サイト」に認定されました。
自然共生サイトとは、「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」として国が認定する区域です。これを機に活動の輪を一層広げ、養老の森をより多くの人に知っていただき、より多くの人の協力で、皆様の想いを次代に伝える森にしていきたいと思います。
国際社会では2030年までの「ネイチャーポジティブ(自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させること)」実現に向け、「30by30(サーティ・バイ・サーティ)目標」を掲げています。
養老の森はこれまでの10年間の活動に加え、今後も100年を見据えて活動を展開し、この目標の実現に貢献していきます。
30by30(サーティ・バイ・サーティ)目標とは
「30by30」は、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)というゴールに向け、陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標です。
2022年12月の生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で、2030年グローバルターゲットの1つとされました。
日本においては、30by30目標の国内達成に向けた仕組みの構築を目指し、環境省主導で「生物多様性のための30by30アライアンス」を設立し、自然共生サイトの認定を進めています。
自然共生サイトは、「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を国が認定するものであり、認定区域はOECM※として国際データベースに登録されます。
※ Other Effective area-based Conservation Measuresの略。民間等の取り組みにより保全が図られている地域や、保全を目的としない管理が結果として自然環境を守ることにも貢献している地域
養老の森とは
一般社団法人 養老の森は、代表理事養老孟司が提唱する「森に還る、街から山へ参勤交代」をテーマに、子どもも大人も自然を五感で感じることの喜びを見つけ出すこと、自然への適度な「手入れ」を実行していくことで新たな暮らしを提案しています。
山村の自然は最高の教師であり、自然環境の教育から心の教育、また山村と都市との関係等社会性まで幅広く学び、答えのない様々な課題を自ら解決できるフィールドです。
しかし今、豊かな森を支えるはずの農山村は様々な問題を抱え疲弊しきっています。そして人口の流出や農林業の衰退は日々続き、農山村は存亡の機にあります。こんな現実を踏まえて、もう一度森の暮らしを問い直し、放棄された森や農地、暮らしを健康に育もうというのが「養老の森」です。
自然共生サイト評価のポイント
一般社団法人 養老の森は、自然共生サイトの認定にあたり、以下の点が評価されました。
・「森に還る、街から山への参勤交代」をテーマに、自然観察会や農山村の暮らしを体験するイベント(養蜂、木工など)、四季折々の景観を背景に能舞台や音楽演奏会などの伝統芸術鑑賞会を定期的に開催しており、豊かな自然環境を生かした独自の活動を展開していること
・昆虫のモニタリングリストが詳細で同定精度も高いこと
2023年度からこれまでに認定された自然共生サイトは、大手企業や自治体の所有地が多くを占めており、民間団体の自然共生サイトはまだ多くはありません。そんな中で、今年で10周年を迎えた養老の森が、これからの100年を見据えて現在地を確認する節目の年に認定されたことは、その活動の独自性が理解されたものと解釈しています。
代表理事 養老孟司(東京大学名誉教授)
やがて自然の森になっていけばいいというだけで、特別のことをするつもりはありません。
ただそうはいってもよい森、悪い森があるはずで、どんな風にするのが理想的なのか、これから皆さんと一緒に勉強していきたいと思ってます。
あそこに行けば、あんな珍しい虫がたくさんいる。そうなってくれるとうれしいのですが。
理事・事務局長 大田昌博(有限会社オム代表取締役/前道志村長)
このたびの「自然共生サイト」認定を受け、さらに生物多様性の森づくりに皆様とともに励んでまいりたいと思います。
養老の森は手入れのできていない人工林を人の手が入ることで豊かな自然環境を取り戻そうと道志村の地で森づくりを進めています。横浜市をはじめ下流域のための水源涵養機能の向上、森林災害に強い森づくり、土壌動物、昆虫、鳥類、野生生物、植物など多様な動植物が生息できる環境づくりを仲間と共にイベントなどを通して進めてまいります。人々の暮らしの場としての体験、山村文化と都市との交流により新たなコミュニティの創造なども進めています。私たち人間にとっても自然環境は大事であり切り離すことのできないものであります。
養老の森をさらに多くの人の協力を得て、50年先100年先の未来へ繋げてまいりたいと思いますのでよろしくお願いします。
場所:
〒402-0208 山梨県南都留郡 道志村5964
公式サイト:
養老の森の生物多様性への取り組み
日本の山林の多くは人工林です。この山林が手入れもされず放置されています。このままでは土砂崩落等の危険性はもとより森林の持つ洪水緩和、渇水緩和、水質浄化などの機能が十分発揮されません。
「養老の森」では、水源地にふさわしい多様な生態系のある豊かな森からの恵みを受け取れるモデルを構築したいと思います。
森林整備:間伐、植林、下草刈り、山道の整備など
暮らしの場構築:伝統食の復活体験、郷土芸能の体験、山菜採り、自然エネルギーの利用、2拠点生活の提唱など
生物多様性:動植物の調査、昆虫を中心にした保護、育成など
ホームページリニューアルで情報発信
一般社団法人 養老の森は10周年を迎え新たなスタートとして、ホームページも全面リニューアルしました。
森での活動紹介、様々なイベントや観察会などの募集、森林整備活動(ボランティア)の募集、養老の森へのご支援などの情報を発信します。
養老孟司の提唱する「森に還る、街から山へ参勤交代」をテーマに、森の間伐や植樹、伝統的な食生活や郷土芸能の復活、昆虫や動植物の調査・保護、2拠点生活の提唱などの活動を行い、森と親しみ森を知り森を支える情報発信の場とします。
多様な動植物の保全、地域へのPR、生物多様性の主流化に向けた普及啓発などに貢献してまいります。
一般社団法人 養老の森公式サイト:
養老の森10周年記念スペシャル鼎談
2024年7月27日(土)に養老の森10周年記念鼎談 養老の森理事たちが語り合う 「森」が開催されました。代表理事の養老孟司と理事の柴咲コウ、藻谷浩介の3名が、それぞれの立場から森を語り合い、養老の森を散策しました。
鼎談の動画「養老の森理事たちが語り合う森」、予告編。
本編(約1時間)動画を視聴されたい方
養老孟司代表理事、藻谷浩介理事、柴咲コウ理事の鼎談の模様を収録し編集した動画(約1時間)は寄付を頂いた支援者さまに先行限定公開しています。(ご寄付を頂いた方に限定公開URLをお知らせいたします)
詳細はこちらから
これからの100年を見据え、養老の森は次代に伝える森を目指します。
会社概要
法人名 : 一般社団法人 養老の森
代表者名 : 養老孟司
代表者役職 : 理事長
所在地 : 山梨県南都留郡 道志村5964
本件に関するお問い合わせ先
担当者名 : 事務局 青木 隆
Email : info@yoro-mori.com
すべての画像