Ippu Senkinとビューカードは協業し生成AI活用を通じた与信業務効率化に向けた取組みを開始しました。

- 生成AIを活用した審査マニュアル検索アプリ「みちびき」を開発 -

株式会社Ippu Senkin

株式会社Ippu Senkin

株式会社ビューカード

株式会社Ippu Senkin(代表取締役社長:鈴木 秀弥、以下「Ippu Senkin」)と、株式会社ビューカード(代表取締役社長:新井 健一郎、以下「ビューカード」)は、ビューカードのクレジットカード入会審査業務における生成AI活用についての取組みを開始いたしました。

本取組みでは生成AIを活用した審査マニュアル・FAQ検索アプリケーション「みちびき」の開発により、審査業務の標準化・効率化を図ることで、さらなるお客さまサービスの品質向上に取り組んでまいります。

取組みの背景と目的

近年、様々な業界において生成AI技術の活用が進んでおり、クレジットカード業界でも顧客サービスの向上や業務効率化を目的とした導入検討が活発化しています。ビューカードにおいても、生成AIの業務適用可能性およびそのビジネスインパクトへの高い関心から、積極的な生成AI活用に向けた取組みを進めております。

本取組みでは、「みちびき」の開発を通して、以下の4つの目的達成を目指します。

  1. 審査業務の標準化・効率化を図る。

  2. 生成AIの業務適用可能性やそのビジネスインパクト、実現に向けた今後の課題を明らかにする。

  3. 良質なデータ資産の構築、技術ナレッジの蓄積を行い、生成AIを活用した更なる業務の効率化・高度化に向けたデータ基盤を築く。

  4. 生成AI活用に向けた高度な人材の育成を行い、「みちびき」の運用内製化に向けた体制を整える。

アプリケーション「みちびき」の特長

開発中の検索結果画面:ユーザーは、検索を実行すると回答内容(画面左)と共に関連マニュアルの参照箇所(画面右)を確認することが可能
  1. 高セキュリティと将来性を両立したシステム構成

    機密性が高い情報を取り扱うため、すべてのシステムをオンプレミス環境で構築・運用し、情報漏洩リスクを極小化。同時に、将来的な拡張性も考慮し、柔軟なシステム設計を採用することで、セキュリティを担保しながらクラウド環境へのスムーズな移行も可能な構成を実現。

  2. ハイブリッド検索システム(RAG×FAQ)

    マニュアルから適切な情報を取得した上でLLM※1が回答を生成するRAG※2と、蓄積されたFAQから迅速に回答を提示するFAQ検索を組み合わせ、幅広い質問への的確な回答を実現。

  3. 高度な検索・回答精度

    大量のマニュアルの記載内容を生成AIが理解しやすい形になるよう「みちびき」内でデータ前処理を実施。具体的には適切なチャンキング、メタ情報の付与、図表の処理を実施した上でデータベース化を行うことで、回答精度の向上を実現。

  4. ビューアー機能で原典情報を表示

    検索結果画面では、回答と共に根拠となるマニュアル情報を表示。ユーザーは回答の根拠となっている箇所を即座に確認でき、ハルシネーションへの対策が可能。

  5. 利用ログを有効活用した精度改善サイクルの確立

    管理者が利用ログやユーザーフィードバックを収集・分析すること、FAQデータベースの拡充や、マニュアル更新箇所を効率的に特定することが可能。FAQ拡充については、管理者がFAQを手動で作成する方法に加えて生成AIによるFAQ自動生成機能を開発。また、ユーザーフィードバックや生成された回答内容を基に、情報の更新が必要なマニュアル箇所を生成AIが効率的に特定する仕組みも整備。これにより、アプリの利用が進むにつれてFAQは充実し、マニュアルもより精緻化されるため、検索・回答精度が一層向上。

  6. 不適切利用の検知

    ユーザーの業務外利用や危険な内容を含む質問などを生成AIで検知。検知した場合は管理者にアラートで通知。アラートを活用することで安全な運用体制の整備が可能。

  7. マニュアル改訂業務の効率化

    ユーザーは検索結果に対してコメントを登録することが可能。例えば、情報が古い記載を指摘することが可能。管理者はコメントを基に、改訂すべき箇所を効率的に特定することができ、マニュアルの質向上に貢献。

  8. 直感的に操作可能なUI

    実際のユーザーフィードバックを基に、本当に必要な機能を厳選して実装。シンプルながら洗練されたUIで、直感的に操作可能。

開発中の管理者ページ画面:管理担当者はユーザーの利用ログや、ユーザーからのフィードバック・コメント等を確認することが可能
システム概要図

※1 Large language Models:大規模言語モデル。

※2 Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成。


今後の展開

本取組みでは、将来的なクラウド環境への移行を見据え、柔軟なシステム設計を採用しており、セキュリティを担保しながらスムーズな移行が可能な構成となっています。

「みちびき」の今後の機能拡張として、審査ルールの変更等に伴うマニュアルの更新業務において、LLMを活用した関連箇所の効率的な探索機能や、マニュアル更新と連動した「みちびき」データベースの自動更新機能の開発を予定しています。

両社コメント

ビューカード 与信管理部長 上田 晃功 氏
「審査の自動化が進み、人による審査は複雑な案件ばかりになりました。それに伴い、審査のマニュアルやFAQは1000ページ以上と増加し、参照先を確認するのに多大な時間等を要していました。今回、検索にとどまらずLLMによりFAQを自動で生成することでハルシネーションを漸減していく仕組みはIppu Senkin様の提案と支援があり実装できたものです。審査担当者の評価も高く、今後はクラウド化を進め業務の効率化に役立てていく予定です。」

Ippu Senkin 代表取締役 鈴木 秀弥
「生成AIを業務プロセスに適切に組み込むことで、ユーザーがその存在を意識せずに利用できるアプリケーションこそが、真の価値を創出すると考えています。ビューカード様との本取組みでは、審査担当者への繰り返しのヒアリングを通じてUI/UXの向上に注力し、生成AIを初めて利用する方でも直感的に操作できるアプリケーションを開発しました。また、裏側では生成AIを適切に活用することで、高い検索・回答精度を実現しています。こうした取組みを通じて、ユーザーが使いやすいアプリケーションを提供するとともに、将来的には審査業務以外の領域への生成AI活用の横展開や審査業務へのより高度な生成AI活用を実現し、幅広い業務課題の解決に貢献してまいります。」


株式会社ビューカードについて

株式会社ビューカードは、JR東日本グループの一員として、クレジットカード事業「ビューカード」を展開しています。便利でおトクなサービスの提供により、お客さまのより豊かな生活の実現をサポートするとともに、グループの共通基盤としてキャッシュレス決済の推進に取り組んでいます。

会社名:株式会社ビューカード

代表者:代表取締役社長 新井 健一郎
所在地:東京都品川区大崎一丁目5番1号 大崎センタービル
URL:https://www.jreast.co.jp/card/

株式会社Ippu Senkinについて

株式会社Ippu Senkinは、クライアント企業のビジネス効率や収益向上を目指し、AIアプリケーション開発およびAI活用支援コンサルティング事業を提供しています。特に、生成AIを用いた高度な業務プロセスの支援や、AI・データ戦略の策定、さらには内製化を含む人材育成まで、包括的なサービスを通じて支援します。

会社名:株式会社Ippu Senkin

代表者:代表取締役 CEO 鈴木 秀弥
所在地:東京都中央区銀座一丁目22番11号銀座大竹 ビジデンス 2F
URL:https://ippu-senkin.com

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経営・コンサルティング
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会社概要

株式会社Ippu Senkin

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URL
https://ippu-senkin.com/
業種
サービス業
本社所在地
東京都中央区銀座一丁目22番11号 銀座大竹ビジデンス2F
電話番号
-
代表者名
鈴木秀弥
上場
未上場
資本金
-
設立
2024年05月